エボラウイルス病 - コンゴ民主共和国(更新17)
Disease outbreak news:更新 2019年4月11日
今週も、コンゴ民主共和国の北キブ州で観察されたエボラウイルス病(EVD)の症例数の増加が続いています。過去21日間(2019年3月20日から2019年4月9日まで)に、11の保健区域内の57の保健地域で新たな症例が報告されました。これまでに141の保健地域の40%(表1および図2)が影響を受けました。この期間中、合計207の高度疑いおよび確定症例がカトワ(Katwa)(83)、ヴホヴィ(Vuhovi)(41)、マンディマ(Mandima)(29)、ベニ(Beni)(21)、ビュトンボ(Butembo)(15)、オイチャ(Oicha)(8)、マセレカ(Masereka)(4)、ルベロ(Lubero)(2)ムシェネネ(Musienene)(2)、カルングタ(Kalunguta)(1)、およびマバラコ(Mabalako)(1)から報告されました。
4月9日現在、合計1186件の確定および高度疑いのエボラウイルス病症例が報告されており、そのうち751人が死亡しました(致死率63%)。年齢と性別が報告されている1186件の症例のうち57%(675人)が女性で、29%(341人)が18歳未満の子供でした。り患した医療従事者の数は、31人の死亡者を含めて、87人(総症例数の7%)に増加しました。今日までに、エボラ治療センター(ETC)で治療を受けた合計354人のエボラウイルス病の患者が退院しました。
WHO事務局長のテドロス・アドハノム・ゲブレイサス(Tedros Adhanom Ghebreyesus)は、4月12日に緊急委員会を開催し、現在のエボラウイルス病のアウトブレイクが国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態であるかどうかを検討し、勧告を行いました。
今週の現場での進展は、主にアウトブレイクのホットスポットエリア内およびその周辺での感染予防と管理(IPC)活動の強化に焦点が当てられました。 感染予防と管理のチームは、地域の指導者との定期的な直接対話に積極的に参加することにより、一部の地域住民の除染活動への消極的な行動の対応に努力を集中しています。除染作業の強化に加えて、その他の感染予防と管理対策として、医療施設や患者の自宅での感染予防と管理の実践の迅速な評価、エボラウイルス病症例と接触する危険性が高い施設の特定などが行われています。これらの迅速な評価の結果から、施設の種類に応じてさまざまな感染予防と管理上のギャップが明らかになりました。これらのギャップについては、補足的な指導を通じて速やかに対処されました。繰り返される問題には、標準予防策の知識の不足、トリアージおよび隔離能力の欠如、用具類の供給不足(例えば個人用保護具の)、不適切な廃棄物管理、および医療器具の除染能力の欠如が含まれます。これらの調査結果は、取り組みを通して優先的な施設で支援的な監督と指導を維持することの重要性を強調しています。 WHOは、これらの感染予防と管理対策を強化することが、アウトブレイクの地域におけるエボラウイルス病の拡大を遅らせるための不可欠な手段になると確信しています。
WHOとリスクコミュニケーションおよび地域社会の関与に関するパートナーは、コミュニティとエボラ対応チーム間の信頼関係を築き維持するための活動を継続しています。地域社会委員会との対話は、ビュトンボ、カトワ、ヴホヴィのホットスポット地域で進行中であり、地域社会によるエボラ対応における大幅なオーナーシップの増加の重要な部分を形成しています。地域社会の不満についての情報は体系的に収集され監視され、エボラ対応への積極性の欠如、拒絶、または抵抗につながる誤解ができる限り迅速にフォローされ、解決されます。これは、コンゴ民主共和国とその周辺地域の両方で進行中の対話やさまざまな研究活動を通じて寄せられた、地域社会のメンバーからのフィードバックによって可能になりました。
寄せられたフィードバックおよびアウトブレイク対応に対する個別の懸念に対処するために、さまざまな流行地におけるエボラ治療センター(ETCs)のガイド付き訪問が組織されています。エボラ治療センターへのこれらのガイド付き訪問に参加した学生やコミュニティ協会は、エボラウイルス病患者がどのように治療されているかを直接目にすることができ、エボラウイルス病を取り巻く誤った情報の蔓延の阻止および継続している対応努力に役立ちます。
この1週間もセキュリティの状況は落ち着いています。 ベニ、ビュトンボ市(北キブ)、およびYumbi地域(マイ-ンドンベ)での国および州の立法選挙に関して独立国家選挙委員会(Commission Electorale Nationale Independante)が4月9日に公表した暫定的な結果は、対応活動に顕著な不安や混乱を引き起こしませんでした。
今週の症例数の増加は、流動性の高い人口、武装グループによる断続的な攻撃、および限られた医療インフラをともなう地理的に困難な地域で効果的なアウトブレイク対応を行うという複雑な現状を反映しています。これらの困難な課題にもかかわらず、WHOとパートナーは、多面的な対応の取り組みを継続的に強化することにより、これらの脆弱な人々の間でのエボラウイルス病の拡大を抑制することに引き続き関与していきます。
図1:2019年4月9日時点のエボラウイルス病症例の週ごとの確定例および高度疑い例のデータ*

