新型コロナウイルス感染症に係る世界の状況報告(更新110)
COVID-19 Weekly Epidemiological Update(WHO)2023年4月13日
世界の概況
新規感染者数については、2023年3月13日から2023年4月9日までの期間(以下「過去28日間」という。)に3,000,717人と報告され、前の過去28日間(2023年2月13日から3月12日までの期間をいう。以下同じ。)と比較して28%減少しました(図1及び表1)。新規死亡者数については、過去28日間に21,149人と報告され、前の過去28日間と比較して30%減少しました(図1及び表1)。この全体的な減少傾向にもかかわらず、報告された感染者数及び死亡者数の重要な増加が東南アジア地域、東地中海地域や他の国で観察されました。2023年4月9日時点で、全世界の累積感染者数にあっては762,739,900人、累積死亡者数にあっては6,896,778人です。
報告された新型コロナウイルス感染症の感染者における現在の傾向については、有病率の調査で示されたとおり、世界的な感染及び再感染の真の数値を過小評価したものです。これについては、部分的には多くの国における検査数の減少及び報告の遅延によるものです。この報告に示されたデータについては、不完全のおそれがあり、それゆえ、慎重に解釈する必要があります。さらに、過去数週間のデータについては、各国によって提出された新型コロナウイルス感染症の感染者数及び死亡者数における後ろ向きの変化を組み込みながら継続して更新されています。
WHOは、28日間の間隔を使用して疫学的傾向の変化を示します。この比較的広い時間間隔は、報告の遅延を説明し、新規感染者数の週毎の変動が緩徐となり、パンデミックが加速又は失速する点が明らかな図を継続して提供します。集計されたデータについては、WHOの新型コロナウイルス感染症ダッシュボードでいまだ利用可能であり、データのダウンロードが可能です。
管轄地域別の新規感染者数(過去28日間)については、アフリカ地域で45%、西太平洋地域で39%、北米・中南米地域で33%及び欧州地域で22%減少しました(東南アジア地域で481%及び東地中海地域で144%増加しました。)。管轄地域別の新規死亡者数(過去28日間)については、西太平洋地域で62%、北米・中南米地域で37%、アフリカ地域で24%及び欧州地域で12%減少しました(東地中海地域で138%及び東南アジア地域で109%増加しました。)。
各国別では、新規感染者数が多い上位5か国(過去28日間)は、米国(455,939人、50%減少)、ロシア(291,895人、17%減少)、韓国(275,126人、同等)、ブラジル(233,734人、51%増加)及びフランス(213,308人、92%増加)でした。また、過去28日間における新規死亡者数が多い上位5か国は、米国(5,571人、40%減少)、英国(2,708人、13%減少)、ブラジル(1,246人、24%減少)、ロシア(984人、同等)及びドイツ(903人、52%減少)でした。
図1 2023年4月9日時点のWHO管轄地域別の新型コロナウイルス感染者数及び世界の死亡者数の推移(28日間隔)

表1 2023年4月9日時点におけるWHO管轄地域別の新規又は新型コロナウイルス感染者の累積感染者数及び死亡者数(28日間隔)

報告された新型コロナウイルス感染症の感染者における現在の傾向については、有病率の調査で示されたとおり、世界的な感染及び再感染の真の数値を過小評価したものです。これについては、部分的には多くの国における検査数の減少及び報告の遅延によるものです。この報告に示されたデータについては、不完全のおそれがあり、それゆえ、慎重に解釈する必要があります。さらに、過去数週間のデータについては、各国によって提出された新型コロナウイルス感染症の感染者数及び死亡者数における後ろ向きの変化を組み込みながら継続して更新されています。
WHOは、28日間の間隔を使用して疫学的傾向の変化を示します。この比較的広い時間間隔は、報告の遅延を説明し、新規感染者数の週毎の変動が緩徐となり、パンデミックが加速又は失速する点が明らかな図を継続して提供します。集計されたデータについては、WHOの新型コロナウイルス感染症ダッシュボードでいまだ利用可能であり、データのダウンロードが可能です。
