2018年03月23日更新 ジフテリアの発生状況- イエメン

イエメンでは、昨秋からIbb(イッブ)県を発端とするジフテリアの流行が報告されていました。WHO、UNICEF、政府保健当局は、流行が拡大を防ぐために、大規模なワクチン接種キャンペーンを行いました。

情報の詳細

WHO、UNICEF、政府保健当局は、ジフテリアの拡大を制御するために大規模なワクチン接種キャンペーンを行いました。

このキャンペーンでは、11県で暮らす生後6週から15歳までの子どもたち約270万人が接種の対象とされました。(また)このキャンペーンでは、ジフテリアの疑い患者が報告されている地域と呼吸器感染症の拡大に大きなリスクのある地域に焦点が当てられました。キャンペーン中は、地域での関わりやこのワクチンの管理(接種を含む)など、6,000人を超える医療従事者が活動していました。

2017年10月の最初の報告では、この流行は全国に急速に拡大し、1,300人以上が感染し、70人がいのちを落としました。この患者たちの約80%は、25歳未満の若い成人と子どもでした。

「私たちは、この流行を制御し、いのちを救うために時間と戦っています。」「ほとんどが崩壊してしまった医療体制や内紛が、この対策を深刻にも妨げてきましたが、私たちは緊急に必要とされる抗生物質や治療を支えるジフテリア抗毒素(DAT)の配給を管理し、現在も、さらに流行が拡大することのないように、ワクチン接種への取り組みを拡大させています。」とWHOイエメン代表者Nevio Zagaria博士は述べています。

イエメンにおけるジフテリアの急速な拡大は、近年の定期予防接種の接種率と間に大きな解離があることを強く示しており、健康医療体制が崩壊していることを意味しています。部分的または十分な機能を果たしているのは、全ての保健医療施設のわずか50%だけです。

2017年11月と12月に、WHOとユニセフは、イッブ県の7歳未満の子ども約45万人にジフテリアに対する予防接種を行いました。ここは、報告されたすべての患者の約35%を占める最悪の感染発生状況でした。

ワクチン接種キャンペーンは、政府保健当局、UNICEF、WHOによって実施されたジフテリアへの感染を制御するさらに大きな対策計画の一環です。この取り組みと平行して、調査活動や患者の発見の強化、検査施設の処理能力の強化、医療機関のジフテリア隔離病棟へのジフテリア抗毒素(DAT)の調達と配給、接触者を追跡するための緊急対策チームの研修と派遣、地域社会における予防的な抗菌薬の供給などが含まれています。ジフテリアおよびその他の感染症から身を守る方法を地域社会で周知させるために、健康教育や啓発キャンペーンも実施されています。

ジフテリアは、ジフテリア菌(Corynebacterium diphtheriae)の特定の菌株から産生される強力な毒素によって引き起こされる呼吸器感染症です。咳やくしゃみをすることで空気の飛沫によって広がります。ジフテリアの予防接種は、この病気の予防に安全かつ有効な方法です。

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