新型コロナウイルス感染症に係る世界の状況報告(更新78)
COVID-19 Weekly Epidemiological Update(WHO)2022年8月24日
世界の概況
新規感染者数については、2022年8月15日から8月21日までの週(以下「直近1週間」という。)に5,306,244人と報告され、前週と比較して9%減少しました(図1及び表1)。新規死亡者数については、直近1週間で14,310人と報告され、前週と比較して15%減少しました。2022年8月21日時点で、全世界の累積感染者数にあっては593,236,266人、累積死亡者数にあっては6,448,504人となります。管轄地域別の新規感染者数については、アフリカ地域で25%、欧州地域で20%、北米・中南米海地域で18%、東南アジア地域で17%及び東地中海地域で13%減少した一方、西太平洋地域で2%増加して同等でした。管轄地域別の新規死亡者数については、アフリカ地域で183%及び西太平洋地域で8%増加した一方、欧州地域で30%、北米・中南米地域で15%及び東南アジア地域で11%減少し、東地中海地域で3%増加して同等でした。
各国別では、新規感染者数が多い上位5か国は、日本(1,476,374人、6%増加)、韓国(884,373人、2%増加)、米国(612,378人、13%減少)、ドイツ(240,998人、19%減少)及びロシア(235,385人、39%増加)でした。また、直近1週間における新規死亡者数が多い上位5か国は、米国(2,714人、13%減少)、日本(1,624人、1%減少)、ブラジル(1,105人、26%減少)、イタリア(677人、26%減少)及びオーストラリア(490人、9%減少)でした。
新型コロナウイルス感染症における感染者及び死亡者に係る現在の傾向については、複数の国が検体採取方式を積極的に変更し、全体の検査数が減少して結果的に検出される感染者数が減少するため、慎重に解釈する必要があります。さらに、各国によって後ろ向きに生じた新型コロナウイルス感染症における感染者及び死亡者の変化を組み込みながら、各国からのデータがWHOにより継続して更新されます。
図1 2022年8月21日時点の週別又はWHO管轄地域別の新型コロナウイルス感染者数及び世界の死亡者数の推移

表1 2022年8月21日時点におけるWHO管轄地域別の新規又は累積新型コロナウイルス感染者の確定症例数及び死亡者数

各国別では、新規感染者数が多い上位5か国は、日本(1,476,374人、6%増加)、韓国(884,373人、2%増加)、米国(612,378人、13%減少)、ドイツ(240,998人、19%減少)及びロシア(235,385人、39%増加)でした。また、直近1週間における新規死亡者数が多い上位5か国は、米国(2,714人、13%減少)、日本(1,624人、1%減少)、ブラジル(1,105人、26%減少)、イタリア(677人、26%減少)及びオーストラリア(490人、9%減少)でした。
新型コロナウイルス感染症における感染者及び死亡者に係る現在の傾向については、複数の国が検体採取方式を積極的に変更し、全体の検査数が減少して結果的に検出される感染者数が減少するため、慎重に解釈する必要があります。さらに、各国によって後ろ向きに生じた新型コロナウイルス感染症における感染者及び死亡者の変化を組み込みながら、各国からのデータがWHOにより継続して更新されます。
図1 2022年8月21日時点の週別又はWHO管轄地域別の新型コロナウイルス感染者数及び世界の死亡者数の推移
表1 2022年8月21日時点におけるWHO管轄地域別の新規又は累積新型コロナウイルス感染者の確定症例数及び死亡者数
特別な焦点(新型コロナウイルスの懸念される変異株及び注目すべき変異株)
懸念される変異株の世界的な拡散及び有病率
世界的に2022年7月22日から8月22日まで、162,215の検体がGISAIDを通じて共有されました。これらの検体のうち160,716の検体がオミクロン株(B.1.1.529系統並びにその亜系統のBA.X系統及び組換え体を指す。以下同じ。)の懸念される変異株(以下「VOC」という。)であり、過去30日に世界的に報告された検体の99%を占めています。
