新型コロナウイルス感染症の世界の状況報告
COVID-19 Weekly Epidemiological Update(WHO) 2021年7月27日
世界の概況
2021年7月25日時点で、直近1週間(7月19日~7月25日)の新規感染者数は380万人以上が報告され、新規死亡者数は6万9,000人以上が報告されました。前週と比較して、新規感染者数は8%増加し、新規死亡者数21%増加しました(図1)。1日当たりの新規感染者数の平均は54万人以上で、前週の平均49万人と比較して増加しました。新規感染者数が最も増加したのはアメリカ地域と西太平洋地域、新規死亡者数が最も増加したのはアメリカ地域と東南アジア地域でした。これまでに全世界で報告された感染者の累計は1億9,400万人を超え、死亡者の累計は400万人を超えました。現在のペースが続けば、2週間後に感染者の累計が2億人に達する見込みです。
アメリカ地域、ヨーロッパ地域、東南アジア地域の3地域において、新規感染者数が増加しました。前週と比較して増加率が最も高かったのはアメリカ地域(30%)で、次いで西太平洋地域(25%)でした(表1)。東南アジア地域の増加率は前週の12%から大幅に下がって3%になりましたが、新規感染者数の増加は続いています。また、新規死亡者数は、前週と同程度のヨーロッパ地域を除いて、全ての地域で増加しました。
人口10万人当たりの新規感染者数が最も多いのは、アメリカ地域(123.3人)とヨーロッパ地域(108.3人)でした。人口10万人当たりの新規死亡者数が最も多いのは、アメリカ地域(2.8人)と東南アジア地域(1.1人)でした。
直近1週間における新規感染者数が多い上位5か国は、アメリカ合衆国(新規感染者数500,332人、131%増加)、ブラジル(新規感染者数324,334人、13%増加)、インドネシア(新規感染者数289,029人、17%減少)、イギリス(新規感染者数282,920人、5%減少)、インド(新規感染者数265,836人、同程度)でした。
懸念すべき変異株(VOC)の状況について、アルファ株は182の国・地域(前週比+2)、ベータ株は131の国・地域(前週比+1)、ガンマ株は81の国・地域(前週比+3)、デルタ株は132の国・地域(前週比+8)で、それぞれ報告されています。各国の検査能力の向上やデータ収集が強化されている影響もあり、VOCを報告する国や地域が増加し続けています。アルファ株の報告が続いている一方で、デルタ株の感染拡大が進んでいます。
現在の感染拡大は、感染力が強いVOCの流通、公衆衛生上の社会的措置の緩和、社会的な交流の増加、そしてワクチンの不公平な分配という4つの要因によって引き起こされていると考えられています。
アメリカ地域、ヨーロッパ地域、東南アジア地域の3地域において、新規感染者数が増加しました。前週と比較して増加率が最も高かったのはアメリカ地域(30%)で、次いで西太平洋地域(25%)でした(表1)。東南アジア地域の増加率は前週の12%から大幅に下がって3%になりましたが、新規感染者数の増加は続いています。また、新規死亡者数は、前週と同程度のヨーロッパ地域を除いて、全ての地域で増加しました。
人口10万人当たりの新規感染者数が最も多いのは、アメリカ地域(123.3人)とヨーロッパ地域(108.3人)でした。人口10万人当たりの新規死亡者数が最も多いのは、アメリカ地域(2.8人)と東南アジア地域(1.1人)でした。
直近1週間における新規感染者数が多い上位5か国は、アメリカ合衆国(新規感染者数500,332人、131%増加)、ブラジル(新規感染者数324,334人、13%増加)、インドネシア(新規感染者数289,029人、17%減少)、イギリス(新規感染者数282,920人、5%減少)、インド(新規感染者数265,836人、同程度)でした。
懸念すべき変異株(VOC)の状況について、アルファ株は182の国・地域(前週比+2)、ベータ株は131の国・地域(前週比+1)、ガンマ株は81の国・地域(前週比+3)、デルタ株は132の国・地域(前週比+8)で、それぞれ報告されています。各国の検査能力の向上やデータ収集が強化されている影響もあり、VOCを報告する国や地域が増加し続けています。アルファ株の報告が続いている一方で、デルタ株の感染拡大が進んでいます。
現在の感染拡大は、感染力が強いVOCの流通、公衆衛生上の社会的措置の緩和、社会的な交流の増加、そしてワクチンの不公平な分配という4つの要因によって引き起こされていると考えられています。
図1 2021年7月25日時点の週別・WHO管轄地域別のCOVID-19感染者数及び世界の死亡者数の推移

表1 2021年7月25日時点のWHO管轄地域別の新規・累積COVID-19確定症例数及び死亡者数

WHO管轄地域別の概況
アフリカ地域
直近1週間で確認された新規感染者数は18万4,000人以上で、新規死亡者数は4,900人以上でした。前週と比較して、新規感染者数は9%減少し、新規死亡者数は同程度でした。感染者数は、3月初旬から増加し、6月に急激な増加が3週間続きましたが、直近2週間は減少に転じました。これは、主に南アフリカ共和国の減少傾向を反映したもので、他の地域の多くの国々では、依然として患者数の増加が報告されています。
新規感染者が多い上位3か国
新規死亡者が多い上位3か国

