伝播型ワクチン由来ポリオウイルス1型-イスラエル(2025年8月20日)
海外へ渡航される皆様へ
伝播型ワクチン由来ポリオウイルス(cVDPV: circulating vaccine-derived poliovirus)とは、経口ポリオ生ワクチン(OPV)に含まれていたウイルスが、遺伝的に変異していくうちに病原性を持つようになり、継続的に地域内で伝播するようになったもののことです。日本ではOPVは現在使用されておらず、ポリオウイルスの病原性をなくした不活化ポリオワクチン(IPV)が用いられています。
cVDPVには3つのタイプ(1型、2型、3型)があり、今回イスラエルで報告されたものはcVDPVの1型(cVDPV1: circulating vaccine-derived poliovirus type1)です。
ポリオは、1950年代までは世界的に流行していましたが、ポリオウイルスワクチンの普及で症例数は激減しました。現在、自然界に存在するポリオウイルス野生株(WPV:wild poliovirus)のうち2型、3型は根絶されましたが、WPV1型およびcVDPVが世界の一部地域で伝播しています。
ポリオは急性灰白髄炎とも呼ばれ、感染した人のふん便、ウイルスに汚染された食べ物や水の摂取などを介して感染します。世界では主に5歳以下の小児において発生が多くみられますが、成人が感染することもあります。潜伏期間は4~35日で、感染者の90%以上は無症状か軽症(風邪のような症状や胃腸症状)です。感染者の1~2%で、風邪様症状に続き、無菌性髄膜炎(非麻痺型)を起こすことがあります。また、感染者の0.1~2%に四肢の非対称性の弛緩性麻痺が生じます。
ポリオは予防接種で予防できる病気です。
以下の点を事前に確認して、健康に気を付けて渡航してください。
cVDPVには3つのタイプ(1型、2型、3型)があり、今回イスラエルで報告されたものはcVDPVの1型(cVDPV1: circulating vaccine-derived poliovirus type1)です。
ポリオは、1950年代までは世界的に流行していましたが、ポリオウイルスワクチンの普及で症例数は激減しました。現在、自然界に存在するポリオウイルス野生株(WPV:wild poliovirus)のうち2型、3型は根絶されましたが、WPV1型およびcVDPVが世界の一部地域で伝播しています。
ポリオは急性灰白髄炎とも呼ばれ、感染した人のふん便、ウイルスに汚染された食べ物や水の摂取などを介して感染します。世界では主に5歳以下の小児において発生が多くみられますが、成人が感染することもあります。潜伏期間は4~35日で、感染者の90%以上は無症状か軽症(風邪のような症状や胃腸症状)です。感染者の1~2%で、風邪様症状に続き、無菌性髄膜炎(非麻痺型)を起こすことがあります。また、感染者の0.1~2%に四肢の非対称性の弛緩性麻痺が生じます。
ポリオは予防接種で予防できる病気です。
以下の点を事前に確認して、健康に気を付けて渡航してください。
- • 渡航前の情報収集
- WHOは、ポリオ患者が発生している国に渡航する場合には、以前にポリオの予防接種を受けていても、渡航前に追加の接種をすすめています。ポリオ発生国に渡航される場合は、現地での活動内容やポリオの発生状況に応じ、ポリオワクチンの追加接種を検討してください。日本では、1975年(昭和50年)から1977年(昭和52年)生まれの人は、ポリオに対する免疫が低いことがわかっており、追加接種が特に推奨されています。
ポリオに関する情報や、渡航先で流行している感染症に関する情報、渡航先の医療情報を、FORTHや外務省などの公式な情報源で確認してください。トラベルクリニックなどで渡航前に感染対策などを相談することも可能です。 - • 渡航中の健康管理
- 1.基本的な感染予防策
石鹸と水での手洗いやアルコール消毒液の使用などの手指衛生対策を行いましょう。
2. 体調不良時の行動
渡航中に発熱、咳などが出現し、現地の医療機関を受診する際は、渡航歴・現地での行動を必ず伝えてください。 - • 帰国後の対応
