新型コロナウイルス感染症に係る世界の状況報告(更新81)
COVID-19 Weekly Epidemiological Update(WHO)2022年9月14日
世界の概況
新規感染者数については、2022年9月5日から9月11日までの週(以下「直近1週間」という。)に3,130,975人と報告され、前週と比較して28%減少しました(図1及び表1)。新規死亡者数については、直近1週間で10,935人と報告され、前週と比較して22%減少しました。2022年9月11日時点で、全世界の累積感染者数にあっては605,709,697人、累積死亡者数にあっては6,493,407人となります。管轄地域別の新規感染者数については、全6地域で減少し、西太平洋地域で36%、アフリカ地域で33%、北米・中南米地域で27%、東南アジア地域で20%、東地中海地域で19%及び欧州米地域で15%減少しました。管轄地域別の新規死亡者数については、全6地域中の5地域で減少し、欧州地域で31%、東南アジア地域で25%、北米・中南米地域で22%、西太平洋地域で11%及び東地中海地域で10%減少したその一方、アフリカ地域で10%増加しました。
各国別では、新規感染者数が多い上位5か国は、日本(537,181人、54%減少)、韓国(435,695人、26%減少)、米国(430,048人、26%減少)、ロシア(337,187人、4%増加)及び中国(263,288人、11%増加)でした。また、直近1週間における新規死亡者数が多い上位5か国は、米国(2,306人、21%減少)、日本(1,681人、18%減少)、ロシア(637人、1%増加)、ブラジル(551人、36%減少)及びフィリピン(440人、28%増加)でした。
新型コロナウイルス感染症における感染者及び死亡者に係る現在の傾向については、複数の国が検体採取方式を積極的に変更し、全体の検査数が減少して結果的に検出される感染者数が減少するため、慎重に解釈する必要があります。さらに、過去の週からのデータについては、各国によって生じた新型コロナウイルス感染症における感染者及び死亡者の変化を後ろ向きに組み込みながら、WHOにより継続して更新されます。
図1 2022年9月11日時点の週別又はWHO管轄地域別の新型コロナウイルス感染者数及び世界の死亡者数の推移

表1 2022年9月11日時点におけるWHO管轄地域別の新規又は累積新型コロナウイルス感染者の確定症例数及び死亡者数

各国別では、新規感染者数が多い上位5か国は、日本(537,181人、54%減少)、韓国(435,695人、26%減少)、米国(430,048人、26%減少)、ロシア(337,187人、4%増加)及び中国(263,288人、11%増加)でした。また、直近1週間における新規死亡者数が多い上位5か国は、米国(2,306人、21%減少)、日本(1,681人、18%減少)、ロシア(637人、1%増加)、ブラジル(551人、36%減少)及びフィリピン(440人、28%増加)でした。
新型コロナウイルス感染症における感染者及び死亡者に係る現在の傾向については、複数の国が検体採取方式を積極的に変更し、全体の検査数が減少して結果的に検出される感染者数が減少するため、慎重に解釈する必要があります。さらに、過去の週からのデータについては、各国によって生じた新型コロナウイルス感染症における感染者及び死亡者の変化を後ろ向きに組み込みながら、WHOにより継続して更新されます。
図1 2022年9月11日時点の週別又はWHO管轄地域別の新型コロナウイルス感染者数及び世界の死亡者数の推移
表1 2022年9月11日時点におけるWHO管轄地域別の新規又は累積新型コロナウイルス感染者の確定症例数及び死亡者数
特別な焦点(新型コロナウイルスの懸念される変異株及び注目すべき変異株)
懸念される変異株の世界的な拡散及び有病率
世界的に2022年8月12日から9月12日まで、123,400の検体がGISAIDを通じて共有されました。これらの検体のうち122,374の検体がオミクロン株(B.1.1.529系統並びにその亜系統のBA.X系統及び組換え体を指す。以下同じ。)の懸念される変異株(以下「VOC」という。)であり、過去30日間で世界的に報告された検体の99.2%を占めています。
GISAIDに提出された検体を疫学的第35週(2022年8月29日から9月4日まで。以下同じ。)及び疫学的第34週(2022年8月22日から8月28日まで。以下同じ。)で比較すると、BA.5系統というオミクロン株の下位系統が世界的に継続して優勢であり、82.4%から90.0%まで増加しました。BA.4系統の有病率(BA.4.6系統も含む。)については、疫学的第34週の8.0%と比較して疫学的第35週の6.1%まで減少しました。BA.2系統の下位系統(BA.2.X系統)に係る有病率については、疫学的第34週の2.3%と比較して疫学的第35週の3.2%と増加しました。BA.2.75系統(オミクロン株の下位系統であり、監視下にある。)については、いまだ相対的な有病率は世界的に継続して低いままです(有病率は、疫学的第34週及び第35週で、それぞれ1.0%及び2.2%となります。)。
WHOは、有病率及びウイルスの特徴における変化について追跡するために、新型コロナウイルスの変異株(VOCの下位系統を含む。)を継続して監視しています。オミクロン株の下位系統の流行に関する現在の傾向については、新型コロナウイルスに関する調査システムの限界を考慮し、慎重に解釈する必要があります。これらについては、各国間におけるゲノム解析能力及び検体採取上の戦略における違い、検体採取上の戦略における変化、世界各国から実施される検査数と共有される検体数の減少及びGISAIDに更新される検体データの遅延が含まれます。
GISAIDに提出された検体を疫学的第35週(2022年8月29日から9月4日まで。以下同じ。)及び疫学的第34週(2022年8月22日から8月28日まで。以下同じ。)で比較すると、BA.5系統というオミクロン株の下位系統が世界的に継続して優勢であり、82.4%から90.0%まで増加しました。BA.4系統の有病率(BA.4.6系統も含む。)については、疫学的第34週の8.0%と比較して疫学的第35週の6.1%まで減少しました。BA.2系統の下位系統(BA.2.X系統)に係る有病率については、疫学的第34週の2.3%と比較して疫学的第35週の3.2%と増加しました。BA.2.75系統(オミクロン株の下位系統であり、監視下にある。)については、いまだ相対的な有病率は世界的に継続して低いままです(有病率は、疫学的第34週及び第35週で、それぞれ1.0%及び2.2%となります。)。
WHOは、有病率及びウイルスの特徴における変化について追跡するために、新型コロナウイルスの変異株(VOCの下位系統を含む。)を継続して監視しています。オミクロン株の下位系統の流行に関する現在の傾向については、新型コロナウイルスに関する調査システムの限界を考慮し、慎重に解釈する必要があります。これらについては、各国間におけるゲノム解析能力及び検体採取上の戦略における違い、検体採取上の戦略における変化、世界各国から実施される検査数と共有される検体数の減少及びGISAIDに更新される検体データの遅延が含まれます。
WHO管轄地域別の概況
アフリカ地域
新規感染者数については、直近1週間で8,841人と報告され、前週と比較して33%減少しました。アフリカ地域内の9か国(全体の18%)については、20%を超える新規感染者数の増加が報告され、マリで140%(262人から629人)、リベリアで107%(15人から31人)及びジンバブエで105%(56人から115人)の最大の増加が報告されました。
新規死亡者数については、直近1週間で57人と報告され、前週と比較して10%増加しました。
新規感染者数が多い上位3か国
新規死亡者数が多い上位3か国
※前週に報告された死亡者数は、なしとなります。

