新型コロナウイルス感染症に係る世界の状況報告
COVID-19 Weekly Epidemiological Update(WHO)2022年6月22日
世界の概況
新規感染者数については、2022年1月の頂点以降減少が世界的に継続しています。2022年6月13日から19日までの週(以下「直近1週間」という。)に3,360,453人と報告され、前週と比較して4%減少しました(図1)。新規死亡者数については、直近1週間で7,592人と報告され、前週と比較して16%減少しました。管轄地域別の新規感染者数については、東南アジア地域で46%、東地中海地域で45%及びヨーロッパ地域で6%の増加が報告された一方、他の3地域では減少しています。管轄地域別の新規死亡者数については、東南アジア地域で4%増加の増加した一方、他の5地域で減少傾向が観察されています。2022年6月19日時点で、全世界の累積感染者数は536,838,970人、累積死亡者数は6,317,653人となります。
これらの傾向については、いくつかの国が検体採取方式を積極的に変更し、全体の検査数が減少して結果的に検出される感染者数が減少するため、慎重に解釈する必要があります。
各国別では、新規感染者数が多い上位5か国は、米国(652,217人、12%減少)、中国(406,401人、19%減少)、ドイツ(356,414人、10%増加)、ブラジル(256,034人、9%減少)及びフランス(253,322人、33%増加)でした。また、直近1週間における新規死亡者数が多い上位5か国は、米国(1,858人、13%減少)、中国(1,044人、13%減少)、ブラジル(956人、3%減少)、ロシア(443人、11%減少)及びイタリア(338人、24%減少)でした。
図1 2022年6月19日時点の週別又はWHO管轄地域別の新型コロナウイルス感染者数及び世界の死亡者数の推移

表1 2022年6月19日時点におけるWHO管轄地域別の新規又は累積新型コロナウイルス感染者の確定症例数及び死亡者数

これらの傾向については、いくつかの国が検体採取方式を積極的に変更し、全体の検査数が減少して結果的に検出される感染者数が減少するため、慎重に解釈する必要があります。
各国別では、新規感染者数が多い上位5か国は、米国(652,217人、12%減少)、中国(406,401人、19%減少)、ドイツ(356,414人、10%増加)、ブラジル(256,034人、9%減少)及びフランス(253,322人、33%増加)でした。また、直近1週間における新規死亡者数が多い上位5か国は、米国(1,858人、13%減少)、中国(1,044人、13%減少)、ブラジル(956人、3%減少)、ロシア(443人、11%減少)及びイタリア(338人、24%減少)でした。
図1 2022年6月19日時点の週別又はWHO管轄地域別の新型コロナウイルス感染者数及び世界の死亡者数の推移
表1 2022年6月19日時点におけるWHO管轄地域別の新規又は累積新型コロナウイルス感染者の確定症例数及び死亡者数
WHO管轄地域別の概況
アフリカ地域
新規感染者数については、直近1週間で22,296人と報告され、前週と比較して21%減少しました。アフリカ地域内の11か国(全体の22%)については、20%を超える新規感染者数の増加が報告され、セネガルで200%(17人から51人)、南スーダンで100%(18人から36人)及びモザンビークで93%(392人から758人)の最大の増加が報告されました。
新規死亡者数については、直近1週間で169人と報告され、前週と比較して24%減少しました。
新規感染者数が多い上位3か国
新規死亡者数が多い上位3か国
新規死亡者数については、直近1週間で169人と報告され、前週と比較して24%減少しました。
新規感染者数が多い上位3か国
国名 | 新規感染者数 | 人口10万人当たりの 新規感染者数 |
前週との比較 |
南アフリカ | 7,978人 | 13.5人 | 24%減少 |
エチオピア | 3,488人 | 3.0人 | 9%減少 |
ケニア | 2,370人 | 4.4人 | 83%増加 |
新規死亡者数が多い上位3か国
国名 | 新規死亡者数 | 人口10万人当たりの 新規死亡者数 |
前週との比較 |
南アフリカ | 121人 | 1.0人未満 | 26%減少 |
ウガンダ | 8人 | 1.0人未満 | 167%増加 |
ジンバブエ | 8人 | 1.0人未満 | 27%減少 |
アメリカ地域
