狂犬病-東ティモール(2025年7月24日)

海外へ渡航される皆さまへ

今回東ティモールで報告された狂犬病は、狂犬病ウイルスによる感染症で、発症した動物に咬まれたり傷口や粘膜をなめられたり、引っかかれたりすることで感染する、動物由来感染症の一つです。感染後1~3か月で発熱、だるさ、頭痛などの初期症状が現れ、その後興奮や錯乱、水や風を怖がる(恐水症、恐風症)といった中枢神経症状が出現します。最終的に意識障害が出現し、発症するとほぼ100%死亡する疾患です。現時点では確立された治療法がないため、曝露前、曝露後のワクチン接種による予防が非常に重要です。
以下の点を事前に確認して、健康に留意して渡航してください。

渡航前の情報収集
狂犬病に関する情報、東ティモールで流行している感染症に関する情報、渡航先の医療情報を、FORTHや外務省などの公式な情報源で確認してください。トラベルクリニックなどで渡航前に対策について相談することも可能です。特に、狂犬病のリスクがある国で動物に接する予定がある、すぐに医療機関を受診できない地域に行く予定がある場合は、事前に狂犬病ワクチンの接種を検討してください。

渡航中の健康管理
1.リスクを軽減するための対策
イヌに限らず、動物に咬まれたり、なめられたり、引っかかれたりしないように、むやみに動物に近づかないようにしましょう。
2.動物に咬まれた、傷口や粘膜をなめられた、引っかかれた時の行動
  • 渡航中に動物に咬まれたり、傷口や粘膜をなめられたり、引っかかれたりした場合は、すぐに傷口を水と石けんで、少なくとも15分間は傷口を洗いましょう。
  • 速やかに現地の医療機関を受診しましょう。受診する際には、動物と接触したときの状況を必ず伝えてください。

帰国後の対応
渡航中に動物に咬まれたり、傷口や粘膜をなめられたり、引っかかれたりした場合は、現地での受診の有無に関わらず、帰国時に検疫所へ相談してください。
帰国後に医療機関を受診する場合は、動物との接触があり狂犬病の曝露後予防について相談したい旨を伝えたうえで、受診してください。

そのほか、海外渡航に関する一般的な注意事項は「ここに注意!海外渡航にあたって」をご参照ください。


以下は、WHOのDisease Outbreak Newsの翻訳であり、厚生労働省委託事業「国際感染症危機管理対応人材育成・派遣事業で」にて翻訳・メッセージ案を作成しています。

状況の概要

2025年5月17日、東ティモール政府は世界保健機関(WHO)に対し、エルメラ県で狂犬病による死亡例が発生したと報告しました。2025年5月から6月中旬にかけて、東ティモールではボボナロ県(n=2)、エルメラ県(n=1)、オエクシ県(n=1)で4例の狂犬病による死亡を確認しています。いずれの症例も、発症の数か月前にイヌに咬まれており、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)検査によって狂犬病ウイルスが確認されました。2024年3月以降、動物の狂犬病症例(主にイヌ)が106例報告されており、イヌによる咬傷または引っ掻き傷を受けた事例が1,400例以上、死亡例が6例報告されています。
依然として曝露後予防へのアクセス及びそれの完遂は限られています。エルメラ県のような国境に接していない地域での狂犬病の蔓延は、この国における公衆衛生上の懸念の高まりを示しています。公衆衛生上の対応は継続して実施されており、イヌのワクチン接種、リスクコミュニケーション、医療従事者への曝露後予防法(Post-Exposure Prophylaxis: PEP)および症例管理に関する研修、積極的サーベイランス、そして狂犬病ワクチンとヒト狂犬病免疫グロブリンの供給の確保などが含まれます。現在入手可能な情報に基づき、WHOは今回の事例によるリスクを、国レベルでは「高」、地域レベルでは「中」、世界レベルでは「低」と評価しています。

