エボラウイルス病 - コンゴ民主共和国(更新16)
Disease outbreak news:更新 2019年4月4日
先週、コンゴ民主共和国におけるエボラウイルス病(EVD)の症例数が著しく増加しました。過去21日間(2019年3月13日から2019年4月2日)の間に、12の保健区域内のうち57の保健地域から新しい症例が報告されました。 135の保健地域の42%が今日までにエボラウイルス病の影響を受けています(表1と図2)。この期間中、合計172の確定症例がカトワ(Katwa)(50)、ヴホヴィ(Vuhovi)(34)、マンディマ(Mandima)(28)、マセレカ(Masereka)(18)、ベニ(Beni)(13)、ビュトンボ(Butembo)(12)、オイチャ(Oicha)(8)、カイナ(Kayna)(3)、ルベロ(Lubero)(3)、カルングタ(Kalunguta)(1)、ブニア(Bunia)(1)、ムシエネネ(Musienene)(1)から報告されました。 世界保健機関(WHO)とパートナーは、これらの保健地域におけるエボラウイルス病がより拡大することを制限するために、引き続き戦略を適合させ、対応努力を強化していきます。
4月2日の時点で、累計1100件の確定および高度疑い症例が報告されており、そのうち690人が死亡しました(致死率63%)。年齢と性別が報告されている1100人のうち、58%(633人)が女性、29%(320人)が18歳未満の子供でした。感染した医療従事者の数は、27人の死亡例を含めて、81人(全症例の7%)に増加しました。
今日までに、エボラ治療センター(ETCs)で治療を受けた合計338人のエボラウイルス病患者が退院しました。エボラの生存者にケアを提供し、持続可能な地域の対応能力を築くための幅広いプログラムの一環として、WHO、保健省、およびエモリー大学とノースカロライナ大学からの眼科医チームの協力のもと、眼科治療のトレーニングプログラムと診療所が今週ベニで完成しました。合計252人のエボラウイルス病の生存者が眼科クリニックでスクリーニングされ、10人の国内の眼科医が彼らの地域社会でより高いレベルの眼科医療を提供するよう訓練されました。参加している国の医療提供者と登録されている生存者からのフィードバックは圧倒的に前向きでした。注目すべきは、現在のエボラウイルス病生存者の同一属性集団で目にした臨床所見のいくつかでした。チームは、ブドウ膜炎などの合併症は、2014 - 16年の西アフリカエボラウイルスアウトブレイクからの症例と比較した場合、より低い割合で観察されたと述べました。
3月25日から26日にかけてゴマ(Goma)でリスクコミュニケーションおよび地域社会参加パートナー会議が開催され、アウトブレイク対応に参加したさまざまなパートナーを代表する80人以上の関係者が参加しました。議論は、過去に機能した地域参加の戦略、現在現場で何が行われているのか、そして私たちの現在得られたものを基盤とし将来の課題に取り組むために何を改善する必要があるのかに焦点を当てました。
対応戦略において、地域社会によるより大きな関与とオーナーシップを促進することを強調する最近の流れは、結果を生み出し始めています。 ビュトンボやカトワ周辺の特定の地域では、地域社会の消極的な態度や不信感が残っていますが、他の地域ではアウトブレイクに取り組んでいる公衆衛生関係者の存在に対する抵抗が著しく低下しています。直接対話を通じてコミュニティ委員会に参加するための熱心な取り組みの結果、カトワでエボラ治療センターが再開され、ベニ、ビュトンボ、ゴマ、コマンダ(Komanda)、マンギナ(Mangina)に6つのエボラ治療センターが、そしてベニ、ブニア、カトワ、カイナ、ブワナスラ(Bwanasura)、オイチャに6つのトランジットセンターが設置されました。誤解のリスクを最小限に抑え、地元住民と医療提供者との間の潜在的な不信の源を軽減するために、地域社会における事件を調査し解決するためのより積極的なアプローチも行われています。
今週の症例数の増加は、アウトブレイクが発生している困難な環境、ならびに日常的なアウトブレイク対応が直面している多くの展開中の問題を強調します。コンゴ民主共和国におけるエボラウイルス病の拡散を抑制するためには、感染伝播の連鎖を断ち切るための実証済みの措置の厳格な実施、徹底的な接触者の追跡、継続的な高リスク接触者への予防接種、および持続的な地域社会巻き込みへの取り組みを含む総合的なアプローチをやり抜かなければなりません。
図1:2019年4月2日時点のエボラウイルス病症例の週ごとの確定例および高度疑い例のデータ*
*ここ数週間のデータでは、症例の確定と報告の遅れ、継続的中のデータクリーニングの遅れの影響を受けています。
図2:2019年3月29日時点でのコンゴ民主共和国北キブ州およびイトゥリ州の保健地域別のエボラウイルス病の確定例と高度疑い例
画像の拡大
表1:2019年4月2日時点のコンゴ民主共和国北キブ州およびイトゥリ州の保健区域別のエボラウイルス病の確定例と高度疑い例、および影響を受けた保健地域の数**
画像の拡大
**過去21日間に発生した症例と地域の合計は、最初の症例警報の日付に基づいており、確定日および保健省による毎日の報告とは異なる場合があります。
4月2日の時点で、累計1100件の確定および高度疑い症例が報告されており、そのうち690人が死亡しました(致死率63%)。年齢と性別が報告されている1100人のうち、58%(633人)が女性、29%(320人)が18歳未満の子供でした。感染した医療従事者の数は、27人の死亡例を含めて、81人(全症例の7%)に増加しました。
