新型コロナウイルス感染症に係る世界の状況報告(更新89)
COVID-19 Weekly Epidemiological Update(WHO)2022年11月9日
世界の概況
新規感染者数については、2022年10月31日から11月6日までの週(以下「直近1週間」という。)に2,132,445人と報告され、前週と比較して15%減少しました(図1及び表1)。新規死亡者数については、直近1週間で9,405人と報告され、前週と比較して10%減少しました。2022年11月6日時点で、全世界の累積感染者数にあっては629,627,951人、累積死亡者数にあっては6,580,793人となります。管轄地域別の新規感染者数については、欧州地域で39%、アフリカ地域で18%、東地中海地域で11%及び北米・中南米地域で 3%減少しました(東南アジア地域で28%及び西太平洋地域で10%増加しました。)。管轄地域別の新規死亡者数については、欧州地域で40%、北米・中南米地域で21%、東地中海地域で14%及びアフリカ地域で4%減少しました(東南アジア地域で535%(主にインドからの追跡報告による。)及び西太平洋地域で8%増加しました。)。
各国別では、新規感染者数が多い上位5か国は、日本(401,693人、42%増加)、韓国(299,440人、24%増加)、米国(266,104人、5%増加)、ドイツ(224,099人、40%減少)及び中国(219,102人、15%減少)でした。また、直近1週間における新規死亡者数が多い上位5か国は、米国(2,480人、20%減少)、インド(1,484人、2,598%増加)、中国(539人、10%増加)、ロシア(484人、15%減少)及びフランス(404人、20%減少)でした。
新型コロナウイルス感染症における感染者及び死亡者に係る現在の傾向については、複数の国が検体採取方式を積極的に変更し、全体の検査数が減少して結果的に検出される感染者数が減少するため、慎重に解釈する必要があります。さらに、過去の週からのデータについては、各国によって生じた新型コロナウイルス感染症における感染者及び死亡者の変化を後ろ向きに組み込みながら、継続して更新されています。
図1 2022年11月6日時点の週別又はWHO管轄地域別の新型コロナウイルス感染者数及び世界の死亡者数の推移