新規死亡者数については、直近1週間で57人と報告され、前週と比較して10%増加しました。
新規感染者数が多い上位3か国
国名 | 新規感染者数 | 人口10万人当たりの 新規感染者数 |
前週との比較 |
レユニオン | 4,661人 | 520.6人 | 34%減少 |
南アフリカ | 1,792人 | 3.0人 | 41%増加 |
マリ | 629人 | 3.1人 | 140%増加 |
新規死亡者数が多い上位3か国
国名 | 新規死亡者数 | 人口10万人当たりの 新規死亡者数 |
前週との比較 |
南アフリカ | 21人 | 1.0人未満 | 13%減少 |
コンゴ民主共和国 | 17人 | 1.0人未満 | 325%増加 |
ナイジェリア | 6人 | 1.0人未満 | ※ |
北米・中南米地域
新規感染者数については、直近1週間で610,303人と報告され、前週と比較して27%減少しました。南北アメリカ地域内におけるデータが入手可能な56か国中の5か国(全体の9%)では、20%を超える新規感染者数の増加が報告され、モントセラトで34%(64人から86人)、ベネズエラで34%(665人から890人)及びアルバで24%(98人から122人)の最大の増加が報告されました。
新規死亡者数については、直近1週間で3,998人と報告され、前週と比較して22%減少しました。
新規感染者数が多い上位3か国
新規死亡者数が多い上位3か国

