新型コロナウイルス感染症に係る世界の状況報告(更新88)
COVID-19 Weekly Epidemiological Update(WHO)2022年11月2日
世界の概況
新規感染者数については、2022年10月24日から10月30日までの週(以下「直近1週間」という。)に2,377,149人と報告され、前週と比較して17%減少しました(図1及び表1)。新規死亡者数については、直近1週間で9,348人と報告され、前週と比較して5%減少しました。2022年10月30日時点で、全世界の累積感染者数にあっては627,349,862人、累積死亡者数にあっては6,569,216人となります。管轄地域別の新規感染者数については、アフリカ地域で39%、欧州地域で34%、東地中海地域で8%及び東南アジア地域で 3%減少しました(北米・中南米地域で5%及び西太平洋地域で5%増加しました。)。管轄地域別の新規死亡者数については、欧州地域で31%及び東地中海地域で15%減少しました(アフリカ地域で155%、北米・中南米地域で23%、東南アジア地域で13%及び西太平洋地域で7%増加しました。)。
各国別では、新規感染者数が多い上位5か国は、ドイツ(346,672人、36%減少)、日本(281,974人、21%増加)、米国(259,066人、1%増加)、中国(257,994人、10%減少)及び韓国(241,465人、37%増加)でした。また、直近1週間における新規死亡者数が多い上位5か国は、米国(3,187人、24%増加)、ロシア(567人、11%減少)、イタリア(559人、5%減少)、ブラジル(553人、44%増加)及び中国(489人、4%増加)でした。
新型コロナウイルス感染症における感染者及び死亡者に係る現在の傾向については、複数の国が検体採取方式を積極的に変更し、全体の検査数が減少して結果的に検出される感染者数が減少するため、慎重に解釈する必要があります。さらに、過去の週からのデータについては、各国によって生じた新型コロナウイルス感染症における感染者及び死亡者の変化を後ろ向きに組み込みながら、継続して更新されています。
図1 2022年10月30日時点の週別又はWHO管轄地域別の新型コロナウイルス感染者数及び世界の死亡者数の推移
表1 2022年10月30日時点におけるWHO管轄地域別の新規又は累積新型コロナウイルス感染者の確定症例数及び死亡者数
各国別では、新規感染者数が多い上位5か国は、ドイツ(346,672人、36%減少)、日本(281,974人、21%増加)、米国(259,066人、1%増加)、中国(257,994人、10%減少)及び韓国(241,465人、37%増加)でした。また、直近1週間における新規死亡者数が多い上位5か国は、米国(3,187人、24%増加)、ロシア(567人、11%減少)、イタリア(559人、5%減少)、ブラジル(553人、44%増加)及び中国(489人、4%増加)でした。
新型コロナウイルス感染症における感染者及び死亡者に係る現在の傾向については、複数の国が検体採取方式を積極的に変更し、全体の検査数が減少して結果的に検出される感染者数が減少するため、慎重に解釈する必要があります。さらに、過去の週からのデータについては、各国によって生じた新型コロナウイルス感染症における感染者及び死亡者の変化を後ろ向きに組み込みながら、継続して更新されています。
図1 2022年10月30日時点の週別又はWHO管轄地域別の新型コロナウイルス感染者数及び世界の死亡者数の推移
表1 2022年10月30日時点におけるWHO管轄地域別の新規又は累積新型コロナウイルス感染者の確定症例数及び死亡者数
特別な焦点(新型コロナウイルスの懸念される変異株及び注目すべき変異株の変異株に係る更新)
懸念される変異株の世界的な拡散及び有病率
世界的に2022年10月1日から10月30日まで、103,210の検体がGISAIDを通じて共有されました。これらの検体のうち103,147の検体がオミクロン株(B.1.1.529系統並びにその亜系統のBA.X系統及び組換え体を指す。以下同じ。)の懸念される変異株(以下「VOC」という。)であり、過去30日間で報告された検体の99.9%を占めています。
