新型コロナウイルス感染症に係る世界の状況報告(更新76)
COVID-19 Weekly Epidemiological Update(WHO)2022年8月10日
世界の概況
新規感染者数については、2022年8月1日から8月7日までの週(以下「直近1週間」という。)に6,980,516人と報告され、前週と比較して3%増加し、同等でした(図1及び表1)。新規死亡者数については、直近1週間で14,563人と報告され、前週と比較して9%減少しました。2022年8月7日時点で、全世界の累積感染者数にあっては581,831,612人、累積死亡者数にあっては6,413,423人となります。管轄地域別の新規感染者数については、西太平洋地域で29%増加した一方、アフリカ地域で46%、南北アメリカ地域で22%、東地中海地域で22%及び欧州地域で7%減少しました(東南アジア地域については、3%減少し、前週と比較して同等でした。)。管轄地域別の新規死亡者数については、東地中海地域で19%増加した一方、アフリカ地域で73%、欧州地域で15%及び南北アメリカ地域で10%減少しました(東南アジア地域にあっては1%減少し、西太平洋地域にあっては4%増加し、それぞれ前週と比較して同等でした。)。
各国別では、新規感染者数が多い上位5か国は、日本(1,496,968人、9%増加)、米国(759,806人、19%減少)、韓国(713,078人、26%増加)、ベトナム(571,458人)及びトルコ(406,322人)でした。また、直近1週間における新規死亡者数が多い上位5か国は、米国(2,764人、2%減少)、ブラジル(1,445人、21%減少)、イタリア(1,059人、12%減少)、日本(1,002人、53%増加)及びスペイン(654人、23%増加)でした。
新型コロナウイルス感染症における感染者及び死亡者に係る現在の傾向については、いくつかの国が検体採取方式を積極的に変更し、全体の検査数が減少して結果的に検出される感染者数が減少するため、慎重に解釈する必要があります。さらに、各国によって後ろ向きに生じた新型コロナウイルス感染症における感染者及び死亡者の変化を組み込みながら、各国からのデータがWHOにより継続して更新されます。
図1 2022年8月7日時点の週別又はWHO管轄地域別の新型コロナウイルス感染者数及び世界の死亡者数の推移
表1 2022年8月7日時点におけるWHO管轄地域別の新規又は累積新型コロナウイルス感染者の確定症例数及び死亡者数
各国別では、新規感染者数が多い上位5か国は、日本(1,496,968人、9%増加)、米国(759,806人、19%減少)、韓国(713,078人、26%増加)、ベトナム(571,458人)及びトルコ(406,322人)でした。また、直近1週間における新規死亡者数が多い上位5か国は、米国(2,764人、2%減少)、ブラジル(1,445人、21%減少)、イタリア(1,059人、12%減少)、日本(1,002人、53%増加)及びスペイン(654人、23%増加)でした。
新型コロナウイルス感染症における感染者及び死亡者に係る現在の傾向については、いくつかの国が検体採取方式を積極的に変更し、全体の検査数が減少して結果的に検出される感染者数が減少するため、慎重に解釈する必要があります。さらに、各国によって後ろ向きに生じた新型コロナウイルス感染症における感染者及び死亡者の変化を組み込みながら、各国からのデータがWHOにより継続して更新されます。
図1 2022年8月7日時点の週別又はWHO管轄地域別の新型コロナウイルス感染者数及び世界の死亡者数の推移
表1 2022年8月7日時点におけるWHO管轄地域別の新規又は累積新型コロナウイルス感染者の確定症例数及び死亡者数
新型コロナウイルスの懸念される変異株及び注目すべき変異株についての特別な焦点
懸念される変異株の世界的な拡散及び有病率
世界的に2022年7月8日から8月8日まで、175,384の検体は、採取され、かつ、GISAIDに提出されました。これらの検体のうち174,089の検体がオミクロン株(B.1.1.529系統並びにその亜系統のBA.X系統及び組換え体を指す。以下同じ。)の懸念される変異株(以下「VOC」という。)であり、過去30日に世界的に報告された検体の99%を占めています。