新規感染者数については、2022年4月中旬以降に増加が観察された後、直近1週間で1,169,388人と報告され、前週と比較して9%減少しました。しかしながら、アメリカ地域内の14か国(全体の25%)では、20%を超える新規感染者数の増加が報告され、タークス・カイコス諸島で142%(12人から29人)、セントクリストファー・ネービスで87%(39人から73人)及びパラグアイで78%(776人から1,384人)の最大の増加が報告されました。
新規死亡者数については、直近1週間で3,437人と報告され、前週と比較して11%減少しました。
新規感染者数が多い上位3か国
新規死亡者数が多い上位3か国

新規死亡者数については、直近1週間で3,437人と報告され、前週と比較して11%減少しました。
新規感染者数が多い上位3か国
国名 | 新規感染者数 | 人口10万人当たりの 新規感染者数 |
前週との比較 |
米国 | 652,217人 | 197.0人 | 12%減少 |
ブラジル | 256,034人 | 120.5人 | 9%減少 |
チリ | 73,455人 | 384.3人 | 6%増加 |
新規死亡者数が多い上位3か国
国名 | 新規死亡者数 | 人口10万人当たりの 新規死亡者数 |
前週との比較 |
米国 | 1,858人 | 1.0人未満 | 13%減少 |
ブラジル | 956人 | 1.0人未満 | 3%減少 |
チリ | 150人 | 1.0人未満 | 24%増加 |
東地中海地域
新規感染者数については、直近1週間で48,257人と報告され、前週と比較して45%増加しました。東地中海地域内の14か国(全体の63%)では、20%を超える新規感染者数の増加が報告され、イラクで105%(1,080人から2,210人)、モロッコで86%(5,184人から9,628人)及びオマーンで69%(194人から327人)の最大の増加が報告されました。
新規死亡者数については、直近1週間で61人と報告され、前週と比較して2%減少しました。
新規感染者数が多い上位3か国
新規死亡者数が多い上位3か国
新規死亡者数については、直近1週間で61人と報告され、前週と比較して2%減少しました。
新規感染者数が多い上位3か国
国名 | 新規感染者数 | 人口10万人当たりの 新規感染者数 |
前週との比較 |
UAE | 9,651人 | 97.6人 | 63%増加 |
モロッコ | 9,628人 | 26.1人 | 86%増加 |
バーレーン | 9,227人 | 542.3人 | 41%増加 |
新規死亡者数が多い上位3か国
国名 | 新規死亡者数 | 人口10万人当たりの 新規死亡者数 |
前週との比較 |
サウジアラビア | 15人 | 1.0人未満 | 同等 |
イラン | 14人 | 1.0人未満 | 33%減少 |
チュニジア | 7人 | 1.0人未満 | 同等 |
ヨーロッパ地域
新規感染者数については、2022年3月中旬以降減少が報告された後、過去2週間で微増が報告されており、直近1週間で1,201,047人と報告され、前週と比較して6%増加しました。ヨーロッパ地域内の21か国(全体の34%)では、20%を超える新規感染者数の増加が報告され、マン島で272%(153人から570人)、ウズベキスタンで164%(140人から370人)及びコソボで151%(37人から93人)の最大の増加が報告されました。
新規死亡者数については、2022年2月早期以降減少傾向が報告されており、直近1週間で1,985人と報告され、前週と比較して26%減少しました。
新規感染者数が多い上位3か国
新規死亡者数が多い上位3か国
新規死亡者数については、2022年2月早期以降減少傾向が報告されており、直近1週間で1,985人と報告され、前週と比較して26%減少しました。
新規感染者数が多い上位3か国
国名 | 新規感染者数 | 人口10万人当たりの 新規感染者数 |
前週との比較 |
ドイツ | 356,414人 | 428.6人 | 10%増加 |
フランス | 253,322人 | 389.5人 | 33%増加 |
イタリア | 210,840人 | 353.5人 | 47%増加 |
新規死亡者数が多い上位3か国
国名 | 新規死亡者数 | 人口10万人当たりの 新規死亡者数 |
前週との比較 |
ロシア | 443人 | 1.0人未満 | 11%減少 |
イタリア | 338人 | 1.0人未満 | 24%減少 |
フランス | 272人 | 1.0人未満 | 6%増加 |
東南アジア地域