疫学的第41週(2022年10月10日から10月16日まで。以下同じ。)において、オミクロン株の下位系統の中で、BA.5系統及びその下位系統が継続して世界的に優勢であり、GISAIDに提出された検体の74.9%を占めています。疫学的第40週(2022年10月3日から10月9日まで。以下同じ。)と比較して疫学的第41週においては、BA.2系統及びその下位系統にあっては有病率が4.7%から7.0%まで増加し、BA.4下位系統にあっては有病率が5.1%から4.8%まで減少しました。
当該期間において、監視中であるオミクロン株の亜系統のBA.2.75系統については、検体の有病率が2.9%から3.7%まで増加しました。また、BQ.1系統にあっては5.7%から9.0%まで、XBB系統にあっては1.0%から1.5%まで、BA.2.3.20系統にあっては0.3%から0.7%まで増加しました。新型コロナウイルスのスパイクタンパク質に更なる変異(R346X、K444X、V445X、N450D又はN460X)を伴うBA.5下位系統については、有病率が19.5%から21.0%まで増加しました。数週間の増加の後にBA.4.6系統の有病率が当該期間において4.1%のままでした。疫学的第41週において、未分類の検体(オミクロン株と推定されている。)はGISAIDに提出された検体の11.8%を占めています。
オミクロン株の亜系統であるXBB系統及びBQ.1系統を更に議論するために、TAG-VE(新型コロナウイルスの進化に関するWHO技術諮問会議をいう。以下同じ。)が2022年10月24日に開催されました。TAG-VEの声明によると、現在利用可能な科学的根拠(現時点では限定的である。)に基づき、専門家会議は次のように助言しています。「公衆衛生上の必要な対応の観点において、新たな懸念される変異株の指定及び命名を保証するために、XBB系統及びBQ.1系統及びその亜系統の表現型は、互いに分岐しておらず、更なる免疫逃避の変異を伴うオミクロン株系統とも分岐していません。」。これまでの利用可能な情報については、重症度の増加を示唆していません。
WHOは、異なるオミクロン株の亜系統を独立して比較する解析を実施するためと同様に、検体を監視して報告するために、XBB系統及びBQ.1系統を、オミクロン株の一部として継続して詳細に監視し、各国に継続して警戒するよう要請する予定です。TAG-VEは、変異株のリスクアセスメントを改善して当該の解析に有用な可能性のある定量的な指標に向けて取り組むために、稼働中です。
疫学的第41週(2022年10月10日から10月16日まで。以下同じ。)において、オミクロン株の下位系統の中で、BA.5系統及びその下位系統が継続して世界的に優勢であり、GISAIDに提出された検体の74.9%を占めています。疫学的第40週(2022年10月3日から10月9日まで。以下同じ。)と比較して疫学的第41週においては、BA.2系統及びその下位系統にあっては有病率が4.7%から7.0%まで増加し、BA.4下位系統にあっては有病率が5.1%から4.8%まで減少しました。
当該期間において、監視中であるオミクロン株の亜系統のBA.2.75系統については、検体の有病率が2.9%から3.7%まで増加しました。また、BQ.1系統にあっては5.7%から9.0%まで、XBB系統にあっては1.0%から1.5%まで、BA.2.3.20系統にあっては0.3%から0.7%まで増加しました。新型コロナウイルスのスパイクタンパク質に更なる変異(R346X、K444X、V445X、N450D又はN460X)を伴うBA.5下位系統については、有病率が19.5%から21.0%まで増加しました。数週間の増加の後にBA.4.6系統の有病率が当該期間において4.1%のままでした。疫学的第41週において、未分類の検体(オミクロン株と推定されている。)はGISAIDに提出された検体の11.8%を占めています。
オミクロン株の亜系統であるXBB系統及びBQ.1系統を更に議論するために、TAG-VE(新型コロナウイルスの進化に関するWHO技術諮問会議をいう。以下同じ。)が2022年10月24日に開催されました。TAG-VEの声明によると、現在利用可能な科学的根拠(現時点では限定的である。)に基づき、専門家会議は次のように助言しています。「公衆衛生上の必要な対応の観点において、新たな懸念される変異株の指定及び命名を保証するために、XBB系統及びBQ.1系統及びその亜系統の表現型は、互いに分岐しておらず、更なる免疫逃避の変異を伴うオミクロン株系統とも分岐していません。」。これまでの利用可能な情報については、重症度の増加を示唆していません。