- 日本へ帰国した時に体調に異常があれば、空港や港の検疫所で渡航歴・現地での行動を伝えたうえで相談してください。
帰国後、21日程度の期間、ご自身の健康状態に注意しましょう。体調不良により医療機関を受診する際は、渡航歴・現地での行動を伝えてください。
そのほか、海外渡航に関する一般的な注意事項は「ここに注意!海外渡航にあたって」をご参照ください。
以下は、WHOのDisease Outbreak Newsの翻訳であり、厚生労働省委託事業「国際感染症危機管理対応人材育成・派遣事業」にて翻訳・メッセージ原案を作成しています。
状況の概要
2025年8月4日、イスラエルは世界保健機関(WHO)に対し、伝播型ワクチン由来ポリオウイルス1型(cVDPV1)のアウトブレイクを通知しました。2025年2月から7月にかけて、主にエルサレムおよび中央地区の7か所で採取された下水検体から9個の遺伝子的に関連するウイルス株が見つかりました。ヒトの麻痺型ポリオ症例は報告されていません。2025年3月にイスラエルは2価経口ポリオ生ワクチンの定期接種を中止しましたが、同国の予防接種スケジュールの一部である不活化ポリオワクチン(IPV)の定期接種は継続されています。
WHOおよび世界ポリオ根絶計画(GPEI:Global Polio Eradication Initiative)のパートナーは、国および地域の当局を支援しています。WHOは、現在世界全体としてはポリオに対する集団免疫は高く保たれており、ポリオウイルスへの強固なサーベイランスが行われていて、発生時の対応能力もあることから、イスラエルにおけるこのcVDPV1アウトブレイクが国際的に拡大するリスクは低いと評価しています。しかしこのウイルスは、ワクチンに懐疑的で接種率が低いコミュニティにおいて感染の循環を生じており、またこのようなコミュニティは、他国の同様のコミュニティとのつながりもあることから、感染拡大の潜在的なリスクが存在しています。
WHOおよび世界ポリオ根絶計画(GPEI:Global Polio Eradication Initiative)のパートナーは、国および地域の当局を支援しています。WHOは、現在世界全体としてはポリオに対する集団免疫は高く保たれており、ポリオウイルスへの強固なサーベイランスが行われていて、発生時の対応能力もあることから、イスラエルにおけるこのcVDPV1アウトブレイクが国際的に拡大するリスクは低いと評価しています。しかしこのウイルスは、ワクチンに懐疑的で接種率が低いコミュニティにおいて感染の循環を生じており、またこのようなコミュニティは、他国の同様のコミュニティとのつながりもあることから、感染拡大の潜在的なリスクが存在しています。
発生の詳細
2025年8月4日、イスラエルの国際保健規則(IHR)国家連絡窓口(NFP)は、国内でのcVDPV1のアウトブレイクを宣言したことを、WHOに通報しました。2025年2月から7月にかけて、7か所の採取場所で採取された下水検体から、遺伝的に関連する9つのVDPV1分離株が検出されました。7か所のうち4か所は、エルサレム地区および中央地区内にあり、地理的に重複していませんでした。
検査室での分析および全ゲノム塩基配列の解析(WGS)では、これらのウイルスが互いに、また、2024年10月以降に下水検体から分離された複数のセービン株様ウイルス(Sabin-like viruses)と遺伝子的に関連することを示しています。2025年8月8日時点で、cVDPV1は下水検体でのみ検出されており、この段階で麻痺症例は報告されていません。しかし、現時点のエビデンスは、この事象が継続的な地域内での伝播を伴うcVDPV1のアウトブレイクに分類されることを裏付けています。
今回のアウトブレイクに先立ち、下水サーベイランスで検出されたセービン株様1型ウイルス(SL1:Sabin-like type 1 virus)は、エルサレム出身のワクチン未接種の17歳男性における急性弛緩性麻痺(AFP)症例の原因ウイルスと同じでした。この症例は、2024年12月23日に報告され、ポリオワクチン関連性麻痺(VAPP:vaccine-associated paralytic poliomyelitis)と分類されていました。