新規感染者数については、2022年1月中旬以降減少傾向が観察された後、過去3週間で増加が報告されており、直近1週間で99,237人と報告され、前週と比較して46%増加しました。東南アジア地域内の6か国(全体の60%)では、20%を超える新規感染者数の増加が報告され、バングラデシュで350%(492人から2,212人)、モルディブで131%(160人から369人)及びインドネシアで106%(3,688人から7,587人)の最大の増加が報告されました。
新規死亡者数については、直近1週間で273人と報告され、前週と比較して4%増加しました。
新規感染者数が多い上位3か国
新規死亡者数が多い上位3か国

新規死亡者数については、直近1週間で273人と報告され、前週と比較して4%増加しました。
新規感染者数が多い上位3か国
国名 | 新規感染者数 | 人口10万人当たりの 新規感染者数 |
前週との比較 |
インド | 74,675人 | 5.4人 | 65%増加 |
タイ | 14,181人 | 20.3人 | 22%減少 |
インドネシア | 7,587人 | 2.8人 | 106%増加 |
新規死亡者数が多い上位3か国
国名 | 新規死亡者数 | 人口10万人当たりの 新規死亡者数 |
前週との比較 |
タイ | 133人 | 1.0人未満 | 18%減少 |
インド | 94人 | 1.0人未満 | 36%増加 |
インドネシア | 44人 | 1.0人未満 | 57%増加 |
西太平洋地域
新規感染者数については、過去1か月間減少傾向が継続して観察されており、直近1週間で820,228人と報告され、前週と比較して16%減少しました。西太平洋地域内の7か国(全体の21%)では、20%を超える新規感染者数の増加が報告され、フィジーで298%(41人から163人)、北マリアナ諸島で114%(37人から79人)及びフィリピンで73%(1,587人から2,738人)の最大の増加が報告されました。
新規死亡者数については、直近1週間で1,667人と報告され、前週と比較して11%減少しました。
新規感染者数が多い上位3か国
新規死亡者数が多い上位3か国
新規死亡者数については、直近1週間で1,667人と報告され、前週と比較して11%減少しました。
新規感染者数が多い上位3か国
国名 | 新規感染者数 | 人口10万人当たりの 新規感染者数 |
前週との比較 |
中国 | 406,401人 | 27.6人 | 19%減少 |
オーストラリア | 181,980人 | 713.7人 | 6%減少 |
日本 | 91,491人 | 72.3人 | 27%減少 |
新規死亡者数が多い上位3か国
国名 | 新規死亡者数 | 人口10万人当たりの 新規死亡者数 |
前週との比較 |
中国 | 1,044人 | 1.0人未満 | 13%減少 |
オーストラリア | 311人 | 1.2人 | 5%増加 |
日本 | 144人 | 1.0人未満 | 同等 |
新型コロナウイルスの懸念される変異株及び注目すべき変異株についての特別な焦点
国の、当局、機関及び研究者と協力して、新型コロナウイルスの変異株が感染・伝播性や病原性に影響するか否か、感染拡大を制御するための、ワクチンの有効性(以下「有効率」という。)、治療法、診断又は公衆衛生上の取組(以下「PHSM」という。)について、WHOは定期的に評価しています。潜在的な、懸念される変異株(以下「VOC」という。)、注目すべき変異株(以下「VOI」という。)及び監視下にある変異株(以下「VUM」という。)は、世界の公衆衛生にもたらすリスクに基づいて定期的に評価されています。
流行している変異株の継続的な進化及び付随する疫学の変化を反映するために、変異株の分類が改訂される予定です。変異株の分類基準、現在又は過去に流行していた、VOC、VOI及びVUMの現在の一覧は、新型コロナウイルス変異株の追跡ウェブサイトで閲覧できます。国の当局は、他の変異株の指定を選択することができ、かつ、進化した新しい変異株及びその影響を調査及び報告するよう強く奨励されています。
流行している変異株の継続的な進化及び付随する疫学の変化を反映するために、変異株の分類が改訂される予定です。変異株の分類基準、現在又は過去に流行していた、VOC、VOI及びVUMの現在の一覧は、新型コロナウイルス変異株の追跡ウェブサイトで閲覧できます。国の当局は、他の変異株の指定を選択することができ、かつ、進化した新しい変異株及びその影響を調査及び報告するよう強く奨励されています。
VOCの世界的な拡散及び有病率