WHOは、異なるオミクロン株の亜系統を独立して比較する解析を実施するためと同様に、検体を監視して報告するために、XBB系統及びBQ.1系統を、オミクロン株の一部として継続して詳細に監視し、各国に継続して警戒するよう要請する予定です。TAG-VEは、変異株のリスクアセスメントを改善して当該の解析に有用な可能性のある定量的な指標に向けて取り組むために、稼働中です。
WHO管轄地域別の概況
アフリカ地域
新規感染者数については、直近1週間で3,864人と報告され、前週と比較して39%減少しました。アフリカ地域内におけるデータが利用可能な50か国の7か国(全体の14%)については、20%以上の新規感染者数の増加が報告され、マダガスカルで111%(19人から40人)、マリで78%(9人から16人)及びモザンビークで47%(30人から44人)の最大の増加が報告されました。
新規死亡者数については、直近1週間で56人と報告され、前週と比較して155%増加しました。
新規感染者数が多い上位3か国
新規死亡者数が多い上位3か国
※前週の報告なし。
新規死亡者数については、直近1週間で56人と報告され、前週と比較して155%増加しました。
新規感染者数が多い上位3か国
国名 | 新規感染者数 | 人口10万人当たりの 新規感染者数 |
前週との比較 |
南アフリカ | 2,369人 | 4.0人 | 17%増加 |
ケニア | 329人 | 1.0人未満 | 85%増加 |
ガーナ | 134人 | 1.0人未満 | 12%減少 |
新規死亡者数が多い上位3か国
国名 | 新規死亡者数 | 人口10万人当たりの 新規死亡者数 |
前週との比較 |
南アフリカ | 54人 | 1.0人未満 | 391%増加 |
チャド | 1人 | 1.0人未満 | ※ |
トーゴ | 1人 | 1.0人未満 | 50%減少 |
北米・中南米地域
新規感染者数については、直近1週間で388,350人と報告され、前週と比較して5%増加しました。南北アメリカ地域内におけるデータが入手可能な56か国中の6か国(全体の11%)では、20%以上の新規感染者数の増加が報告され、グアテマラで39%(2,998人から4,155人)、パナマで34%(603人から805人)及びペルーで22%(1,898人から2,317人)の最大の増加が報告されました。
新規死亡者数については、直近1週間で4,354人と報告され、前週と比較して23%増加しました。
新規感染者数が多い上位3か国
新規死亡者数が多い上位3か国
新規死亡者数については、直近1週間で4,354人と報告され、前週と比較して23%増加しました。
新規感染者数が多い上位3か国
国名 | 新規感染者数 | 人口10万人当たりの 新規感染者数 |
前週との比較 |
米国 | 259,066人 | 78.3人 | 1%増加 |
チリ | 41,905人 | 219.2人 | 21%増加 |
ブラジル | 41,585人 | 19.6人 | 22%増加 |
新規死亡者数が多い上位3か国
国名 | 新規死亡者数 | 人口10万人当たりの 新規死亡者数 |
前週との比較 |
米国 | 3,187人 | 1.0人 | 24%増加 |
ブラジル | 553人 | 1.0人未満 | 44%増加 |
カナダ | 305人 | 1.0人未満 | 1%減少 |
東地中海地域
新規感染者数については、直近1週間で13,359人と報告され、前週と比較して8%減少しました。東地中海地域内の2か国(全体の9%)では、20%以上の新規感染者数の増加が報告され、ソマリアで500%(2人から12人)及びスーダンで57%(28人から44人)の最大の増加が報告されました。
新規死亡者数については、直近1週間で64人と報告され、前週と比較して15%減少しました。
新規感染者数が多い上位3か国
新規死亡者数が多い上位3か国
新規死亡者数については、直近1週間で64人と報告され、前週と比較して15%減少しました。
新規感染者数が多い上位3か国
国名 | 新規感染者数 | 人口10万人当たりの 新規感染者数 |
前週との比較 |
カタール | 3,172人 | 110.1人 | 15%減少 |
UAE | 2,239人 | 22.6人 | 1%減少 |
バーレーン | 2,127人 | 125.0人 | 2%増加 |
新規死亡者数が多い上位3か国
