新型コロナウイルス感染症の世界の状況報告
COVID-19 Weekly Epidemiological Update(WHO) 2021年10月26日
世界の概況
2021年10月24日時点で、直近1週間(10月18日~24日)の新規感染者数は294万336人が報告され、4%とわずかながら増加に転じました(図1)。ヨーロッパ地域を除く5地域で減少しましたが、ヨーロッパ地域は18%増加しており、全世界の感染者数の57%を占める状況でした。減少幅が最も大きかったのはアフリカ地域の21%で、西太平洋地域も17%の減少が報告されました。
新規死亡者数は4万9,413人が報告され、こちらも5%とわずかながら増加に転じました。ヨーロッパ地域は14%、東南アジア地域は13%の増加が報告され、アメリカ地域も1%の増加が報告されました。減少幅が最も大きかったのは西太平洋地域の16%で、東地中海地域は13%、アフリカ地域は11%の減少が報告されました。
WHOに報告されている全世界の累積感染者数は2億4,324万8,796人、累積死亡者数は494万3,201人となりました。いずれも、8月以降は2か月ほど減少傾向が続いていましたが、増加に転じました。
人口10万人当たりの新規感染者数が多いのは、ヨーロッパ地域(179.1人)とアメリカ地域(72.9人)で、人口10万人当たりの新規死亡者数が多いのは、ヨーロッパ地域(2.3人)とアメリカ地域(1.8人)でした。いずれも、前週と同地域でした。
直近1週間における新規感染者数が多い上位5か国は、アメリカ合衆国(512,956人:12%減少)、イギリス(330,465人:16%増加)、ロシア連邦(248,956人:15%増加)、トルコ(196,850人:8%減少)、ウクライナ(134,235人:43%増加)でした。
2021年10月18日に実施されたWHOの最新の迅速リスク評価では、世界の公衆衛生上のリスクは依然として非常に高い状態にあることが示されました。COVID-19の感染者数と死亡者数は、WHO管轄の6地域のうちヨーロッパ地域を除く5地域で長期的に減少していますが、世界全体としては依然として高い水準にあり、多くの国々で患者数、入院数、死亡者数が増加しています。
感染性の高いデルタ株の急速な拡大により、多数の国々で、前回のリスク評価から3か月、急激な再燃が続いています。デルタ株が報告されたほぼ全ての国々で、他のVOCを含む変異株に取って代わり、主流となって急速に流通しています。
特に、ヨーロッパ地域および西太平洋地域において、0~24歳の感染者の増加が報告されています。この傾向は、年齢層が高いほどワクチン接種を受ける可能性が高いこと、若年層では社会的な接触が増加していること、0~24歳では対面式の学習などにより暴露の可能性が高まっていることなどが考えられます。また、学校の再開に伴い、この年齢層に対する検査が増加していることも要因の一つとなっています。しかし、小児や若年層の感染率や重症化率は、全体的に比較的低い状況が続いています。
COVID-19ワクチンは60億回以上接種されており、10月18日現在、世界の人口の約半数(47%)が、少なくとも1回のワクチン接種を受けています。接種されたワクチンの3分の2近くが高所得国10か国で使用されたものであるのに対し、低所得国や低中所得国では35%にとどまっており、ワクチンの不公平感が続いていることが明らかになっています。多くの高所得国では、予防接種専門家の戦略的諮問グループ(SAGE)が推奨する用量を超えて追加/ブースター用量の接種を行っているため、世界のワクチン供給がさらに制約され、ワクチン流通の不平等が深刻化しています。
図1 2021年10月24日時点の週別・WHO管轄地域別のCOVID-19感染者数及び世界の死亡者数の推移
表1 2021年10月24日時点のWHO管轄地域別の新規・累積COVID-19確定症例数及び死亡者数
新規死亡者数は4万9,413人が報告され、こちらも5%とわずかながら増加に転じました。ヨーロッパ地域は14%、東南アジア地域は13%の増加が報告され、アメリカ地域も1%の増加が報告されました。減少幅が最も大きかったのは西太平洋地域の16%で、東地中海地域は13%、アフリカ地域は11%の減少が報告されました。
WHOに報告されている全世界の累積感染者数は2億4,324万8,796人、累積死亡者数は494万3,201人となりました。いずれも、8月以降は2か月ほど減少傾向が続いていましたが、増加に転じました。
