新型コロナウイルス-日本(中国における感染事例)

Disease outbreak news   2020年1月16日

日本の厚生労働省は本日、中国・武漢に渡航した人が新型コロナウイルス(2019-nCoV)感染の確定例と確認されたことを、世界保健機関(WHO)に通知しました。これは中国以外で2019-新型コロナウイルス(2019-nCoV)が検出された2番目の症例であり、1月13日にタイにおいて確認された症例に続くものです。世界の旅行のパターンを考慮すると、他の国においても更なる患者が確認される可能性があります。

コロナウイルス科のウイルスは、一般的な風邪から中東呼吸器症候群(MERS)や重症急性呼吸器症候群(SARS)にわたる疾患を起こしうる呼吸器ウイルスの大きなファミリーです。2019-nCoVは人間においてこれまでには同定されたことがない新しい株です。

今月の初めに中国で初めて確認された新しいコロナウイルスについては、理解すべきことが多く残っています。2019-nCoVに関して、伝染の様式、臨床的特徴、拡大の程度について確定的な結論を得るためには十分にはわかっていません。感染源もいまだに不明のままです。

WHOは、すべての国々が準備活動を継続するよう奨励しています。1月10日にWHOは、2019-nCoVに関して、症例の健康監視、患者の治療、医療施設での感染拡大の防止、必要な物資の維持及び住民とのコミュニケーションを実施する方法についての情報をまとめ、発表しました。手指や呼吸器の衛生(咳エチケット等)を確保する方法、食品の安全と市場の習慣についての助言も含まれています。WHOは世界中の専門家のネットワークと協議しながら、この情報を発展させるとともに更新していきます。

WHOのコロナウイルスに関する暫定ガイダンスおよびその他の情報は、こちらでご覧いただけます。

WHOは現在入手可能な情報に基づき、渡航や貿易に対していかなる制限も行わないよう勧告します。渡航者が渡航前、渡航中または渡航後に呼吸器疾患を発症した場合には、渡航者は医師の診察を受けるとともに渡航歴を医療提供者と共有すべきです。

出典

Novel Coronavirus ― Japan (ex-China)
Disease outbreak news  16 January 2020
https://www.who.int/csr/don/16-january-2020-novel-coronavirus-japan-ex-china/en/