新型コロナウイルス感染症に係る世界の状況報告(更新74)

COVID-19 Weekly Epidemiological Update(WHO)2022年7月27日

世界の概況

新規感染者数については、2022年7月18日から7月24日までの週(以下「直近1週間」という。)に6,607,653人と報告され、前週と同等でした(図1)。同様に、新規死亡者数については、直近1週間で12,689人と報告され、前週と同等でした。管轄地域別の新規感染者数については、西太平洋地域で52%、東地中海地域で45%及び東南アジア地域で13%増加した一方、アフリカ地域で44%及びヨーロッパ地域で24%及び南北アメリカ地域で12%減少しました。管轄地域別の新規死亡者数については、東地中海地域で88%、西大西洋地域で19%及び東南アジア地域で8%増加した一方、アフリカ地域で47%及びヨーロッパ地域で6%減少しました(南北アメリカ地域については、前週と比較して同等でした。)。2022年7月24日時点で、全世界の累積感染者数は567,312,625人、累積死亡者数は6,378,748人となります。
 
新型コロナウイルス感染症における症例及び死亡に係る現在の傾向については、いくつかの国が検体採取方式を積極的に変更し、全体の検査数が減少して結果的に検出される感染者数が減少するため、慎重に解釈する必要があります。さらに、各国によって後ろ向きに生じた定期的な変化を組み込みながら、データが継続して更新されます。
 
各国別では、新規感染者数が多い上位5か国は、日本(969,068人、73%増加)、米国(860,097人、3%減少)、ドイツ(565,518人、16%減少)、イタリア(531,327人、26%減少)及びフランス(508,620人、27%減少)でした。また、直近1週間における新規死亡者数が多い上位5か国は、米国(2,637人、3%増加)、ブラジル(1,396人、20%減少)、イタリア(952人、21%増加)、スペイン(810人、33%増加)及びフランス(737人、34%増加)でした。
 
図1 2022年7月24日時点の週別又はWHO管轄地域別の新型コロナウイルス感染者数及び世界の死亡者数の推移
 

表1 2022年7月24日時点におけるWHO管轄地域別の新規又は累積新型コロナウイルス感染者の確定症例数及び死亡者数

新型コロナウイルスの懸念される変異株及び注目すべき変異株についての特別な焦点

懸念される変異株の世界的な拡散及び有病率

世界的に2022年6月21日から7月21日まで、193,561の検体は、採取され、GISAIDに提出されました。これらの検体のうち175,679の検体がオミクロン株(B.1.1.529系統並びにその亜系統のBA.X系統及び組換え体を指す。以下同じ。)の懸念される変異株(以下「VOC」という。)であり、過去30日に世界的に報告された検体の90.1%を占めています。同期間でデルタ株及び組換え体は、49の検体(0.1%未満)です。残りの18,223の検体(9.9%)は、指定待ちであり、オミクロン株であると推定されています。
 
GISAIDに提出された検体を疫学的第28週(2022年7月10日から7月16日まで。以下同じ。)及び疫学的第27週(2022年7月3日から7月9日まで。以下同じ。)で比較すると、BA.4系統及びBA.5系統が世界的に継続して優勢であり、安定した週の有病率のままです。BA.4系統にあっては疫学的第27週で11.1%及び疫学的28週で11.2%であり、BA.5系統にあっては疫学的第27週で52.4%及び疫学的第28週で52%です。その一方、疫学的第27週から28週で、BA.2系統にあっては3.6%から2.2%まで、BA.2.12.1系統にあっては6.4%から2.7%まで、それぞれ減少しました。
 
オミクロン株の亜系統の流行に関する現在の傾向については、調査の限界を考慮し、慎重に解釈する必要があります(調査の限界は、世界の各国から実施及び共有された検査及び検体の減少並びに検体採取上の戦略における変化と同様に、各国のゲノム解析能力及び検体採取上の戦略における違いも含む。)。

WHO管轄地域別の概況

アフリカ地域

新規感染者数については、直近1週間で10,882人と報告され、前週と比較して44%減少しました。しかしながら、アフリカ地域内の7か国(全体の14%)については、20%を超える新規感染者数の増加が報告され、コンゴ民主共和国で206%(80人から245人)、ブルンジで127%(451人から1,023人)及びアルジェリアで96%(178人から348人)の最大の増加が報告されました。
 
新規死亡者数については、直近1週間で55人と報告され、前週と比較して47%減少しました。
 
新規感染者数が多い上位3か国
国名 新規感染者数 人口10万人当たりの
新規感染者数
前週との比較
南アフリカ 2,382人 4.0人 4%減少
モーリシャス 1,321人 103.9人 69%減少
ブルンジ 1,023人 8.6人 127%増加
 
新規死亡者数が多い上位3か国
国名 新規死亡者数 人口10万人当たりの
新規死亡者数
前週との比較
南アフリカ 25人 1.0人未満 40%減少
ジンバブエ 6人 1.0人未満 200%増加
エチオピア 5人 1.0人未満 50%減少

 

南北アメリカ地域

新規感染者数については、直近1週間で1,623,921人と報告され、前週と比較して12%減少しました。南北アメリカ地域内におけるデータが入手可能な56か国中の12か国(全体の21%)では、20%を超える新規感染者数の増加が報告され、ボリビアで186%(14,322人から40,986人)、ベネズエラで62%(1,595人から2,579人)及びキューバで59%(365人から581人)の最大の増加が報告されました。
 