人口10万人当たりの新規感染者数が多いのは、ヨーロッパ地域(179.1人)とアメリカ地域(72.9人)で、人口10万人当たりの新規死亡者数が多いのは、ヨーロッパ地域(2.3人)とアメリカ地域(1.8人)でした。いずれも、前週と同地域でした。
直近1週間における新規感染者数が多い上位5か国は、アメリカ合衆国(512,956人:12%減少)、イギリス(330,465人:16%増加)、ロシア連邦(248,956人:15%増加)、トルコ(196,850人:8%減少)、ウクライナ(134,235人:43%増加)でした。
2021年10月18日に実施されたWHOの最新の迅速リスク評価では、世界の公衆衛生上のリスクは依然として非常に高い状態にあることが示されました。COVID-19の感染者数と死亡者数は、WHO管轄の6地域のうちヨーロッパ地域を除く5地域で長期的に減少していますが、世界全体としては依然として高い水準にあり、多くの国々で患者数、入院数、死亡者数が増加しています。
感染性の高いデルタ株の急速な拡大により、多数の国々で、前回のリスク評価から3か月、急激な再燃が続いています。デルタ株が報告されたほぼ全ての国々で、他のVOCを含む変異株に取って代わり、主流となって急速に流通しています。
特に、ヨーロッパ地域および西太平洋地域において、0~24歳の感染者の増加が報告されています。この傾向は、年齢層が高いほどワクチン接種を受ける可能性が高いこと、若年層では社会的な接触が増加していること、0~24歳では対面式の学習などにより暴露の可能性が高まっていることなどが考えられます。また、学校の再開に伴い、この年齢層に対する検査が増加していることも要因の一つとなっています。しかし、小児や若年層の感染率や重症化率は、全体的に比較的低い状況が続いています。
COVID-19ワクチンは60億回以上接種されており、10月18日現在、世界の人口の約半数(47%)が、少なくとも1回のワクチン接種を受けています。接種されたワクチンの3分の2近くが高所得国10か国で使用されたものであるのに対し、低所得国や低中所得国では35%にとどまっており、ワクチンの不公平感が続いていることが明らかになっています。多くの高所得国では、予防接種専門家の戦略的諮問グループ(SAGE)が推奨する用量を超えて追加/ブースター用量の接種を行っているため、世界のワクチン供給がさらに制約され、ワクチン流通の不平等が深刻化しています。
図1 2021年10月24日時点の週別・WHO管轄地域別のCOVID-19感染者数及び世界の死亡者数の推移
表1 2021年10月24日時点のWHO管轄地域別の新規・累積COVID-19確定症例数及び死亡者数
WHO管轄地域別の概況
アフリカ地域
直近1週間で確認された新規感染者数は21,911人、新規死亡者数は841人でした。前週と比較して、新規感染者数は21%減少し、新規死亡者数は11%減少しました。地域内の一部の国々(10/49:20%)で感染者の増加が報告され、レユニオン(578%増)、ボツワナ(116%増)、ガンビア(100%増)で大幅に増加しました。
新規感染者が多い上位3か国
新規死亡者が多い上位3か国
新規感染者が多い上位3か国
国名 | 新規感染者数 | 人口10万人当たりの 新規感染者数 |
前週との比較 |
南アフリカ共和国 | 3,153人 | 5.3人 | 33%減少 |
ボツワナ | 3,063人 | 130.3人 | 116%増加 |
エチオピア | 2,908人 | 2.5人 | 38%減少 |
新規死亡者が多い上位3か国
国名 | 新規死亡者数 | 人口10万人当たりの 新規死亡者数 |
前週との比較 |
南アフリカ共和国 | 327人 | 1.0人未満 | 11%増加 |
エチオピア | 136人 | 1.0人未満 | 45%減少 |
ナイジェリア | 52人 | 1.0人未満 | 12%減少 |
アメリカ地域
直近1週間で確認された新規感染者数は745,287人、新規死亡者数は18,684人でした。前週と比較して、新規感染者数は9%減少し、新規死亡者数は1%増加しました。地域全体の感染者は8月末から減少傾向が続いていますが、一部の国々(14/56:25%)では増加が報告されました。地域全体の死亡者数は前週と同程度でしたが、1%ながらわずかに増加しました。
新規感染者が多い上位3か国
