新型コロナウイルス感染症に係る世界の状況報告(更新75)
COVID-19 Weekly Epidemiological Update(WHO)2022年8月3日
世界の概況
新規感染者数については、2022年7月25日から7月31日までの週(以下「直近1週間」という。)に6,565,679人と報告され、前週と比較して9%減少しました(図1及び表1)。新規死亡者数については、直近1週間で14,179人と報告され、前週と比較して3%減少し、同等でした。2022年7月31日時点で、全世界の累積感染者数にあっては574,526,267人、累積死亡者数にあっては6,395,832人となります。管轄地域別の新規感染者数については、西太平洋地域で20%及びアフリカ地域で5%増加した一方、欧州地域で35%及び東地中海地域で12%減少しました(東南アジア地域で2%及び南北アメリカ地域で2%減少し、同等でした。)。管轄地域別の新規死亡者数については、西大西洋地域で44%、東地中海地域で26%、東南アジア地域で20%及びアフリカ地域で12%増加した一方、欧州地域で26%減少しました(南北アメリカ地域については、前週と比較して1%増加し、同等でした。)。
各国別では、新規感染者数が多い上位5か国は、日本(1,379,099人、42%増加)、米国(923,366人、2%増加)、韓国(564,437人、25%増加)、ドイツ(459,724人、26%減少)及びイタリア(394,583人、26%減少)でした。また、直近1週間における新規死亡者数が多い上位5か国は、米国(2,626人、10%減少)、ブラジル(1,827人、31%増加)、イタリア(1,205人、27%増加)、日本(655人、141%増加)及びオーストラリア(637人、24%増加)でした。
新型コロナウイルス感染症における感染者及び死亡者に係る現在の傾向については、いくつかの国が検体採取方式を積極的に変更し、全体の検査数が減少して結果的に検出される感染者数が減少するため、慎重に解釈する必要があります。さらに、各国によって後ろ向きに生じた新型コロナウイルス感染症における感染者及び死亡者における変化を組み込みながら、各国からのデータがWHOにより継続して更新されます。
図1 2022年7月31日時点の週別又はWHO管轄地域別の新型コロナウイルス感染者数及び世界の死亡者数の推移
表1 2022年7月31日時点におけるWHO管轄地域別の新規又は累積新型コロナウイルス感染者の確定症例数及び死亡者数
各国別では、新規感染者数が多い上位5か国は、日本(1,379,099人、42%増加)、米国(923,366人、2%増加)、韓国(564,437人、25%増加)、ドイツ(459,724人、26%減少)及びイタリア(394,583人、26%減少)でした。また、直近1週間における新規死亡者数が多い上位5か国は、米国(2,626人、10%減少)、ブラジル(1,827人、31%増加)、イタリア(1,205人、27%増加)、日本(655人、141%増加)及びオーストラリア(637人、24%増加)でした。
新型コロナウイルス感染症における感染者及び死亡者に係る現在の傾向については、いくつかの国が検体採取方式を積極的に変更し、全体の検査数が減少して結果的に検出される感染者数が減少するため、慎重に解釈する必要があります。さらに、各国によって後ろ向きに生じた新型コロナウイルス感染症における感染者及び死亡者における変化を組み込みながら、各国からのデータがWHOにより継続して更新されます。
図1 2022年7月31日時点の週別又はWHO管轄地域別の新型コロナウイルス感染者数及び世界の死亡者数の推移
表1 2022年7月31日時点におけるWHO管轄地域別の新規又は累積新型コロナウイルス感染者の確定症例数及び死亡者数
新型コロナウイルスの懸念される変異株及び注目すべき変異株についての特別な焦点
懸念される変異株の世界的な拡散及び有病率
世界的に2022年7月1日から8月1日まで、204,668の検体は、採取され、GISAIDに提出されました。これらの検体のうち203,440の検体がオミクロン株(B.1.1.529系統並びにその亜系統のBA.X系統及び組換え体を指す。以下同じ。)の懸念される変異株(以下「VOC」という。)及びその下位系統であり、過去30日に世界的に報告された検体の99%を占めています。
GISAIDに提出された検体を疫学的第29週(2022年7月17日から7月23日まで。以下同じ。)及び疫学的第28週(2022年7月10日から7月16日まで。以下同じ。)で比較すると、BA.5系統及びBA.4系統というオミクロン株の下位系統が世界的に継続して優勢です。疫学的第28週から29週で、BA.5系統にあっては有病率が63.8%から69.6%まで、BA.5系統にあっては1有病率が0.9%から11.8%まで増加しました。その一方、疫学的第28週から29週で、BA.2.12.1系統にあっては有病率が4.4%から1.9%まで、BA.2系統にあっては有病率が2%から1.5%まで、それぞれ減少しました。
オミクロン株の下位系統の流行に関する現在の傾向については、調査の限界を考慮し、慎重に解釈する必要があります(調査の限界は、世界の各国から実施及び共有された検査及び検体の減少並びに検体採取上の戦略における変化と同様に、各国のゲノム解析能力及び検体採取上の戦略における違いも含む。)。
