新型コロナウイルス感染症の世界の状況報告
COVID-19 Weekly Epidemiological Update(WHO) 2021年10月13日
世界の概況
2021年10月13日時点で、直近1週間(10月4日~10月10日)の新規感染者数は288万5,011人が報告され、前週に引き続いて減少しました(図1)。ヨーロッパ地域を除く5地域で減少し、世界全体では前週から7%減少しました。減少幅が最も大きかったのは、アフリカ地域の32%で、ヨーロッパ地域を除く他の地域も10%以上の減少が続いています。ヨーロッパ地域のみ、7%の増加となりました。
新規死亡者数は4万6,789人が報告され、前週に引き続いて減少しました。ヨーロッパ地域を除く5地域で減少し、世界全体では前週から10%減少しました。減少幅が最も大きかったのは、アフリカ地域と西太平洋地域の34%で、ヨーロッパ地域を除く他の地域も10%以上減少しました。ヨーロッパ地域のみ、10%の増加となりました。
現時点で報告されている全世界の累積感染者数は2億3,700万人を超え、累積死亡者数は480万人を超えています。いずれも、8月以降は減少傾向が続いています。
人口10万人当たりの新規感染者数が多いのは、ヨーロッパ地域(135.1人)とアメリカ地域(92.8人)で、人口10万人当たりの新規死亡者数が多いのは、ヨーロッパ地域(1.8人)とアメリカ地域(1.8人)でした。いずれも、前週と同地域でした。
直近1週間における新規感染者数が多い上位5か国は、アメリカ合衆国(653,837人:12%減少)、イギリス(249,699人:同程度)、トルコ(205,266人:同程度)、ロシア連邦(188,829人:14%増加)、インド(139,572人:13%減少)でした。
10月12日時点で、懸念すべき変異株(VOC)が確認されている国・地域の数は、アルファ株195(同前週)、ベータ株145の(同前週)、ガンマ株99(同前週)、デルタ株191(前週比-1)で、それぞれ報告されています。
新規死亡者数は4万6,789人が報告され、前週に引き続いて減少しました。ヨーロッパ地域を除く5地域で減少し、世界全体では前週から10%減少しました。減少幅が最も大きかったのは、アフリカ地域と西太平洋地域の34%で、ヨーロッパ地域を除く他の地域も10%以上減少しました。ヨーロッパ地域のみ、10%の増加となりました。
現時点で報告されている全世界の累積感染者数は2億3,700万人を超え、累積死亡者数は480万人を超えています。いずれも、8月以降は減少傾向が続いています。
人口10万人当たりの新規感染者数が多いのは、ヨーロッパ地域(135.1人)とアメリカ地域(92.8人)で、人口10万人当たりの新規死亡者数が多いのは、ヨーロッパ地域(1.8人)とアメリカ地域(1.8人)でした。いずれも、前週と同地域でした。
直近1週間における新規感染者数が多い上位5か国は、アメリカ合衆国(653,837人:12%減少)、イギリス(249,699人:同程度)、トルコ(205,266人:同程度)、ロシア連邦(188,829人:14%増加)、インド(139,572人:13%減少)でした。
10月12日時点で、懸念すべき変異株(VOC)が確認されている国・地域の数は、アルファ株195(同前週)、ベータ株145の(同前週)、ガンマ株99(同前週)、デルタ株191(前週比-1)で、それぞれ報告されています。
図1 2021年10月10日時点の週別・WHO管轄地域別のCOVID-19感染者数及び世界の死亡者数の推移
表1 2021年10月10日時点のWHO管轄地域別の新規・累積COVID-19確定症例数及び死亡者数
WHO管轄地域別の概況
アフリカ地域
直近1週間で確認された新規感染者数は33,563人、新規死亡者数は1,247人でした。前週と比較して、新規感染者数は32%減少し、新規死亡者数は34%減少しました。感染者数は7月初旬にピークを迎えた後、3か月以上減少が続いています。地域内のほとんどの国々(35/49:71%)で感染者の減少が報告されている一方で、7か国で増加が報告されています。最も増加したのは、チャドの54%でした。死亡者数は、75%の国々で減少していますが、セネガルとマリは、それぞれ125%、100%と大幅に増加しました。
新規感染者が多い上位3か国
新規死亡者が多い上位3か国
新規感染者が多い上位3か国
国名 | 新規感染者数 | 人口10万人当たりの 新規感染者数 |
前週との比較 |
エチオピア | 6,061人 | 5.3人 | 15%減少 |
南アフリカ共和国 | 5,884人 | 9.9人 | 39%減少 |
カメルーン | 3,096人 | 11.7人 | 55%減少 |
新規死亡者が多い上位3か国
国名 | 新規死亡者数 | 人口10万人当たりの 新規死亡者数 |
前週との比較 |
南アフリカ共和国 | 539人 | 1.0人未満 | 28%減少 |
エチオピア | 275人 | 1.0人未満 | 10%減少 |
カメルーン | 58人 | 1.0人未満 | 36%減少 |
アメリカ地域