オミクロン株(B.1.1.529系統並びにその亜系統のBA.X系統及び組換え体を指す。以下同じ。)のVOCは世界的に流行している優勢な変異株であり、2022年5月17日から6月17日までに報告された検体のほぼ全てを占めています。オミクロン株の系統の中で、疫学的第23週(2022年6月6日から12日をいう。)におけるBA.2及びその下位系統(BA.2.X系統と名称される。)は減少していますが、それにもかかわらず優勢のままであり、それぞれ36%及び12%を占めています(表2)。
世界的にBA.5及びBA.4系統有病率は継続して増加しており、それぞれ62及び58か国で検出されています。BA.2.12.1系統については、現在69か国で検出されており、前週以降有病率は減少しています。疫学的第23週時点で、BA.5系統の有病率が25%(前週の16%)、BA.4系統の有病率が9%(前週の16%)及びBA.2.12.1系統の有病率が17%(前週の31%)となります。BA.4及びBA.5系統はBA.2系統と異なる遺伝的な変異の集合体を有しており、それにはより高い感染・伝播性と関連しているS遺伝子のL452変異を含みます。BA.4及びBA.5系統における有病率の上昇は、WHOの複数の管轄地域における症例数の増加と一致しています。複数の国々では、症例数の増加は入院及びICU入室数の急増に同様に直結しています。しかしながら、現在の科学的根拠は、BA.2.12.1、BA.4及びBA.5系統というオミクロン株の3つの下位系統が重症度の変化と関連していることを明示していません。
GISAIDに提出された検体のデータに基づくと、変異株の流行及び動態は国によって異なります。多くの国々がBA.2.12.1、BA.4及びBA.5系統の共流行を報告しています。VOCにおける監視下の系統であるBA.2.9.1、BA.2.11及びBA.2.13系統(全てS遺伝子のL452変異を有する。)の有病率は1%未満です。
表2 過去4週間にわたる新型コロナウイルス変異株の相対的な割合(採集された検体による。)

世界的にBA.5及びBA.4系統有病率は継続して増加しており、それぞれ62及び58か国で検出されています。BA.2.12.1系統については、現在69か国で検出されており、前週以降有病率は減少しています。疫学的第23週時点で、BA.5系統の有病率が25%(前週の16%)、BA.4系統の有病率が9%(前週の16%)及びBA.2.12.1系統の有病率が17%(前週の31%)となります。BA.4及びBA.5系統はBA.2系統と異なる遺伝的な変異の集合体を有しており、それにはより高い感染・伝播性と関連しているS遺伝子のL452変異を含みます。BA.4及びBA.5系統における有病率の上昇は、WHOの複数の管轄地域における症例数の増加と一致しています。複数の国々では、症例数の増加は入院及びICU入室数の急増に同様に直結しています。しかしながら、現在の科学的根拠は、BA.2.12.1、BA.4及びBA.5系統というオミクロン株の3つの下位系統が重症度の変化と関連していることを明示していません。
GISAIDに提出された検体のデータに基づくと、変異株の流行及び動態は国によって異なります。多くの国々がBA.2.12.1、BA.4及びBA.5系統の共流行を報告しています。VOCにおける監視下の系統であるBA.2.9.1、BA.2.11及びBA.2.13系統(全てS遺伝子のL452変異を有する。)の有病率は1%未満です。
表2 過去4週間にわたる新型コロナウイルス変異株の相対的な割合(採集された検体による。)
ワクチン
図6は、ワクチンの1若しくは2回目接種(以下「初回接種」という。)又は初回接種後の接種(以下「追加接種」という。)がオミクロン株に及ぼす有効率について、要約したものです。直近の更新以降で、1の研究が図に追加されています(米国の医療介護従事者を対象とし、3回のファイザー製ワクチンの絶対的な有効率を評価したもの。)。さらに、南アフリカの医療介護従事者における2回のヤンセン製ワクチンの有効率を評価した研究が現在論文化されています。2回のファイザー製ワクチンの更なる有効率の見積もりを提供した研究が図に追加されています。
図6 オミクロン株に対するワクチン初回又は追加接種の有効率

図6 オミクロン株に対するワクチン初回又は追加接種の有効率
オミクロン株に対するワクチンの絶対的な有効率の結果に係る解釈
