2018年06月15日更新 MERSの最新状況 2018年5月
2018年5月末までに全世界で、790人の関連死亡者(致死率35.6%)を含む、合計2,220例の検査により確認された中東呼吸器症候群(MERS)の症例が報告されました。これらの症例の大多数(1,844例のうち関連死亡716例、致死率38.8%)はサウジアラビアから報告されました。
5月の1ヶ月間に全世界で、検査によりMERSと確認された12症例が報告されました。サウジアラビアからは11例(うち関連する死亡1例)、アラブ首長国連邦からは1例が報告されています。
5月の最後の週に、Najran地域では検査室で確認されたMERS8症例の家族集団(cluster)が報告されました。ラクダとの接触歴を持ち、診断前にラクダの生乳を摂取した最初の症例(index case)を除いて、この集団の残りの7症例のいずれもラクダとの接触歴はありませんでした。
この集団の最初の症例が2018年5月17日に症状を発現した後、5月31日までに、この集団から7例の二次感染症例が報告されました。密接な接触者が経過を観察中であり、そのうちの何人かは検査の結果を待っているため、この集団からはさらに多くの症例が報告されることが予想されます。
報告された症例の人口統計的および疫学的特徴は、2013年から2018年までの同時期に比較して、有意な差異または変化を示しません。病院での感染予防と管理の改善により、2015年以降、MERSの入院患者数は大幅に減少しました。
50~59歳の年齢層は、MERSの最初の感染症例(ラクダ等からの感染)となるリスクが最も高いです。30-39歳の年齢層は、二次感染症例(ヒト等からの感染)となるリスクが最も高いです。死亡者数は、初回感染症例では50~59歳、二次感染症例では70~79歳の年齢層で高いです。
出典
MERS situation update, May2018
Epidemic and pandemic-prone diseases (EMRO/WHO)
http://www.emro.who.int/pandemic-epidemic-diseases/mers-cov/mers-situation-update-may-2018.html