エボラウイルス病-コンゴ民主共和国(2025年9月5日)
海外へ渡航される皆様へ
今回コンゴ民主共和国(DRC)で報告されたエボラウイルス病(EVD)は、エボラウイルスによる感染症です。エボラウイルスに感染した動物や患者の血液、体液、排泄物等との直接接触が主な感染経路です。潜伏期間は感染してから2~21日程度で、初期症状は発熱、頭痛、筋肉痛などで、進行すると下痢、嘔吐、発疹、肝機能及び腎機能の異常を伴い、さらには出血傾向、意識障害などの重篤な症状を示し死亡することがあります。
また日本国内で承認されたワクチンはありません。
以下の点を事前に確認して、健康に気を付けて渡航してください。
石鹸と水での手洗いやアルコール消毒液の使用などの手指衛生、マスクの着用や咳エチケットといった基本的感染対策、また加熱処理の信頼できない野生動物の肉(Bushmeat、ジビエ肉)の喫食をさけるのはEVD、その他のさまざまな感染症に対しても有効です。
2.リスクを軽減するための対策
EVDは、感染した動物や患者の血液、体液、排泄物等との直接接触が主な感染経路なので、これらとの接触や死体に触れることや、流行地域での葬儀への参列などは可能な限り避けてください。こうした状況を避けられない場合は手袋やマスクを使用し、直接の接触を避けることで、感染するリスクを減らすことができます。
3.体調不良時の行動
流行地域で上記のようなリスク行動があり、渡航中に発熱、頭痛などEVDを疑う症状が出た場合は、速やかに現地の医療機関を受診し、渡航歴・現地での行動を必ず伝えてください。同じような症状が出るほかの感染症も考えられますので、診断を受けることが重要です。
帰国後1~2週間程度の期間、ご自身の健康状態に注意し、異常があれば速やかに医療機関に相談してください。この際も渡航歴・現地での行動を伝えてください。
そのほか、海外渡航に関する一般的な注意事項は「ここに注意!海外渡航にあたって」をご参照ください。
以下は、WHOのDisease Outbreak Newsの翻訳であり、厚生労働省委託事業「国際感染症危機管理対応人材育成・派遣事業」にて翻訳・メッセージ原案を作成しています。
また日本国内で承認されたワクチンはありません。
以下の点を事前に確認して、健康に気を付けて渡航してください。
- 渡航前の情報収集
- 渡航中の健康管理
石鹸と水での手洗いやアルコール消毒液の使用などの手指衛生、マスクの着用や咳エチケットといった基本的感染対策、また加熱処理の信頼できない野生動物の肉(Bushmeat、ジビエ肉)の喫食をさけるのはEVD、その他のさまざまな感染症に対しても有効です。
2.リスクを軽減するための対策
EVDは、感染した動物や患者の血液、体液、排泄物等との直接接触が主な感染経路なので、これらとの接触や死体に触れることや、流行地域での葬儀への参列などは可能な限り避けてください。こうした状況を避けられない場合は手袋やマスクを使用し、直接の接触を避けることで、感染するリスクを減らすことができます。
3.体調不良時の行動
流行地域で上記のようなリスク行動があり、渡航中に発熱、頭痛などEVDを疑う症状が出た場合は、速やかに現地の医療機関を受診し、渡航歴・現地での行動を必ず伝えてください。同じような症状が出るほかの感染症も考えられますので、診断を受けることが重要です。
- 帰国後の対応
帰国後1~2週間程度の期間、ご自身の健康状態に注意し、異常があれば速やかに医療機関に相談してください。この際も渡航歴・現地での行動を伝えてください。
そのほか、海外渡航に関する一般的な注意事項は「ここに注意!海外渡航にあたって」をご参照ください。
以下は、WHOのDisease Outbreak Newsの翻訳であり、厚生労働省委託事業「国際感染症危機管理対応人材育成・派遣事業」にて翻訳・メッセージ原案を作成しています。
状況の概要
2025年9月1日、世界保健機関(WHO;World Health Organization)は、コンゴ民主共和国(DRC)保健省から、同国カサイ州ブラペ(Bulape)保健区域で発生したエボラウイルス病(EVD)の疑い例に関するアラートを受け取りました。最初に周知された症例は妊婦で、2025年8月20日、高熱、血性下痢、出血、極度の脱力感という症状のため、ブラペ総合病院(Bulape General Reference Hospital)を受診。その5日後の8月25日、患者は多臓器不全で死亡しました。2025年9月4日、検査室での確認検査後、保健省はEVDのアウトブレイクを宣言しました。