2025年3月、イスラエルは、2価経口ポリオ生ワクチン(bOPV)の定期使用を中止しましたが、生後12か月までの定期予防接種スケジュールの一部である不活化ポリオワクチン (IPV)の4回接種は継続されています。WHO/UNICEFによる2024年のIPV3回接種の全国予防接種率の推計値は98%でした。しかし、エルサレムにおけるワクチン接種率は極めて低く、十分な集団免疫の維持とポリオウイルスの伝播を予防するために必要とされるWHOの推奨接種率を下回っています。
検査室での分析および全ゲノム塩基配列の解析(WGS)では、これらのウイルスが互いに、また、2024年10月以降に下水検体から分離された複数のセービン株様ウイルス(Sabin-like viruses)と遺伝子的に関連することを示しています。2025年8月8日時点で、cVDPV1は下水検体でのみ検出されており、この段階で麻痺症例は報告されていません。しかし、現時点のエビデンスは、この事象が継続的な地域内での伝播を伴うcVDPV1のアウトブレイクに分類されることを裏付けています。
今回のアウトブレイクに先立ち、下水サーベイランスで検出されたセービン株様1型ウイルス(SL1:Sabin-like type 1 virus)は、エルサレム出身のワクチン未接種の17歳男性における急性弛緩性麻痺(AFP)症例の原因ウイルスと同じでした。この症例は、2024年12月23日に報告され、ポリオワクチン関連性麻痺(VAPP:vaccine-associated paralytic poliomyelitis)と分類されていました。
2025年3月、イスラエルは、2価経口ポリオ生ワクチン(bOPV)の定期使用を中止しましたが、生後12か月までの定期予防接種スケジュールの一部である不活化ポリオワクチン (IPV)の4回接種は継続されています。WHO/UNICEFによる2024年のIPV3回接種の全国予防接種率の推計値は98%でした。しかし、エルサレムにおけるワクチン接種率は極めて低く、十分な集団免疫の維持とポリオウイルスの伝播を予防するために必要とされるWHOの推奨接種率を下回っています。
ポリオの疫学
ポリオは、主に5歳未満の小児が罹患し、感染者に永続的な麻痺(約200人に1人)や死亡(麻痺者の2~10%)を引き起こす、感染力の強い疾患です。
ウイルスは主に糞口感染でヒトからヒトへ感染しますが、頻度は低いものの汚染された水や食べ物から感染することもあります。ウイルスは腸内で増殖し、そこから神経系に侵入して麻痺を引き起こします。潜伏期間は通常7~10日間ですが、人によって4~35日まで幅があります。感染者の最大90%は無症状か軽い症状で、通常、感染していることに気づきません。
ワクチン由来ポリオウイルスは、もともと経口ポリオ生ワクチン(OPV)に含まれていたポリオウイルス株が変異したものであることが十分立証されています。OPVには弱毒化した生きたポリオウイルスが含まれており、腸内で一定期間複製することで抗体ができ、免疫が確立します。まれに、消化管内で複製される際に、OPVのウイルス株が遺伝子的に変異することがあり、ポリオの予防接種が十分でない地域、特に衛生環境が悪い地域や人口過密地域で拡がることがあります。住民の免疫力が低ければ低いほど、OPV由来のポリオウイルスは長く生き残り、遺伝子の変異も大きくなります。
ごくまれに、OPV由来のウイルスが遺伝子的に変異し、野生型ポリオウイルスと同じように麻痺を引き起こすことがあります。これがワクチン由来ポリオウイルス(VDPV)と呼ばれるものです。遺伝的に関連のあるVDPVが、少なくとも2つの異なる発生源から、少なくとも2か月の間隔をおいて検出され、地域で伝播している証拠がある場合、cVDPVに分類されます。野生型ポリオウイルスと同様に、cVDPVには3つのタイプ(1型、2型、3型)があり、イスラエルにおける今回のアウトブレイクはcVDPV1によるものです。
ウイルスは主に糞口感染でヒトからヒトへ感染しますが、頻度は低いものの汚染された水や食べ物から感染することもあります。ウイルスは腸内で増殖し、そこから神経系に侵入して麻痺を引き起こします。潜伏期間は通常7~10日間ですが、人によって4~35日まで幅があります。感染者の最大90%は無症状か軽い症状で、通常、感染していることに気づきません。