管轄地域別の新規感染者数(過去28日間)については、アフリカ地域で45%、西太平洋地域で39%、北米・中南米地域で33%及び欧州地域で22%減少しました(東南アジア地域で481%及び東地中海地域で144%増加しました。)。管轄地域別の新規死亡者数(過去28日間)については、西太平洋地域で62%、北米・中南米地域で37%、アフリカ地域で24%及び欧州地域で12%減少しました(東地中海地域で138%及び東南アジア地域で109%増加しました。)。
各国別では、新規感染者数が多い上位5か国(過去28日間)は、米国(455,939人、50%減少)、ロシア(291,895人、17%減少)、韓国(275,126人、同等)、ブラジル(233,734人、51%増加)及びフランス(213,308人、92%増加)でした。また、過去28日間における新規死亡者数が多い上位5か国は、米国(5,571人、40%減少)、英国(2,708人、13%減少)、ブラジル(1,246人、24%減少)、ロシア(984人、同等)及びドイツ(903人、52%減少)でした。
図1 2023年4月9日時点のWHO管轄地域別の新型コロナウイルス感染者数及び世界の死亡者数の推移(28日間隔)
表1 2023年4月9日時点におけるWHO管轄地域別の新規又は新型コロナウイルス感染者の累積感染者数及び死亡者数(28日間隔)
新型コロナウイルスの注目すべき変異株及び監視中である変異株
世界的な拡散及び有病率
世界的に2023年3月13日から2023年4月9日までの期間(28日間)において、49,809の検体がGISAIDを通じて共有されました。
WHOは、現在1の注目すべき変異株(以下「VOI」という。)、XBB.1.5系統及び7の監視下にある変異株(以下「VUM」という。)を詳細に調査しています。VUMは、BA.2.75*系統、CH.1.1*系統、BQ.1*系統、XBB*系統(XBB.1.5*系統、XBB.1.16*系統及びXBB.1.9.1*系統を除く。)、XBB.1.16*系統、XBB.1.9.1*系統及びXBF*系統です。
XBB.1.5系統(VOI)については、95か国で検出されており、継続して最も流行している変異株であり、疫学的第8週(2023年2月20日から2月26日までの期間をいう。以下同じ。)の39.8%と比較して疫学的第12週(2023年3月20日から3月26日までの期間をいう。以下同じ。)の47.9%を占めています。表2については、VOI及びVUMを報告している国の数並びに疫学的第8週から第12週までの有病率を示しています。70か国がXBB.1.5系統を検出してGISAIDへの検体データを更新し、50を超える検体が43か国で更新され、XBB.1.5系統の有病率は11か国で50%以上に達しています(2023年2月11日から3月12日までの期間)。図4は、30日間のXBB.1.5系統の世界的な流行を示しています(入手可能なデータに基づく。)。
疫学的第8週から疫学的第12週までにGISAIDに提出された検体の比較については、VUMのうちXBB*系統(XBB.1.5*系統、XBB.1.16*系統及びXBB.1.9.1*系統を除く。)、XBB.1.9.1系統及びXBB.1.16*系統が増加傾向を示しています。当該の3つのVUMについては、疫学的第8週(それぞれ6.7%、3.0%及び0.2%)から疫学的第12週(17.6%、7.6%及び4.0%)まで推移しています。他のVUMについては、当該期間中に減少傾向を示しています。
VOI及びVUM並びに重症度の増加に関して相関性を示す研究報告や国別の報告は、現在ありません。XBB.1.6系統に関する直近の実験室における研究については、XBB系統及びXBB.1.5系統と比較して変異株の増加率が上昇していることを示しています。ただし、それらの免疫逃避性は類似しています。