GISAIDに提出された検体を疫学的第32週(2022年8月7日から8月13日まで。以下同じ。)及び疫学的第31週(2022年7月31日から8月6日まで。以下同じ。)で比較すると、BA.5系統というオミクロン株の下位系統が世界的に継続して優勢であり、71%から74%まで増加しました。BA.5系統の下位系統については、多様性が増しており、スパイク領域及び非スパイク領域における更なる変異を伴い、複数の系統では有病率が上昇しています。特にBA.5.1系統(疫学的第31週の18.6%から疫学的第32週の22.3%)及びBA.5.2系統(疫学的第31週の16.8%から疫学的第32週の20.3%)で有病率が上昇しており、その一方、BA.5.2.1系統(疫学的第31週及び疫学的第32週の21%)の有病率は同等でした。
BA.2系統の下位系統(BA.2.X系統)及びBA.4系統の下位系統(BA.4.X系統)は、過去数週間で継続して減少しています。疫学的第32週時点におけるBA.2.X系統及びBA.4.X系統の有病率は、それぞれ5.6%及び6.1%でした。
更なるオミクロン株の下位系統(例えばBA.5.2.1.7系統のBF.7系統)については、疫学的第32週時点における有病率が14%であり、疫学的第31週時点の有病率11%から上昇しています。これらの系統については、PANGO系統であるBC、BD、BF又はBGに指定されています。
WHOは、有病率における増加及びウイルスの特徴における変化について追跡するために、全ての系統(VOCの下位系統を含む。)を継続して監視しています。オミクロン株の下位系統の流行に関する現在の傾向については、新型コロナウイルスに関する調査システムの限界を考慮し、慎重に解釈する必要があります。これらについては、各国間におけるゲノム解析能力及び検体採取上の戦略における違い、検体採取上の戦略における変化及び実施検査数と世界各国から共有される検体数の減少が含まれます。
GISAIDに提出された検体を疫学的第32週(2022年8月7日から8月13日まで。以下同じ。)及び疫学的第31週(2022年7月31日から8月6日まで。以下同じ。)で比較すると、BA.5系統というオミクロン株の下位系統が世界的に継続して優勢であり、71%から74%まで増加しました。BA.5系統の下位系統については、多様性が増しており、スパイク領域及び非スパイク領域における更なる変異を伴い、複数の系統では有病率が上昇しています。特にBA.5.1系統(疫学的第31週の18.6%から疫学的第32週の22.3%)及びBA.5.2系統(疫学的第31週の16.8%から疫学的第32週の20.3%)で有病率が上昇しており、その一方、BA.5.2.1系統(疫学的第31週及び疫学的第32週の21%)の有病率は同等でした。
BA.2系統の下位系統(BA.2.X系統)及びBA.4系統の下位系統(BA.4.X系統)は、過去数週間で継続して減少しています。疫学的第32週時点におけるBA.2.X系統及びBA.4.X系統の有病率は、それぞれ5.6%及び6.1%でした。
更なるオミクロン株の下位系統(例えばBA.5.2.1.7系統のBF.7系統)については、疫学的第32週時点における有病率が14%であり、疫学的第31週時点の有病率11%から上昇しています。これらの系統については、PANGO系統であるBC、BD、BF又はBGに指定されています。
WHOは、有病率における増加及びウイルスの特徴における変化について追跡するために、全ての系統(VOCの下位系統を含む。)を継続して監視しています。オミクロン株の下位系統の流行に関する現在の傾向については、新型コロナウイルスに関する調査システムの限界を考慮し、慎重に解釈する必要があります。これらについては、各国間におけるゲノム解析能力及び検体採取上の戦略における違い、検体採取上の戦略における変化及び実施検査数と世界各国から共有される検体数の減少が含まれます。
WHO管轄地域別の概況
アフリカ地域
新規感染者数については、直近1週間で11,192人と報告され、前週と比較して25%減少しました。アフリカ地域内の7か国(全体の14%)については、20%を超える新規感染者数の増加が報告され、ニジェールで206%(18人から55人)、チャドで180%(5人から14人)及びマリで88%(8人から15人)の最大の増加が報告されました。
新規死亡者数については、直近1週間で99人と報告され、前週と比較して183%増加しました(主に南アフリカからの後ろ向きの報告による。)。
新規感染者数が多い上位3か国
