新型コロナウイルス感染症に係る世界の状況報告(更新85)
COVID-19 Weekly Epidemiological Update(WHO)2022年10月12日
世界の概況
新規感染者数については、2022年10月3日から10月9日までの週(以下「直近1週間」という。)に2,894,005人と報告され、前週と比較して10%減少しました(図1及び表1)。新規死亡者数については、直近1週間で9,002人と報告され、前週と比較して1%減少し、同等でした。2022年10月9日時点で、全世界の累積感染者数にあっては618,507,182人、累積死亡者数にあっては6,535,944人となります。管轄地域別の新規感染者数については、アフリカ地域で41%、東南アジア地域で25%、西太平洋地域で21%、東地中海地域で14%、北米・中南米地域で 10%及び欧州地域で3%減少しました。管轄地域別の新規死亡者数については、アフリカ地域で53%、東南アジア地域で23%、欧州地域で12%減少しました(東地中海地域で1%未満の増減、西太平洋地域で1%及び北米・中南米地域で11%増加しました。)。
各国別では、新規感染者数が多い上位5か国は、ドイツ(508,749人、12%増加)、中国(333,830人、10%増加)、フランス(323,787人、4%増加)、米国(283,220人、9%減少)及びイタリア(280,947人、30%増加)でした。また、直近1週間における新規死亡者数が多い上位5か国は、米国(2,817人、3%増加)、ブラジル(767人、168%増加)、ロシア(731人、3%増加)、日本(567人、1%増加)及び中国(412人、12%増加)でした。
新型コロナウイルス感染症における感染者及び死亡者に係る現在の傾向については、複数の国が検体採取方式を積極的に変更し、全体の検査数が減少して結果的に検出される感染者数が減少するため、慎重に解釈する必要があります。さらに、過去の週からのデータについては、各国によって生じた新型コロナウイルス感染症における感染者及び死亡者の変化を後ろ向きに組み込みながら、継続して更新されています。
図1 2022年10月9日時点の週別又はWHO管轄地域別の新型コロナウイルス感染者数及び世界の死亡者数の推移
表1 2022年10月9日時点におけるWHO管轄地域別の新規又は累積新型コロナウイルス感染者の確定症例数及び死亡者数
各国別では、新規感染者数が多い上位5か国は、ドイツ(508,749人、12%増加)、中国(333,830人、10%増加)、フランス(323,787人、4%増加)、米国(283,220人、9%減少)及びイタリア(280,947人、30%増加)でした。また、直近1週間における新規死亡者数が多い上位5か国は、米国(2,817人、3%増加)、ブラジル(767人、168%増加)、ロシア(731人、3%増加)、日本(567人、1%増加)及び中国(412人、12%増加)でした。
新型コロナウイルス感染症における感染者及び死亡者に係る現在の傾向については、複数の国が検体採取方式を積極的に変更し、全体の検査数が減少して結果的に検出される感染者数が減少するため、慎重に解釈する必要があります。さらに、過去の週からのデータについては、各国によって生じた新型コロナウイルス感染症における感染者及び死亡者の変化を後ろ向きに組み込みながら、継続して更新されています。
図1 2022年10月9日時点の週別又はWHO管轄地域別の新型コロナウイルス感染者数及び世界の死亡者数の推移
表1 2022年10月9日時点におけるWHO管轄地域別の新規又は累積新型コロナウイルス感染者の確定症例数及び死亡者数
特別な焦点(新型コロナウイルスの懸念される変異株及び注目すべき変異株)
懸念される変異株の有病率
世界的に2022年9月10日から10月10日まで、101,538の検体がGISAIDを通じて共有されました。これらの検体のうち101,441の検体がオミクロン株(B.1.1.529系統並びにその亜系統のBA.X系統及び組換え体を指す。以下同じ。)の懸念される変異株(以下「VOC」という。)であり、過去30日間で報告された検体の99.9%を占めています。多くのオミクロン株の下位系統については、監視下にあります。
疫学的第37週(2022年9月12日から9月18日まで。以下同じ。)中に、GISAIDに提出された検体の中でオミクロン株のBA.5系統が76.2%と継続して最も優勢であり、次にBA.4系統(BA.4.6系統を含む。)が7.0%を占め、次にBA.2系統(BA.2.75系統を含む。)が3.9%を占めます。疫学的第37週中において、未指定の検体(オミクロン株と推定されている。)がGISAIDに提出された検体の12.8%を占めています。