表1 2022年11月6日時点におけるWHO管轄地域別の新規又は累積新型コロナウイルス感染者の確定症例数及び死亡者数

各国別では、新規感染者数が多い上位5か国は、日本(401,693人、42%増加)、韓国(299,440人、24%増加)、米国(266,104人、5%増加)、ドイツ(224,099人、40%減少)及び中国(219,102人、15%減少)でした。また、直近1週間における新規死亡者数が多い上位5か国は、米国(2,480人、20%減少)、インド(1,484人、2,598%増加)、中国(539人、10%増加)、ロシア(484人、15%減少)及びフランス(404人、20%減少)でした。
新型コロナウイルス感染症における感染者及び死亡者に係る現在の傾向については、複数の国が検体採取方式を積極的に変更し、全体の検査数が減少して結果的に検出される感染者数が減少するため、慎重に解釈する必要があります。さらに、過去の週からのデータについては、各国によって生じた新型コロナウイルス感染症における感染者及び死亡者の変化を後ろ向きに組み込みながら、継続して更新されています。
図1 2022年11月6日時点の週別又はWHO管轄地域別の新型コロナウイルス感染者数及び世界の死亡者数の推移
表1 2022年11月6日時点におけるWHO管轄地域別の新規又は累積新型コロナウイルス感染者の確定症例数及び死亡者数
新型コロナウイルスの懸念される変異株及び監視中であるオミクロン株の亜系統
懸念される変異株の世界的な拡散及び有病率
世界的に2022年10月7日から11月7日まで、114,781の検体がGISAIDを通じて共有されました。これらの検体のうち114,340の検体がオミクロン株(B.1.1.529系統並びにその亜系統のBA.X系統及び組換え体を指す。以下同じ。)の懸念される変異株(以下「VOC」という。)であり、過去30日間で世界的に報告された検体の99.6%を占めています。
疫学的第42週(2022年10月17日から10月23日まで。以下同じ。)において、オミクロン株の下位系統の中で、BA.5系統及びその下位系統が継続して世界的に優勢であり、GISAIDに提出された検体の74.5%を占めています。疫学的第41週(2022年10月10日から10月16日まで。以下同じ。)と比較して疫学的第42週においては、BA.2系統及びその下位系統にあっては有病率が5.8%から7.3%まで増加し、BA.4下位系統にあっては有病率が5.2%から4.1%まで減少しました。疫学的第42週において、未分類の検体(オミクロン株と推定されている。)はGISAIDに提出された検体の11.9%を占めています。
世界的な変異株の流行は、過去に優勢であったBA.5下位系統が直近で流行している変異株のBQ.1系統及びBA.5+R346X系統に置換したことを示唆しています。監視中である変異株のうち、疫学的第41週と比較した疫学的第42週において、BQ.1系統(BA.5.3.1.1.1.1系統)及びその下位系統並びにBA.5+R346X系統が最大の増加を示す系統です。BQ.1系統については、9.4%から13.4%まで増加しています。BA.5系統に更なる変異(R346X、K444X、V445X、N450D又はN460X)を伴う系統については、20.8%から22.9%まで増加しており、大部分はBA.5+R346X系統によるものです。BA.2.75系統については、検体における有病率が3.5%から4.3%まで増加しました。XBB系統及びその下位系統については、1.1%から2.0%まで増加しました。BA.2.3.20系統については、緩徐な増加であり、有病率は1%未満となります。
WHOは、異なるオミクロン株の亜系統を独立して比較する解析を実施するためと同様に、検体を監視して報告するために、XBB系統及びBQ.1系統を、オミクロン株の一部として継続して詳細に監視し、各国に継続して警戒するよう要請する予定です。TAG-VEは、変異株のリスクアセスメントを改善して当該の解析に有用な可能性のある定量的な指標に向けて取り組むために、稼働中です。
疫学的第42週(2022年10月17日から10月23日まで。以下同じ。)において、オミクロン株の下位系統の中で、BA.5系統及びその下位系統が継続して世界的に優勢であり、GISAIDに提出された検体の74.5%を占めています。疫学的第41週(2022年10月10日から10月16日まで。以下同じ。)と比較して疫学的第42週においては、BA.2系統及びその下位系統にあっては有病率が5.8%から7.3%まで増加し、BA.4下位系統にあっては有病率が5.2%から4.1%まで減少しました。疫学的第42週において、未分類の検体(オミクロン株と推定されている。)はGISAIDに提出された検体の11.9%を占めています。
世界的な変異株の流行は、過去に優勢であったBA.5下位系統が直近で流行している変異株のBQ.1系統及びBA.5+R346X系統に置換したことを示唆しています。監視中である変異株のうち、疫学的第41週と比較した疫学的第42週において、BQ.1系統(BA.5.3.1.1.1.1系統)及びその下位系統並びにBA.5+R346X系統が最大の増加を示す系統です。BQ.1系統については、9.4%から13.4%まで増加しています。BA.5系統に更なる変異(R346X、K444X、V445X、N450D又はN460X)を伴う系統については、20.8%から22.9%まで増加しており、大部分はBA.5+R346X系統によるものです。BA.2.75系統については、検体における有病率が3.5%から4.3%まで増加しました。XBB系統及びその下位系統については、1.1%から2.0%まで増加しました。BA.2.3.20系統については、緩徐な増加であり、有病率は1%未満となります。
WHOは、異なるオミクロン株の亜系統を独立して比較する解析を実施するためと同様に、検体を監視して報告するために、XBB系統及びBQ.1系統を、オミクロン株の一部として継続して詳細に監視し、各国に継続して警戒するよう要請する予定です。TAG-VEは、変異株のリスクアセスメントを改善して当該の解析に有用な可能性のある定量的な指標に向けて取り組むために、稼働中です。
WHO管轄地域別の概況
アフリカ地域
新規感染者数については、直近1週間で4,906人と報告され、前週と比較して18%減少しました。アフリカ地域内におけるデータが利用可能な50か国の8か国(全体の16%)については、20%以上の新規感染者数の増加が報告され、ブルンジで161%(18人から47人)、コンゴ民主共和国で125%(59人から133人)及びエスワティニで88%(32人から60人)の最大の増加が報告されました。
新規死亡者数については、直近1週間で55人と報告され、前週と比較して4%減少しました。
新規感染者数が多い上位3か国
新規死亡者数が多い上位3か国
※いずれについても、前週の報告なし。

