新型コロナウイルス感染症の世界の状況報告
COVID-19 Weekly Epidemiological Update(WHO) 2021年9月14日
世界の概況
2021年9月12日時点で、直近1週間(9月6日~12日)の新規感染者数は390万人以上が報告され、2か月ぶりに減少に転じました(図1)。全ての地域において、前週と比較して新規感染者数の減少が報告されました。
新規死亡者数は約6万2,000人が報告され、前週と比較して減少傾向となりました。4地域(アメリカ地域、東地中海地域、ヨーロッパ地域、東南アジア地域)は減少しましたが、アフリカ地域と西太平洋地域においては、それぞれ7%と2%の増加となりました。最も減少幅が大きかったのは、東南アジア地域の20%でした。
現時点で報告されている全世界の累積感染者数は2億2,400万人を超え、累積死亡者数は460万人を超えています。
人口10万人当たりの新規感染者数が多いのは、アメリカ地域(143人)とヨーロッパ地域(119.4人)で、人口10万人当たりの新規死亡者数が多いのは、アメリカ地域(2.3人)とヨーロッパ地域(1.5人)でした。いずれも、前週と同地域でした。
直近1週間における新規感染者数が多い上位5か国は、アメリカ合衆国(1,034,836人:20%減少)、イギリス(256,051人:5%増加)、インド(248,248人:15%減少)、イラン・イスラム共和国(172,030人:17%減少)、トルコ(158,236人:6%増加)でした。
9月14日時点で、懸念すべき変異株(VOC)が確認されている国・地域の数は、アルファ株193(前週比-1)、ベータ株142の(前週比+1)、ガンマ株96(前週比+4)、デルタ株180(前週比+6)で、それぞれ報告されています。
図1 2021年9月12日時点の週別・WHO管轄地域別のCOVID-19感染者数及び世界の死亡者数の推移

表1 2021年9月12日時点のWHO管轄地域別の新規・累積COVID-19確定症例数及び死亡者数

新規死亡者数は約6万2,000人が報告され、前週と比較して減少傾向となりました。4地域(アメリカ地域、東地中海地域、ヨーロッパ地域、東南アジア地域)は減少しましたが、アフリカ地域と西太平洋地域においては、それぞれ7%と2%の増加となりました。最も減少幅が大きかったのは、東南アジア地域の20%でした。
現時点で報告されている全世界の累積感染者数は2億2,400万人を超え、累積死亡者数は460万人を超えています。
人口10万人当たりの新規感染者数が多いのは、アメリカ地域(143人)とヨーロッパ地域(119.4人)で、人口10万人当たりの新規死亡者数が多いのは、アメリカ地域(2.3人)とヨーロッパ地域(1.5人)でした。いずれも、前週と同地域でした。
直近1週間における新規感染者数が多い上位5か国は、アメリカ合衆国(1,034,836人:20%減少)、イギリス(256,051人:5%増加)、インド(248,248人:15%減少)、イラン・イスラム共和国(172,030人:17%減少)、トルコ(158,236人:6%増加)でした。
9月14日時点で、懸念すべき変異株(VOC)が確認されている国・地域の数は、アルファ株193(前週比-1)、ベータ株142の(前週比+1)、ガンマ株96(前週比+4)、デルタ株180(前週比+6)で、それぞれ報告されています。
図1 2021年9月12日時点の週別・WHO管轄地域別のCOVID-19感染者数及び世界の死亡者数の推移

表1 2021年9月12日時点のWHO管轄地域別の新規・累積COVID-19確定症例数及び死亡者数

WHO管轄地域別の概況
アフリカ地域
直近1週間で確認された新規感染者数は94,352人、新規死亡者数は3,034人でした。前週と比較して、新規感染者数は15%減少し、新規死亡者数は7%増加しました。地域における患者発生率は2か月以上の減少を続けていますが、全49か国中18か国(37%)では発生率が上昇しており、特にエチオピアとナイジェリアが顕著となっています。
新規感染者が多い上位3か国
新規死亡者が多い上位3か国

新規感染者が多い上位3か国
国名 | 新規感染者数 | 人口10万人当たりの 新規感染者数 |
前週との比較 |
南アフリカ共和国 | 40,220人 | 67.8人 | 29%減少 |
エチオピア | 9,269人 | 8.1人 | 10%増加 |
ナイジェリア | 5,061人 | 2.5人 | 90%増加 |
新規死亡者が多い上位3か国
国名 | 新規死亡者数 | 人口10万人当たりの 新規死亡者数 |
前週との比較 |
南アフリカ共和国 | 1,590人 | 2.7人 | 6%減少 |
ナミビア | 187人 | 7.4人 | 記載なし |
アルジェリア | 185人 | 0.4人 | 5%減少 |

アメリカ地域
直近1週間で確認された新規感染者数は1,462,450人、新規死亡者数は23,689人でした。前週と比較して、新規感染者数は17%減少し、新規死亡者数は9%減少しました。他の地域と比較して、感染者数と死亡者数が最も多くなっており、感染者はキューバ(22%増)とエクアドル(72%増)、死亡者数はホンジュラス(55%増)とハイチ(50%増)で顕著な増加が報告されています。
新規感染者が多い上位3か国
新規死亡者が多い上位3か国