新規死亡者数が多い上位3か国
※複数の国の感染者数及び死亡者数については、後ろ向きの報告又は先週の報告がないことにより、週毎の比較が困難となります。

新規死亡者数については、直近1週間で99人と報告され、前週と比較して183%増加しました(主に南アフリカからの後ろ向きの報告による。)。
新規感染者数が多い上位3か国
国名 | 新規感染者数 | 人口10万人当たりの 新規感染者数 |
前週との比較 |
レユニオン | 5,093人 | 568.9人 | 11%増加 |
南アフリカ | 1,566人 | 2.6人 | 21%増加 |
ブルンジ | 973人 | 8.2人 | 29%増加 |
新規死亡者数が多い上位3か国
国名 | 新規死亡者数 | 人口10万人当たりの 新規死亡者数 |
前週との比較 |
南アフリカ※ | 84人 | 1.0人未満 | |
ジンバブエ | 4人 | 1.0人未満 | 同等 |
コンゴ民主共和国※ | 3人 | 1.0人未満 |
※複数の国の感染者数及び死亡者数については、後ろ向きの報告又は先週の報告がないことにより、週毎の比較が困難となります。
北米・中南米地域
新規感染者数については、直近1週間で979,882人と報告され、前週と比較して18%減少しました。南北アメリカ地域内におけるデータが入手可能な56か国中の8か国(全体の14%)では、20%を超える新規感染者数の増加が報告され、グレナダで264%(73人から266人)、スリナムで217%(6人から19人)及びアンティグア・バーブーダで127%(33人から75人)の最大の増加が報告されました。
新規死亡者数については、直近1週間で5,421人と報告され、前週と比較して15%減少しました。
新規感染者数が多い上位3か国
新規死亡者数が多い上位3か国
新規死亡者数については、直近1週間で5,421人と報告され、前週と比較して15%減少しました。
新規感染者数が多い上位3か国
国名 | 新規感染者数 | 人口10万人当たりの 新規感染者数 |
前週との比較 |
米国 | 612,378人 | 185.0人 | 13%減少 |
ブラジル | 116,106人 | 54.6人 | 24%減少 |
チリ | 62,880人 | 328.9人 | 13%減少 |
新規死亡者数が多い上位3か国
国名 | 新規死亡者数 | 人口10万人当たりの 新規死亡者数 |
前週との比較 |
米国 | 2,714人 | 1.0人未満 | 13%減少 |
ブラジル | 1,105人 | 1.0人未満 | 26%減少 |
ペルー | 378人 | 1.1人 | 10%増加 |
東地中海地域
新規感染者数については、4週連続で減少が報告されており、直近1週間で75,095人と報告され、前週と比較して13%減少しました。東地中海地域内の2か国(全体の9%)では、20%を超える新規感染者数の増加が報告され、イラクで461%(541人から3,035人)及びイエメンで50%(8人から12人)の最大の増加が報告されました。
新規死亡者数については、直近1週間で625人と報告され、前週と比較して3%増加し、同等でした。
新規感染者数が多い上位3か国
新規死亡者数が多い上位4か国

新規死亡者数については、直近1週間で625人と報告され、前週と比較して3%増加し、同等でした。
新規感染者数が多い上位3か国
国名 | 新規感染者数 | 人口10万人当たりの 新規感染者数 |
前週との比較 |
イラン | 34,475人 | 41.0人 | 2%増加 |
レバノン | 7,620人 | 111.6人 | 27%減少 |
ヨルダン | 5,939人 | 58.2人 | 8%増加 |
新規死亡者数が多い上位4か国
国名 | 新規死亡者数 | 人口10万人当たりの 新規死亡者数 |
前週との比較 |
イラン | 471人 | 1.0人未満 | 2%増加 |
チュニジア | 56人 | 1.0人未満 | 17%増加 |
レバノン | 27人 | 1.0人未満 | 4%増加 |
パキスタン | 27人 | 1.0人未満 | 50%増加 |
欧州地域
新規感染者数については、直近1週間で1,305,837人と報告され、前週と比較して20%減少しました。欧州地域内の3か国(全体の5%)では、20%を超える新規感染者数の増加が報告され、ウクライナで40%(3,893人から5,439人)及びジャージーで38%(143人から197人)の最大の増加が報告されました。