ワクチン由来ポリオウイルスは、もともと経口ポリオ生ワクチン(OPV)に含まれていたポリオウイルス株が変異したものであることが十分立証されています。OPVには弱毒化した生きたポリオウイルスが含まれており、腸内で一定期間複製することで抗体ができ、免疫が確立します。まれに、消化管内で複製される際に、OPVのウイルス株が遺伝子的に変異することがあり、ポリオの予防接種が十分でない地域、特に衛生環境が悪い地域や人口過密地域で拡がることがあります。住民の免疫力が低ければ低いほど、OPV由来のポリオウイルスは長く生き残り、遺伝子の変異も大きくなります。
ごくまれに、OPV由来のウイルスが遺伝子的に変異し、野生型ポリオウイルスと同じように麻痺を引き起こすことがあります。これがワクチン由来ポリオウイルス(VDPV)と呼ばれるものです。遺伝的に関連のあるVDPVが、少なくとも2つの異なる発生源から、少なくとも2か月の間隔をおいて検出され、地域で伝播している証拠がある場合、cVDPVに分類されます。野生型ポリオウイルスと同様に、cVDPVには3つのタイプ(1型、2型、3型)があり、イスラエルにおける今回のアウトブレイクはcVDPV1によるものです。
公衆衛生上の取り組み
- さらなる感染拡大を探知するためのAFPサーベイランスおよび下水サーベイランスの強化が進められています。
- 保健省の管轄下において、2022年のcVDPV3、続く2023年のcVDPV2のアウトブレイクの制御を支援するため、多分野にわたる緊急対応チーム(ERT)が設立され、このERTは今回のcVDPV1アウトブレイクに対しても引き続き対応をしています。
- 地域におけるウイルスの循環規模と、それに対して必要な対応を評価するための調査が進行中です。
- WHO地域事務局を含む世界ポリオ根絶計画のパートナーが、国および地方の当局を支援しています。
- 2022年以降、ワクチン接種率が低いコミュニティに焦点を当てた、対象者を絞ったIPVを用いる予防接種キャンペーンが行われています。これらのキャンペーンは現在、接種率を最大にするための麻しんワクチン接種の取組みと並行して強化されています。ワクチン接種の意向を高めるため、各コミュニティの状況に合わせたコミュニケーション戦略を展開することで、この接種キャンペーンを支援しています。
- ワクチン忌避を低減し接種率を高めるため、状況に応じてカスタマイズされたメッセージを使用し、地域社会に配慮したコミュニケーション戦略が考案されています。
WHOによるリスク評価
ポリオウイルスの国際的な感染拡大は、2014年5月5日WHO事務局長が、国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC;Public Health Emergency of International Concern)に該当すると宣言し、直近では2025年7月28日に、PHEIC宣言が継続されました。イスラエルにおけるcVDPVの発生は、当初からPHEIC宣言の対象です。
イスラエル全体としてはワクチン接種率が高く、強固なサーベイランスシステムがありますが、既知の高リスク地域/人口グループでは予防接種率が依然低いため、同国でのさらなる拡大リスクは中程度であると考えられます。地域の保健当局は、状況と拡大リスクをより深く理解するため、現地調査、疫学調査、ウイルス学的調査を実施しています。イスラエルは、2025年3月にbOPVの使用を中止しました。定期予防接種のスケジュールには、生後12か月までに行うIPVを含む4回のワクチン接種と、小学校2年生で行う5回目の接種が含まれます。
2024年、合計11例のcVDPV1症例が報告され、10例はコンゴ民主共和国、1例はモザンビークで発生したものでした。これらの国では過去10か月間、cVDPV1症例は発生していないものの、一部の国では定期予防接種率およびIPV接種率が依然として低く、免疫力の格差があることは、cVDPV1発生のリスクが持続していることを示しています。