今日までに、エボラ治療センター(ETCs)で治療を受けた合計338人のエボラウイルス病患者が退院しました。エボラの生存者にケアを提供し、持続可能な地域の対応能力を築くための幅広いプログラムの一環として、WHO、保健省、およびエモリー大学とノースカロライナ大学からの眼科医チームの協力のもと、眼科治療のトレーニングプログラムと診療所が今週ベニで完成しました。合計252人のエボラウイルス病の生存者が眼科クリニックでスクリーニングされ、10人の国内の眼科医が彼らの地域社会でより高いレベルの眼科医療を提供するよう訓練されました。参加している国の医療提供者と登録されている生存者からのフィードバックは圧倒的に前向きでした。注目すべきは、現在のエボラウイルス病生存者の同一属性集団で目にした臨床所見のいくつかでした。チームは、ブドウ膜炎などの合併症は、2014 - 16年の西アフリカエボラウイルスアウトブレイクからの症例と比較した場合、より低い割合で観察されたと述べました。
3月25日から26日にかけてゴマ(Goma)でリスクコミュニケーションおよび地域社会参加パートナー会議が開催され、アウトブレイク対応に参加したさまざまなパートナーを代表する80人以上の関係者が参加しました。議論は、過去に機能した地域参加の戦略、現在現場で何が行われているのか、そして私たちの現在得られたものを基盤とし将来の課題に取り組むために何を改善する必要があるのかに焦点を当てました。
対応戦略において、地域社会によるより大きな関与とオーナーシップを促進することを強調する最近の流れは、結果を生み出し始めています。 ビュトンボやカトワ周辺の特定の地域では、地域社会の消極的な態度や不信感が残っていますが、他の地域ではアウトブレイクに取り組んでいる公衆衛生関係者の存在に対する抵抗が著しく低下しています。直接対話を通じてコミュニティ委員会に参加するための熱心な取り組みの結果、カトワでエボラ治療センターが再開され、ベニ、ビュトンボ、ゴマ、コマンダ(Komanda)、マンギナ(Mangina)に6つのエボラ治療センターが、そしてベニ、ブニア、カトワ、カイナ、ブワナスラ(Bwanasura)、オイチャに6つのトランジットセンターが設置されました。誤解のリスクを最小限に抑え、地元住民と医療提供者との間の潜在的な不信の源を軽減するために、地域社会における事件を調査し解決するためのより積極的なアプローチも行われています。
今週の症例数の増加は、アウトブレイクが発生している困難な環境、ならびに日常的なアウトブレイク対応が直面している多くの展開中の問題を強調します。コンゴ民主共和国におけるエボラウイルス病の拡散を抑制するためには、感染伝播の連鎖を断ち切るための実証済みの措置の厳格な実施、徹底的な接触者の追跡、継続的な高リスク接触者への予防接種、および持続的な地域社会巻き込みへの取り組みを含む総合的なアプローチをやり抜かなければなりません。
図1:2019年4月2日時点のエボラウイルス病症例の週ごとの確定例および高度疑い例のデータ*
*ここ数週間のデータでは、症例の確定と報告の遅れ、継続的中のデータクリーニングの遅れの影響を受けています。
図2:2019年3月29日時点でのコンゴ民主共和国北キブ州およびイトゥリ州の保健地域別のエボラウイルス病の確定例と高度疑い例
画像の拡大
表1:2019年4月2日時点のコンゴ民主共和国北キブ州およびイトゥリ州の保健区域別のエボラウイルス病の確定例と高度疑い例、および影響を受けた保健地域の数**
画像の拡大
**過去21日間に発生した症例と地域の合計は、最初の症例警報の日付に基づいており、確定日および保健省による毎日の報告とは異なる場合があります。
公衆衛生上の取り組み
保健省、WHO、およびパートナーによる公衆衛生上の取り組みの活動に関する詳細情報については、WHOアフリカ地域事務局によって公表された最新の状況報告書を参照してください。
Ebola situation reports: Democratic Republic of Congo
Ebola situation reports: Democratic Republic of Congo
WHOのリスク評価
WHOは、疫学的状況の変化とアウトブレイクの状況を継続的に監視し、対応への支援が展開する状況に適応するようにします。直近の評価では、国内および地域のリスクレベルは非常に高いままで、国際的なリスクレベルは低いままであると結論付けられました。 カトワとビュトンボにおけるエボラ治療センターへの攻撃は、エボラへの対応を直接狙った最初の大規模で組織的な攻撃であり、地域社会における不信のエピソードや戦闘隊同士の砲火に巻き込まれる危険性とは大きさが異なります。政治的緊張や不安定な治安のために悪化した、地域社会における不信の孤立地帯(ポケット)の存続の結果、アウトブレイクの影響を受けた地域の症例の調査と対策活動に、繰り返される一時的な中断と遅れが生じ、全体の介入の効果が減少しました。これらの事象は症例発生が減少する傾向の中で起こります。また同時に、確定例における死亡の大部分は地域社会内から報告されていること、エボラ治療センターにおける発見と分離の持続的な遅れ、高度疑い例のタイムリーな報告と対応についての困難な課題、これらが一緒になって、影響を受けた地域社会におけるさらなる感染伝播の連鎖の可能性およびコンゴ民主共和国内から近隣諸国までの地理的な拡大のリスクを増大させます。治安がより悪化する期間には人々の移動が増加するというリスクが見込まれます。