GISAIDに提出された検体を疫学的第29週(2022年7月17日から7月23日まで。以下同じ。)及び疫学的第28週(2022年7月10日から7月16日まで。以下同じ。)で比較すると、BA.5系統及びBA.4系統というオミクロン株の下位系統が世界的に継続して優勢です。疫学的第28週から29週で、BA.5系統にあっては有病率が63.8%から69.6%まで、BA.5系統にあっては1有病率が0.9%から11.8%まで増加しました。その一方、疫学的第28週から29週で、BA.2.12.1系統にあっては有病率が4.4%から1.9%まで、BA.2系統にあっては有病率が2%から1.5%まで、それぞれ減少しました。
オミクロン株の下位系統の流行に関する現在の傾向については、調査の限界を考慮し、慎重に解釈する必要があります(調査の限界は、世界の各国から実施及び共有された検査及び検体の減少並びに検体採取上の戦略における変化と同様に、各国のゲノム解析能力及び検体採取上の戦略における違いも含む。)。
WHO管轄地域別の概況
アフリカ地域
新規感染者数については、直近1週間で17,253人と報告され、前週と比較して5%増加しました。しかしながら、アフリカ地域内の14か国(全体の31%)については、20%を超える新規感染者数の増加が報告され、リベリアで2,900%(1人から30人)、セーシェルで2,186%(7人から160人)及びルワンダで559%(49人から323人)の最大の増加が報告されました。
新規死亡者数については、直近1週間で83人と報告され、前週と比較して12%増加しました。
新規感染者数が多い上位3か国
新規死亡者数が多い上位3か国
※いくつかの国々の新規感染者数及び死亡者数については、過去の週における後ろ向きの報告のため、前週との比較が困難となります。
新規死亡者数については、直近1週間で83人と報告され、前週と比較して12%増加しました。
新規感染者数が多い上位3か国
国名 | 新規感染者数 | 人口10万人当たりの 新規感染者数 |
前週との比較 |
レユニオン | 5,687人 | 635人 | ※ |
南アフリカ | 2,422人 | 4.1人 | 2%増加 |
ブルンジ | 1,714人 | 14.4人 | 68%増加 |
新規死亡者数が多い上位3か国
国名 | 新規死亡者数 | 人口10万人当たりの 新規死亡者数 |
前週との比較 |
南アフリカ | 39人 | 1.0人未満 | 56%増加 |
レユニオン | 7人 | 1.0人未満 | ※ |
マラウィ | 7人 | 1.0人未満 | 17%増加 |
※いくつかの国々の新規感染者数及び死亡者数については、過去の週における後ろ向きの報告のため、前週との比較が困難となります。
南北アメリカ地域
新規感染者数については、直近1週間で1,666,963人と報告され、前週と比較して2%減少し、同等でした。南北アメリカ地域内におけるデータが入手可能な56か国中の8か国(全体の14%)では、20%を超える新規感染者数の増加が報告され、モントセラトで214%(7人から22人)、ホンジュラスで92%(2,657人から5,105人)及びセントルシアで64%(190人から312人)の最大の増加が報告されました。
新規死亡者数については、直近1週間で6,196人と報告され、前週と比較して1%増加し、同等でした。
新規感染者数が多い上位3か国
新規死亡者数が多い上位3か国
新規死亡者数については、直近1週間で6,196人と報告され、前週と比較して1%増加し、同等でした。
新規感染者数が多い上位3か国
国名 | 新規感染者数 | 人口10万人当たりの 新規感染者数 |
前週との比較 |
米国 | 923,366人 | 279人 | 2%増加 |
ブラジル | 284,971人 | 134.1人 | 11%増加 |
ペルー | 78,692人 | 238.7人 | 9%減少 |
新規死亡者数が多い上位3か国
国名 | 新規死亡者数 | 人口10万人当たりの 新規死亡者数 |
前週との比較 |
米国 | 2,626人 | 1.0人未満 | 10%減少 |
ブラジル | 1,827人 | 1.0人未満 | 31%増加 |
カナダ | 253人 | 1.0人未満 | 22%増加 |
東地中海地域
新規感染者数については、2022年5月の後期以降に増加傾向が観察されており、直近1週間で156,532人と報告され、前週と比較して12%減少しました。東地中海地域内の18か国中の5か国(全体の23%)では、20%を超える新規感染者数の増加が報告され、イエメンで2,700%(1人から28人)、ソマリアで275%(12人から45人)及びヨルダンで94%(2,455人から4,763人)の最大の増加が報告されました。
新規死亡者数については、直近1週間で545人と報告され、前週と比較して26%増加しました。
新規感染者数が多い上位3か国
新規死亡者数が多い上位3か国
新規死亡者数については、直近1週間で545人と報告され、前週と比較して26%増加しました。
新規感染者数が多い上位3か国
国名 | 新規感染者数 | 人口10万人当たりの 新規感染者数 |
前週との比較 |
イラン | 61,977人 | 73.8人 | 33%増加 |
レバノン | 16,609人 | 243.3人 | 19%減少 |