WHOは現在、今回のcVDPV1検出に伴う国際的な感染拡大のリスクについて、世界全体としてはポリオウイルスに対する集団免疫が高く保たれており、強固なポリオウイルスサーベイランスが行われていて、対応能力もあることから、感染拡大のリスクは低いと評価しています。しかし、ワクチンに懐疑的で接種率が低いコミュニティにおいて、感染の循環が生じている可能性が高く、そのようなコミュニティが他国の同様のコミュニティとの密接なつながりを有していることを踏まえると、感染拡大の潜在的なリスクが存在しています。その例として、2022年から2023年にかけて英国、米国、カナダおよびイスラエルで発生したcVDPV2の複数国における循環が挙げられます。
イスラエル全体としてはワクチン接種率が高く、強固なサーベイランスシステムがありますが、既知の高リスク地域/人口グループでは予防接種率が依然低いため、同国でのさらなる拡大リスクは中程度であると考えられます。地域の保健当局は、状況と拡大リスクをより深く理解するため、現地調査、疫学調査、ウイルス学的調査を実施しています。イスラエルは、2025年3月にbOPVの使用を中止しました。定期予防接種のスケジュールには、生後12か月までに行うIPVを含む4回のワクチン接種と、小学校2年生で行う5回目の接種が含まれます。
2024年、合計11例のcVDPV1症例が報告され、10例はコンゴ民主共和国、1例はモザンビークで発生したものでした。これらの国では過去10か月間、cVDPV1症例は発生していないものの、一部の国では定期予防接種率およびIPV接種率が依然として低く、免疫力の格差があることは、cVDPV1発生のリスクが持続していることを示しています。
WHOは現在、今回のcVDPV1検出に伴う国際的な感染拡大のリスクについて、世界全体としてはポリオウイルスに対する集団免疫が高く保たれており、強固なポリオウイルスサーベイランスが行われていて、対応能力もあることから、感染拡大のリスクは低いと評価しています。しかし、ワクチンに懐疑的で接種率が低いコミュニティにおいて、感染の循環が生じている可能性が高く、そのようなコミュニティが他国の同様のコミュニティとの密接なつながりを有していることを踏まえると、感染拡大の潜在的なリスクが存在しています。その例として、2022年から2023年にかけて英国、米国、カナダおよびイスラエルで発生したcVDPV2の複数国における循環が挙げられます。
WHOからのアドバイス
複数回のポリオワクチン接種により子どもの命を守ることができます。WHOは、ポリオ根絶のための国際的な取り組みを各国が支持し、ポリオワクチン接種率を高く維持するよう呼びかけています。WHOは、ポリオ発生地域への渡航者又は居住者は、国のスケジュールに応じたポリオワクチン接種を完了することを推奨しています。免疫力を高め、感染の広がりや持続的な伝播のリスクを軽減するため対象を絞って介入を行う際には、ポリオに対する免疫力が低い集団が認められる地域を優先する必要があります。
すべての国、特にポリオ発生国・地域と頻繁な行き来や接触がある国・地域は、ウイルスの新たな侵入を速やかに発見し、迅速な対応を図るため、AFP症例のサーベイランスを強化することが重要です。また、新たにウイルスが持ち込まれた場合の影響を最小限に抑えるため、国や領土、地域レベルでの定期予防接種率を一様に高く維持する必要があります。
国際保健規則(IHR2005)に基づき招集された緊急委員会の助言に従い、ポリオウイルスの国際的な感染拡大を抑制するための取り組みは、引き続きPHEICの対象です。また、ポリオウイルス伝播の影響を受けている国は暫定的な勧告の対象となります。PHEICに基づいて発出された暫定的な勧告に従うため、ポリオウイルス感染の発生が報告された国は、公衆衛生上の緊急事態としてアウトブレイクを宣言することとなっています。また、すべての海外旅行者に対しワクチン接種を検討し、接種者には国際予防接種証明書を提供します。一方で、適切なポリオワクチン接種歴の記録がない居住者については、出発時点での海外旅行を制限することとなります。さらに、旅行者のワクチン接種率を大幅に高めるために越境の取り組みを強化し、加えて定期予防接種率を高めるための取り組みを強化することが求められています。暫定的な勧告の対象である国は、以下の基準を満たすまで上記に述べた対策を維持することとなっています。