新型コロナウイルスの検体に関する数及び割合の世界的な傾向については、図5に示されています。新型コロナウイルス変異株(より高い感染・伝播性を付与する突然変異を伴う。)の重症度への影響については、検査及びゲノム解析の減少傾向が世界的に観察されているため、不明のままです。新型コロナウイルスのゲノム調査(鼎談会であり、代表的ではない。)については、新型コロナウイルス変異株の状況を適切に評価する観点における課題を継続して提起しています。
表2 新型コロナウイルスのVOI及びVUMに関する週毎の有病率(2023年疫学的第8週から疫学的第12週までの期間)

*印は、下位系統を示します(他に個別に明記されているものを除く。)。
$XBB.1.16系統の有病率は、核酸(T12730A、T28297C及びA28447G)を用いて2023年4月11日にGISAIDから抽出されました。
+他のものについては、他の流行している系統です(VOI、VUM、BA.1*系統、BA.2*系統、BA.3*系統、BA.4*系統及びBA.5*を除く。)。
図5A及びB 新型コロナウイルスに関する世界的な検体の数及びパーセンテージ(2022年10月1日から2023年3月25日までの期間)

WHOは、現在1の注目すべき変異株(以下「VOI」という。)、XBB.1.5系統及び7の監視下にある変異株(以下「VUM」という。)を詳細に調査しています。VUMは、BA.2.75*系統、CH.1.1*系統、BQ.1*系統、XBB*系統(XBB.1.5*系統、XBB.1.16*系統及びXBB.1.9.1*系統を除く。)、XBB.1.16*系統、XBB.1.9.1*系統及びXBF*系統です。
XBB.1.5系統(VOI)については、95か国で検出されており、継続して最も流行している変異株であり、疫学的第8週(2023年2月20日から2月26日までの期間をいう。以下同じ。)の39.8%と比較して疫学的第12週(2023年3月20日から3月26日までの期間をいう。以下同じ。)の47.9%を占めています。表2については、VOI及びVUMを報告している国の数並びに疫学的第8週から第12週までの有病率を示しています。70か国がXBB.1.5系統を検出してGISAIDへの検体データを更新し、50を超える検体が43か国で更新され、XBB.1.5系統の有病率は11か国で50%以上に達しています(2023年2月11日から3月12日までの期間)。図4は、30日間のXBB.1.5系統の世界的な流行を示しています(入手可能なデータに基づく。)。
疫学的第8週から疫学的第12週までにGISAIDに提出された検体の比較については、VUMのうちXBB*系統(XBB.1.5*系統、XBB.1.16*系統及びXBB.1.9.1*系統を除く。)、XBB.1.9.1系統及びXBB.1.16*系統が増加傾向を示しています。当該の3つのVUMについては、疫学的第8週(それぞれ6.7%、3.0%及び0.2%)から疫学的第12週(17.6%、7.6%及び4.0%)まで推移しています。他のVUMについては、当該期間中に減少傾向を示しています。
VOI及びVUM並びに重症度の増加に関して相関性を示す研究報告や国別の報告は、現在ありません。XBB.1.6系統に関する直近の実験室における研究については、XBB系統及びXBB.1.5系統と比較して変異株の増加率が上昇していることを示しています。ただし、それらの免疫逃避性は類似しています。
新型コロナウイルスの検体に関する数及び割合の世界的な傾向については、図5に示されています。新型コロナウイルス変異株(より高い感染・伝播性を付与する突然変異を伴う。)の重症度への影響については、検査及びゲノム解析の減少傾向が世界的に観察されているため、不明のままです。新型コロナウイルスのゲノム調査(鼎談会であり、代表的ではない。)については、新型コロナウイルス変異株の状況を適切に評価する観点における課題を継続して提起しています。
表2 新型コロナウイルスのVOI及びVUMに関する週毎の有病率(2023年疫学的第8週から疫学的第12週までの期間)
*印は、下位系統を示します(他に個別に明記されているものを除く。)。
$XBB.1.16系統の有病率は、核酸(T12730A、T28297C及びA28447G)を用いて2023年4月11日にGISAIDから抽出されました。