GISAIDに提出された検体を疫学的第30週(2022年7月24日から7月30日まで。以下同じ。)及び疫学的第29週(2022年7月17日から7月23日まで。以下同じ。)で比較すると、BA.5系統というオミクロン株の下位系統が世界的に継続して優勢であり、68.9%から69.7%まで増加しました。疫学的第29週から30週まで、BA.4系統にあっては有病率が10.8%から9.1%まで、BA.2.12.1系統にあっては有病率が2.4%から1.3%まで、BA.2系統にあっては1.4%から1.0%まで、それぞれ減少しました。
BA.5系統という下位系統(BA.5.X系統)については、多様性が増しており、スパイクタンパク及び非スパイクタンパク領域における更なる変異を伴います。ウイルスの特徴における有病率及び変化の増加を追跡するために、WHOは、VOCの下位系統も含めつつ、継続して全ての系統を追跡しています。
オミクロン株の下位系統の流行に関する現在の傾向については、調査の限界を考慮し、慎重に解釈する必要があります(調査の限界は、世界の各国から実施及び共有された検査及び検体の減少並びに検体採取上の戦略における変化と同様に、各国のゲノム解析能力及び検体採取上の戦略における違いも含む。)。
GISAIDに提出された検体を疫学的第30週(2022年7月24日から7月30日まで。以下同じ。)及び疫学的第29週(2022年7月17日から7月23日まで。以下同じ。)で比較すると、BA.5系統というオミクロン株の下位系統が世界的に継続して優勢であり、68.9%から69.7%まで増加しました。疫学的第29週から30週まで、BA.4系統にあっては有病率が10.8%から9.1%まで、BA.2.12.1系統にあっては有病率が2.4%から1.3%まで、BA.2系統にあっては1.4%から1.0%まで、それぞれ減少しました。
BA.5系統という下位系統(BA.5.X系統)については、多様性が増しており、スパイクタンパク及び非スパイクタンパク領域における更なる変異を伴います。ウイルスの特徴における有病率及び変化の増加を追跡するために、WHOは、VOCの下位系統も含めつつ、継続して全ての系統を追跡しています。
オミクロン株の下位系統の流行に関する現在の傾向については、調査の限界を考慮し、慎重に解釈する必要があります(調査の限界は、世界の各国から実施及び共有された検査及び検体の減少並びに検体採取上の戦略における変化と同様に、各国のゲノム解析能力及び検体採取上の戦略における違いも含む。)。
WHO管轄地域別の概況
アフリカ地域
新規感染者数については、直近1週間で11,965人と報告され、前週と比較して46%減少しました。アフリカ地域内の5か国(全体の10%)については、20%を超える新規感染者数の増加が報告され、ガーナで49%(120人から179人)、アルジェリアで27%(602人から767人)及びマイヨットで23%(313人から385人)の最大の増加が報告されました。
新規死亡者数については、直近1週間で25人と報告され、前週と比較して73%減少しました。
新規感染者数が多い上位3か国
新規死亡者数が多い上位2か国
当該地域において報告された感染者数及び死亡者数の減少については、慎重に解釈する必要があります(南アフリカも含めた複数の国々において日報から週報までという報告の変化及び後ろ向きの報告を伴うためです。)。
新規死亡者数については、直近1週間で25人と報告され、前週と比較して73%減少しました。
新規感染者数が多い上位3か国
国名 | 新規感染者数 | 人口10万人当たりの 新規感染者数 |
前週との比較 |
レユニオン | 5,823人 | 650.4人 | 2%増加 |
ブルンジ | 1,096人 | 9.2人 | 36%減少 |
ナイジェリア | 908人 | 1.0人未満 | 39%減少 |
新規死亡者数が多い上位2か国
国名 | 新規死亡者数 | 人口10万人当たりの 新規死亡者数 |
前週との比較 |
レユニオン | 7人 | 1.0人未満 | 同等 |
ジンバブエ | 7人 | 1.0人未満 | 40%増加 |