新規死亡者数については、直近1週間で55人と報告され、前週と比較して4%減少しました。
新規感染者数が多い上位3か国
国名 | 新規感染者数 | 人口10万人当たりの 新規感染者数 |
前週との比較 |
南アフリカ | 1,993人 | 3.4人 | 16%減少 |
ケニア | 593人 | 1.1人 | 80%増加 |
南スーダン | 545人 | 4.9人 | ※ |
新規死亡者数が多い上位3か国
国名 | 新規死亡者数 | 人口10万人当たりの 新規死亡者数 |
前週との比較 |
南アフリカ | 52人 | 1.0人未満 | 4%減少 |
コートジボワール | 2人 | 1.0人未満 | ※ |
モーリシャス | 1人 | 1.0人未満 | ※ |
北米・中南米地域
新規感染者数については、直近1週間で372,002人と報告され、前週と比較して3%減少しました。南北アメリカ地域内におけるデータが入手可能な56か国中の6か国(全体の11%)では、20%以上の新規感染者数の増加が報告され、セントルシアで400%(3人から15人)、ペルーで142%(2,317人から5,615人)及びエクアドルで89%(482人から910人)の最大の増加が報告されました。
新規死亡者数については、直近1週間で3,407人と報告され、前週と比較して21%減少しました。
新規感染者数が多い上位3か国
新規死亡者数が多い上位3か国

新規死亡者数については、直近1週間で3,407人と報告され、前週と比較して21%減少しました。
新規感染者数が多い上位3か国
国名 | 新規感染者数 | 人口10万人当たりの 新規感染者数 |
前週との比較 |
米国 | 266,104人 | 80.4人 | 5%増加 |
チリ | 35,423人 | 185.3人 | 15%減少 |
ブラジル | 26,836人 | 12.6人 | 35%減少 |
新規死亡者数が多い上位3か国
国名 | 新規死亡者数 | 人口10万人当たりの 新規死亡者数 |
前週との比較 |
米国 | 2,480人 | 1.0人未満 | 20%減少 |
カナダ | 293人 | 1.0人未満 | 8%減少 |
ブラジル | 252人 | 1.0人未満 | 54%減少 |
東地中海地域
新規感染者数については、直近1週間で12,088人と報告され、前週と比較して11%減少しました。東地中海地域内の5か国(全体の23%)では、20%以上の新規感染者数の増加が報告され、チュニジアで308%(108人から441人)、モロッコで107%(190人から393人)及びリビアで70%(10人から17人)の最大の増加が報告されました。
新規死亡者数については、直近1週間で57人と報告され、前週と比較して14%減少しました。
新規感染者数が多い上位3か国
新規死亡者数が多い上位3か国

新規死亡者数については、直近1週間で57人と報告され、前週と比較して14%減少しました。
新規感染者数が多い上位3か国
国名 | 新規感染者数 | 人口10万人当たりの 新規感染者数 |
前週との比較 |
カタール | 2,702人 | 93.8人 | 15%減少 |
UAE | 2,067人 | 20.9人 | 8%減少 |
バーレーン | 2,029人 | 119.2人 | 5%減少 |
新規死亡者数が多い上位3か国
国名 | 新規死亡者数 | 人口10万人当たりの 新規死亡者数 |
前週との比較 |
イラン | 21人 | 1.0人未満 | 25%減少 |
サウジアラビア | 12人 | 1.0人未満 | 8%減少 |
レバノン | 8人 | 1.0人未満 | 33%増加 |
欧州地域
新規感染者数については、直近1週間で716,902人と報告され、前週と比較して39%減少しました。欧州地域内の2か国(全体の3%)では、20%以上の新規感染者数の増加が報告され、ウズベキスタンで36%(139人から189人)及びキプロスで26%(2,821人から3,544人)の最大の増加が報告されました。
新規死亡者数については、直近1週間で2,679人と報告され、前週と比較して40%減少しました。
新規感染者数が多い上位3か国
新規死亡者数が多い上位3か国