発生の詳細

2025年6月17日現在、東ティモールでは2025年に狂犬病による4例の死亡例が確認されています。これらは、ボボナロ県(n=2)、エルメラ県(n=1)、オエクシ県(n=1)の各自治体で発生しました。
2025年5月17日、東ティモール保健省(MoH)は、エルメラ県の成人男性が狂犬病に感染し死亡したことを確認しました。男性は2025年3月にイヌに咬まれ、恐水症、羞明(まぶしさを過敏に感じる症状)、攻撃性、けいれん、幻覚などの症状が出現しました。5月15日に医療機関を受診し、国立病院に搬送されました。同日、東ティモールの国立保健研究所(National Health Laboratory:NHL)で実施された、死亡前に採取された唾液サンプルを用いたRT-PCR検査により、狂犬病と診断されました。
2025年5月30日、オエクシ県の成人男性で2例目の狂犬病による死亡例が確認されました。この男性は2024年6月にイヌに咬まれ、恐水症や羞明などの症状を呈し、2025年5月27日に地域の病院を受診しました。5月29日、NHLで行われたRT-PCR検査により、狂犬病と診断されました。
2025年6月13日、ボボナロ県の成人男性で3例目の死亡例が確認されました。この男性は発症の約2~3か月前にイヌに咬まれ、恐水症や嚥下困難などの症状を呈していました。6月12日、この男性は医療機関を受診し、ディリの国立病院に搬送されました。死亡前に採取された唾液検体のNHLにおけるRT-PCR検査により狂犬病と診断されました。
2025年6月17日、ボボナロ県の女児で4例目の死亡例が確認されました。女児は発症の約2か月前にイヌに咬まれ、恐水症、不眠、幻覚、多動、嚥下困難、痙攣などの症状を呈し、6月12日に医療機関を受診しました。6月13日、NHLで唾液検体の検査を実施し、RT-PCR検査の結果、狂犬病と診断されました。女児は6月14日に国立病院に搬送されました。
これ以前に、2024年に2例の狂犬病による死亡例が報告されており、2024年に狂犬病が発生して以来、確認されたヒトの狂犬病による死亡例は6例となりました。
2024年3月に、オエクシ県のイヌで、東ティモールで初めての動物における狂犬病の症例が確認されました。2025年6月1日現在、東ティモールでは合計106例の動物における狂犬病症例が確認されています。このうち103例(97%)はイヌ、2例はヤギ(ボボナロ県とオエクシ県)、1例は豚(ボボナロ県)でした。
オエクシ県はインドネシアの東ヌサ・トゥンガラ州(NTT州)の中に位置する東ティモールの飛び地であり、狂犬病が風土病として蔓延しており、ヒトへの感染例が頻繁に報告されています。2024年に報告されたヒトの狂犬病による死亡例は2例ともオエクシ県で発生しました。しかし、2025年には、インドネシアと国境を接していない内陸部のエルメラ県でヒトの感染例が1例報告されました。これは、狂犬病が国境を越えて広がっている可能性を示唆しており、監視体制の強化、感染した犬の移動の監視、曝露後予防(PEP)、犬のワクチン接種、教育と啓発活動、そして国内の内陸部における未検出の感染リスクへの対処が求められています。
2024年3月から2025年6月15日までの間に、東ティモールでは合計1,445件のイヌによる引っ掻き傷や咬傷が報告されました。このうち41%はWHOカテゴリーIIIの曝露に分類されました。カテゴリーIIIの曝露を受けた人のうち、ヒト狂犬病免疫グロブリンを投与されたのは18%にとどまりました。咬傷を受けた人のうち66%がPEPを開始しましたが、ほとんどの人は全ての投与を完了しませんでした。