当該地域において報告された感染者数及び死亡者数の減少については、慎重に解釈する必要があります(南アフリカも含めた複数の国々において日報から週報までという報告の変化及び後ろ向きの報告を伴うためです。)。
南北アメリカ地域
新規感染者数については、直近1週間で1,345,194人と報告され、前週と比較して22%減少しました。南北アメリカ地域内におけるデータが入手可能な56か国中の4か国(全体の7%)では、20%を超える新規感染者数の増加が報告され、ハイチで409%(33人から168人)、サバ島で214%(7人から22人)及びドミニカで46%(2,695人から3,930人)の最大の増加が報告されました。
新規死亡者数については、直近1週間で6,040人と報告され、前週と比較して10%減少しました。
新規感染者数が多い上位3か国
新規死亡者数が多い上位3か国
新規死亡者数については、直近1週間で6,040人と報告され、前週と比較して10%減少しました。
新規感染者数が多い上位3か国
国名 | 新規感染者数 | 人口10万人当たりの 新規感染者数 |
前週との比較 |
米国 | 759,806人 | 229.5人 | 19%減少 |
ブラジル | 203,772人 | 95.9人 | 28%減少 |
チリ | 63,595人 | 332.7人 | 13%増加 |
新規死亡者数が多い上位3か国
国名 | 新規死亡者数 | 人口10万人当たりの 新規死亡者数 |
前週との比較 |
米国 | 2,764人 | 1.0人未満 | 2%減少 |
ブラジル | 1,445人 | 1.0人未満 | 21%減少 |
メキシコ | 374人 | 1.0人未満 | 27%減少 |
東地中海地域
新規感染者数については、2週連続で減少が報告されており、直近1週間で122,934人と報告され、前週と比較して22%減少しました。東地中海地域内の2か国(全体の9%)では、20%を超える新規感染者数の増加が報告され、ソマリアで40%(45人から63人)及びアフガニスタンで33%(1,106人から1,466人)の最大の増加が報告されました。
新規死亡者数については、直近1週間で652人と報告され、前週と比較して19%増加しました。
新規感染者数が多い上位3か国
新規死亡者数が多い上位3か国
新規死亡者数については、直近1週間で652人と報告され、前週と比較して19%増加しました。
新規感染者数が多い上位3か国
国名 | 新規感染者数 | 人口10万人当たりの 新規感染者数 |
前週との比較 |
イラン | 53,646人 | 63.9人 | 13%減少 |
レバノン | 13,136人 | 192.5人 | 21%減少 |
パレスチナ | 8,969人 | 175.8人 | 11%減少 |
新規死亡者数が多い上位3か国
国名 | 新規死亡者数 | 人口10万人当たりの 新規死亡者数 |
前週との比較 |
イラン | 461人 | 1.0人未満 | 61%増加 |
チュニジア | 64人 | 1.0人未満 | 35%減少 |
モロッコ | 22人 | 1.0人未満 | 4%減少 |
欧州地域
新規感染者数については、直近1週間で1,938,695人と報告され、前週と比較して7%減少しました。欧州地域内の7か国(全体の11%)では、20%を超える新規感染者数の増加が報告され、モルドバで64%(5,793人から9,528人)、ロシアで60%(69,464人から110,980人)及びアンドラで57%(182人から285人)の最大の増加が報告されました。
新規死亡者数については、直近1週間で4,717人と報告され、前週と比較して15%減少しました。
新規感染者数が多い上位3か国
新規死亡者数が多い上位3か国
※複数の国々における新規感染者数及び死亡者数の変化については、過去の週における後ろ向きの報告又は未報告のため、前週との比較が不可能でした。
新規死亡者数については、直近1週間で4,717人と報告され、前週と比較して15%減少しました。
新規感染者数が多い上位3か国
国名 | 新規感染者数 | 人口10万人当たりの 新規感染者数 |
前週との比較 |
トルコ | 406,322人 | 481.8人 | ※ |
ドイツ | 331,512人 | 398.6人 | 33%減少 |
イタリア | 283,998人 | 476.2人 | 28%減少 |