新規死亡者が多い上位3か国
新規感染者が多い上位3か国
国名 | 新規感染者数 | 人口10万人当たりの 新規感染者数 |
前週との比較 |
アメリカ合衆国 | 512,956人 | 155.0人 | 12%減少 |
ブラジル | 84,367人 | 39.7人 | 10%増加 |
メキシコ | 32,940人 | 25.5人 | 7%減少 |
新規死亡者が多い上位3か国
国名 | 新規死亡者数 | 人口10万人当たりの 新規死亡者数 |
前週との比較 |
アメリカ合衆国 | 11,604人 | 3.5人 | 同程度 |
ブラジル | 2,470人 | 1.2人 | 10%増加 |
メキシコ | 2,324人 | 1.8人 | 同程度 |
東地中海地域
直近1週間で確認された新規感染者数は129,949人、新規死亡者数は2,420人でした。前週と比較して、新規感染者数は5%減少し、新規死亡者数は13%減少しました。いずれも、8月中旬から減少傾向が続いています。感染者、死亡者ともに、7月下旬から減少傾向が続いています。地域内の3分の1弱の国々(6/22:27%)が感染者の増加を報告し、スーダン(57%増)とシリア・アラブ共和国(26%増)において、大幅な増加が報告されました。
新規感染者が多い上位3か国
新規死亡者が多い上位3か国
新規感染者が多い上位3か国
国名 | 新規感染者数 | 人口10万人当たりの 新規感染者数 |
前週との比較 |
イラン・イスラム共和国 | 78,251人 | 93.2人 | 同程度 |
イラク | 11,290人 | 28.1人 | 同程度 |
ヨルダン | 9,641人 | 94.5人 | 25%増加 |
新規死亡者が多い上位3か国
国名 | 新規死亡者数 | 人口10万人当たりの 新規死亡者数 |
前週との比較 |
イラン・イスラム共和国 | 1,176人 | 1.4人 | 22%減少 |
エジプト | 316人 | 1.0人未満 | 18%増加 |
イラク | 199人 | 1.0人未満 | 同程度 |
ヨーロッパ地域
直近1週間で確認された新規感染者数は1,671,245人、新規死亡者数は21,475人でした。前週と比較して、新規感染者数は18%増加し、新規死亡者数は14%増加しました。9月末からの増加傾向は今週も続いており、地域全体の感染者と死亡者は増加しています。地域内の半数以上の国々(42/61:69%)で、感染者の増加が報告されました。死亡者数も、7月末から増加傾向が続いています。
新規感染者が多い上位3か国
新規死亡者が多い上位3か国
新規感染者が多い上位3か国
国名 | 新規感染者数 | 人口10万人当たりの 新規感染者数 |
前週との比較 |
イギリス | 330,465人 | 486.8人 | 16%増加 |
ロシア連邦 | 248,956人 | 170.6人 | 15%増加 |
トルコ | 196,850人 | 233.4人 | 8%減少 |
新規死亡者が多い上位3か国
国名 | 新規死亡者数 | 人口10万人当たりの 新規死亡者数 |
前週との比較 |
ロシア連邦 | 7,288人 | 5.0人 | 6%増加 |
ウクライナ | 3,239人 | 7.4人 | 51%増加 |
ルーマニア | 2,889人 | 14.9人 | 22%増加 |
東南アジア地域
直近1週間で確認された新規感染者数は197,673人、新規死亡者数は3,309人でした。前週と比較して、新規感染者数は8%減少し、新規死亡者数は13%増加しました。感染者は8月初旬から減少傾向が続いており、モルディブ(23%増)、東ティモール(37%増)、ネパール(42%増)を除く地域内の全ての国々で減少が報告されました。死亡者は8月初旬から続いていた減少傾向が増加に転じ、インド(40%増)とネパール(21%増)で大幅な増加が報告されました。
新規感染者が多い上位3か国
新規死亡者が多い上位3か国
新規感染者が多い上位3か国
国名 | 新規感染者数 | 人口10万人当たりの 新規感染者数 |
前週との比較 |
インド | 107,749人 | 7.8人 | 6%減少 |
タイ | 66,781人 | 95.7人 | 8%減少 |
ミャンマー | 6,410人 | 11.8人 | 30%減少 |
新規死亡者が多い上位3か国
国名 | 新規死亡者数 | 人口10万人当たりの 新規死亡者数 |
前週との比較 |
