新型コロナウイルス感染症の世界の状況報告

COVID-19 Weekly Epidemiological Update(WHO)2022年6月1日

世界の概況

新規感染者数については、2022年1月の頂点以降減少が世界的に継続しています。2022年5月23日から5月29日(以下「直近1週間」という。)で3,383,774人と報告され、前週と比較して11%減少しました(図1)。新規死亡者数については、同様に減少が継続しており、直近1週間で9,647人と報告され、前週と比較して3%減少しました。管轄地域別の新規感染者数については、アメリカ地域で9%及び東地中海地域で1%の増加が報告された一方、他の4地域では減少しています。管轄地域別の新規死亡者数については、西太平洋地域で18%、アフリカ地域で15%及びアメリカ地域で13%増加しており、他の3地域で減少傾向が観察されています。2022年5月29日時点で、全世界の累積感染者数は526,544,503人、累積死亡者数は6,287,797人となります。
 
これらの傾向については、いくつかの国が検体採取方式を積極的に変更し、全体の検査数が減少して結果的に検出される感染者数が減少するため、慎重に解釈する必要があります。
 
各国別では、新規感染者数が多い上位5か国は、米国(736,298人、3%増加)、中国(576,367人、6%増加)、オーストラリア(294,128人、18%減少)、日本(203,365人、18%減少)及びドイツ(183,844人、38%減少)でした。また、直近1週間における新規死亡者数が多い上位5か国は、米国(2,461人、25%増加)、ブラジル(826人、16%増加)、イタリア(624人、15%減少)、ロシア(605人、11%減少)及び中国(578人、82%増加)でした。
 
図1 2022年5月29日時点の週別又はWHO管轄地域別の新型コロナウイルス感染者数及び世界の死亡者数の推移


表1 2022年5月29日時点におけるWHO管轄地域別の新規又は累積新型コロナウイルス感染者の確定症例数及び死亡者数

WHO管轄地域別の概況

アフリカ地域

新規感染者数については、1か月間の増加傾向が報告された後、2週連続で減少が報告されており、直近1週間で34,126人と報告され、前週と比較して36%減少しました。しかしながら、アフリカ地域内の11か国(全体の22%)については、20%を超える新規感染者数の増加が報告され、アンゴラで409%(46人から234人、一括報告を含む。)、ケニアで120%(211人から464人)及びエチオピアで119%(406人から899人)の最大の増加が報告されました。
 
新規死亡者数については、直近1週間で242人と報告され、前週と比較して15%増加しました。
 
新規感染者数が多い上位3か国
国名 新規感染者数 人口10万人当たりの
新規感染者数
前週との比較
南アフリカ 25,541人 43.1人 35%減少
レユニオン 3,252人 363.2人 40%減少
エチオピア 889人 1.0人未満 119%増加
 
新規死亡者数が多い上位3か国
国名 新規死亡者数 人口10万人当たりの
新規死亡者数
前週との比較
南アフリカ 211人 1.0人未満 19%増加
レユニオン 7人 1.0人未満 13%減少
ジンバブエ 6人 1.0人未満 50%減少

アメリカ地域

新規感染者数については、2022年4月中旬以降増加傾向が継続して報告されており、直近1週間で1,139,104人と報告され、前週と比較して9%増加しました。アメリカ地域内の10か国(全体の18%)では、20%を超える新規感染者数の増加が報告され、サバで350%(4人から18人)、ドミニカで128%(838人から1,909人)及びブラジルで63%(97,674人から158,732人)の最大の増加が報告されました。
 
新規死亡者数については、直近1週間で4,229人と報告され、前週と比較して13%増加しました。
 
新規感染者数が多い上位3か国
国名 新規感染者数 人口10万人当たりの
新規感染者数
前週との比較
米国 736,298人 222.4人 3%増加
ブラジル 158,732人 74.7人 63%増加
アルゼンチン 51,778人 114.6人 19%増加
 
新規死亡者数が多い上位3か国
国名 新規死亡者数 人口10万人当たりの
新規死亡者数
前週との比較
米国 2,461人 1.0人未満 25%増加
ブラジル 826人 1.0人未満 16%増加
カナダ 303人 1.0人未満 32%減少

 

東地中海地域

新規感染者数については、直近1週間で17,580人と報告され、前週と比較して1%増加しました。東地中海地域内の7か国(全体の32%)では、20%を超える新規感染者数の増加が報告され、クウェートで615%(105人から751人、一括報告を含む。)、スーダンで171%(34人から92人)及びモロッコで46%(824人から1,202人)の最大の増加が報告されました。
 
新規死亡者数については、直近1週間で96人と報告され、前週と比較して45%減少しました。
 
新規感染者数が多い上位3か国
国名 新規感染者数 人口10万人当たりの
新規感染者数
前週との比較
サウジアラビア 3,621人 10.4人 4%減少
バーレーン 3,187人 187.3人 16%減少
UAE 2,603人 26.3人 13%増加
 
新規死亡者数が多い上位3か国
国名 新規死亡者数 人口10万人当たりの
新規死亡者数
前週との比較
イラン 35人 1.0人未満 36%減少
サウジアラビア 15人 1.0人未満 7%増加
エジプト 14人 1.0人未満 33%減少

 