新規死亡者数が多い上位3か国
国名 | 新規死亡者数 | 人口10万人当たりの 新規死亡者数 |
前週との比較 |
イタリア | 1,059人 | 1.8人 | 12%減少 |
スペイン | 654人 | 1.4人 | 23%増加 |
フランス | 492人 | 1.0人未満 | 19%減少 |
※複数の国々における新規感染者数及び死亡者数の変化については、過去の週における後ろ向きの報告又は未報告のため、前週との比較が不可能でした。
東南アジア地域
新規感染者数については、2週連続で安定した変化であり、直近1週間で186,248人と報告され、前週と比較して3%減少しました。東南アジア地域内におけるデータが入手可能な10か国中の2か国(全体の20%)では、20%を超える新規感染者数の増加が報告され、東ティモールで94%(18人から35人)及びスリランカで22%(839人から1,025人)の最大の増加が報告されました。
新規死亡者数については、直近1週間で693人と報告され、前週と比較して1%減少し、同等でした。
新規感染者数が多い上位3か国
新規死亡者数が多い上位3か国
新規死亡者数については、直近1週間で693人と報告され、前週と比較して1%減少し、同等でした。
新規感染者数が多い上位3か国
国名 | 新規感染者数 | 人口10万人当たりの 新規感染者数 |
前週との比較 |
インド | 125,921人 | 9.1人 | 4%減少 |
インドネシア | 37,880人 | 13.8人 | 2%減少 |
タイ | 15,433人 | 22.1人 | 8%増加 |
新規死亡者数が多い上位3か国
国名 | 新規死亡者数 | 人口10万人当たりの 新規死亡者数 |
前週との比較 |
インド | 332人 | 1.0人未満 | 2%増加 |
タイ | 211人 | 1.0人未満 | 7%減少 |
インドネシア | 102人 | 1.0人未満 | 12%増加 |
西太平洋地域
新規感染者数については、2022年6月末以降に増加傾向が継続して報告されており、直近1週間で3,375,480人と報告され、前週と比較して29%増加しました。西太平洋地域内の5か国(全体の15%)では、20%を超える新規感染者数の増加が報告され、モンゴルで51%(9,279人から13,970人)及びラオスで36%(426人から579人)の最大の増加が報告されました。
新規死亡者数については、直近1週間で2,436人と報告され、前週と比較して4%増加し、同等でした。
新規感染者数が多い上位3か国
ベトナムにおいて報告された感染者数の増加については、2022年2月からのデータ一覧に続いて州における後ろ向きの報告が一部影響しています。
新規死亡者数が多い上位3か国
新規死亡者数については、直近1週間で2,436人と報告され、前週と比較して4%増加し、同等でした。
新規感染者数が多い上位3か国
国名 | 新規感染者数 | 人口10万人当たりの 新規感染者数 |
前週との比較 |
日本 | 1,496,968人 | 1183.6人 | 9%増加 |
韓国 | 713,078人 | 1390.9人 | 26%増加 |
ベトナム | 571,458人 | 587.1人 | 7,541%増加 |
ベトナムにおいて報告された感染者数の増加については、2022年2月からのデータ一覧に続いて州における後ろ向きの報告が一部影響しています。
新規死亡者数が多い上位3か国
国名 | 新規死亡者数 | 人口10万人当たりの 新規死亡者数 |
前週との比較 |
日本 | 1,002人 | 1.0人未満 | 53%増加 |
オーストラリア | 531人 | 2.1人 | 17%減少 |
中国 | 272人 | 1.0人未満 | 33%減少 |
出典
World Health Organization. “Weekly epidemiological update on COVID-19 - 10 August 2022”.WHO.2022.https://www.who.int/publications/m/item/weekly-epidemiological-update-on-covid-19---10-august-2022,(参照2022-08-11).