直近1週間で確認された新規感染者数は949,371人、新規死亡者数は18,565人でした。前週と比較して、新規感染者数は13%減少し、新規死亡者数は14%減少しました。地域全体の患者発生率は減少傾向を示していますが、一部の国々(17/56:30%)では、感染者数が増加しており、モントセラト(絶対数は少ない)、セントクリストファー・ネイビス、セントマーチンで高い増加率が報告されました。
新規感染者が多い上位3か国
新規死亡者が多い上位3か国
新規感染者が多い上位3か国
国名 | 新規感染者数 | 人口10万人当たりの 新規感染者数 |
前週との比較 |
アメリカ合衆国 | 653,837人 | 197.5人 | 12%減少 |
ブラジル | 105,079人 | 49.4人 | 11%減少 |
メキシコ | 42,781人 | 33.2人 | 19%減少 |
新規死亡者が多い上位3か国
国名 | 新規死亡者数 | 人口10万人当たりの 新規死亡者数 |
前週との比較 |
アメリカ合衆国 | 9,080人 | 2.7人 | 21%減少 |
メキシコ | 3,632人 | 2.8人 | 11%増加 |
ブラジル | 3,200人 | 1.5人 | 10%減少 |
東地中海地域
直近1週間で確認された新規感染者数は144,710人、新規死亡者数は3,002人でした。前週と比較して、新規感染者数は13%減少し、新規死亡者数は16%減少しました。いずれも、8月中旬から減少傾向が続いています。地域内のほとんどの国々(16/22:73%)で感染者の減少が報告されている一方で、チュニジア、スーダン、ソマリアは、増加が報告されました。死亡者数は、半数以上の国々(14/22:64%)で減少が報告されている一方で、リビア、スーダン、ソマリアは、増加が報告されました。
新規感染者が多い上位3か国
新規死亡者が多い上位3か国
新規感染者が多い上位3か国
国名 | 新規感染者数 | 人口10万人当たりの 新規感染者数 |
前週との比較 |
イラン・イスラム共和国 | 79,934人 | 95.2人 | 13%減少 |
イラク | 14,882人 | 37.0人 | 同程度 |
パキスタン | 8,986人 | 4.1人 | 21%減少 |
新規死亡者が多い上位3か国
国名 | 新規死亡者数 | 人口10万人当たりの 新規死亡者数 |
前週との比較 |
イラン・イスラム共和国 | 1,490人 | 1.8人 | 18%減少 |
エジプト | 259人 | 1.0人未満 | 同程度 |
パキスタン | 256人 | 1.0人未満 | 17%減少 |
ヨーロッパ地域
直近1週間で確認された新規感染者数は1,260,455人、新規死亡者数は17,198人でした。前週と比較して、新規感染者数は7%増加し、新規死亡者数は11%増加しました。6地域の中で唯一、いずれも増加が報告されており、感染者数は7月中旬から高いレベル(変化率5%以下)で推移しています。地域内の46%の国々(28/61)で、感染者の増加が報告されました。死亡者数は7月末から増加傾向が続いており、東ヨーロッパのチェコ、エストニア、ハンガリー、キルギス、ルーマニア、ウクライナなどで増加が顕著になっています。
新規感染者が多い上位3か国
新規死亡者が多い上位3か国
新規感染者が多い上位3か国
国名 | 新規感染者数 | 人口10万人当たりの 新規感染者数 |
前週との比較 |
イギリス | 249,699人 | 367.8人 | 同程度 |
トルコ | 205,266人 | 243.4人 | 同程度 |
ロシア連邦 | 188,829人 | 129.4人 | 14%増加 |
新規死亡者が多い上位3か国
国名 | 新規死亡者数 | 人口10万人当たりの 新規死亡者数 |
前週との比較 |
ロシア連邦 | 6,497人 | 4.5人 | 8%増加 |
ルーマニア | 1,854人 | 9.6人 | 54%増加 |
ウクライナ | 1,718人 | 3.9人 | 50%増加 |
東南アジア地域
直近1週間で確認された新規感染者数は247,814人、新規死亡者数は3,636人でした。前週と比較して、新規感染者数は11%減少し、新規死亡者数は16%減少しました。いずれも8月初旬から減少傾向が続いており、地域内の全ての国々で減少が報告されました。
新規感染者が多い上位3か国
新規死亡者が多い上位3か国
新規感染者が多い上位3か国
国名 | 新規感染者数 | 人口10万人当たりの 新規感染者数 |
前週との比較 |
インド | 139,572人 | 10.1人 | 13%減少 |
タイ | 73,452人 | 105.2人 | 同程度 |
ミャンマー | 10,188人 | 18.7人 | 同程度 |
新規死亡者が多い上位3か国
国名 | 新規死亡者数 | 人口10万人当たりの 新規死亡者数 |
前週との比較 |
インド | 1,772人 | 1.0人未満 | 7%減少 |
タイ | 677人 | 1.0人未満 | 9%減少 |
インドネシア | 478人 | 1.0人未満 | 32%減少 |
西太平洋地域
直近1週間で確認された新規感染者数は249,098人、新規死亡者数は3,141人でした。前週と比較して、新規感染者数は26%減少し、新規死亡者数は34%減少しました。地域内のほとんどの国々で感染者の減少が報告されている一方で、ニュージーランド、パプアニューギニア、シンガポール、オーストラリアは、増加が報告されました。感染者は8月中旬のピーク以降、2か月近く減少傾向が続いています。