疫学的第37週(2022年9月12日から9月18日まで。以下同じ。)中に、GISAIDに提出された検体の中でオミクロン株のBA.5系統が76.2%と継続して最も優勢であり、次にBA.4系統(BA.4.6系統を含む。)が7.0%を占め、次にBA.2系統(BA.2.75系統を含む。)が3.9%を占めます。疫学的第37週中において、未指定の検体(オミクロン株と推定されている。)がGISAIDに提出された検体の12.8%を占めています。
WHO管轄地域別の概況
アフリカ地域
新規感染者数については、直近1週間で3,749人と報告され、前週と比較して41%減少しました。アフリカ地域内の9か国(全体の18%)については、20%以上の新規感染者数の増加が報告され、モーリタニアで44%(32人から46人)、マリで40%(40人から56人)及びエスワティニで30%(20人から26人)の最大の増加が報告されました。
新規死亡者数については、直近1週間で18人と報告され、前週と比較して53%減少しました。
新規感染者数が多い上位3か国
新規死亡者数が多い上位3か国
※過去の週の報告なし。
新規死亡者数については、直近1週間で18人と報告され、前週と比較して53%減少しました。
新規感染者数が多い上位3か国
国名 | 新規感染者数 | 人口10万人当たりの 新規感染者数 |
前週との比較 |
南アフリカ | 2,020人 | 3.4人 | 26%増加 |
ナイジェリア | 385人 | 1.0人未満 | 57%増加 |
レユニオン | 356人 | 39.8人 | 43%減少 |
新規死亡者数が多い上位3か国
国名 | 新規死亡者数 | 人口10万人当たりの 新規死亡者数 |
前週との比較 |
南アフリカ | 9人 | 1.0人未満 | 44%減少 |
アルジェリア | 2人 | 1.0人未満 | ※ |
ジンバブエ | 2人 | 1.0人未満 | 33%減少 |
北米・中南米地域
新規感染者数については、直近1週間で396,937人と報告され、前週と比較して10%減少しました。南北アメリカ地域内におけるデータが入手可能な56か国中の6か国(全体の11%)では、20%以上の新規感染者数の増加が報告され、ホンジュラスで396%(55人から273人)、バミューダ諸島で106%(32人から66人)及びキュラソーで100%(11人から22人)の最大の増加が報告されました。
新規死亡者数については、直近1週間で4,170人と報告され、前週と比較して11%増加しました。
新規感染者数が多い上位3か国
新規死亡者数が多い上位3か国
新規死亡者数については、直近1週間で4,170人と報告され、前週と比較して11%増加しました。
新規感染者数が多い上位3か国
国名 | 新規感染者数 | 人口10万人当たりの 新規感染者数 |
前週との比較 |
米国 | 283,220人 | 85.6人 | 9%減少 |
ブラジル | 42,613人 | 20.0人 | 11%減少 |
チリ | 21,425人 | 112.1人 | 12%減少 |
新規死亡者数が多い上位3か国
国名 | 新規死亡者数 | 人口10万人当たりの 新規死亡者数 |
前週との比較 |
米国 | 2,817人 | 1.0人未満 | 3%増加 |
ブラジル | 767人 | 1.0人未満 | 168%増加 |
カナダ | 176人 | 1.0人未満 | 9%減少 |
東地中海地域
新規感染者数については、直近1週間で17,913人と報告され、前週と比較して14%減少しました。東地中海地域内の3か国(全体の22%)では、20%以上の新規感染者数の増加が報告され、モロッコで40%(89人から125人)及びクウェートで29%(579人から744人)の最大の増加が報告されました。
新規死亡者数については、直近1週間で100人と報告され、前週と比較して1%未満の増減でした。
新規感染者数が多い上位3か国
新規死亡者数が多い上位3か国
新規死亡者数については、直近1週間で100人と報告され、前週と比較して1%未満の増減でした。
新規感染者数が多い上位3か国
国名 | 新規感染者数 | 人口10万人当たりの 新規感染者数 |
前週との比較 |
カタール | 5,144人 | 178.5人 | 5%減少 |