新規感染者が多い上位3か国
国名 | 新規感染者数 | 人口10万人当たりの 新規感染者数 |
前週との比較 |
アメリカ合衆国 | 1,034,836人 | 312.6人 | 20%減少 |
ブラジル | 118,790人 | 55.9人 | 22%減少 |
メキシコ | 88,938人 | 69.0人 | 5%減少 |
新規死亡者が多い上位3か国
国名 | 新規死亡者数 | 人口10万人当たりの 新規死亡者数 |
前週との比較 |
アメリカ合衆国 | 11,371人 | 3.4人 | 5%減少 |
メキシコ | 4,628人 | 3.6人 | 9%減少 |
ブラジル | 3,176人 | 1.5人 | 27%減少 |

東地中海地域
直近1週間で確認された新規感染者数は319,572人、新規死亡者数は6,358人でした。前週と比較して、新規感染者数は15%減少し、新規死亡者数は6%減少しました。地域内の22か国のうち13か国(59%)で感染者数が減少し、22か国のうち15か国(68%)で死亡者数が減少したことが、全体的な減少に反映されています。
新規感染者が多い上位3か国
新規死亡者が多い上位3か国

新規感染者が多い上位3か国
国名 | 新規感染者数 | 人口10万人当たりの 新規感染者数 |
前週との比較 |
イラン・イスラム共和国 | 172,030人 | 204.8人 | 17%減少 |
イラク | 34,816人 | 86.6人 | 21%減少 |
パキスタン | 25,819人 | 11.7人 | 4%減少 |
新規死亡者が多い上位3か国
国名 | 新規死亡者数 | 人口10万人当たりの 新規死亡者数 |
前週との比較 |
イラン・イスラム共和国 | 3,760人 | 4.5人 | 10%減少 |
パキスタン | 548人 | 1.0人未満 | 5%減少 |
チュニジア | 497人 | 4.2人 | 47%増加 |

ヨーロッパ地域
直近1週間で確認された新規感染者数は1,113,722人、新規死亡者数は14,117人でした。前週と比較して、新規感染者数は5%減少し、新規死亡者数は2%減少しました。ほぼ半数の国々(61か国中29か国)において、死亡者の増加が報告されました。いずれも、イギリス、トルコ、ロシア連邦の状況が反映されており、この3国が新規感染者数の49%、新規死亡者数の59%を占めています。
新規感染者が多い上位3か国
新規死亡者が多い上位3か国

新規感染者が多い上位3か国
国名 | 新規感染者数 | 人口10万人当たりの 新規感染者数 |
前週との比較 |
イギリス | 256,051人 | 377.2人 | 5%増加 |
トルコ | 158,236人 | 187.6人 | 6%増加 |
ロシア連邦 | 127,471人 | 87.3人 | 同程度 |
新規死亡者が多い上位3か国
国名 | 新規死亡者数 | 人口10万人当たりの 新規死亡者数 |
前週との比較 |
ロシア連邦 | 5,549人 | 3.8人 | 同程度 |
トルコ | 1,806人 | 2.1人 | 同程度 |
イギリス | 983人 | 1.4人 | 25%増加 |

東南アジア地域
直近1週間で確認された新規感染者数は453,539人、新規死亡者数は8,938人でした。前週と比較して、新規感染者数は16%減少し、新規死亡者数は20%減少しました。地域全体の感染者数と死亡者数は、1か月半の減少傾向が続いています。地域内の全ての国において、感染者数と死亡者数が減少しました。感染者数はインドネシア(30%減)、死亡者数はバングラデシュ(33%減)で顕著な減少が報告されています。
新規感染者が多い上位3か国
新規死亡者が多い上位3か国

新規感染者が多い上位3か国
国名 | 新規感染者数 | 人口10万人当たりの 新規感染者数 |
前週との比較 |
インド | 248,248人 | 18.0人 | 15%減少 |
タイ | 101,639人 | 145.6人 | 5%減少 |
インドネシア | 38,491人 | 14.1人 | 30%減少 |
新規死亡者が多い上位3か国
国名 | 新規死亡者数 | 人口10万人当たりの 新規死亡者数 |
前週との比較 |
インドネシア | 3,028人 | 1.1人 | 23%減少 |
インド | 2,122人 | 1.0人未満 | 21%減少 |
タイ | 1,498人 | 2.1人 | 13%減少 |

西太平洋地域
直近1週間で確認された新規感染者数は487,586人、新規死亡者数は6,410人でした。前週と比較して、新規感染者数は8%減少し、新規死亡者数は2%増加しました。6月21日以降、感染者数が継続的に増加していましたが、直近2週間は減少傾向を示し始めています。主に、日本(46%減)、モンゴル(46%減)、フィジー(45%減)の減少が反映されています。しかし、死亡者数は7月19日以降、増加傾向が続いており、グアム(33%増)とマレーシア(22%増)で顕著な増加が報告されています。
新規感染者が多い上位3か国
新規死亡者が多い上位3か国