新規死亡者数については、直近1週間で5,757人と報告され、前週と比較して2%減少し、同等でした。
 
新規感染者数が多い上位3か国
国名 新規感染者数 人口10万人当たりの
新規感染者数
前週との比較
米国 860,097人 259.8人 3%減少
ブラジル 255,610人 120.3人 39%減少
メキシコ 119,613人 92.8人 34%減少
 
新規死亡者数が多い上位3か国
国名 新規死亡者数 人口10万人当たりの
新規死亡者数
前週との比較
米国 2,637人 1.0人未満 3%増加
ブラジル 1,396人 1.0人未満 20%減少
メキシコ 376人 1.0人未満 13%減少

 

東地中海地域

新規感染者数については、2022年5月の後期以降に増加傾向が報告されており、直近1週間で177,722人と報告され、前週と比較して45%増加しました。東地中海地域内の18か国中の12か国(全体の55%)では、20%を超える新規感染者数の増加が報告され、エジプトで371%(49人から231人)、アフガニスタンで343%(231人から1,024人)及びシリアで293%(27人から106人)の最大の増加が報告されました。
 
新規死亡者数については、直近1週間で432人と報告され、前週と比較して88%増加しました。
 
新規感染者数が多い上位3か国
国名 新規感染者数 人口10万人当たりの
新規感染者数
前週との比較
イラン 46,595人 55.5人 85%増加
チュニジア 27,340人 231.3人 31%増加
イラク 25,573人 63.6人 33%増加
 
新規死亡者数が多い上位3か国
国名 新規死亡者数 人口10万人当たりの
新規死亡者数
前週との比較
イラン 164人 1.0人未満 188%増加
チュニジア 119人 1.0人 59%増加
モロッコ 33人 1.0人未満 22%増加

 

欧州地域

新規感染者数については、直近1週間で2,418,103人と報告され、前週と比較して24%減少しました。欧州地域内の20か国(全体の33%)では、20%を超える新規感染者数の増加が報告され、アゼルバイジャンで148%(703人から1,743人)、カザフスタンで109%(7,190人から15,001人)及びコソボで85%(4,507人から8,333人)の最大の増加が報告されました。
 
新規死亡者数については、直近1週間で4,235人と報告され、前週と比較して6%減少しました。
 
新規感染者数が多い上位3か国
国名 新規感染者数 人口10万人当たりの
新規感染者数
前週との比較
ドイツ 565,518人 680.0人 16%減少
イタリア 531,327人 890.9人 26%減少
フランス 508,620人 782.0人 27%減少
 
新規死亡者数が多い上位3か国
国名 新規死亡者数 人口10万人当たりの
新規死亡者数
前週との比較
イタリア 952人 1.6人 21%増加
スペイン 810人 1.7人 33%増加
フランス 737人 1.1人 34%増加

 

東南アジア地域

新規感染者数については、2022年6月早期以降に増加傾向が報告されており、直近1週間で196,613人と報告され、前週と比較して13%増加しました。東南アジア地域内におけるデータが入手可能な10か国中の5か国(全体の50%)では、20%を超える新規感染者数の増加が報告され、スリランカで158%(175人から452人)、ネパールで103%(1,091人から2,214人)及びミャンマーで69%(80人から135人)の最大の増加が報告されました。
 
新規死亡者数については、直近1週間で582人と報告され、前週と比較して8%増加しました。
 
新規感染者数が多い上位3か国
国名 新規感染者数 人口10万人当たりの
新規感染者数
前週との比較
インド 138,156人 10.0人 8%増加
インドネシア 33,389人 12.2人 41%増加
タイ 16,824人 24.1人 20%増加
 
新規死亡者数が多い上位3か国
国名 新規死亡者数 人口10万人当たりの
新規死亡者数
前週との比較
インド 324人 1.0人未満 15%増加
タイ 161人 1.0人未満 同等
インドネシア 53人 1.0人未満 9%減少

 

西太平洋地域

新規感染者数については、過去5週連続で増加傾向が報告されており、直近1週間で2,180,412人と報告され、前週と比較して52%増加しました。西太平洋地域内の12か国(全体の35%)では、20%を超える新規感染者数の増加が報告され、モンゴルで590%(1,024人から7,066人)、ラオスで72%(149人から256人)及び仏領ポリネシアで64%(425人から696人)の最大の増加が報告されました。
 
新規死亡者数については、直近1週間で1,628人と報告され、前週と比較して19%増加しました。
 
新規感染者数が多い上位3か国
国名 新規感染者数 人口10万人当たりの
新規感染者数
前週との比較
日本 969,068人 766.2人 73%増加
韓国 449,856人 877.4人 80%増加
オーストラリア 376,260人 1475.5人 64%増加
 
新規死亡者数が多い上位3か国
国名 新規死亡者数 人口10万人当たりの
新規死亡者数
前週との比較
オーストラリア 514人 2.0人 75%増加
中国 457人 1.0人未満 21%減少
日本 272人 1.0人未満 66%増加

 

出典

World Health Organization. “Weekly epidemiological update on COVID-19 - 27 July 2022”.WHO.2022.https://www.who.int/publications/m/item/weekly-epidemiological-update-on-covid-19---27-july-2022,(参照2022-07-31).