イラン | 3,389人 | 4.0人 | 30%増加 |
UAE | 2,545人 | 25.7人 | 6%減少 |
新規死亡者数が多い上位3か国
国名 | 新規死亡者数 | 人口10万人当たりの 新規死亡者数 |
前週との比較 |
イラン | 62人 | 1.0人未満 | 7%増加 |
サウジアラビア | 12人 | 1.0人未満 | 同等 |
レバノン | 7人 | 1.0人 | 同等 |
パキスタン | 7人 | 1.0人未満 | 75%増加 |
欧州地域
新規感染者数については、直近1週間で1,667,907人と報告され、前週と比較して3%減少し、同等でした。欧州地域内の5か国(全体の8%)では、20%以上の新規感染者数の増加が報告され、サンマリノで41%(157人から221人)、オーストリアで25%(77,688人から96,973人)及びギリシャで21%(45,001人から54,649人)の最大の増加が報告されました。
新規死亡者数については、直近1週間で2,860人と報告され、前週と比較して12%減少しました。
新規感染者数が多い上位3か国
新規死亡者数が多い上位3か国
新規死亡者数については、直近1週間で2,860人と報告され、前週と比較して12%減少しました。
新規感染者数が多い上位3か国
国名 | 新規感染者数 | 人口10万人当たりの 新規感染者数 |
前週との比較 |
ドイツ | 508,749人 | 611.7人 | 12%増加 |
フランス | 323,787人 | 497.8人 | 4%増加 |
イタリア | 280,947人 | 471.1人 | 30%増加 |
新規死亡者数が多い上位3か国
国名 | 新規死亡者数 | 人口10万人当たりの 新規死亡者数 |
前週との比較 |
ロシア | 731人 | 1.0人未満 | 3%増加 |
イタリア | 348人 | 1.0人未満 | 32%増加 |
スペイン | 289人 | 1.0人未満 | 70%増加 |
東南アジア地域
新規感染者数については、直近1週間で37,197人と報告され、前週と比較して25%減少しました。東南アジア地域内の1か国(全体の10%)では、20%以上の新規感染者数の増加が報告され、東ティモールで250% (4人から14人)の最大の増加が報告されました。
新規死亡者数については、直近1週間で281人と報告され、前週と比較して23%減少しました。
新規感染者数が多い上位3か国
新規死亡者数が多い上位3か国
新規死亡者数については、直近1週間で281人と報告され、前週と比較して23%減少しました。
新規感染者数が多い上位3か国
国名 | 新規感染者数 | 人口10万人当たりの 新規感染者数 |
前週との比較 |
インド | 17,526人 | 1.3人 | 34%減少 |
インドネシア | 10,363人 | 3.8人 | 14%減少 |
バングラデシュ | 3,511人 | 2.1人 | 22%減少 |
新規死亡者数が多い上位3か国
国名 | 新規死亡者数 | 人口10万人当たりの 新規死亡者数 |
前週との比較 |
インド | 126人 | 1.0人未満 | 23%減少 |
インドネシア | 73人 | 1.0人未満 | 38%減少 |
タイ | 58人 | 1.0人未満 | 9%増加 |
西太平洋地域
新規感染者数については、直近1週間で770,302人と報告され、前週と比較して21%減少しました。西太平洋地域内の4か国(全体の12%)では、20%以上の新規感染者数の増加が報告され、モンゴルで99%(304人から606人)、パプアニューギニアで87%(53人から99人)及びシンガポールで69%(21,873人から36,985人)の最大の増加が報告されました。
新規死亡者数については、直近1週間で1,573人と報告され、前週と比較して1%増加し、同等でした。
新規感染者数が多い上位3か国
国名 | 新規感染者数 | 人口10万人当たりの 新規感染者数 |
前週との比較 |
中国 | 333,830人 | 22.7人 | 10%増加 |
日本 | 208,547人 | 164.9人 | 32%減少 |
韓国 | 151,178人 | 294.9人 | 24%減少 |
新規死亡者数が多い上位3か国
国名 | 新規死亡者数 | 人口10万人当たりの 新規死亡者数 |
前週との比較 |
日本 | 567人 | 1.0人未満 | 1%増加 |
中国 | 412人 | 1.0人未満 | 12%増加 |
フィリピン | 348人 | 1.0人未満 | 57%増加 |