新型コロナウイルス感染症に係る世界の状況報告(更新90)
COVID-19 Weekly Epidemiological Update(WHO)2022年11月16日
世界の概況
新規感染者数については、2022年11月7日から11月13日までの週(以下「直近1週間」という。)に2,345,537人と報告され、前週と比較して2%増加しました(図1及び表1)。真の発生感染者数は、世界的な検査数減少のため、低く見積もられています。新規死亡者数については、直近1週間で7,457人と報告され、前週と比較して30%減少しました。2022年11月13日時点で、全世界の累積感染者数にあっては632,179,816人、累積死亡者数にあっては6,590,768人となります。管轄地域別の新規感染者数については、欧州地域で21%、東地中海地域で12%及びアフリカ地域で8%減少しました(西太平洋地域で18%、東南アジア地域で15%及び北米・中南米地域で12%増加しました。)。管轄地域別の新規死亡者数については、アフリカ地域で86%、東南アジア地域で80%、欧州地域で41%及び北米・中南米地域で10%減少しました(西太平洋地域で14%及び東地中海地域で7%増加しました。)。
各国別では、新規感染者数が多い上位5か国は、日本(503,766人、25%増加)、韓国(355,990人、19%増加)、米国(281,955人、6%増加)、ドイツ(184,987人、25%減少)及び中国(171,745人、22%減少)でした。また、直近1週間における新規死亡者数が多い上位5か国は、米国(2,323人、6%減少)、日本(552人、41%増加)、ロシア(436人、10%減少)、中国(410人、24%減少)及びフランス(390人、10%減少)でした。
新型コロナウイルス感染症における感染者及び死亡者に係る現在の傾向については、複数の国が検体採取方式を積極的に変更し、全体の検査数が減少して結果的に検出される感染者数が減少するため、慎重に解釈する必要があります。多くの悔いで実施された新型コロナウイルス感染症の有病率調査により、報告された感染者数は集団における真の感染者数より低く見積もられていることが判明しています。さらに、過去の週からのデータについては、各国によって生じた新型コロナウイルス感染症における感染者及び死亡者の変化を後ろ向きに組み込みながら、継続して更新されています。
図1 2022年11月13日時点の週別又はWHO管轄地域別の新型コロナウイルス感染者数及び世界の死亡者数の推移
表1 2022年11月13日時点におけるWHO管轄地域別の新規又は累積新型コロナウイルス感染者の確定症例数及び死亡者数
各国別では、新規感染者数が多い上位5か国は、日本(503,766人、25%増加)、韓国(355,990人、19%増加)、米国(281,955人、6%増加)、ドイツ(184,987人、25%減少)及び中国(171,745人、22%減少)でした。また、直近1週間における新規死亡者数が多い上位5か国は、米国(2,323人、6%減少)、日本(552人、41%増加)、ロシア(436人、10%減少)、中国(410人、24%減少)及びフランス(390人、10%減少)でした。
新型コロナウイルス感染症における感染者及び死亡者に係る現在の傾向については、複数の国が検体採取方式を積極的に変更し、全体の検査数が減少して結果的に検出される感染者数が減少するため、慎重に解釈する必要があります。多くの悔いで実施された新型コロナウイルス感染症の有病率調査により、報告された感染者数は集団における真の感染者数より低く見積もられていることが判明しています。さらに、過去の週からのデータについては、各国によって生じた新型コロナウイルス感染症における感染者及び死亡者の変化を後ろ向きに組み込みながら、継続して更新されています。
図1 2022年11月13日時点の週別又はWHO管轄地域別の新型コロナウイルス感染者数及び世界の死亡者数の推移
表1 2022年11月13日時点におけるWHO管轄地域別の新規又は累積新型コロナウイルス感染者の確定症例数及び死亡者数
新型コロナウイルスの懸念される変異株及び監視中であるオミクロン株の亜系統
懸念される変異株の世界的な拡散及び有病率
世界的に2022年10月14日から11月14日までにおいて、107,240の検体がGISAIDを通じて共有されました。これらの検体のうち106,426の検体がオミクロン株(B.1.1.529系統並びにその亜系統のBA.X系統及び組換え体を指す。以下同じ。)の懸念される変異株(以下「VOC」という。)であり、過去30日間で世界的に報告された検体の99.2%を占めています。