イラク | 15,888人 | 39.5人 | 38%減少 |
新規死亡者数が多い上位3か国
国名 | 新規死亡者数 | 人口10万人当たりの 新規死亡者数 |
前週との比較 |
イラン | 287人 | 1.0人未満 | 75%増加 |
チュニジア | 99人 | 1.0人未満 | 17%減少 |
イラク | 27人 | 1.0人未満 | 42%増加 |
欧州地域
新規感染者数については、直近1週間で1,914,599人と報告され、前週と比較して35%減少しました。欧州地域内の14か国(全体の23%)では、20%を超える新規感染者数の増加が報告され、キルギスで1,015%(88人から981人)、モルドバで72%(3,360人から5,793人)及びロシアで66%(41,959人から69,464人)の最大の増加が報告されました。
新規死亡者数については、直近1週間で4,315人と報告され、前週と比較して26%減少しました。
新規感染者数が多い上位3か国
新規死亡者数が多い上位3か国
新規死亡者数については、直近1週間で4,315人と報告され、前週と比較して26%減少しました。
新規感染者数が多い上位3か国
国名 | 新規感染者数 | 人口10万人当たりの 新規感染者数 |
前週との比較 |
ドイツ | 459,724人 | 552.8人 | 26%減少 |
イタリア | 394,583人 | 661.6人 | 26%減少 |
フランス | 290,392人 | 446.5人 | 46%減少 |
新規死亡者数が多い上位3か国
国名 | 新規死亡者数 | 人口10万人当たりの 新規死亡者数 |
前週との比較 |
イタリア | 1,205人 | 2.0人 | 27%増加 |
フランス | 552人 | 1.0人未満 | 27%減少 |
スペイン | 532人 | 1.1人 | 34%減少 |
東南アジア地域
新規感染者数については、2022年6月早期以降に増加傾向が報告されており、直近1週間で191,983人と報告され、前週と比較して2%減少し、同等でした。東南アジア地域内におけるデータが入手可能な10か国中の3か国(全体の30%)では、20%を超える新規感染者数の増加が報告され、東ティモールで125%(8人から18人)、スリランカで86%(452人から839人)及びネパールで34%(2,214人から2,974人)の最大の増加が報告されました。
新規死亡者数については、直近1週間で698人と報告され、前週と比較して20%増加しました。
新規感染者数が多い上位3か国
新規死亡者数が多い上位3か国
新規死亡者数については、直近1週間で698人と報告され、前週と比較して20%増加しました。
新規感染者数が多い上位3か国
国名 | 新規感染者数 | 人口10万人当たりの 新規感染者数 |
前週との比較 |
インド | 131,056人 | 9.5人 | 5%減少 |
インドネシア | 38,756人 | 14.2人 | 16%増加 |
タイ | 14,323人 | 20.5人 | 15%減少 |
新規死亡者数が多い上位3か国
国名 | 新規死亡者数 | 人口10万人当たりの 新規死亡者数 |
前週との比較 |
インド | 324人 | 1.0人未満 | 同等 |
タイ | 228人 | 1.0人未満 | 42%増加 |
インドネシア | 91人 | 1.0人未満 | 72%増加 |
西太平洋地域
新規感染者数については、過去6週連続で増加傾向が報告されており、直近1週間で2,618,349人と報告され、前週と比較して20%増加しました。西太平洋地域内の12か国(全体の35%)では、20%を超える新規感染者数の増加が報告され、ミクロネシア連邦で4,503%(111人から5,109人)、クック諸島で491%(33人から195人)及びグアムで83%(448人から819人)の最大の増加が報告されました。
新規死亡者数については、直近1週間で2,342人と報告され、前週と比較して44%増加しました。
新規感染者数が多い上位3か国
新規死亡者数が多い上位3か国
新規死亡者数については、直近1週間で2,342人と報告され、前週と比較して44%増加しました。
新規感染者数が多い上位3か国
国名 | 新規感染者数 | 人口10万人当たりの 新規感染者数 |
前週との比較 |
日本 | 1,379,099人 | 1090.4人 | 42%増加 |
韓国 | 564,437人 | 1100.9人 | 25%増加 |
オーストラリア | 306,679人 | 1202.7人 | 18%減少 |
新規死亡者数が多い上位3か国
国名 | 新規死亡者数 | 人口10万人当たりの 新規死亡者数 |
前週との比較 |
日本 | 655人 | 1.0人未満 | 141%増加 |
オーストラリア | 637人 | 2.5人 | 24%増加 |
中国 | 403人 | 1.0人未満 | 12%減少 |
出典
World Health Organization. “Weekly epidemiological update on COVID-19 - 3 August 2022”.WHO.2022.https://www.who.int/publications/m/item/weekly-epidemiological-update-on-covid-19---3-august-2022,(参照2022-08-04).