今日に至るまで、10か国(ブラジル、カナダ、チェコ、デンマーク、フィンランド、イスラエル、カタール、南アフリカ、英国及び米国)から23の研究がオミクロン株に対し、5つのワクチンの予防に係る持続期間を評価しました(6の研究にあっては初回接種のみの、3の研究にあっては追加接種のみの、14の研究にあっては初回及び追加接種の有効率を評価しました。)。これらの研究は、ワクチン初回接種後、オミクロン株に対し、全ての予防(感染、発症及び重症化の予防をいう。以下同じ。)の有効率が他の4つのVOCに対する有効率と比較して減少したと報告しています。重要なことに、大多数の研究で、オミクロン株に対する重症化予防の有効率については、依然として他の予防より高いままです。ワクチンの追加接種は、初回及び追加接種の両方で、利用可能な見積もりを伴うスケジュールの全ての組合せの中で、全ての予防の有効率を著明に改善します。追加接種後の感染及び発症予防の有効率は、重症化予防と比較して時間経過とともに減少します。しかしながら、予防の持続期間を評価するためには、追加接種後6か月を超えて有効率の見積もりを追跡した研究が必要となります。
重症化予防の有効率については、ワクチンの初回接種後3か月以内の期間において、13のうち7の研究(54%)がメッセンジャーRNAワクチン(モデルナ及びファイザー製ワクチン。以下「mRNAワクチン」という。)の有効率を70%以上と見積もりました。ウイルスベクターワクチン(アストラゼネカ及びヤンセン製ワクチン)を対象とした2の研究のうち、片方の研究にあってはアストラゼネカ製ワクチンの有効率を70%未満と見積もり、一方の研究にあってはヤンセン製ワクチンの有効率を50%未満と見積もりました。不活化ワクチン(シノバック製ワクチン)を対象とした1の研究が有効率を50%と報告しました。初回接種後3か月を超えると、29のうち13の研究(45%)にあってはmRNAワクチンの有効率を70%以上と見積もり、20の研究(69%)にあっては有効率を50%以上に見積もりました。12の研究のうち、1の研究(8%)にあってはアストラゼネカ製ワクチンの有効率を70%以上と見積もり、8の研究(67%)にあっては有効率を50%以上と見積もりましたが、ウイルスベクターワクチンを対象とした2の研究にあっては有効率を50%以上と見積もったものはありませんでした。シノバック製ワクチンを対象とした2の研究は、初回接種後3か月を超えると、有効率が50%以上と見積もりました。
全ての研究で、追加接種後に重症化予防の有効率が改善しました。33の見積もりにあってはmRNAワクチンを追加接種とし、2の見積もりにあってはヤンセン製ワクチンを追加接種とし、1の見積もりにあってはシノバック製ワクチンを追加接種としました。データベース全体で、ファイザー製ワクチンを追加接種とした1の見積もり及びヤンセン製ワクチンを追加接種とした1の見積もりが追加接種後14日から3か月以内の期間において、有効率を70%未満と見積もりました。mRNAワクチンを追加接種後3から6か月以内の期間において、20のうち17の研究(85%)が有効率を70%以上と見積もりました(20の研究のうち、13の研究にあっては初回接種がmRNAワクチンであり、6の研究にあっては初回接種がアストラゼネカ製ワクチンであり、1の研究にあっては初回接種がシノバック製ワクチンです。)。
初回接種後3か月以内の期間において、感染及び発症予防の有効率は、重症化予防の有効率より低く見積もる傾向にあり、時間経過とともに著明に減少します。初回接種後3か月以内の期間において、発症予防の有効率については、mRNAワクチンを対象とする13のうち、3の研究(23%)にあっては有効率が70%以上と見積もり、7の研究(54%)にあっては有効率が50%以上と見積もりました。アストラゼネカ製ワクチンを対象とする3の研究全て及びシノバック製ワクチンを対象とする1の研究で、有効率が50%を超えるとしたものはありませんでした。初回接種後3か月を超えると、29の研究のうち1の研究(全体の3%)が有効率を50%以上と見積もりました(21の研究がmRNAワクチン、6の研究がアストラゼネカ製ワクチン、2の研究がシノバック製ワクチンを対象としました。)。mRNA、アストラゼネカ製又はシノバック製ワクチンの初回接種完了後にmRNAワクチンを追加接種した場合の発症予防の有効率については、追加接種後14日から3か月以内の期間において、21のうち5の研究(24%)にあっては70%以上、16の研究(76%)にあっては50%以上と見積もりました。しかしながら、追加接種した場合の予防については、接種後に時間経過とともに減弱し、mRNAワクチンの追加接種後3から6か月以内の期間において、13のうち2の研究(15%)のみが有効率を50%以上と見積もりました。アストラゼネカ製ワクチン(1の見積もり)及びシノバック製ワクチン(1の見積もり)を追加接種後3から6か月以内の期間において、有効率の見積もりが50%を超えるものはありませんでした。感染予防の有効率の見積もりについては、発症予防の有効率と同様の類型を示しました。