EVDは、ヒトでは、死に至ることも多い重篤な疾患です。このウイルスは、感染した野生動物の血液または分泌物との濃厚接触によりヒトに伝播し、その後、ヒトからヒトへ感染し、感染が拡大します。2025年9月4日時点で、ブラペ保健区域の3つの地域(ブラペ、ブラペブラぺペ・コム(Bulape Com)、ディコロ(Dikolo))およびムウェカ(Mweka)保健区域では、死亡例15例を含む疑い例28例(致命率(CFR):54%)が報告されています。死亡例のうち、4例は医療従事者です。疑い例の約80%は15歳以上です。ブラペ保健区域の疑い例5例および推定死亡例1例から6検体が採取され、9月3日、確認検査のためキンシャサの国立公衆衛生研究所(National Public Health Laboratory:INRB)に検体が到着しました。2025年9月3日、GeneXpertおよびPCR検査により、5検体はすべて、エボラウイルス陽性と判定されました。
保健省はWHOおよびパートナーの支援を受けて、アウトブレイクを封じ込めるための公衆衛生上の対応策を実施しています。WHOは、今回のEVDアウトブレイクにより生じた全体的な公衆衛生リスクを、国レベルでは高い、地域レベルは中程度、世界レベルでは低いと評価しています。
EVDは、ヒトでは、死に至ることも多い重篤な疾患です。このウイルスは、感染した野生動物の血液または分泌物との濃厚接触によりヒトに伝播し、その後、ヒトからヒトへ感染し、感染が拡大します。2025年9月4日時点で、ブラペ保健区域の3つの地域(ブラペ、ブラペブラぺペ・コム(Bulape Com)、ディコロ(Dikolo))およびムウェカ(Mweka)保健区域では、死亡例15例を含む疑い例28例(致命率(CFR):54%)が報告されています。死亡例のうち、4例は医療従事者です。疑い例の約80%は15歳以上です。ブラペ保健区域の疑い例5例および推定死亡例1例から6検体が採取され、9月3日、確認検査のためキンシャサの国立公衆衛生研究所(National Public Health Laboratory:INRB)に検体が到着しました。2025年9月3日、GeneXpertおよびPCR検査により、5検体はすべて、エボラウイルス陽性と判定されました。
保健省はWHOおよびパートナーの支援を受けて、アウトブレイクを封じ込めるための公衆衛生上の対応策を実施しています。WHOは、今回のEVDアウトブレイクにより生じた全体的な公衆衛生リスクを、国レベルでは高い、地域レベルは中程度、世界レベルでは低いと評価しています。
発生の詳細
2025年9月1日、WHOは、DRC保健省から、同国カサイ州ブラペ保健区域で発生したEVD疑い例に関するアラートを受け取りました。2025年8月20日、最初に探知された患者は、妊娠34週の妊婦で、発熱、血性下痢、出血、嘔吐、倦怠感を呈したのち、ブラペ総合病院に入院しました。その後、多臓器不全が発現し、同年8月25日、患者は死亡しました。この最初の症例とはじめに接触していた医療従事者の2人にも同様の症状が発現し、死亡しました。
2025年9月4日時点で、ブラペ保健区域の3つの地域(ブラペ、ブラペ・コム、ディコロ)およびムウェカ保健区域から、死亡例15例(うち4例は医療従事者)を含む合計28例の疑い例(致命率(CFR):54%)が報告されました。疑い例の約80%は15歳以上でした。3つの保健地域において、疑い例5例から採取した血液検体5検体と、死亡した可能性例から採取した鼻咽頭ぬぐい液が、検査のためキンシャサにある国立公衆衛生研究所(INRB)に送付されました。
2025年9月3日、INRBで実施された検査室での検査にて、GeneXpertおよびPCR検査により、エボラウイルス が確認されました。
全ゲノム配列解析で得られた結果は、このアウトブレイクが新たな人獣共通の異種間伝播の事象であり、2007年のルエボ(Luebo)または2008/2009年のムウェカでのEVDアウトブレイクと直接関係するものではないことを示唆しています。
図1. エボラウイルス病(EVD)の疑い例および死亡例の分布、保健区域別(2025年9月4日時点)

2025年9月4日時点で、ブラペ保健区域の3つの地域(ブラペ、ブラペ・コム、ディコロ)およびムウェカ保健区域から、死亡例15例(うち4例は医療従事者)を含む合計28例の疑い例(致命率(CFR):54%)が報告されました。疑い例の約80%は15歳以上でした。3つの保健地域において、疑い例5例から採取した血液検体5検体と、死亡した可能性例から採取した鼻咽頭ぬぐい液が、検査のためキンシャサにある国立公衆衛生研究所(INRB)に送付されました。
2025年9月3日、INRBで実施された検査室での検査にて、GeneXpertおよびPCR検査により、エボラウイルス が確認されました。
全ゲノム配列解析で得られた結果は、このアウトブレイクが新たな人獣共通の異種間伝播の事象であり、2007年のルエボ(Luebo)または2008/2009年のムウェカでのEVDアウトブレイクと直接関係するものではないことを示唆しています。
図1. エボラウイルス病(EVD)の疑い例および死亡例の分布、保健区域別(2025年9月4日時点)