新規感染者が多い上位3か国
新規死亡者が多い上位3か国
新規感染者が多い上位3か国
国名 | 新規感染者数 | 人口10万人当たりの 新規感染者数 |
前週との比較 |
フィリピン | 74,277人 | 67.8人 | 32%減少 |
マレーシア | 63,722人 | 196.9人 | 24%減少 |
ベトナム | 32,932人 | 33.8人 | 42%減少 |
新規死亡者が多い上位3か国
国名 | 新規死亡者数 | 人口10万人当たりの 新規死亡者数 |
前週との比較 |
フィリピン | 849人 | 1.0人未満 | 32%減少 |
ベトナム | 841人 | 1.0人未満 | 30%減少 |
マレーシア | 700人 | 2.2人 | 50%減少 |
変異株の状況
2021年5月31日、WHOは、新型コロナウイルスの変異株に関する一般の人々の議論を促進するために、懸念すべき変異株(VOC)及び注目すべき変異株(VOI)の言いやすい・覚えやすい新たな呼称を発表しました(表2・表3)。
VOCやVOIの影響についての理解が進み、サーベイランスや対応の必要性が高まっていることから、WHOは定義を定期的に見直し、調整しています。変異株の最新の状況については、以下のページを新たに設けてとりまとめています。
SARS-CoV-2変異株の追跡
https://www.who.int/en/activities/tracking-SARS-CoV-2-variants/
【VOCの呼称】
・イギリス由来の変異株(B.1.1.7)→ アルファ株
・南アフリカ由来の変異株(B.1.351)→ ベータ株
・ブラジル由来の変異株(P.1)→ ガンマ株
・インド由来の変異株(B.1.617.2)→ デルタ株(5月11日VOIから変更)
【VOIの呼称】
・ペルー由来の変異株(C.37)→ ラムダ株(6月14日追加)
・コロンビア由来の変異株(B.1.621)→ ミュー株(8月30日追加)
【監視を継続する変異株(旧VOI)】
・アメリカ合衆国由来の変異株(B.1.427/B.1.429)→ イプシロン株(7月6日変更)
・ブラジル由来の変異株(P.2)→ ゼータ株(7月6日変更)
・フィリピン由来の変異株(P.3)→ シータ株(7月6日変更)
・複数国由来の変異株(B.1.525) → イータ株(9月21日変更)
・アメリカ合衆国由来の変異株(B.1.526)→ イオタ株(9月21日変更)
・インド由来の変異株(B.1.617.1)→ カッパ株(9月21日変更)
表2 2021年10月12日時点の懸念すべき変異株(VOC)
表3 2021年10月12日時点の注目すべき変異株(VOI)
図2 2021年10月12日時点の懸念すべき変異株(VOC)の流行状況
VOCやVOIの影響についての理解が進み、サーベイランスや対応の必要性が高まっていることから、WHOは定義を定期的に見直し、調整しています。変異株の最新の状況については、以下のページを新たに設けてとりまとめています。
SARS-CoV-2変異株の追跡
https://www.who.int/en/activities/tracking-SARS-CoV-2-variants/
【VOCの呼称】
・イギリス由来の変異株(B.1.1.7)→ アルファ株
・南アフリカ由来の変異株(B.1.351)→ ベータ株
・ブラジル由来の変異株(P.1)→ ガンマ株
・インド由来の変異株(B.1.617.2)→ デルタ株(5月11日VOIから変更)
【VOIの呼称】
・ペルー由来の変異株(C.37)→ ラムダ株(6月14日追加)
・コロンビア由来の変異株(B.1.621)→ ミュー株(8月30日追加)
【監視を継続する変異株(旧VOI)】
・アメリカ合衆国由来の変異株(B.1.427/B.1.429)→ イプシロン株(7月6日変更)
・ブラジル由来の変異株(P.2)→ ゼータ株(7月6日変更)
・フィリピン由来の変異株(P.3)→ シータ株(7月6日変更)
・複数国由来の変異株(B.1.525) → イータ株(9月21日変更)
・アメリカ合衆国由来の変異株(B.1.526)→ イオタ株(9月21日変更)
・インド由来の変異株(B.1.617.1)→ カッパ株(9月21日変更)
表2 2021年10月12日時点の懸念すべき変異株(VOC)
表3 2021年10月12日時点の注目すべき変異株(VOI)
図2 2021年10月12日時点の懸念すべき変異株(VOC)の流行状況
出典
COVID-19 Situation reports
COVID-19 Weekly Epidemiological Update: 13 October 2021
https://www.who.int/publications/m/item/weekly-epidemiological-update-on-covid-19---13-october-2021
COVID-19 Weekly Epidemiological Update: 13 October 2021
https://www.who.int/publications/m/item/weekly-epidemiological-update-on-covid-19---13-october-2021