重症化予防の有効率については、ワクチンの初回接種後3か月以内の期間において、13のうち7の研究(54%)がメッセンジャーRNAワクチン(モデルナ及びファイザー製ワクチン。以下「mRNAワクチン」という。)の有効率を70%以上と見積もりました。ウイルスベクターワクチン(アストラゼネカ及びヤンセン製ワクチン)を対象とした2の研究のうち、片方の研究にあってはアストラゼネカ製ワクチンの有効率を70%未満と見積もり、一方の研究にあってはヤンセン製ワクチンの有効率を50%未満と見積もりました。不活化ワクチン(シノバック製ワクチン)を対象とした1の研究が有効率を50%と報告しました。初回接種後3か月を超えると、29のうち13の研究(45%)にあってはmRNAワクチンの有効率を70%以上と見積もり、20の研究(69%)にあっては有効率を50%以上に見積もりました。12の研究のうち、1の研究(8%)にあってはアストラゼネカ製ワクチンの有効率を70%以上と見積もり、8の研究(67%)にあっては有効率を50%以上と見積もりましたが、ウイルスベクターワクチンを対象とした2の研究にあっては有効率を50%以上と見積もったものはありませんでした。シノバック製ワクチンを対象とした2の研究は、初回接種後3か月を超えると、有効率が50%以上と見積もりました。
全ての研究で、追加接種後に重症化予防の有効率が改善しました。33の見積もりにあってはmRNAワクチンを追加接種とし、2の見積もりにあってはヤンセン製ワクチンを追加接種とし、1の見積もりにあってはシノバック製ワクチンを追加接種としました。データベース全体で、ファイザー製ワクチンを追加接種とした1の見積もり及びヤンセン製ワクチンを追加接種とした1の見積もりが追加接種後14日から3か月以内の期間において、有効率を70%未満と見積もりました。mRNAワクチンを追加接種後3から6か月以内の期間において、20のうち17の研究(85%)が有効率を70%以上と見積もりました(20の研究のうち、13の研究にあっては初回接種がmRNAワクチンであり、6の研究にあっては初回接種がアストラゼネカ製ワクチンであり、1の研究にあっては初回接種がシノバック製ワクチンです。)。
初回接種後3か月以内の期間において、感染及び発症予防の有効率は、重症化予防の有効率より低く見積もる傾向にあり、時間経過とともに著明に減少します。初回接種後3か月以内の期間において、発症予防の有効率については、mRNAワクチンを対象とする13のうち、3の研究(23%)にあっては有効率が70%以上と見積もり、7の研究(54%)にあっては有効率が50%以上と見積もりました。アストラゼネカ製ワクチンを対象とする3の研究全て及びシノバック製ワクチンを対象とする1の研究で、有効率が50%を超えるとしたものはありませんでした。初回接種後3か月を超えると、29の研究のうち1の研究(全体の3%)が有効率を50%以上と見積もりました(21の研究がmRNAワクチン、6の研究がアストラゼネカ製ワクチン、2の研究がシノバック製ワクチンを対象としました。)。mRNA、アストラゼネカ製又はシノバック製ワクチンの初回接種完了後にmRNAワクチンを追加接種した場合の発症予防の有効率については、追加接種後14日から3か月以内の期間において、21のうち5の研究(24%)にあっては70%以上、16の研究(76%)にあっては50%以上と見積もりました。しかしながら、追加接種した場合の予防については、接種後に時間経過とともに減弱し、mRNAワクチンの追加接種後3から6か月以内の期間において、13のうち2の研究(15%)のみが有効率を50%以上と見積もりました。アストラゼネカ製ワクチン(1の見積もり)及びシノバック製ワクチン(1の見積もり)を追加接種後3から6か月以内の期間において、有効率の見積もりが50%を超えるものはありませんでした。感染予防の有効率の見積もりについては、発症予防の有効率と同様の類型を示しました。
出典
World Health Organization. “Weekly epidemiological update on COVID-19 - 22 June 2022”.WHO.2022.https://www.who.int/publications/m/item/weekly-epidemiological-update-on-covid-19---22-june-2022,(参照2022-06-24).