狂犬病の疫学

狂犬病はワクチンで予防可能な動物由来感染症であり、ウイルスは中枢神経系を標的とします。臨床症状が現れると、致命率はほぼ100%です。最大99%の症例ではイヌからヒトに感染しています。一方で、狂犬病はペットや家畜だけでなく野生動物も感染する疾患です。狂犬病は唾液を介してヒトや動物に感染し、通常は咬傷、引っ掻き傷、または粘膜(目、口、開いた傷口など)への直接接触によって感染します。5歳から14歳のこどもが感染することが多いです。ヒトからヒトへの直接感染はこれまで報告されていませんが、感染した臓器移植のドナーからレシピエントへの感染が報告されています。
狂犬病の潜伏期間は通常2~3か月ですが、ウイルスの侵入場所やウイルス量などの要因によって1週間から1年まで幅があります。狂犬病の初期症状には、発熱、痛み、傷口の異常な、又は、説明のつかないチクチクする感じ、刺すような感じ、灼熱感などの兆候があります。ウイルスが中枢神経系に到達すると、脳と脊髄に進行性で致命的な炎症が発生します。臨床的に狂犬病を発症した患者は管理されますが、治癒することは非常に稀で、生存したとしても重篤な神経学的欠損を伴います。狂犬病による死亡は、主に速やかに有効なPEPを受けられなかった場合に発生します。狂犬病対策連合フォーラム(国際連合食糧農業機関(FAO)、WHO、国際獣疫事務局(WOAH)により設立)によると、全世界で9分に1人が狂犬病で亡くなっており、その約半数がこどもです。
狂犬病は、曝露前予防(Pre-Exposure Prophylaxis:PrEP)として個人に投与される一連のワクチンによって予防できます。曝露した場合、PrEPを受けた後でもPEPが必要になりますが、PrEPがない場合に比べて期間が短縮されます。PEPは狂犬病曝露時の緊急対応です。これにより、ウイルスが中枢神経系に侵入して死に至るのを防ぎます。
現在の診断ツールでは、臨床症状の出現前に狂犬病ウイルスの感染を検出するのは困難です。狂犬病特有の恐水症または恐気症の兆候が認められるか、狂犬病の疑いのある動物または確定診断された動物との確実な接触歴がない限り、臨床診断は困難です。ヒトの狂犬病は、感染組織(脳、皮膚、唾液)中のウイルス粒子、ウイルス抗原、または核酸を検出する様々な診断技術によって、生存中および死後を問わず診断可能です。

公衆衛生上の対応

東ティモール保健省は、以下の公衆衛生対応措置を講じました。
  • 6月16日に、地域社会の意識向上を目的とした記者会見が開催され、市民に対し、飼い犬にワクチン接種を行うこと、野生動物との接触を避けること、イヌの行動に変化がないか観察すること、迅速な治療と狂犬病ワクチン接種を受けるために、イヌに咬まれた場合は報告することを推奨しました。
    最近、オーストラリア政府と公衆衛生コミュニケーション専門家の支援を受けて、東ティモールに特化した狂犬病のリスクコミュニケーションとコミュニティエンゲージメント(RCCE)戦略が策定されました。
    農業・畜産・漁業・林業省(MALFF)、保健省、WHOは共同で、大人向けと子供向けのチラシ、雑誌の特集記事、アニメーション動画、ポッドキャスト、東ティモールの著名人や評判の良いインフルエンサーを起用したソーシャルメディアコンテンツなど、RCCE関連の資料を複数作成し、全国的に狂犬病に関する意識向上に取り組んでいます。
  • 東ティモールのWHO事務所の学校保健担当者の支援を受けて、高リスク地域の学童に対して狂犬病のパンフレットを配布しました。
  • 東ティモール政府は、狂犬病に関する国家タスクフォースを復活させ、「ワン・ヘルス・アプローチ」を採用しました。保健省、MALFF、その他の関係者が協力して、狂犬病対策の共同計画と対応を実施します。全国的な狂犬病予防キャンペーンが開始され、狂犬病ワクチンの入手性向上と、イヌのワクチン接種を含むヒトと動物の健康監視が強化されます。
  • 創部の洗浄、狂犬病ワクチン、そして受動免疫のためのヒト狂犬病免疫グロブリン(Rabies Immnunogloburin:RIG)を含むPEPは現在、政府の医療施設で入手可能です。しかしながら、犬咬傷事件が相次いで発生し、近隣自治体にも拡大しているため、緊急に追加備蓄の要請が必要です。
  • WHO、WOAH、オーストラリア政府の支援を受けて、東ティモールにおける狂犬病撲滅のための国家戦略計画が策定されました。