オミクロン株の下位系統の流行に関する傾向については、新型コロナウイルス感染症の調査システムの限界を考慮して解釈する必要があります。考慮事項については、各国におけるゲノム解析能力及び検体採取上の戦略における違い、時間経過に伴う検体採取上の戦略における変化、世界各国による実施検査及び共有される検体の減少、検体提出の遅延が含まれます。
疫学的第43週(2022年10月24日から10月30日まで。以下同じ。)において、BA.5系統及びその下位系統が継続して世界的に優勢であり、GISAIDに提出された検体の73.2%を占めています。疫学的第42週(2022年10月17日から10月23日まで。以下同じ。)と比較して疫学的第43週においては、BA.2系統及びその下位系統にあっては有病率が6.3%から6.8%まで増加し、BA.4下位系統にあっては有病率が4.3%から3.5%まで減少しました。疫学的第43週において、未分類の検体(オミクロン株と推定されている。)はGISAIDに提出された検体の14.4%を占めています。
世界的な変異株の流行は、過去に優勢であったBA.5下位系統が直近で流行している変異株のBQ.1系統及びBA.5+R346X系統に置換したことを示唆しています。BQ.1系統にあっては有病率が13.3%から16.2%まで増加し、BA.5系統に更なる変異(R346X、K444X、V445X、N450D又はN460X)を伴う系統にあっては22.4%から23.3%まで増加しています(大部分はBA.5+R346X系統によるもので、83.9%を占めます。)。BA.2.75系統については、検体における有病率が4.1%から5.4%まで増加しました。XBB系統及びその下位系統については、1.5%から2.0%まで増加しました。BA.2.3.20系統については、緩徐な増加であり、有病率は1%未満となります。
WHOは、異なるオミクロン株の亜系統を独立して比較する解析を実施するためと同様に、検体を監視して報告するために、XBB系統及びBQ.1系統を、オミクロン株の一部として継続して詳細に監視し、各国に継続して警戒するよう要請する予定です。新型コロナウイルスの流行に関するWHO技術諮問会議は、変異株のリスクアセスメントを改善して当該の解析に有用な可能性のある定量的な指標に向けて取り組むために、稼働中です。
オミクロン株の下位系統の流行に関する傾向については、新型コロナウイルス感染症の調査システムの限界を考慮して解釈する必要があります。考慮事項については、各国におけるゲノム解析能力及び検体採取上の戦略における違い、時間経過に伴う検体採取上の戦略における変化、世界各国による実施検査及び共有される検体の減少、検体提出の遅延が含まれます。
疫学的第43週(2022年10月24日から10月30日まで。以下同じ。)において、BA.5系統及びその下位系統が継続して世界的に優勢であり、GISAIDに提出された検体の73.2%を占めています。疫学的第42週(2022年10月17日から10月23日まで。以下同じ。)と比較して疫学的第43週においては、BA.2系統及びその下位系統にあっては有病率が6.3%から6.8%まで増加し、BA.4下位系統にあっては有病率が4.3%から3.5%まで減少しました。疫学的第43週において、未分類の検体(オミクロン株と推定されている。)はGISAIDに提出された検体の14.4%を占めています。
世界的な変異株の流行は、過去に優勢であったBA.5下位系統が直近で流行している変異株のBQ.1系統及びBA.5+R346X系統に置換したことを示唆しています。BQ.1系統にあっては有病率が13.3%から16.2%まで増加し、BA.5系統に更なる変異(R346X、K444X、V445X、N450D又はN460X)を伴う系統にあっては22.4%から23.3%まで増加しています(大部分はBA.5+R346X系統によるもので、83.9%を占めます。)。BA.2.75系統については、検体における有病率が4.1%から5.4%まで増加しました。XBB系統及びその下位系統については、1.5%から2.0%まで増加しました。BA.2.3.20系統については、緩徐な増加であり、有病率は1%未満となります。
WHOは、異なるオミクロン株の亜系統を独立して比較する解析を実施するためと同様に、検体を監視して報告するために、XBB系統及びBQ.1系統を、オミクロン株の一部として継続して詳細に監視し、各国に継続して警戒するよう要請する予定です。新型コロナウイルスの流行に関するWHO技術諮問会議は、変異株のリスクアセスメントを改善して当該の解析に有用な可能性のある定量的な指標に向けて取り組むために、稼働中です。