ヨーロッパ地域

新規感染者数については、2022年3月中旬以降減少が継続しており、直近1週間で842,866人と報告され、前週と比較して30%減少しました。ヨーロッパ地域内の3か国(全体の5%)では、20%を超える新規感染者数の増加が報告され、アルメニアで39%(18人から25人)、デンマークで35%(3,269人から4,426人)及びアゼルバイジャンで23%(40人から49人)の増加が報告されました。
 
新規死亡者数については、直近1週間で3,117人と報告され、前週と比較して22%減少しました。
 
新規感染者数が多い上位3か国
国名 新規感染者数 人口10万人当たりの
新規感染者数
前週との比較
ドイツ 183,844人 221.1人 38%減少
ポルトガル 176,910人 1718.3人 8%減少
イタリア 144,478人 242.2人 27%減少
 
新規死亡者数が多い上位3か国
国名 新規死亡者数 人口10万人当たりの
新規死亡者数
前週との比較
イタリア 624人 1.0人 15%減少
ロシア 605人 1.0人未満 11%減少
英国 314人 1.0人未満 43%減少

 

東南アジア地域

新規感染者数及び死亡者数については、2022年1月中旬以降減少傾向が報告されており、直近1週間でそれぞれ50,204及び457人と報告され、前週と比較してそれぞれ8%及び15%減少しました。東南アジア地域内の2か国では、20%を超える新規感染者数の増加が報告され、ブータンで900%(4人から40人、一括報告に依る。)及び東ティモールで183%(6人から17人)の増加が報告されました。
 
新規感染者数が多い上位3か国
国名 新規感染者数 人口10万人当たりの
新規感染者数
前週との比較
タイ 31,154人 44.6人 17%減少
インド 16,672人 1.2人 13%増加
インドネシア 1,825人 1.0人未満 同等
 
新規死亡者数が多い上位3か国
国名 新規死亡者数 人口10万人当たりの
新規死亡者数
前週との比較
タイ 226人 1.0人未満 18%減少
インド 173人 1.0人未満 13%減少
インドネシア 52人 1.0人未満 19%減少

 

西太平洋地域

新規感染者数については、過去3週間増加傾向が観察された後、直近1週間で1,299,894人と報告され、前週と比較して10%減少しました。西太平洋地域内の2か国では、20%を超える新規感染者数の増加が報告され、北マリアナ諸島で80%(10人から18人)及びフランス領ポリネシアで43%(37人から53人)の増加が報告されました。
 
新規死亡者数については、直近1週間で1,506人と報告され、前週と比較して18%増加しました。
 
新規感染者数が多い上位3か国
国名 新規感染者数 人口10万人当たりの
新規感染者数
前週との比較
中国 576,367人 39.2人 6%増加
オーストラリア 294,128人 1153.4人 18%減少
日本 203,365人 160.8人 18%減少
 
新規死亡者数が多い上位3か国
国名 新規死亡者数 人口10万人当たりの
新規死亡者数
前週との比較
中国 578人 1.0人未満 82%増加
オーストラリア 347人 1.4人 13%増加
日本 244人 1.0人未満 4%減少

 

新型コロナウイルスの懸念される変異株及び注目すべき変異株についての特別な焦点

国の、当局、機関及び研究者と協力して、新型コロナウイルスの変異株が感染・伝播性や病原性に影響するか否か、感染拡大を制御するための、ワクチンの有効性(以下「有効率」という。)、治療法、診断又は公衆衛生上の取組(以下「PHSM」という。)について、WHOは定期的に評価しています。潜在的な、懸念される変異株(以下「VOC」という。)、注目すべき変異株(以下「VOI」という。)及び監視下にある変異株(以下「VUM」という。)は、世界の公衆衛生にもたらすリスクに基づいて定期的に評価されています。
 
流行している変異株の継続的な進化及び付随する疫学の変化を反映するために、変異株の分類が改訂される予定です。変異株の分類基準、現在又は過去に流行していた、VOC、VOI及びVUMの現在の一覧は、新型コロナウイルス変異株の追跡ウェブサイトで閲覧できます。国の当局は、他の変異株の指定を選択することができ、かつ、進化した変異株及びその影響を調査及び報告するよう強く奨励されています。

VOCの世界的な拡散及び有病率

過去30日間にGISAIDに提出された新型コロナウイルスの検体総数は152,476検体であり、減少が継続しています。オミクロン株(B.1.1.529系統並びにその亜系統のBA.X系統及び組換え体を指す。以下同じ。)のVOCは世界的に優勢な変異株であり、報告された検体のほぼ全てを占めています。オミクロン株の亜系統の中で、BA.2系統が優勢な亜系統ですが、過去30日間にGISAIDに提出されたオミクロン株の検体の中で78から75%に減少しています。BA.1系統については、同様に有病率が7から4%に減少しています。オミクロン株の3つの亜系統については、過去30日間にGISAIDに退出されたオミクロン株の検体の中で増加傾向が観察されています。BA.2.12.1系統が11から16%、BA.4系統が2から3%及びBA.5系統が1から2%に増加しています。同じ期間でBA.3系統の有病率が1%未満に低下しています。
 
これらの傾向については、調査の限界を考慮し、慎重に解釈する必要があります(調査の限界は、各国の検体採取及びゲノム解析に係る戦略の違いと同様に、各国のゲノム解析能力及び検体採取上の戦略を含む。)。

出典

COVID-19 Situation reports
COVID-19 Weekly Epidemiological Update: 1 June 2022
https://www.who.int/publications/m/item/weekly-epidemiological-update-on-covid-19---1-june-2022