1. 少なくとも6か月間、新しい感染がないこと、かつ
2. すべての感染地域および高リスク地域における質の高い根絶活動の全面的な実施に関する記録があること。
こうした記録がない場合、感染がなくなったことについて上記の評価基準を満たす状況になるまで、対策を維持する必要があります。
cVDPVに関する最新疫学情報は毎週更新されます。
WHOは、この事象に関して現在入手できる情報に基づき、イスラエルへの渡航や貿易を制限しないよう勧告しています。
すべての国、特にポリオ発生国・地域と頻繁な行き来や接触がある国・地域は、ウイルスの新たな侵入を速やかに発見し、迅速な対応を図るため、AFP症例のサーベイランスを強化することが重要です。また、新たにウイルスが持ち込まれた場合の影響を最小限に抑えるため、国や領土、地域レベルでの定期予防接種率を一様に高く維持する必要があります。
国際保健規則(IHR2005)に基づき招集された緊急委員会の助言に従い、ポリオウイルスの国際的な感染拡大を抑制するための取り組みは、引き続きPHEICの対象です。また、ポリオウイルス伝播の影響を受けている国は暫定的な勧告の対象となります。PHEICに基づいて発出された暫定的な勧告に従うため、ポリオウイルス感染の発生が報告された国は、公衆衛生上の緊急事態としてアウトブレイクを宣言することとなっています。また、すべての海外旅行者に対しワクチン接種を検討し、接種者には国際予防接種証明書を提供します。一方で、適切なポリオワクチン接種歴の記録がない居住者については、出発時点での海外旅行を制限することとなります。さらに、旅行者のワクチン接種率を大幅に高めるために越境の取り組みを強化し、加えて定期予防接種率を高めるための取り組みを強化することが求められています。暫定的な勧告の対象である国は、以下の基準を満たすまで上記に述べた対策を維持することとなっています。
1. 少なくとも6か月間、新しい感染がないこと、かつ
2. すべての感染地域および高リスク地域における質の高い根絶活動の全面的な実施に関する記録があること。
こうした記録がない場合、感染がなくなったことについて上記の評価基準を満たす状況になるまで、対策を維持する必要があります。
cVDPVに関する最新疫学情報は毎週更新されます。
WHOは、この事象に関して現在入手できる情報に基づき、イスラエルへの渡航や貿易を制限しないよう勧告しています。
出典
Citable reference: World Health Organization [20 August 2025]. Disease Outbreak News; Circulating vaccine-derived poliovirus type 1 – Israel. Available at:
https://www.who.int/emergencies/disease-outbreak-news/item/2025-DON578
https://www.who.int/emergencies/disease-outbreak-news/item/2025-DON578
備考
This translation was not created by the World Health Organization (WHO). WHO is not responsible for the content or accuracy of this translation. The original English edition “Circulating vaccine-derived poliovirus type 1 – Israel. Geneva: World Health Organization; 2025. License: CC BY-NC-SA 3.0 IGO” shall be the binding and authentic edition.