*ここ数週間のデータでは、症例の確定と報告の遅れ、継続的中のデータクリーニングの遅れの影響を受けています。
図2:2019年4月9日時点でのコンゴ民主共和国北キブ州およびイトゥリ州の保健地域別のエボラウイルス病の確定例と高度疑い例

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表1:2019年4月2日時点のコンゴ民主共和国北キブ州およびイトゥリ州の保健区域別のエボラウイルス病の確定例と高度疑い例、および影響を受けた保健地域の数**

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**過去21日間に発生した症例と地域の合計は、最初の症例警報の日付に基づいており、確定日および保健省による毎日の報告とは異なる場合があります。
4月9日現在、合計1186件の確定および高度疑いのエボラウイルス病症例が報告されており、そのうち751人が死亡しました(致死率63%)。年齢と性別が報告されている1186件の症例のうち57%(675人)が女性で、29%(341人)が18歳未満の子供でした。り患した医療従事者の数は、31人の死亡者を含めて、87人(総症例数の7%)に増加しました。今日までに、エボラ治療センター(ETC)で治療を受けた合計354人のエボラウイルス病の患者が退院しました。
WHO事務局長のテドロス・アドハノム・ゲブレイサス(Tedros Adhanom Ghebreyesus)は、4月12日に緊急委員会を開催し、現在のエボラウイルス病のアウトブレイクが国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態であるかどうかを検討し、勧告を行いました。
今週の現場での進展は、主にアウトブレイクのホットスポットエリア内およびその周辺での感染予防と管理(IPC)活動の強化に焦点が当てられました。 感染予防と管理のチームは、地域の指導者との定期的な直接対話に積極的に参加することにより、一部の地域住民の除染活動への消極的な行動の対応に努力を集中しています。除染作業の強化に加えて、その他の感染予防と管理対策として、医療施設や患者の自宅での感染予防と管理の実践の迅速な評価、エボラウイルス病症例と接触する危険性が高い施設の特定などが行われています。これらの迅速な評価の結果から、施設の種類に応じてさまざまな感染予防と管理上のギャップが明らかになりました。これらのギャップについては、補足的な指導を通じて速やかに対処されました。繰り返される問題には、標準予防策の知識の不足、トリアージおよび隔離能力の欠如、用具類の供給不足(例えば個人用保護具の)、不適切な廃棄物管理、および医療器具の除染能力の欠如が含まれます。これらの調査結果は、取り組みを通して優先的な施設で支援的な監督と指導を維持することの重要性を強調しています。 WHOは、これらの感染予防と管理対策を強化することが、アウトブレイクの地域におけるエボラウイルス病の拡大を遅らせるための不可欠な手段になると確信しています。
WHOとリスクコミュニケーションおよび地域社会の関与に関するパートナーは、コミュニティとエボラ対応チーム間の信頼関係を築き維持するための活動を継続しています。地域社会委員会との対話は、ビュトンボ、カトワ、ヴホヴィのホットスポット地域で進行中であり、地域社会によるエボラ対応における大幅なオーナーシップの増加の重要な部分を形成しています。地域社会の不満についての情報は体系的に収集され監視され、エボラ対応への積極性の欠如、拒絶、または抵抗につながる誤解ができる限り迅速にフォローされ、解決されます。これは、コンゴ民主共和国とその周辺地域の両方で進行中の対話やさまざまな研究活動を通じて寄せられた、地域社会のメンバーからのフィードバックによって可能になりました。
寄せられたフィードバックおよびアウトブレイク対応に対する個別の懸念に対処するために、さまざまな流行地におけるエボラ治療センター(ETCs)のガイド付き訪問が組織されています。エボラ治療センターへのこれらのガイド付き訪問に参加した学生やコミュニティ協会は、エボラウイルス病患者がどのように治療されているかを直接目にすることができ、エボラウイルス病を取り巻く誤った情報の蔓延の阻止および継続している対応努力に役立ちます。
この1週間もセキュリティの状況は落ち着いています。 ベニ、ビュトンボ市(北キブ)、およびYumbi地域(マイ-ンドンベ)での国および州の立法選挙に関して独立国家選挙委員会(Commission Electorale Nationale Independante)が4月9日に公表した暫定的な結果は、対応活動に顕著な不安や混乱を引き起こしませんでした。
今週の症例数の増加は、流動性の高い人口、武装グループによる断続的な攻撃、および限られた医療インフラをともなう地理的に困難な地域で効果的なアウトブレイク対応を行うという複雑な現状を反映しています。これらの困難な課題にもかかわらず、WHOとパートナーは、多面的な対応の取り組みを継続的に強化することにより、これらの脆弱な人々の間でのエボラウイルス病の拡大を抑制することに引き続き関与していきます。
図1:2019年4月9日時点のエボラウイルス病症例の週ごとの確定例および高度疑い例のデータ*