インド | 2,145人 | 1.0人未満 | 40%増加 |
タイ | 482人 | 1.0人未満 | 17%減少 |
インドネシア | 253人 | 1.0人未満 | 16%減少 |
西太平洋地域
直近1週間で確認された新規感染者数は174,271人、新規死亡者数は2,684人でした。前週と比較して、新規感染者数は17%減少し、新規死亡者数は16%減少しました。地域内のほとんどの国々(19/26:73%)で感染者の減少が報告され、8月中旬のピーク以降2か月間、減少傾向が続いています。
新規感染者が多い上位3か国
新規死亡者が多い上位3か国
新規感染者が多い上位3か国
国名 | 新規感染者数 | 人口10万人当たりの 新規感染者数 |
前週との比較 |
マレーシア | 41,508人 | 128.2人 | 21%減少 |
フィリピン | 38,189人 | 34.8人 | 35%減少 |
シンガポール | 24,141人 | 412.6人 | 15%増加 |
新規死亡者が多い上位3か国
国名 | 新規死亡者数 | 人口10万人当たりの 新規死亡者数 |
前週との比較 |
フィリピン | 1,005人 | 1.0人未満 | 7%減少 |
マレーシア | 496人 | 1.5人 | 16%減少 |
ベトナム | 489人 | 1.0人未満 | 29%減少 |
変異株の状況
2021年5月31日、WHOは、新型コロナウイルスの変異株に関する一般の人々の議論を促進するために、懸念すべき変異株(VOC)及び注目すべき変異株(VOI)の言いやすい・覚えやすい新たな呼称を発表しました(表2・表3)。
表2 2021年10月26日時点の懸念すべき変異株(VOC)
【VOCの呼称】
・イギリス由来の変異株(B.1.1.7)→ アルファ株(2020年12月18日指定)
・南アフリカ由来の変異株(B.1.351)→ ベータ株(2020年12月18日指定)
・ブラジル由来の変異株(P.1)→ ガンマ株(2021年1月11日追加)
・インド由来の変異株(B.1.617.2)→ デルタ株(2021年5月11日VOIから変更)
表3 2021年10月26日時点の注目すべき変異株(VOI)
【VOIの呼称】
・ペルー由来の変異株(C.37)→ ラムダ株(2021年6月14日追加)
・コロンビア由来の変異株(B.1.621)→ ミュー株(2021年8月30日追加)
WHOは、加盟国の保健当局や研究機関、研究者と協力して、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の変異株が感染や病気の特徴を変えていないか、また、各国当局が適用する公衆衛生・社会的措置(PHSM)の効果に影響を与えていないかを定期的に評価しています。WHOはこの評価に基づき、定義を見直して調整しています。変異株の最新の状況については、以下のページを新たに設けてとりまとめています。
SARS-CoV-2変異株の追跡
https://www.who.int/en/activities/tracking-SARS-CoV-2-variants/
最近の変化と世界レベルでのVOCの地理的分布をよりよく反映させるために、VOC有病率の推定値と、これまでにWHOに公式または非公式に報告されたVOCの検出に関するデータを重ね合わせた改訂版の世界地図を示します(図2)。
国別の有病率は、GISAIDにアップロードされた過去60日以内の検体採取日のSARS-CoV-2の全配列の割合として算出され、現在のVOCの有病率が高い場所を示す3つのグループ(優位:51%以上、中程度:11%~50%、低度:10%以下)に分類しました。
図2 2021年10月26日時点における直近60日間のVOCの流行状況
SARS-CoV-2の拡散と変異が進む中、デルタ株を含めた新たな変異の報告が続いています。デルタ株においては、新たに2つの系統が報告されており、現在は21Aに加えて、21I、21Jの3つがパンゴAY系統に分類されています。
AY.4.2は、デルタ株の中で新たに指定されたパンゴ系統で、スパイクタンパクに2つの変異(A222V・Y145H)を含む3つの変異が追加されています。2021年7月以降、AY.4.2配列株の報告が増加しており、10月25日現在、42か国から26,000件以上のAY.4.2配列株がGISAIDに報告されています。報告の大部分(93%)は英国からで、AY.4.2の割合が徐々に増加しており、10月3日から10日までに報告された世界のデルタ株全体の5.9%を占めていることが推定されています。AY.4.2が及ぼす影響を評価するために、疫学的および実験的研究(感染性の変化や抗体能力の低下など)が進行中です。