+他のものについては、他の流行している系統です(VOI、VUM、BA.1*系統、BA.2*系統、BA.3*系統、BA.4*系統及びBA.5*を除く。)。
図5A及びB 新型コロナウイルスに関する世界的な検体の数及びパーセンテージ(2022年10月1日から2023年3月25日までの期間)
オミクロン株の懸念される変異株に対するワクチン初回及び追加接種の効果
ワクチンの効果
オミクロン株のVOCに対する新型コロナウイルス感染症ワクチンの効果を示すフォレストプロットについては、View-hubで閲覧可能であり、定期的に更新されています(直近の2023年4月6日に更新されました。)。全データは、新型コロナウイルスワクチンの効果に関する研究の進行中であるシステマティックレビューの一部として収集されています(手法の記載あり。)。新型コロナウイルスワクチンの効果(以下「VE」という。)の結果については、次の項目に要約されています(データが利用可能である。)。
初回及び1回目の追加接種のVE(全種類のワクチン)
懸念される亜集団のVE
2回目の追加接種の絶対的なVE及び相対的なVE(相対的なVEの解釈に関する追加の情報については、2022年6月29日の状況報告における「特別な焦点(相対的なVE)」を参照してください。)
VEの持続期間
2価ワクチンの追加接種(1、2及び3回目)に関する絶対的なVE
要約すると、新型コロナウイルス感染症のVEに関する研究から得られた知見については、最初のウイルス及び4つの過去のVOC(α、β、γ及びδ)と比較し、オミクロン株の変異株に対する初回接種のVEが全ての予防(感染、発症及び重症化予防をいう。)で減じたことを示しました。ただし、重要な点は、オミクロン変異株に対するVE推定値については、重症化予防が他の予防のものよりも高いことです。感染及び発症に対する初回接種のVEは、時間経過とともに速やかに減衰します。1回目の追加接種については、初回接種で使用されたワクチンにかかわらず、全ての予防のVEが著明に改善します。1回目の追加接種後の6か月でVEが更に低下します(重症化よりも感染及び発症で顕著となる。)。一価のmRNAワクチン(メッセンジャーRNAワクチンをいう。以下同じ。)を用いた2回目の追加接種のVEについては、1回目の追加接種後と同じく、VEの改善及びその後の減衰という同様の類型を示しました。二価のmRNAワクチンに関する新たな科学的根拠(上位系統及びオミクロン株の両方を含む。)については、追加接種(1回目、2回目及び3回目)として投与された二価ワクチンがワクチン未接種の人と比較して発症及び重症化予防に対する予防を改善したことを示唆しています。さらに、2回目又は3回目の追加接種として二価ワクチンを投与された人については、1回目又は2回目の追加接種として一価ワクチンを投与された人と比較して予防が改善しました。しかし、二価のmRNAワクチンが一価のmRNAワクチンと異なる期間に評価されているため、VEの観察研究における直接的な比較は潜在的な時間に関する交絡因子(例えば最後の接種からの時間、亜系統の流行及び罹患率)のため困難を伴うと判明しています。
中和
中和抗体に関する研究は、VOC及びその亜系統に対するVEの初期の知見を提供します。オミクロン株の様々な亜系統を中和する新型コロナウイルスワクチンの能力に関する追加の情報については、オミクロン株(BA.1系統、BA.2系統、BA.3系統、BA.4系統及びBA.5系統)に対する一価ワクチンの中和に関するシステマティックレビューを参照してください。
今日に至るまでの科学的根拠については、オミクロン株のBA.1系統に対する1回目の追加接種の中和抗体が上位系統と比較して約6倍低いことを示唆しており、これは過去のVOCで確認されたものより大幅な減少です。さらに、中和に関する研究のシステマティックレビューに関する結果を示す中和のプロットについては、VIEW-hub.orgで定期的に更新されており(直近の2023年4月9日に更新されました。)、直近の亜系統(例えばBQ.1系統及びXBB系統)に関する追加の情報を含んでいます。今日に至るまでの科学的根拠については、オミクロン株のBA.1系統に対する1回目の追加接種による中和抗体が上位系統と比較しておおむね6倍低いことを示唆しています。