新規感染者が多い上位3か国
国名 | 新規感染者数 | 人口10万人当たりの 新規感染者数 |
前週との比較 |
南アフリカ共和国 | 84,225人 | 142.0人 | 19%減少 |
ジンバブエ | 14,664人 | 98.7人 | 7%減少 |
ボツワナ | 11,524人 | 490.0人 | 7%増加 |
新規死亡者が多い上位3か国
国名 | 新規死亡者数 | 人口10万人当たりの 新規死亡者数 |
前週との比較 |
南アフリカ共和国 | 2,812人 | 4.7人 | 11%増加 |
ジンバブエ | 462人 | 3.1人 | 同程度 |
ナミビア | 254人 | 10.0人 | 57%減少 |

アメリカ地域
直近1週間で確認された新規感染者数は120万人以上で、新規死亡者数は2万9,000人以上でした。前週と比較して、新規感染者数は30%増加し、新規死亡者数は29%増加しました。感染者数と死亡者数は、3ヶ月以上にわたり減少傾向が続いていましたが、地域全体で急激に増加しました。
新規感染者が多い上位3か国
新規死亡者が多い上位3か国

新規感染者が多い上位3か国
国名 | 新規感染者数 | 人口10万人当たりの 新規感染者数 |
前週との比較 |
アメリカ合衆国 | 500,332人 | 151.2人 | 131%増加 |
ブラジル | 324,334人 | 152.6人 | 13%増加 |
コロンビア | 104,399人 | 205.2人 | 20%減少 |
新規死亡者が多い上位3か国
国名 | 新規死亡者数 | 人口10万人当たりの 新規死亡者数 |
前週との比較 |
エクアドル | 8,864人 | 50.2人 | 7349%増加 |
ブラジル | 7,942人 | 3.7人 | 9%減少 |
コロンビア | 2,855人 | 5.6人 | 21%減少 |

東地中海地域
直近1週間で確認された新規感染者数は33万8,000人以上で、新規死亡者数は4,200人以上でした。前週と比較して、新規感染者数は同程度で、新規死亡者数は8%増加しました。感染者数は、6月中旬から7月中旬にかけて急激に増加した後に、先週はわずかながら減少しました。イラン・イスラム共和国は、感染者数も死亡者数も増加傾向が続いています。
新規感染者が多い上位3か国
新規死亡者が多い上位3か国

新規感染者が多い上位3か国
国名 | 新規感染者数 | 人口10万人当たりの 新規感染者数 |
前週との比較 |
イラン・イスラム共和国 | 163,207人 | 194.3人 | 2%増加 |
イラク | 60,487人 | 150.4人 | 1%減少 |
チュニジア | 28,491人 | 241.1人 | 43%減少 |
新規死亡者が多い上位3か国
国名 | 新規死亡者数 | 人口10万人当たりの 新規死亡者数 |
前週との比較 |
イラン・イスラム共和国 | 1,566人 | 1.9人 | 23%増加 |
チュニジア | 1,194人 | 10.1人 | 3%増加 |
イラク | 443人 | 1.1人 | 62%増加 |

ヨーロッパ地域
直近1週間で確認された新規感染者数100万人以上で、新規死亡者数は7,500人以上でした。前週と比較して、いずれも同程度でした。6月中旬以降、全ての年齢層で感染者は増加していますが、15~24歳の年齢層で最も顕著になっています。
新規感染者が多い上位3か国
新規死亡者が多い上位3か国

新規感染者が多い上位3か国
国名 | 新規感染者数 | 人口10万人当たりの 新規感染者数 |
前週との比較 |
イギリス | 282,920人 | 416.8人 | 5%減少 |
ロシア連邦 | 168,408人 | 115.4人 | 同程度 |
フランス | 117,832人 | 181.2人 | 178%増加 |
新規死亡者が多い上位3か国
国名 | 新規死亡者数 | 人口10万人当たりの 新規死亡者数 |
前週との比較 |
ロシア連邦 | 5,455人 | 3.7人 | 1%増加 |
イギリス | 447人 | 0.7人 | 57%増加 |
トルコ | 391人 | 0.5人 | 32%増加 |

東南アジア地域
直近1週間で確認された新規感染者数は77万5,000人以上で、新規死亡者数は2万1,000人以上でした。前週と比較して、新規感染者数は7%減少し、新規死亡者数は30%増加しました。インドとスリランカは減少傾向が続いていますが、インドネシア、タイ、ミャンマーが地域全体の増加の中心となっています。
新規感染者が多い上位3か国
新規死亡者が多い上位3か国

