新型コロナウイルス感染症に係る世界の状況報告(更新80)
COVID-19 Weekly Epidemiological Update(WHO)2022年9月7日
世界の概況
新規感染者数については、2022年8月29日から9月4日までの週(以下「直近1週間」という。)に4,199,352人と報告され、前週と比較して12%減少しました(図1及び表1)。新規死亡者数については、直近1週間で13,716人と報告され、前週と比較して5%減少しました。2022年9月4日時点で、全世界の累積感染者数にあっては600,381,224人、累積死亡者数にあっては6,461,816人となります。管轄地域別の新規感染者数については、全6地域で減少し、東地中海地域で29%、東南アジア地域で22%、欧州地域で15%、アフリカ地域で10%、西太平洋地域で10%及び北米・中南米地域で9%減少しました。管轄地域別の新規死亡者数については、全6地域中の3地域で減少し、東南アジア地域で24%、欧州地域で22%及び東地中海地域で12%減少したその一方、アフリカ地域で14%、北米・中南米地域で6%及び西太平洋地域で5%増加しました。
各国別では、新規感染者数が多い上位5か国は、日本(1,164,787人、7%減少)、米国(586,509人、2%増加)、韓国(585,374人、21%減少)、ロシア(323,500人、12%増加)及び中国(238,044人、22%増加)でした。また、直近1週間における新規死亡者数が多い上位5か国は、米国(3,558人、26%増加)、日本(2,059人、3%増加)、ブラジル(865人、17%減少)、ロシア(628人、20%増加)及び韓国(524人、同等)でした。
新型コロナウイルス感染症における感染者及び死亡者に係る現在の傾向については、複数の国が検体採取方式を積極的に変更し、全体の検査数が減少して結果的に検出される感染者数が減少するため、慎重に解釈する必要があります。さらに、各国からのデータについては、各国によって後ろ向きに生じた新型コロナウイルス感染症における感染者及び死亡者の変化を組み込みながら、WHOにより継続して更新されます。
図1 2022年9月4日時点の週別又はWHO管轄地域別の新型コロナウイルス感染者数及び世界の死亡者数の推移