さらに、力価の減少率の中央値については、BA.1系統と比較してBA.4系統及びBA.5系統で2倍低いものでした。直近の報告はBA.4系統及びBA.5系統に対するVEがBA.1系統に対するものよりも低い可能性が高いことを示唆していますが、この知見の根拠は低い中和抗体価及びVE研究に関する手法的要因による可能性があります。初期の科学的根拠は、新しい亜系統(BQ.1系統、BQ.1.1系統、XBB系統、XBB.1系統及びXBB.1.5系統)に対する中和が更に低下していることを示唆しています。オミクロン株に対する初回接種の中和(追加接種を除く。)については、亜系統に関する減少の正確な比較が困難でした。
一価及び二価のmRNAワクチンを比較した中和の結果の要約については、最終的にVIEW-hub.orgで参照できます(より直近のオミクロン株の亜系統に対する二価ワクチンの改善された効果に関する暫定的な科学的根拠を提供する。)。
初回及び1回目の追加接種のVE(全種類のワクチン)
懸念される亜集団のVE
2回目の追加接種の絶対的なVE及び相対的なVE(相対的なVEの解釈に関する追加の情報については、2022年6月29日の状況報告における「特別な焦点(相対的なVE)」を参照してください。)
VEの持続期間
2価ワクチンの追加接種(1、2及び3回目)に関する絶対的なVE
要約すると、新型コロナウイルス感染症のVEに関する研究から得られた知見については、最初のウイルス及び4つの過去のVOC(α、β、γ及びδ)と比較し、オミクロン株の変異株に対する初回接種のVEが全ての予防(感染、発症及び重症化予防をいう。)で減じたことを示しました。ただし、重要な点は、オミクロン変異株に対するVE推定値については、重症化予防が他の予防のものよりも高いことです。感染及び発症に対する初回接種のVEは、時間経過とともに速やかに減衰します。1回目の追加接種については、初回接種で使用されたワクチンにかかわらず、全ての予防のVEが著明に改善します。1回目の追加接種後の6か月でVEが更に低下します(重症化よりも感染及び発症で顕著となる。)。一価のmRNAワクチン(メッセンジャーRNAワクチンをいう。以下同じ。)を用いた2回目の追加接種のVEについては、1回目の追加接種後と同じく、VEの改善及びその後の減衰という同様の類型を示しました。二価のmRNAワクチンに関する新たな科学的根拠(上位系統及びオミクロン株の両方を含む。)については、追加接種(1回目、2回目及び3回目)として投与された二価ワクチンがワクチン未接種の人と比較して発症及び重症化予防に対する予防を改善したことを示唆しています。さらに、2回目又は3回目の追加接種として二価ワクチンを投与された人については、1回目又は2回目の追加接種として一価ワクチンを投与された人と比較して予防が改善しました。しかし、二価のmRNAワクチンが一価のmRNAワクチンと異なる期間に評価されているため、VEの観察研究における直接的な比較は潜在的な時間に関する交絡因子(例えば最後の接種からの時間、亜系統の流行及び罹患率)のため困難を伴うと判明しています。
中和
中和抗体に関する研究は、VOC及びその亜系統に対するVEの初期の知見を提供します。オミクロン株の様々な亜系統を中和する新型コロナウイルスワクチンの能力に関する追加の情報については、オミクロン株(BA.1系統、BA.2系統、BA.3系統、BA.4系統及びBA.5系統)に対する一価ワクチンの中和に関するシステマティックレビューを参照してください。