WHOからのアドバイス
国際交通 WHOは現在入手可能な情報に基づき、コンゴ民主共和国への渡航や貿易に対していかなる制限も行わないよう勧告します。現在のところ、エボラウイルスから人々を守るワクチンは認可されていません。したがって、国境を越えた移動や、コンゴ民主共和国を離れる乗客に対してビザ発給の制限の基準として、エボラワクチンの接種証明書を要求することは合理的ではありません。WHOは厳重な監視を継続し、必要であれば今回の事象に関連した渡航と貿易の措置を検証します。渡航者は渡航前に医師の診察を受けるべきであり、良い衛生慣習を実践すべきです。
詳しくは、以下を参照してください。
-Press briefing on Ebola, WHO Director-General Dr Tedros
-WHO Director-General reiterates commitment to Ebola response despite another attack
-WHO expresses concern over damage to Ebola treatment facilities in DRC
-Ebola response in Democratic Republic of the Congo risks slowdown
-SAGE interim recommendations on vaccination against EVD, 20 February 2019
-Statement on the October 2018 meeting of the IHR Emergency Committee on the Ebola virus disease outbreak in the Democratic Republic of the Congo
-WHO Interim recommendation Ebola vaccines
-WHO recommendations for international travellers related to the Ebola Virus Disease outbreak in the Democratic Republic of the Congo
-Ebola virus disease in the Democratic Republic of the Congo ―Operational readiness and preparedness in neighbouring countries
-Ebola virus disease fact sheet
(註1)進行中の再分類、遡及調査、および検査結果の入手可能性により、症例数が変更されることがあります。
詳しくは、以下を参照してください。
-Press briefing on Ebola, WHO Director-General Dr Tedros
-WHO Director-General reiterates commitment to Ebola response despite another attack
-WHO expresses concern over damage to Ebola treatment facilities in DRC
-Ebola response in Democratic Republic of the Congo risks slowdown
-SAGE interim recommendations on vaccination against EVD, 20 February 2019
-Statement on the October 2018 meeting of the IHR Emergency Committee on the Ebola virus disease outbreak in the Democratic Republic of the Congo
-WHO Interim recommendation Ebola vaccines
-WHO recommendations for international travellers related to the Ebola Virus Disease outbreak in the Democratic Republic of the Congo
-Ebola virus disease in the Democratic Republic of the Congo ―Operational readiness and preparedness in neighbouring countries
-Ebola virus disease fact sheet
(註1)進行中の再分類、遡及調査、および検査結果の入手可能性により、症例数が変更されることがあります。
出典
Ebola virus disease―Democratic Republic of the Congo
Disease outbreak news: Update 4 April 2019
https://www.who.int/csr/don/04-april-2019-ebola-drc/en/
Disease outbreak news: Update 4 April 2019
https://www.who.int/csr/don/04-april-2019-ebola-drc/en/