WHO管轄地域別の概況
アフリカ地域
新規感染者数については、直近1週間で5,894人と報告され、前週と比較して8%減少しました。アフリカ地域内におけるデータが利用可能な50か国の10か国(全体の20%)については、20%以上の新規感染者数の増加が報告され、マイヨットで300%(19人から76人)、ベニンで133%(3人から7人)及びモザンビークで83%(24人から44人)の最大の増加が報告されました。
新規死亡者数については、直近1週間で8人と報告され、前週と比較して86%減少しました。
新規感染者数が多い上位3か国
新規死亡者数が多い上位1か国
新規死亡者数については、直近1週間で8人と報告され、前週と比較して86%減少しました。
新規感染者数が多い上位3か国
国名 | 新規感染者数 | 人口10万人当たりの 新規感染者数 |
前週との比較 |
南アフリカ | 3,445人 | 5.8人 | 73%増加 |
ケニア | 700人 | 1.3人 | 18%増加 |
レユニオン | 509人 | 56.9人 | 32%増加※ |
新規死亡者数が多い上位1か国
国名 | 新規死亡者数 | 人口10万人当たりの 新規死亡者数 |
前週との比較 |
南アフリカ | 8人 | 1.0人未満 | 85%減少 |
北米・中南米地域
新規感染者数については、直近1週間で418,334人と報告され、前週と比較して12%増加しました。南北アメリカ地域内におけるデータが入手可能な56か国中の17か国(全体の30%)では、20%以上の新規感染者数の増加が報告され、ガイアナで217%(6人から19人)、パラグアイで176%(25人から69人)及びキューバで160%(10人から26人)の最大の増加が報告されました。
新規死亡者数については、直近1週間で3,051人と報告され、前週と比較して10%減少しました。
新規感染者数が多い上位3か国
新規死亡者数が多い上位3か国
新規死亡者数については、直近1週間で3,051人と報告され、前週と比較して10%減少しました。
新規感染者数が多い上位3か国
国名 | 新規感染者数 | 人口10万人当たりの 新規感染者数 |
前週との比較 |
米国 | 281,955人 | 85.2人 | 6%増加 |
ブラジル | 59,135人 | 27.8人 | 120%増加 |
チリ | 46,640人 | 244.0人 | 32%増加 |
新規死亡者数が多い上位3か国
国名 | 新規死亡者数 | 人口10万人当たりの 新規死亡者数 |
前週との比較 |
米国 | 2,323人 | 1.0人未満 | 6%減少 |
ブラジル | 324人 | 1.0人未満 | 29%増加 |
チリ | 194人 | 1.0人 | 42%増加 |
東地中海地域
新規感染者数については、直近1週間で10,841人と報告され、前週と比較して12%減少しました。東地中海地域内におけるデータが利用可能な22か国中の5か国(全体の23%)では、20%以上の新規感染者数の増加が報告され、ソマリアで83%(6人から11人)、スーダンで73%(37人から64人)及びモロッコで52%(393人から596人)の最大の増加が報告されました。
新規死亡者数については、直近1週間で61人と報告され、前週と比較して7%増加しました。
新規感染者数が多い上位3か国
新規死亡者数が多い上位3か国
※前週の報告なし。
新規死亡者数については、直近1週間で61人と報告され、前週と比較して7%増加しました。
新規感染者数が多い上位3か国
国名 | 新規感染者数 | 人口10万人当たりの 新規感染者数 |
前週との比較 |
カタール | 2,436人 | 84.6人 | 10%減少 |
バーレーン | 1,752人 | 103.0人 | 14%減少 |
UAE | 1,731人 | 17.5人 | 16%減少 |
新規死亡者数が多い上位3か国
国名 | 新規死亡者数 | 人口10万人当たりの 新規死亡者数 |
前週との比較 |
イラン | 18人 | 1.0人未満 | 14%減少 |
サウジアラビア | 15人 | 1.0人未満 | 25%増加 |
スーダン | 9人 | ※ |
欧州地域
新規感染者数については、直近1週間で696,911人と報告され、前週と比較して21%減少しました。欧州地域内におけるデータが利用可能な61か国中の5か国(全体の8%)では、20%以上の新規感染者数の増加が報告され、北マケドニアで176%(71人から196人)、アンドラで43%(53人から76人)及びモナコで32%(50人から66人)の最大の増加が報告されました。
