2018年03月29日更新 コレラの流行状況- ソマリア(更新)

WHO東地中海地域事務局(EMRO)より、ソマリアで流行しているコレラについての3月28日現在の状況が公表されました。

情報の概要

ソマリアの保健省は、2018年第11週(3月12-18日)に、新たなコレラ患者136人(死亡者0人)を報告しました。報告された患者は、2歳未満の子どもが45%を占めています。2017年12月に始まった流行の累積総患者数は1,613人、関連する死亡者は9人(致死率 0.6%)となりました。

この流行は、Hiran(ヒーラーン)州Beledweyneから始まり、Shabelle(シェベリ)川に沿った地域集落に拡がっていったと言われています。新たな患者の報告が、Banadir(バナディール)州、ヒーラーン州、Lower Jubba(下部ジュバ)州、Middle Shabelle(中部シェベリ)州で続いています。

4州にある6つのコレラ治療センターで採取された糞便検体76本のうちの25本がコレラ菌(Vibrio cholerae)に対して陽性でした。

WHOは、保健省、WASH(健康/水と衛生の環境を整備する)活動、健康推進への支援組織、地元の保健当局などと、対策活動の計画作成と実施に合同で取り組んでいます。この活動には、現場での治療の提供、コレラ治療センターでの患者管理への支援、調査活動、緊急対策チームの配置、地域医療担当者の参画、医療用の必要物品の供給、感染の発生地域における保健衛生教育、衛生物品の配布などが含まれています。

コレラは、ソマリアに常在しています。2017年には、コレラの大流行が発生し、患者79,172人と関連する死亡者1,159人が報告されました。経口コレラ・ワクチン(OCV)の接種キャンペーンが、この流行に対応して全国のホット・スポット(感染の激しい地域)で実施され、新規の患者数が上手く抑えられてきました。

2月11日から18日に、Bakol(バコール)州Hudurと下部ジュバ州Afmadowで第1回目の経口コレラ・ワクチン接種キャンペーンが実施され、WHOはこれを支援しました。1歳以上の子ども合計176,037人が2回の経口コレラ・ワクチンの接種を受けました。第2回目のキャンペーンは3月末に行われる予定です。このワクチンの接種キャンペーンは、これまでコレラ予防接種を受けていなかった人を対象としています。

出典

EMRO/WHO.Epidemic and pandemic-prone diseases.28 March 2018
Outbreak update- cholera in Somalia
http://www.emro.who.int/pandemic-epidemic-diseases/cholera/outbreak-update-cholera-in-somalia-28-march-2018.html