表1 2022年9月4日時点におけるWHO管轄地域別の新規又は累積新型コロナウイルス感染者の確定症例数及び死亡者数

各国別では、新規感染者数が多い上位5か国は、日本(1,164,787人、7%減少)、米国(586,509人、2%増加)、韓国(585,374人、21%減少)、ロシア(323,500人、12%増加)及び中国(238,044人、22%増加)でした。また、直近1週間における新規死亡者数が多い上位5か国は、米国(3,558人、26%増加)、日本(2,059人、3%増加)、ブラジル(865人、17%減少)、ロシア(628人、20%増加)及び韓国(524人、同等)でした。
新型コロナウイルス感染症における感染者及び死亡者に係る現在の傾向については、複数の国が検体採取方式を積極的に変更し、全体の検査数が減少して結果的に検出される感染者数が減少するため、慎重に解釈する必要があります。さらに、各国からのデータについては、各国によって後ろ向きに生じた新型コロナウイルス感染症における感染者及び死亡者の変化を組み込みながら、WHOにより継続して更新されます。
図1 2022年9月4日時点の週別又はWHO管轄地域別の新型コロナウイルス感染者数及び世界の死亡者数の推移
表1 2022年9月4日時点におけるWHO管轄地域別の新規又は累積新型コロナウイルス感染者の確定症例数及び死亡者数
特別な焦点(新型コロナウイルスの懸念される変異株及び注目すべき変異株)
懸念される変異株の世界的な拡散及び有病率
世界的に2022年8月5日から9月5日まで、118,028の検体がGISAIDを通じて共有されました。これらの検体のうち117,317の検体がオミクロン株(B.1.1.529系統並びにその亜系統のBA.X系統及び組換え体を指す。以下同じ。)の懸念される変異株(以下「VOC」という。)であり、過去30日間で世界的に報告された検体の99.4%を占めています。
GISAIDに提出された検体を疫学的第34週(2022年8月22日から8月28日まで。以下同じ。)及び疫学的第33週(2022年8月15日から8月21日まで。以下同じ。)で比較すると、BA.5系統というオミクロン株の下位系統が世界的に継続して優勢であり、84.8%から86.8%まで増加しました。BA.4系統の有病率(BA.4.6系統も含む。)については、疫学的第33週の6.8%と比較して疫学的第34週の4.2%まで減少しました(BA.4.6系統の有病率については、同期間で3.5%から2%まで減少しました。)。BA.2系統の下位系統(BA.2.X系統)に係る有病率については、疫学的第33週の2.6%と比較して疫学的第34週の2.5%と同等でした。BA.2.75系統(オミクロン株の下位系統であり、監視下にある。)については、いまだ相対的な有病率は世界的に低いままですが(有病率は、疫学的第33週及び第34週で、それぞれ0.9%及び1.2%。)、多くの国々では直近の増加傾向が観察されています。
WHOは、有病率における増加及びウイルスの特徴における変化について追跡するために、全ての系統(VOCの下位系統を含む。)を継続して監視しています。オミクロン株の下位系統の流行に関する現在の傾向については、新型コロナウイルスに関する調査システムの限界を考慮し、慎重に解釈する必要があります。これらについては、各国間におけるゲノム解析能力及び検体採取上の戦略における違い、検体採取上の戦略における変化、世界各国から実施される検査数と共有される検体数の減少及びGISAIDに更新される検体データの遅延が含まれます。
GISAIDに提出された検体を疫学的第34週(2022年8月22日から8月28日まで。以下同じ。)及び疫学的第33週(2022年8月15日から8月21日まで。以下同じ。)で比較すると、BA.5系統というオミクロン株の下位系統が世界的に継続して優勢であり、84.8%から86.8%まで増加しました。BA.4系統の有病率(BA.4.6系統も含む。)については、疫学的第33週の6.8%と比較して疫学的第34週の4.2%まで減少しました(BA.4.6系統の有病率については、同期間で3.5%から2%まで減少しました。)。BA.2系統の下位系統(BA.2.X系統)に係る有病率については、疫学的第33週の2.6%と比較して疫学的第34週の2.5%と同等でした。BA.2.75系統(オミクロン株の下位系統であり、監視下にある。)については、いまだ相対的な有病率は世界的に低いままですが(有病率は、疫学的第33週及び第34週で、それぞれ0.9%及び1.2%。)、多くの国々では直近の増加傾向が観察されています。
WHOは、有病率における増加及びウイルスの特徴における変化について追跡するために、全ての系統(VOCの下位系統を含む。)を継続して監視しています。オミクロン株の下位系統の流行に関する現在の傾向については、新型コロナウイルスに関する調査システムの限界を考慮し、慎重に解釈する必要があります。これらについては、各国間におけるゲノム解析能力及び検体採取上の戦略における違い、検体採取上の戦略における変化、世界各国から実施される検査数と共有される検体数の減少及びGISAIDに更新される検体データの遅延が含まれます。
WHO管轄地域別の概況
アフリカ地域
新規感染者数については、直近1週間で11,420人と報告され、前週と比較して10%減少しました。アフリカ地域内の8か国(全体の16%)については、20%を超える新規感染者数の増加が報告され、マリで376%(55人から262人)、チャドで42%(33人から47人)及びコートジボワールで22%(166人から202人)の最大の増加が報告されました。
新規死亡者数については、直近1週間で50人と報告され、前週と比較して14%増加しました。
新規感染者数が多い上位3か国
新規死亡者数が多い上位3か国
新規死亡者数については、直近1週間で50人と報告され、前週と比較して14%増加しました。
新規感染者数が多い上位3か国
国名 | 新規感染者数 | 人口10万人当たりの 新規感染者数 |
前週との比較 |
レユニオン | 7,014人 | 783.4人 | 23%増加 |
南アフリカ | 1,275人 | 2.1人 | 14%減少 |
ナイジェリア | 460人 | 1.0人未満 | 7%減少 |
新規死亡者数が多い上位3か国
国名 | 新規死亡者数 | 人口10万人当たりの 新規死亡者数 |
前週との比較 |
南アフリカ | 24人 | 1.0人未満 | 33%増加 |
レユニオン | 13人 | 1.5人 | 117%増加 |
コンゴ民主共和国 | 4人 | 1.0人未満 | 20%減少 |
北米・中南米地域
新規感染者数については、直近1週間で821,450人と報告され、前週と比較して9%減少しました。南北アメリカ地域内におけるデータが入手可能な56か国中の4か国(全体の7%)では、20%を超える新規感染者数の増加が報告され、シント・ユータティウスで88%(8人から15人)、米領ヴァージン諸島で46%(181人から264人)及びメキシコで28%(17,325人から22,111人)の最大の増加が報告されました。
新規死亡者数については、直近1週間で5,645人と報告され、前週と比較して6%増加し、同等でした。
新規感染者数が多い上位3か国
新規死亡者数が多い上位3か国

新規死亡者数については、直近1週間で5,645人と報告され、前週と比較して6%増加し、同等でした。
新規感染者数が多い上位3か国
国名 | 新規感染者数 | 人口10万人当たりの 新規感染者数 |
前週との比較 |
米国 | 586,509人 | 177.2人 | 2%増加 |
ブラジル | 87,236人 | 41.0人 | 17%減少 |
チリ | 40,080人 | 209.7人 | 27%減少 |
新規死亡者数が多い上位3か国
国名 | 新規死亡者数 | 人口10万人当たりの 新規死亡者数 |
前週との比較 |
米国 | 3,558人 | 1.1人 | 26%増加 |
ブラジル | 865人 | 1.0人未満 | 17%減少 |
カナダ | 288人 | 1.0人未満 | 1%減少 |
東地中海地域
新規感染者数については、直近1週間で33,697人と報告され、前週と比較して29%減少しました。東地中海地域内では、20%を超える新規感染者数の増加が報告された国はありませんでした。
新規死亡者数については、直近1週間で357人と報告され、前週と比較して12%減少しました。
新規感染者数が多い上位3か国
新規死亡者数が多い上位3か国