新規死亡者数については、直近1週間で2,341人と報告され、前週と比較して41%減少しました。
新規感染者数が多い上位3か国
新規死亡者数が多い上位3か国
新規死亡者数については、直近1週間で2,341人と報告され、前週と比較して41%減少しました。
新規感染者数が多い上位3か国
国名 | 新規感染者数 | 人口10万人当たりの 新規感染者数 |
前週との比較 |
ドイツ | 184,987人 | 222.4人 | 25%減少 |
フランス | 151,950人 | 233.6人 | 1%減少 |
イタリア | 126,180人 | 211.6人 | 24%減少 |
新規死亡者数が多い上位3か国
国名 | 新規死亡者数 | 人口10万人当たりの 新規死亡者数 |
前週との比較 |
ロシア | 436人 | 1.0人未満 | 10%減少 |
フランス | 390人 | 1.0人未満 | 10%減少 |
イタリア | 330人 | 1.0人未満 | 40%減少 |
東南アジア地域
新規感染者数については、直近1週間で50,214人と報告され、前週と比較して15%増加しました。東南アジア地域内におけるデータが利用可能な10か国中の2か国(全体の20%)では、20%以上の新規感染者数の増加が報告され、東ティモールで125%(4人から9人)及びインドネシアで31% (30,670人から40,212人)の最大の増加が報告されました。
新規死亡者数については、直近1週間で353人と報告され、前週と比較して80%減少しました。
新規感染者数が多い上位3か国
新規死亡者数が多い上位3か国
新規死亡者数については、直近1週間で353人と報告され、前週と比較して80%減少しました。
新規感染者数が多い上位3か国
国名 | 新規感染者数 | 人口10万人当たりの 新規感染者数 |
前週との比較 |
インドネシア | 40,212人 | 14.7人 | 31%増加 |
インド | 5,798人 | 1.0人未満 | 30%減少 |
タイ | 3,166人 | 4.5人 | 15%増加 |
新規死亡者数が多い上位3か国
国名 | 新規死亡者数 | 人口10万人当たりの 新規死亡者数 |
前週との比較 |
インドネシア | 275人 | 1.0人未満 | 19%増加 |
タイ | 42人 | 1.0人未満 | 5%増加 |
インド | 31人 | 1.0人未満 | 98%減少 |
西太平洋地域
新規感染者数については、直近1週間で1,163,343人と報告され、前週と比較して18%増加しました。西太平洋地域内におけるデータが利用可能な34か国中の10か国(全体の29%)では、20%以上の新規感染者数の増加が報告され、仏領ポリネシアで950%(6人から63人)、ツバルで683%(140人から1,096人)及びニューカレドニアで189%(44人から127人)の最大の増加が報告されました。
新規死亡者数については、直近1週間で643人と報告され、前週と比較して14%増加しました。
新規感染者数が多い上位3か国
新規死亡者数が多い上位3か国
新規死亡者数については、直近1週間で643人と報告され、前週と比較して14%増加しました。
新規感染者数が多い上位3か国
国名 | 新規感染者数 | 人口10万人当たりの 新規感染者数 |
前週との比較 |
日本 | 503,766人 | 398.3人 | 25%増加 |
韓国 | 355,990人 | 694.4人 | 19%増加 |
中国 | 171,745人 | 11.7人 | 22%減少 |
新規死亡者数が多い上位3か国
国名 | 新規死亡者数 | 人口10万人当たりの 新規死亡者数 |
前週との比較 |
日本 | 552人 | 1.0人未満 | 41%増加 |
中国 | 410人 | 1.0人未満 | 24%減少 |
韓国 | 291人 | 1.0人未満 | 35%増加 |
出典
World Health Organization. “Weekly epidemiological update on COVID-19 – 16 November 2022”.WHO.2022.https://www.who.int/publications/m/item/weekly-epidemiological-update-on-covid-19---16-november-2022,(参照2022-11-17).