WHOによるリスク評価

狂犬病は、ワクチンで予防可能な、顧みられない動物由来感染症であり、神経向性の高いリッサウイルス属のウイルスによって引き起こされ、すべての哺乳類に感染する可能性があります。食肉目(イヌやネコの仲間)と翼手目(コウモリの仲間)の哺乳類が主な保有宿主と考えられており、これらの動物は狂犬病ウイルスへのヒトの最も一般的な曝露源です。ヒトの狂犬病症例の最大99%は、イヌ(ペットおよび野良犬)が感染源となっています。狂犬病の感染は唾液を介しておこり、通常は咬傷および非咬傷(皮膚/粘膜を引っかかれる、なめられること)によって起こります。狂犬病ウイルスは、傷のない皮膚からは感染しません。

曝露後予防(PEP)は、狂犬病への曝露に対する緊急対応であり、曝露の疑いがある場合にできるだけ早く、少なくとも15分間、水と石鹸で傷口を徹底的に洗い、局所的な治療を行うこと、WHO基準を満たす有効な狂犬病ワクチンを接種すること、適応があれば、傷口にヒト狂犬病免疫グロブリンまたはモノクローナル抗体を投与すること、から構成されます。

WHOは、以下の理由により、この事象によるリスクを国レベルでは「高」、地域レベルでは「中」、世界レベルでは「低」と評価しています。
  1. 同国は、以前は「狂犬病清浄国」に分類されており、2024年に最初の症例が報告されました。2025年には、複数の自治体で短期間のうちに狂犬病によるヒトの死亡例が複数件報告されました。
  2. そのため、地域社会や医療従事者の狂犬病に関する経験と認識は限られていると考えられます。全体として、医療従事者は狂犬病の症例管理、およびイヌの咬傷・ひっかき傷の症例管理に関する知識が限られています。
  3. インドネシアのNTT州におけるイヌの狂犬病ワクチン接種率は、2024年時点でわずか5.5%、インドネシア全域では2022年時点で24%にとどまっています。狂犬病をコントロールするための技術面での主な対策として、接種率を70%以上にするが必要があります。東ティモールにおけるワクチン接種の取り組みは、これまで高リスクの自治体に重点を置いてきましたが、資源が限られているため、他の地域への拡大は依然として困難な状況です。
  4. 東ティモールには、インドネシアとの国境地域を含め、野良犬やワクチン未接種のイヌが多数生息しています。
  5. これまで、政府の医療施設にはヒト用の狂犬病ワクチンの備蓄がありませんでした。WHO東ティモール事務所は、狂犬病ワクチン6,000回分とヒト狂犬病免疫グロブリン1,000バイアルを調達し、医療施設に配布しました。
  6. 複数の要因により、狂犬病の疑いのある動物(主にイヌ)に咬まれたすべてのヒトが、適切かつ適時なPEPを受けられているわけではありません。
  7. インドネシアのNTT州は東ティモールと国境を接しており、地形と国境の関係で、国境を越えた動物、特にワクチン未接種のイヌの移動を制限する管理措置を行うことは困難です。
  8. 内陸の国境から離れた地区であるエルメラ県で狂犬病の症例が確認されたことは、今後、東ティモール国内でより広範囲に狂犬病が蔓延する可能性があることを示しており、これまで高リスク地域として知られていた地域以外では監視とワクチン接種の実施範囲にギャップがあることを示唆しています。

WHOからのアドバイス

非常に効果的な動物用ワクチンが100年以上前から利用可能となっているにもかかわらず、依然として狂犬病はアジアとアフリカを中心に150以上の国と地域で流行しています。狂犬病は、WHOによる顧みられない熱帯病の世界的制圧のための2021~2030年のロードマップに含まれており、対象疾患の撲滅に向けて地域ごとの段階的目標が設定されています。動物由来感染症である狂犬病は、国、地域、そして世界レベルでの緊密な部門横断的な連携が必要です。効果的な狂犬病撲滅プログラムを実施するための鍵は、地域社会との連携、小規模から対策を始めること、支援策による長期的な投資の促進、政府の主体性の確保、成功と費用対効果の実証、そして迅速な規模拡大です。
これらの目標が優先され、財政的および政治的に支援されれば、狂犬病の撲滅は実現可能かつ達成可能です。