国名 | 新規死亡者数 | 人口10万人当たりの 新規死亡者数 |
前週との比較 |
イラン | 28人 | 1.0人未満 | 4%増加 |
サウジアラビア | 13人 | 1.0人未満 | 同等 |
スーダン | 7人 | 1.0人未満 | 250%増加 |
欧州地域
新規感染者数については、直近1週間で1,066,067人と報告され、前週と比較して34%減少しました。欧州地域内の3か国(全体の5%)では、20%以上の新規感染者数の増加が報告され、ウズベキスタンで78%(78人から139人)、アルバニアで30%(135人から175人)及びイスラエルで20%(4,605人から5,510人)の最大の増加が報告されました。
新規死亡者数については、直近1週間で3,277人と報告され、前週と比較して31%減少しました。
新規感染者数が多い上位3か国
新規死亡者数が多い上位3か国
新規死亡者数については、直近1週間で3,277人と報告され、前週と比較して31%減少しました。
新規感染者数が多い上位3か国
国名 | 新規感染者数 | 人口10万人当たりの 新規感染者数 |
前週との比較 |
ドイツ | 346,672人 | 416.8人 | 36%減少 |
イタリア | 208,501人 | 349.6人 | 18%減少 |
フランス | 202,020人 | 310.6人 | 42%減少 |
新規死亡者数が多い上位3か国
国名 | 新規死亡者数 | 人口10万人当たりの 新規死亡者数 |
前週との比較 |
ロシア | 567人 | 1.0人未満 | 11%減少 |
イタリア | 559人 | 1.0人未満 | 5%減少 |
フランス | 462人 | 1.0人未満 | 10%減少 |
東南アジア地域
新規感染者数については、直近1週間で34,026人と報告され、前週と比較して3%減少しました。東南アジア地域内の1か国(全体の10%)では、20%以上の新規感染者数の増加が報告され、インドネシアで40% (14,093人から19,661人)の最大の増加が報告されました。
新規死亡者数については、直近1週間で278人と報告され、前週と比較して13%増加しました。
新規感染者数が多い上位3か国
新規死亡者数が多い上位3か国
新規死亡者数については、直近1週間で278人と報告され、前週と比較して13%増加しました。
新規感染者数が多い上位3か国
国名 | 新規感染者数 | 人口10万人当たりの 新規感染者数 |
前週との比較 |
インドネシア | 19,661人 | 7.2人 | 40%増加 |
インド | 9,524人 | 1.0人未満 | 32%減少 |
タイ | 2,551人 | 3.7人 | 2%減少 |
新規死亡者数が多い上位3か国
国名 | 新規死亡者数 | 人口10万人当たりの 新規死亡者数 |
前週との比較 |
インドネシア | 168人 | 1.0人未満 | 45%増加 |
インド | 55人 | 1.0人未満 | 17%減少 |
タイ | 33人 | 1.0人未満 | 18%減少 |
西太平洋地域
新規感染者数については、直近1週間で871,483人と報告され、前週と比較して5%増加しました。西太平洋地域内の5か国(全体の15%)では、20%以上の新規感染者数の増加が報告され、ニュージーランドで47%(14,489人から21,342人)及びモンゴルで43%(343人から492人)の最大の増加が報告されました。
新規死亡者数については、直近1週間で1,319人と報告され、前週と比較して7%増加しました。
新規感染者数が多い上位3か国
新規死亡者数が多い上位3か国
新規死亡者数については、直近1週間で1,319人と報告され、前週と比較して7%増加しました。
新規感染者数が多い上位3か国
国名 | 新規感染者数 | 人口10万人当たりの 新規感染者数 |
前週との比較 |
日本 | 281,974人 | 222.9人 | 21%増加 |
中国 | 257,994人 | 17.5人 | 10%減少 |
韓国 | 241,465人 | 471.0人 | 37%増加 |
新規死亡者数が多い上位3か国
国名 | 新規死亡者数 | 人口10万人当たりの 新規死亡者数 |
前週との比較 |
中国 | 489人 | 1.0人未満 | 4%増加 |
日本 | 362人 | 1.0人未満 | 10%減少 |
フィリピン | 252人 | 1.0人未満 | 58%増加 |