新規感染者が多い上位3か国
国名 | 新規感染者数 | 人口10万人当たりの 新規感染者数 |
前週との比較 |
インドネシア | 289,029人 | 105.7人 | 17%減少 |
インド | 265,836人 | 19.3人 | 同程度 |
タイ | 93,916人 | 134.6人 | 40%増加 |
新規死亡者が多い上位3か国
国名 | 新規死亡者数 | 人口10万人当たりの 新規死亡者数 |
前週との比較 |
インドネシア | 9,697人 | 3.5人 | 36%増加 |
インド | 6,942人 | 0.5人 | 25%増加 |
ミャンマー | 2,111人 | 3.9人 | 82%増加 |

西太平洋地域
直近1週間で確認された新規感染者数は23万8,000人以上で、新規死亡者数は2,100人以上でした。前週と比較して、新規感染者数は25%増加し、新規死亡者数は同程度でした。感染者数は増加傾向が1か月続いており、マレーシア、ベトナム、フィリピンの増加が顕著となっています。
新規感染者が多い上位3か国
新規死亡者が多い上位3か国

新規感染者が多い上位3か国
国名 | 新規感染者数 | 人口10万人当たりの 新規感染者数 |
前週との比較 |
マレーシア | 90,542人 | 279.7人 | 15%増加 |
ベトナム | 43,911人 | 45.1人 | 95%増加 |
フィリピン | 40,932人 | 37.4人 | 16%増加 |
新規死亡者が多い上位3か国
国名 | 新規死亡者数 | 人口10万人当たりの 新規死亡者数 |
前週との比較 |
マレーシア | 1,036人 | 3.2人 | 30%増加 |
フィリピン | 533人 | 0.5人 | 32%減少 |
カンボジア | 178人 | 1.1人 | 9%減少 |

変異株の状況
2021年5月31日、WHOは、新型コロナウイルスの変異株に関する一般の人々の議論を促進するために、懸念すべき変異株(VOC)及び注目すべき変異株(VOI)の言いやすい・覚えやすい新たな呼称を発表しました(表2・表3)。
また、VOCやVOIの影響についての理解が進み、サーベイランスや対応の必要性が高まっていることから、WHOは定義を定期的に見直し、調整しています。変異株の最新の状況については、以下のページを新たに設けてとりまとめています。
SARS-CoV-2変異株の追跡
https://www.who.int/en/activities/tracking-SARS-CoV-2-variants/
【VOCの呼称】
・イギリス由来の変異株(B.1.1.7)→ アルファ株
・南アフリカ由来の変異株(B.1.351)→ ベータ株
・ブラジル由来の変異株(P.1)→ ガンマ株
・インド由来の変異株(B.1.617.2)→ デルタ株
【VOIの呼称】
・複数国由来の変異株(B.1.525) → イータ株
・アメリカ合衆国由来の変異株(B.1.526)→ イオタ株
・インド由来の変異株(B.1.617.1)→ カッパ株
・ペルー由来の変異株(C.37)→ ラムダ株(6月14日追加)
【監視を継続する変異株(VOIから除外)】
・アメリカ合衆国由来の変異株(B.1.427/B.1.429)→ イプシロン株(7月6日変更)
・ブラジル由来の変異株(P.2)→ ゼータ株(7月6日変更)
・フィリピン由来の変異株(P.3)→ シータ株(7月6日変更)
また、VOCやVOIの影響についての理解が進み、サーベイランスや対応の必要性が高まっていることから、WHOは定義を定期的に見直し、調整しています。変異株の最新の状況については、以下のページを新たに設けてとりまとめています。
SARS-CoV-2変異株の追跡
https://www.who.int/en/activities/tracking-SARS-CoV-2-variants/
【VOCの呼称】
・イギリス由来の変異株(B.1.1.7)→ アルファ株
・南アフリカ由来の変異株(B.1.351)→ ベータ株
・ブラジル由来の変異株(P.1)→ ガンマ株
・インド由来の変異株(B.1.617.2)→ デルタ株
【VOIの呼称】
・複数国由来の変異株(B.1.525) → イータ株
・アメリカ合衆国由来の変異株(B.1.526)→ イオタ株
・インド由来の変異株(B.1.617.1)→ カッパ株
・ペルー由来の変異株(C.37)→ ラムダ株(6月14日追加)
【監視を継続する変異株(VOIから除外)】
・アメリカ合衆国由来の変異株(B.1.427/B.1.429)→ イプシロン株(7月6日変更)
・ブラジル由来の変異株(P.2)→ ゼータ株(7月6日変更)
・フィリピン由来の変異株(P.3)→ シータ株(7月6日変更)
表2 2021年7月23日時点の懸念すべき変異株(VOC)

表3 2021年7月23日時点の注目すべき変異株(VOI)

図2 2021年7月27日時点の懸念すべき変異株(VOC)の流行状況

出典
COVID-19 Situation reports
COVID-19 Weekly Epidemiological Update: 27 July 2021
https://www.who.int/publications/m/item/weekly-epidemiological-update-on-covid-19---27-july-2021
COVID-19 Weekly Epidemiological Update: 27 July 2021
https://www.who.int/publications/m/item/weekly-epidemiological-update-on-covid-19---27-july-2021