新規死亡者数については、直近1週間で4,055人と報告され、前週と比較して30%減少しました。
新規感染者数が多い上位3か国
新規死亡者数が多い上位3か国

新規死亡者数については、直近1週間で4,055人と報告され、前週と比較して30%減少しました。
新規感染者数が多い上位3か国
国名 | 新規感染者数 | 人口10万人当たりの 新規感染者数 |
前週との比較 |
ドイツ | 240,998人 | 289.8人 | 19%減少 |
ロシア | 235,385人 | 161.3人 | 39%増加 |
イタリア | 150,922人 | 253.0人 | 22%減少 |
新規死亡者数が多い上位3か国
国名 | 新規死亡者数 | 人口10万人当たりの 新規死亡者数 |
前週との比較 |
イタリア | 677人 | 1.1人 | 26%減少 |
スペイン | 461人 | 1.0人 | 20%減少 |
ロシア | 435人 | 1.0人未満 | 13%増加 |
東南アジア地域
新規感染者数については、直近1週間で137,350人と報告され、前週と比較して17%減少しました。東南アジア地域内におけるデータが入手可能な10か国中の1か国(全体の10%)では、20%を超える新規感染者数の増加が報告され、ミャンマーで39%(191人から265人)の最大の増加が報告されました。
新規死亡者数については、直近1週間で686人と報告され、前週と比較して11%減少しました。
新規感染者数が多い上位3か国
新規死亡者数が多い上位3か国

新規死亡者数については、直近1週間で686人と報告され、前週と比較して11%減少しました。
新規感染者数が多い上位3か国
国名 | 新規感染者数 | 人口10万人当たりの 新規感染者数 |
前週との比較 |
インド | 85,965人 | 6.2人 | 20%減少 |
インドネシア | 32,783人 | 12.0人 | 13%減少 |
タイ | 13,755人 | 19.7人 | 7%減少 |
新規死亡者数が多い上位3か国
国名 | 新規死亡者数 | 人口10万人当たりの 新規死亡者数 |
前週との比較 |
インド | 295人 | 1.0人未満 | 15%減少 |
タイ | 199人 | 1.0人未満 | 14%減少 |
インドネシア | 151人 | 1.0人未満 | 15%増加 |
西太平洋地域
新規感染者数については、2022年7月末以降の増加傾向の後、直近1週間で2,796,888人と報告され、前週と比較して2%増加し、同等でした。西太平洋地域内の6か国(全体の18%)では、20%を超える新規感染者数の増加が報告され、バヌアツで1,100%(3人から36人)、マーシャル諸島で1,099%(758人から9,086人)及びパラオで371%(7人から33人)の最大の増加が報告されました。
新規死亡者数については、直近1週間で3,424人と報告され、前週と比較して8%増加しました。
新規感染者数が多い上位3か国
新規死亡者数が多い上位3か国
新規死亡者数については、直近1週間で3,424人と報告され、前週と比較して8%増加しました。
新規感染者数が多い上位3か国
国名 | 新規感染者数 | 人口10万人当たりの 新規感染者数 |
前週との比較 |
日本 | 1,476,374人 | 1167.3人 | 6%増加 |
韓国 | 884,373人 | 1725.0人 | 2%増加 |
中国 | 172,424人 | 11.7人 | 3%増加 |
新規死亡者数が多い上位3か国
国名 | 新規死亡者数 | 人口10万人当たりの 新規死亡者数 |
前週との比較 |
日本 | 1,624人 | 1.3人 | 1%減少 |
オーストラリア | 490人 | 1.9人 | 9%減少 |
フィリピン | 441人 | 1.0人未満 | 305%増加 |
出典
World Health Organization. “Weekly epidemiological update on COVID-19 - 24 August 2022”.WHO.2022.https://www.who.int/publications/m/item/weekly-epidemiological-update-on-covid-19---24-august-2022,(参照2022-08-24).