新規死亡者数については、直近1週間で3,998人と報告され、前週と比較して22%減少しました。
新規感染者数が多い上位3か国
国名 | 新規感染者数 | 人口10万人当たりの 新規感染者数 |
前週との比較 |
米国 | 430,048人 | 129.9人 | 26%減少 |
ブラジル | 60,594人 | 28.5人 | 31%減少 |
チリ | 32,268人 | 168.8人 | 19%減少 |
新規死亡者数が多い上位3か国
国名 | 新規死亡者数 | 人口10万人当たりの 新規死亡者数 |
前週との比較 |
米国 | 2,306人 | 1.0人未満 | 21%減少 |
ブラジル | 551人 | 1.0人未満 | 36%減少 |
ペルー | 255人 | 1.0人未満 | 9%増加 |
東地中海地域
新規感染者数については、直近1週間で27,586人と報告され、前週と比較して19%減少しました。東地中海地域内の3か国(全体の14%)では、20%を超える新規感染者数の増加が報告され、イエメンで500%(1人から6人)、スーダンで64%(14人から23人)及びチュニジアで38%(695人から962人)の最大の増加が報告されました。
新規死亡者数については、直近1週間で321人と報告され、前週と比較して10%減少しました。
新規感染者数が多い上位3か国
新規死亡者数が多い上位3か国
新規死亡者数については、直近1週間で321人と報告され、前週と比較して10%減少しました。
新規感染者数が多い上位3か国
国名 | 新規感染者数 | 人口10万人当たりの 新規感染者数 |
前週との比較 |
イラン | 7,800人 | 9.3人 | 31%減少 |
カタール | 4,247人 | 147.4人 | 8%増加 |
ヨルダン | 3,372人 | 33.0人 | 15%減少 |
新規死亡者数が多い上位3か国
国名 | 新規死亡者数 | 人口10万人当たりの 新規死亡者数 |
前週との比較 |
イラン | 260人 | 1.0人未満 | 8%減少 |
サウジアラビア | 13人 | 1.0人未満 | 同等 |
パキスタン | 11人 | 1.0人未満 | 35%減少 |
欧州地域
新規感染者数については、直近1週間で1,037,111人と報告され、前週と比較して15%減少しました。欧州地域内の4か国(全体の7%)では、20%を超える新規感染者数の増加が報告され、ウクライナで41%(11,437人から16,155人)、スロベニアで25%(8,872人から11,076人)及びポーランドで24%(20,247人から25,133人)の最大の増加が報告されました。
新規死亡者数については、直近1週間で2,817人と報告され、前週と比較して31%減少しました。
新規感染者数が多い上位3か国
新規死亡者数が多い上位3か国

新規死亡者数については、直近1週間で2,817人と報告され、前週と比較して31%減少しました。
新規感染者数が多い上位3か国
国名 | 新規感染者数 | 人口10万人当たりの 新規感染者数 |
前週との比較 |
ロシア | 337,187人 | 231.1人 | 同等 |
ドイツ | 183,874人 | 221.1人 | 9%減少 |
イタリア | 110,644人 | 185.5人 | 19%減少 |
新規死亡者数が多い上位3か国
国名 | 新規死亡者数 | 人口10万人当たりの 新規死亡者数 |
前週との比較 |
ロシア | 637人 | 1.0人未満 | 同等 |
イタリア | 373人 | 1.0人未満 | 25%減少 |
スペイン | 326人 | 1.0人未満 | 7%減少 |
東南アジア地域
新規感染者数については、直近1週間で72,601人と報告され、前週と比較して20%減少しました。東南アジア地域内におけるデータが入手可能な10か国中の3か国(全体の30%)では、20%を超える新規感染者数の増加が報告され、ミャンマーで117%(597人から1,293人)、バングラデシュで47%(1,444人から2,126人)及び東ティモールで32%(25人から33人)の最大の増加が報告されました。
新規死亡者数については、直近1週間で453人と報告され、前週と比較して25%減少しました。
新規感染者数が多い上位3か国
新規死亡者数が多い上位3か国
新規死亡者数については、直近1週間で453人と報告され、前週と比較して25%減少しました。
新規感染者数が多い上位3か国
国名 | 新規感染者数 | 人口10万人当たりの 新規感染者数 |
前週との比較 |
インド | 38,824人 | 2.8人 | 20%減少 |
インドネシア | 19,950人 | 7.3人 | 24%減少 |
タイ | 9,004人 | 12.9人 | 26%減少 |
新規死亡者数が多い上位3か国
国名 | 新規死亡者数 | 人口10万人当たりの 新規死亡者数 |
前週との比較 |
インド | 159人 | 1.0人未満 | 33%減少 |
タイ | 139人 | 1.0人未満 | 22%減少 |
インドネシア | 123人 | 1.0人未満 | 16%減少 |
西太平洋地域
新規感染者数については、直近1週間で1,374,533人と報告され、前週と比較して36%減少しました。西太平洋地域内の2か国(全体の6%)では、20%を超える新規感染者数の増加が報告され、パプアニューギニアで33%(15人から20人)及びベトナムで29%(15,906人から20,467人)の最大の増加が報告されました。
新規死亡者数については、直近1週間で3,289人と報告され、前週と比較して11%減少しました。
新規感染者数が多い上位3か国
新規死亡者数が多い上位3か国

新規死亡者数については、直近1週間で3,289人と報告され、前週と比較して11%減少しました。
新規感染者数が多い上位3か国
国名 | 新規感染者数 | 人口10万人当たりの 新規感染者数 |
前週との比較 |
日本 | 537,181人 | 424.7人 | 54%減少 |
韓国 | 435,695人 | 849.8人 | 26%減少 |
中国 | 263,288人 | 17.9人 | 11%増加 |
新規死亡者数が多い上位3か国
国名 | 新規死亡者数 | 人口10万人当たりの 新規死亡者数 |
前週との比較 |
日本 | 1,681人 | 1.3人 | 18%減少 |
フィリピン | 440人 | 1.0人未満 | 28%増加 |
オーストラリア | 407人 | 1.6人 | 11%増加 |
出典
World Health Organization. “Weekly epidemiological update on COVID-19 - 14 September 2022”.WHO.2022.https://www.who.int/publications/m/item/weekly-epidemiological-update-on-covid-19---14-september-2022,(参照2022-09-15).