*ここ数週間のデータでは、症例の確定と報告の遅れ、継続的中のデータクリーニングの遅れの影響を受けています。
図2:2019年4月9日時点でのコンゴ民主共和国北キブ州およびイトゥリ州の保健地域別のエボラウイルス病の確定例と高度疑い例

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表1:2019年4月2日時点のコンゴ民主共和国北キブ州およびイトゥリ州の保健区域別のエボラウイルス病の確定例と高度疑い例、および影響を受けた保健地域の数**

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**過去21日間に発生した症例と地域の合計は、最初の症例警報の日付に基づいており、確定日および保健省による毎日の報告とは異なる場合があります。
公衆衛生上の取り組み
保健省、WHO、およびパートナーによる公衆衛生上の取り組みの活動に関する詳細情報については、WHOアフリカ地域事務局によって公表された最新の状況報告書を参照してください。
Ebola situation reports: Democratic Republic of Congo
Ebola situation reports: Democratic Republic of Congo
WHOによるリスク評価
WHOは、疫学的状況の変化とアウトブレイクの状況を継続的に監視し、対応への支援が展開する状況に適応するようにします。直近の評価では、国内および地域のリスクレベルは非常に高いままで、国際的なリスクレベルは低いままであると結論付けられました。 カトワとビュトンボにおけるエボラ治療センターへの攻撃は、エボラへの対応を直接狙った最初の大規模で組織的な攻撃であり、地域社会における不信のエピソードや戦闘隊同士の砲火に巻き込まれる危険性とは大きさが異なります。政治的緊張や不安定な治安のために悪化した、地域社会における不信の孤立地帯(ポケット)の存続の結果、アウトブレイクの影響を受けた地域の症例の調査と対策活動に、繰り返される一時的な中断と遅れが生じ、全体の介入の効果が減少しました。これらの事象は症例発生が減少する傾向の中で起こります。また同時に、確定例における死亡の大部分は地域社会内から報告されていること、エボラ治療センターにおける発見と分離の持続的な遅れ、高度疑い例のタイムリーな報告と対応についての困難な課題、これらが一緒になって、影響を受けた地域社会におけるさらなる感染伝播の連鎖の可能性およびコンゴ民主共和国内から近隣諸国までの地理的な拡大のリスクを増大させます。治安がより悪化する期間には人々の移動が増加するというリスクが見込まれます。
WHOからのアドバイス
国際交通: WHOは現在入手可能な情報に基づき、コンゴ民主共和国への渡航や貿易に対していかなる制限も行わないよう勧告します。現在のところ、エボラウイルスから人々を守るワクチンは認可されていません。したがって、国境を越えた移動や、コンゴ民主共和国を離れる乗客に対してビザ発給の制限の基準として、エボラワクチンの接種証明書を要求することは合理的ではありません。WHOは厳重な監視を継続し、必要であれば今回の事象に関連した渡航と貿易の措置を検証します。渡航者は渡航前に医師の診察を受けるべきであり、良い衛生慣習を実践すべきです。
詳しくは、以下を参照してください。
-Press briefing on Ebola, WHO Director-General Dr Tedros
-WHO Director-General reiterates commitment to Ebola response despite another attack
-WHO expresses concern over damage to Ebola treatment facilities in DRC
-Ebola response in Democratic Republic of the Congo risks slowdown
-SAGE interim recommendations on vaccination against EVD, 20 February 2019
-Statement on the October 2018 meeting of the IHR Emergency Committee on the Ebola virus disease outbreak in the Democratic Republic of the Congo
-WHO Interim recommendation Ebola vaccines
-WHO recommendations for international travellers related to the Ebola Virus Disease outbreak in the Democratic Republic of the Congo
-Ebola virus disease in the Democratic Republic of the Congo ―Operational readiness and preparedness in neighbouring countries
-Ebola virus disease fact sheet
(註1)進行中の再分類、遡及調査、および検査結果の入手可能性により、症例数が変更されることがあります。
詳しくは、以下を参照してください。
-Press briefing on Ebola, WHO Director-General Dr Tedros
-WHO Director-General reiterates commitment to Ebola response despite another attack
-WHO expresses concern over damage to Ebola treatment facilities in DRC
-Ebola response in Democratic Republic of the Congo risks slowdown
-SAGE interim recommendations on vaccination against EVD, 20 February 2019
-Statement on the October 2018 meeting of the IHR Emergency Committee on the Ebola virus disease outbreak in the Democratic Republic of the Congo
-WHO Interim recommendation Ebola vaccines
-WHO recommendations for international travellers related to the Ebola Virus Disease outbreak in the Democratic Republic of the Congo
-Ebola virus disease in the Democratic Republic of the Congo ―Operational readiness and preparedness in neighbouring countries
-Ebola virus disease fact sheet
(註1)進行中の再分類、遡及調査、および検査結果の入手可能性により、症例数が変更されることがあります。
出典
Ebola virus disease―Democratic Republic of the Congo
Disease outbreak news: Update 11 April 2019
https://www.who.int/csr/don/11-april-2019-ebola-drc/en/
Disease outbreak news: Update 11 April 2019
https://www.who.int/csr/don/11-april-2019-ebola-drc/en/