※米国では、AY.4.2配列株を「デルタプラス」と称していますが、WHOは今回の報告時点で呼称を定めていません。
表2 2021年10月26日時点の懸念すべき変異株(VOC)
【VOCの呼称】
・イギリス由来の変異株(B.1.1.7)→ アルファ株(2020年12月18日指定)
・南アフリカ由来の変異株(B.1.351)→ ベータ株(2020年12月18日指定)
・ブラジル由来の変異株(P.1)→ ガンマ株(2021年1月11日追加)
・インド由来の変異株(B.1.617.2)→ デルタ株(2021年5月11日VOIから変更)
表3 2021年10月26日時点の注目すべき変異株(VOI)
【VOIの呼称】
・ペルー由来の変異株(C.37)→ ラムダ株(2021年6月14日追加)
・コロンビア由来の変異株(B.1.621)→ ミュー株(2021年8月30日追加)
WHOは、加盟国の保健当局や研究機関、研究者と協力して、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の変異株が感染や病気の特徴を変えていないか、また、各国当局が適用する公衆衛生・社会的措置(PHSM)の効果に影響を与えていないかを定期的に評価しています。WHOはこの評価に基づき、定義を見直して調整しています。変異株の最新の状況については、以下のページを新たに設けてとりまとめています。
SARS-CoV-2変異株の追跡
https://www.who.int/en/activities/tracking-SARS-CoV-2-variants/
最近の変化と世界レベルでのVOCの地理的分布をよりよく反映させるために、VOC有病率の推定値と、これまでにWHOに公式または非公式に報告されたVOCの検出に関するデータを重ね合わせた改訂版の世界地図を示します(図2)。
国別の有病率は、GISAIDにアップロードされた過去60日以内の検体採取日のSARS-CoV-2の全配列の割合として算出され、現在のVOCの有病率が高い場所を示す3つのグループ(優位:51%以上、中程度:11%~50%、低度:10%以下)に分類しました。
図2 2021年10月26日時点における直近60日間のVOCの流行状況
SARS-CoV-2の拡散と変異が進む中、デルタ株を含めた新たな変異の報告が続いています。デルタ株においては、新たに2つの系統が報告されており、現在は21Aに加えて、21I、21Jの3つがパンゴAY系統に分類されています。
AY.4.2は、デルタ株の中で新たに指定されたパンゴ系統で、スパイクタンパクに2つの変異(A222V・Y145H)を含む3つの変異が追加されています。2021年7月以降、AY.4.2配列株の報告が増加しており、10月25日現在、42か国から26,000件以上のAY.4.2配列株がGISAIDに報告されています。報告の大部分(93%)は英国からで、AY.4.2の割合が徐々に増加しており、10月3日から10日までに報告された世界のデルタ株全体の5.9%を占めていることが推定されています。AY.4.2が及ぼす影響を評価するために、疫学的および実験的研究(感染性の変化や抗体能力の低下など)が進行中です。
※米国では、AY.4.2配列株を「デルタプラス」と称していますが、WHOは今回の報告時点で呼称を定めていません。
出典
COVID-19 Situation reports
COVID-19 Weekly Epidemiological Update: 26 October 2021
https://www.who.int/publications/m/item/weekly-epidemiological-update-on-covid-19---26-october-2021
COVID-19 Weekly Epidemiological Update: 26 October 2021
https://www.who.int/publications/m/item/weekly-epidemiological-update-on-covid-19---26-october-2021