今日に至るまでの科学的根拠については、オミクロン株のBA.1系統に対する1回目の追加接種の中和抗体が上位系統と比較して約6倍低いことを示唆しており、これは過去のVOCで確認されたものより大幅な減少です。さらに、中和に関する研究のシステマティックレビューに関する結果を示す中和のプロットについては、VIEW-hub.orgで定期的に更新されており(直近の2023年4月9日に更新されました。)、直近の亜系統(例えばBQ.1系統及びXBB系統)に関する追加の情報を含んでいます。今日に至るまでの科学的根拠については、オミクロン株のBA.1系統に対する1回目の追加接種による中和抗体が上位系統と比較しておおむね6倍低いことを示唆しています。さらに、力価の減少率の中央値については、BA.1系統と比較してBA.4系統及びBA.5系統で2倍低いものでした。直近の報告はBA.4系統及びBA.5系統に対するVEがBA.1系統に対するものよりも低い可能性が高いことを示唆していますが、この知見の根拠は低い中和抗体価及びVE研究に関する手法的要因による可能性があります。初期の科学的根拠は、新しい亜系統(BQ.1系統、BQ.1.1系統、XBB系統、XBB.1系統及びXBB.1.5系統)に対する中和が更に低下していることを示唆しています。オミクロン株に対する初回接種の中和(追加接種を除く。)については、亜系統に関する減少の正確な比較が困難でした。
一価及び二価のmRNAワクチンを比較した中和の結果の要約については、最終的にVIEW-hub.orgで参照できます(より直近のオミクロン株の亜系統に対する二価ワクチンの改善された効果に関する暫定的な科学的根拠を提供する。)。
WHO管轄地域別の概況
アフリカ地域
新規感染者数については、過去28日間で9,155人と報告され、前の28日間と比較して45%減少しました。アフリカ地域内におけるデータが利用可能な50か国の10か国(全体の20%)については、20%以上の新規感染者数の増加が報告され、サントメ・プリンシペで21,800%(1人から219人)、モーリタニアで6,000%(2人から122人)及びカーボベルデで230%(10人から33人)の最大の増加が報告されました。
新規死亡者数については、過去28日間で22人と報告され、前の28日間と比較して24%減少しました。
新規感染者数が多い上位3か国
新規死亡者数が多い上位3か国
※過去28日間の報告がない。

新規死亡者数については、過去28日間で22人と報告され、前の28日間と比較して24%減少しました。
新規感染者数が多い上位3か国
国名 | 新規感染者数 | 人口10万人当たりの 新規感染者数 |
前の28日間との比較 |
南アフリカ | 4,309人 | 7.3人 | 54%減少 |
モーリシャス | 1,372人 | 107.9人 | ※ |
エチオピア | 557人 | 1.0人未満 | 43%増加 |
新規死亡者数が多い上位3か国
国名 | 新規死亡者数 | 人口10万人当たりの 新規死亡者数 |
前の28日間との比較 |
ジンバブエ | 12人 | 1.0人未満 | 20%増加 |
カメルーン | 2人 | 1.0人未満 | 33%減少 |
サントメ・プリンシペ | 2人 | 1.0人未満 | ※ |
北米・中南米地域
新規感染者数については、過去28日間で882,336人と報告され、前の28日間と比較して33%減少しました。当該地域内におけるデータが利用可能な56か国の8か国(全体の14%)については、20%以上の新規感染者数の増加が報告され、サバで7,000%(1人から71人)、サン・バルテルミーで107%(14人から29人)及びキューバで74%(124人から216人)の最大の増加が報告されました。
新規死亡者数については、過去28日間で8,237人と報告され、前の28日間と比較して37%減少しました。
新規感染者数が多い上位3か国
新規死亡者数が多い上位3か国

新規死亡者数については、過去28日間で8,237人と報告され、前の28日間と比較して37%減少しました。
新規感染者数が多い上位3か国
国名 | 新規感染者数 | 人口10万人当たりの 新規感染者数 |
前の28日間との比較 |
米国 | 455,939人 | 137.7人 | 50%減少 |
ブラジル | 233,734人 | 110.0人 | 51%増加 |
チリ | 72,988人 | 381.8人 | 17%増加 |
新規死亡者数が多い上位3か国
国名 | 新規死亡者数 | 人口10万人当たりの 新規死亡者数 |
前の28日間との比較 |
米国 | 5,571人 | 1.7人 | 40%減少 |
ブラジル | 1,246人 | 1.0人未満 | 24%減少 |
カナダ | 443人 | 1.2人 | 35%減少 |