新規死亡者数については、直近1週間で2,679人と報告され、前週と比較して40%減少しました。
新規感染者数が多い上位3か国
国名 | 新規感染者数 | 人口10万人当たりの 新規感染者数 |
前週との比較 |
ドイツ | 224,099人 | 269.5人 | 40%減少 |
フランス | 126,497人 | 194.5人 | 44%減少 |
イタリア | 110,988人 | 186.1人 | 47%減少 |
新規死亡者数が多い上位3か国
国名 | 新規死亡者数 | 人口10万人当たりの 新規死亡者数 |
前週との比較 |
ロシア | 484人 | 1.0人未満 | 15%減少 |
フランス | 404人 | 1.0人未満 | 20%減少 |
イタリア | 335人 | 1.0人未満 | 40%減少 |
東南アジア地域
新規感染者数については、直近1週間で43,653人と報告され、前週と比較して28%増加しました。東南アジア地域内の4か国(全体の40%)では、20%以上の新規感染者数の増加が報告され、スリランカで239%(76人から258人)、東ティモールで100%(2人から4人)及びネパールで94% (95人から184人)の最大の増加が報告されました。
新規死亡者数については、直近1週間で1,766人と報告され、前週と比較して535%増加しました。
新規感染者数が多い上位3か国
新規死亡者数が多い上位3か国

新規死亡者数については、直近1週間で1,766人と報告され、前週と比較して535%増加しました。
新規感染者数が多い上位3か国
国名 | 新規感染者数 | 人口10万人当たりの 新規感染者数 |
前週との比較 |
インドネシア | 30,670人 | 11.2人 | 56%増加 |
インド | 8,313人 | 1.0人未満 | 13%減少 |
タイ | 2,759人 | 4.0人 | 8%増加 |
新規死亡者数が多い上位3か国
国名 | 新規死亡者数 | 人口10万人当たりの 新規死亡者数 |
前週との比較 |
インド | 1,484人 | 1.0人未満 | 2,598%増加 |
インドネシア | 232人 | 1.0人未満 | 38%増加 |
タイ | 40人 | 1.0人未満 | 21%増加 |
西太平洋地域
新規感染者数については、直近1週間で982,894人と報告され、前週と比較して10%増加しました。西太平洋地域内の6か国(全体の18%)では、20%以上の新規感染者数の増加が報告され、カンボジアで83%(6人から11人)、モンゴルで69%(492人から829人)及びマレーシアで60%(16,750人から26,783人)の最大の増加が報告されました。
新規死亡者数については、直近1週間で1,441人と報告され、前週と比較して8%増加しました。
新規感染者数が多い上位3か国
新規死亡者数が多い上位3か国

新規死亡者数については、直近1週間で1,441人と報告され、前週と比較して8%増加しました。
新規感染者数が多い上位3か国
国名 | 新規感染者数 | 人口10万人当たりの 新規感染者数 |
前週との比較 |
日本 | 401,693人 | 317.6人 | 42%増加 |
韓国 | 299,440人 | 584.1人 | 24%増加 |
中国 | 219,102人 | 14.9人 | 15%減少 |
新規死亡者数が多い上位3か国
国名 | 新規死亡者数 | 人口10万人当たりの 新規死亡者数 |
前週との比較 |
中国 | 539人 | 1.0人未満 | 10%増加 |
日本 | 391人 | 1.0人未満 | 8%増加 |
フィリピン | 258人 | 1.0人未満 | 2%増加 |
出典
World Health Organization. “Weekly epidemiological update on COVID-19 – 9 November 2022”.WHO.2022.https://www.who.int/publications/m/item/weekly-epidemiological-update-on-covid-19---9-november-2022,(参照2022-11-10).