新規死亡者数については、直近1週間で357人と報告され、前週と比較して12%減少しました。
新規感染者数が多い上位3か国
国名 | 新規感染者数 | 人口10万人当たりの 新規感染者数 |
前週との比較 |
イラン | 11,351人 | 13.5人 | 27%減少 |
ヨルダン | 3,946人 | 38.7人 | 18%減少 |
カタール | 3,944人 | 136.9人 | 2%増加 |
新規死亡者数が多い上位3か国
国名 | 新規死亡者数 | 人口10万人当たりの 新規死亡者数 |
前週との比較 |
イラン | 282人 | 1.0人未満 | 1%増加 |
レバノン | 17人 | 1.0人未満 | 15%減少 |
パキスタン | 17人 | 1.0人未満 | 19%減少 |
欧州地域
新規感染者数については、直近1週間で1,092,799人と報告され、前週と比較して15%減少しました。欧州地域内の2か国(全体の3%)では、20%を超える新規感染者数の増加が報告され、ジブラルタルで33%(15人から20人)及びウクライナで26%(9,113人から11,437人)の最大の増加が報告されました。
新規死亡者数については、直近1週間で3,355人と報告され、前週と比較して22%減少しました。
新規感染者数が多い上位3か国
新規死亡者数が多い上位3か国

新規死亡者数については、直近1週間で3,355人と報告され、前週と比較して22%減少しました。
新規感染者数が多い上位3か国
国名 | 新規感染者数 | 人口10万人当たりの 新規感染者数 |
前週との比較 |
ロシア | 323,500人 | 221.7人 | 12%増加 |
ドイツ | 183,715人 | 220.9人 | 19%減少 |
イタリア | 136,211人 | 228.4人 | 14%減少 |
新規死亡者数が多い上位3か国
国名 | 新規死亡者数 | 人口10万人当たりの 新規死亡者数 |
前週との比較 |
ロシア | 628人 | 1.0人未満 | 20%増加 |
イタリア | 496人 | 1.0人未満 | 23%減少 |
スペイン | 350人 | 1.0人未満 | 7%増加 |
東南アジア地域
新規感染者数については、直近1週間で90,523人と報告され、前週と比較して22%減少しました。東南アジア地域内におけるデータが入手可能な10か国中の1か国(全体の10%)では、20%を超える新規感染者数の増加が報告され、ミャンマーで94%(308人から597人)の最大の増加が報告されました。
新規死亡者数については、直近1週間で602人と報告され、前週と比較して24%減少しました。
新規感染者数が多い上位3か国
新規死亡者数が多い上位3か国
新規死亡者数については、直近1週間で602人と報告され、前週と比較して24%減少しました。
新規感染者数が多い上位3か国
国名 | 新規感染者数 | 人口10万人当たりの 新規感染者数 |
前週との比較 |
インド | 48,403人 | 3.5人 | 30%減少 |
インドネシア | 26,238人 | 9.6人 | 15%減少 |
タイ | 12,130人 | 17.4人 | 1%減少 |
新規死亡者数が多い上位3か国
国名 | 新規死亡者数 | 人口10万人当たりの 新規死亡者数 |
前週との比較 |
インド | 237人 | 1.0人未満 | 44%減少 |
タイ | 178人 | 1.0人未満 | 9%減少 |
インドネシア | 147人 | 1.0人未満 | 20%増加 |
西太平洋地域
新規感染者数については、直近1週間で2,149,463人と報告され、前週と比較して10%減少しました。西太平洋地域内の3か国(全体の9%)では、20%を超える新規感染者数の増加が報告され、バヌアツで730%(10人から83人)及びミクロネシアで716%(182人から1,486人)の最大の増加が報告されました。
新規死亡者数については、直近1週間で3,707人と報告され、前週と比較して5%増加しました。
新規感染者数が多い上位3か国
新規死亡者数が多い上位3か国
新規死亡者数については、直近1週間で3,707人と報告され、前週と比較して5%増加しました。
新規感染者数が多い上位3か国
国名 | 新規感染者数 | 人口10万人当たりの 新規感染者数 |
前週との比較 |
日本 | 1,164,787人 | 921.0人 | 7%減少 |
韓国 | 585,374人 | 1141.8人 | 21%減少 |
中国 | 238,044人 | 16.2人 | 22%増加 |
新規死亡者数が多い上位3か国
国名 | 新規死亡者数 | 人口10万人当たりの 新規死亡者数 |
前週との比較 |
日本 | 2,059人 | 1.6人 | 3%増加 |
韓国 | 524人 | 1.0人 | 同等 |
オーストラリア | 366人 | 1.4人 | 13%減少 |
出典
World Health Organization. “Weekly epidemiological update on COVID-19 - 7 September 2022”.WHO.2022.https://www.who.int/publications/m/item/weekly-epidemiological-update-on-covid-19---7-september-2022,(参照2022-09-08).