リスクコミュニケーションとコミュニティエンゲージメント(RCCE)
地域社会の関与と人々のエンパワーメントを通じて狂犬病への意識を高めることは、狂犬病対策の基盤です。RCCEの活動には、動物における狂犬病の予防方法、狂犬病が疑われる場合、そして曝露した場合の対処法についての理解を深めることが含まれます。狂犬病に感染した動物に曝露した場合の重要な応急処置として、傷口を石鹸と大量の水で15分間十分に洗い、必ず早期に治療を受けてください。
こどもと大人両方に対するイヌの行動と咬傷予防に関する教育は、狂犬病予防接種プログラムの重要な延長であり、ヒトでの狂犬病の発生とイヌによる咬傷への治療にかかる経済的負担の両方を減らすことができます。

ヒトの予防接種
狂犬病への曝露が疑われる場合、非常に効果的な狂犬病ワクチンとヒト狂犬病免疫グロブリン(RIG)が曝露後予防(PEP)として利用可能です。適切な創傷管理と、品質が保証されたPEPの迅速な利用は、ヒトの狂犬病による死亡をほぼ100%予防します。
曝露前予防(PrEP)は、特定の高リスク職業に従事する人々(生きた狂犬病ウイルスや狂犬病関連ウイルスを扱う実験室作業員など)、および業務上または私生活において、狂犬病に感染している可能性のあるコウモリやその他の哺乳類と直接接触する可能性のある人々(動物疾病管理職員や野生生物保護官など)に推奨されます。また、PrEPは、屋外を旅行する人々や、狂犬病の生物学的製剤の入手が限られている遠隔地の狂犬病流行地域に居住する人々にも適応となる場合があります。PrEPを受けている場合に狂犬病ウイルスの曝露を受けたときは、追加接種を受ける必要がありますが、短縮された接種スケジュールが適用され、RIGは不要です。

曝露リスクとPEPの適応
曝露の重症度に応じて、次のような曝露後予防措置が推奨されます。
狂犬病の疑いのある動物との接触のカテゴリー 曝露後予防措置
カテゴリーI
動物に触れたり餌を与えたり、動物が傷のない皮膚をなめたりすること(曝露なし)
露出した皮膚表面の洗浄、PEPなし
カテゴリーII
露出した皮膚を咬まれ、出血のない軽度の引っかき傷や擦り傷(曝露)
傷口の洗浄と即時のワクチン接種
カテゴリーIII
一つまたは複数の皮膚の咬傷または引っかき傷、動物になめられたことにより、粘膜または傷ついた皮膚の唾液による汚染、コウモリとの直接接触による曝露(重度の曝露)
傷口の洗浄、即時のワクチン接種とヒト狂犬病免疫グロブリン/モノクローナル抗体の投与
注:カテゴリーIIとIIIの曝露に対しては、ヒトの狂犬病予防接種が必要です。
出典: https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/rabies

イヌの集団予防接種
ヒトにおける狂犬病症例の95%以上はイヌが原因であることから、イヌの狂犬病の制御と撲滅は、狂犬病の発生源を根絶することにつながります。子犬を含むイヌへのワクチン接種は、ヒトにおける狂犬病予防のための最も費用対効果の高い戦略であり、曝露後予防の必要性を軽減します。流行地域において、高品質で安全なワクチンを用いたイヌへの大規模なワクチン接種を、継続して70%の接種率を保つことを目指して実施することで、狂犬病ウイルスの動物由来の伝播を阻止し、人命を救うことができます。

この事象は旅行や貿易に支障をきたすものではありません。インドネシアとの国境地域など、リスクが高いと考えられる地域への渡航者は、狂犬病に感染するリスクについて知っておく必要があります。

出典

Citable reference: World Health Organization [24 July 2025]. Disease Outbreak News; Rabies - Timor-Leste Available at:
https://www.who.int/emergencies/disease-outbreak-news/item/2025-DON576

備考

This translation was not created by the World Health Organization (WHO). WHO is not responsible for the content or accuracy of this translation. The original English edition “Rabies - Timor-Leste. Geneva: World Health Organization; 2025. Licence: CC BY-NC-SA 3.0 IGO” shall be the binding and authentic edition.