新規感染者が多い上位3か国
国名 | 新規感染者数 | 人口10万人当たりの 新規感染者数 |
前週との比較 |
フィリピン | 144,991人 | 132.3人 | 16%増加 |
マレーシア | 136,061人 | 420.4人 | 同程度 |
ベトナム | 90,179人 | 92.6人 | 同程度 |
新規死亡者が多い上位3か国
国名 | 新規死亡者数 | 人口10万人当たりの 新規死亡者数 |
前週との比較 |
マレーシア | 2,536人 | 7.8人 | 22%増加 |
ベトナム | 2,225人 | 2.3人 | 7%減少 |
フィリピン | 916人 | 1.0人未満 | 13%減少 |

変異株の状況
2021年5月31日、WHOは、新型コロナウイルスの変異株に関する一般の人々の議論を促進するために、懸念すべき変異株(VOC)及び注目すべき変異株(VOI)の言いやすい・覚えやすい新たな呼称を発表しました(表2・表3)。
8月30日、WHOは最新の評価に基づき、コロンビアで確認されたパンゴ系統のB.1.621.1を含む変異株について、「Mu:ミュー」の呼称を付与してVOIに新たに分類しました。
また、VOCやVOIの影響についての理解が進み、サーベイランスや対応の必要性が高まっていることから、WHOは定義を定期的に見直し、調整しています。変異株の最新の状況については、以下のページを新たに設けてとりまとめています。
SARS-CoV-2変異株の追跡
https://www.who.int/en/activities/tracking-SARS-CoV-2-variants/
【VOCの呼称】
・イギリス由来の変異株(B.1.1.7)→ アルファ株
・南アフリカ由来の変異株(B.1.351)→ ベータ株
・ブラジル由来の変異株(P.1)→ ガンマ株
・インド由来の変異株(B.1.617.2)→ デルタ株(5月12日VOIから変更)
【VOIの呼称】
・複数国由来の変異株(B.1.525) → イータ株
・アメリカ合衆国由来の変異株(B.1.526)→ イオタ株
・インド由来の変異株(B.1.617.1)→ カッパ株
・ペルー由来の変異株(C.37)→ ラムダ株(6月14日追加)
・コロンビア由来の変異株(B.1.621)→ ミュー株(8月30日追加)
【監視を継続する変異株(VOIから除外)】
・アメリカ合衆国由来の変異株(B.1.427/B.1.429)→ イプシロン株(7月6日変更)
・ブラジル由来の変異株(P.2)→ ゼータ株(7月6日変更)
・フィリピン由来の変異株(P.3)→ シータ株(7月6日変更)
表2 2021年9月12日時点の懸念すべき変異株(VOC)

表3 2021年9月12日時点の注目すべき変異株(VOI)

図2 2021年9月14日時点の懸念すべき変異株(VOC)の流行状況

8月30日、WHOは最新の評価に基づき、コロンビアで確認されたパンゴ系統のB.1.621.1を含む変異株について、「Mu:ミュー」の呼称を付与してVOIに新たに分類しました。
また、VOCやVOIの影響についての理解が進み、サーベイランスや対応の必要性が高まっていることから、WHOは定義を定期的に見直し、調整しています。変異株の最新の状況については、以下のページを新たに設けてとりまとめています。
SARS-CoV-2変異株の追跡
https://www.who.int/en/activities/tracking-SARS-CoV-2-variants/
【VOCの呼称】
・イギリス由来の変異株(B.1.1.7)→ アルファ株
・南アフリカ由来の変異株(B.1.351)→ ベータ株
・ブラジル由来の変異株(P.1)→ ガンマ株
・インド由来の変異株(B.1.617.2)→ デルタ株(5月12日VOIから変更)
【VOIの呼称】
・複数国由来の変異株(B.1.525) → イータ株
・アメリカ合衆国由来の変異株(B.1.526)→ イオタ株
・インド由来の変異株(B.1.617.1)→ カッパ株
・ペルー由来の変異株(C.37)→ ラムダ株(6月14日追加)
・コロンビア由来の変異株(B.1.621)→ ミュー株(8月30日追加)
【監視を継続する変異株(VOIから除外)】
・アメリカ合衆国由来の変異株(B.1.427/B.1.429)→ イプシロン株(7月6日変更)
・ブラジル由来の変異株(P.2)→ ゼータ株(7月6日変更)
・フィリピン由来の変異株(P.3)→ シータ株(7月6日変更)
表2 2021年9月12日時点の懸念すべき変異株(VOC)

表3 2021年9月12日時点の注目すべき変異株(VOI)

図2 2021年9月14日時点の懸念すべき変異株(VOC)の流行状況

出典
COVID-19 Situation reports
COVID-19 Weekly Epidemiological Update: 14 September 2021
https://www.who.int/publications/m/item/weekly-epidemiological-update-on-covid-19---14-september-2021
COVID-19 Weekly Epidemiological Update: 14 September 2021
https://www.who.int/publications/m/item/weekly-epidemiological-update-on-covid-19---14-september-2021