EVDの疫学
EVDは、エボラウイルスによって引き起こされる重症疾患です。この今回の流行の原因となったウイルスは、ザイールエボラウイルス種(Orthoebolavirus Zairense)に属します。このウイルスは、感染した野生動物の血液または分泌物との濃厚接触によりヒトに伝播し、その後、体液、臓器、または汚染された表面および物質との直接接触によりヒトからヒトへ感染し、感染が拡大します。
潜伏期間は2~21日ですが、通常7~11日です。感染者は、潜伏期間中は感染力を持たず、初期症状が出現すると共に感染源にもなります。したがって、伝播リスクは、臨床徴候の発症時に生じ、疾患が重症になるに従って高まります。
致命率(CFR)は50%で、過去のアウトブレイクではCFRが25%~90%と報告されています。この疾患は、非特異的な症状/徴候(腹痛、食欲不振、疲労、倦怠感、筋肉痛、喉の痛みなど)を伴う突然の発熱が特徴で、通常、その数日後に悪心、嘔吐、下痢、ときにさまざまな発疹が出現します。重症になると、出血症状、脳症、ショック/低血圧、多臓器不全が生じ、感染した妊婦では自然流産が生じる可能性があります。回復しても長期の後遺症(関節痛、神経認知障害、ぶどう膜炎など、場合により、白内障形成が起きることもある) や免疫特権部位(中枢神経系、眼、精巣など)に、顕性もしくは無症状の持続感染が発生する可能性があります。家族、医療従事者や介護者、遺体に直接接触する埋葬の儀式への参加者は特にリスクがあります。
潜伏期間は2~21日ですが、通常7~11日です。感染者は、潜伏期間中は感染力を持たず、初期症状が出現すると共に感染源にもなります。したがって、伝播リスクは、臨床徴候の発症時に生じ、疾患が重症になるに従って高まります。
致命率(CFR)は50%で、過去のアウトブレイクではCFRが25%~90%と報告されています。この疾患は、非特異的な症状/徴候(腹痛、食欲不振、疲労、倦怠感、筋肉痛、喉の痛みなど)を伴う突然の発熱が特徴で、通常、その数日後に悪心、嘔吐、下痢、ときにさまざまな発疹が出現します。重症になると、出血症状、脳症、ショック/低血圧、多臓器不全が生じ、感染した妊婦では自然流産が生じる可能性があります。回復しても長期の後遺症(関節痛、神経認知障害、ぶどう膜炎など、場合により、白内障形成が起きることもある) や免疫特権部位(中枢神経系、眼、精巣など)に、顕性もしくは無症状の持続感染が発生する可能性があります。家族、医療従事者や介護者、遺体に直接接触する埋葬の儀式への参加者は特にリスクがあります。
公衆衛生上の取り組み
保健当局は、以下のような公衆衛生対策を実施していますが、取組みはこれらに限定されるものではありません。
WHOは、以下の方法で国の当局を支援しています。
- 地域レベルと州レベルの両方で危機管理委員会を設置
- リスクコミュニケーションおよび積極的なサーベイランス活動の実施
- 全例を隔離し、感染予防と管理(IPC;Infection prevention and control)対策を実施
- 患者への点滴静注薬による治療の実施
- 接触者の隔離および接触者の追跡を継続
- 疫学調査を実施中
WHOは、以下の方法で国の当局を支援しています。
- リスク評価と調査
- 保健省が迅速に対応するための運営的、財政的、技術的支援
- 必需品の提供(個人防護具(PPE)、医療用品、インフラ支援)
- 現地で薬事承認されているエルベボ(Ervebo)ワクチンは、2,000回分の在庫がキンシャサにあり、近日中に患者が発生している地域へ出荷される予定です。このワクチンは、確定例または疑い例との接触者、現場で対応を行っている人、および医療従事者への接種を目的としています。
WHOによるリスク評価
これは、DRCにおける1976年以降16回目のEVDのアウトブレイクであり、同国で3年ぶりに発生したものです。同国における直近のEVDアウトブレイクは、2022年8月15日に北キヴ州(North Kivu province)ベニ市で宣言されています。このときは、1例が死亡していたことが後になってから報告され、2022年9月27日に保健省がアウトブレイクの終息を宣言しました。今回のアウトブレイクの中心地であるブラペ地区で、最後にEVDのアウトブレイクが発生したのは2007年です。
今回のアウトブレイクは、複雑な疫学的・人道的状況下で発生しています。同国では、エムポックス、コレラ、麻しんなど、複数の感染症のアウトブレイクが同時に発生しています。また、同国は、長期の経済的および政治的危機にさらされています。そのため、今回のアウトブレイクに効果的に対応できるだけの資源や能力は限られています。
このアウトブレイクの流行の中心地は、カサイ州の中心都市のツィカパ(Tshikapa)付近で、アンゴラ共和国との国境地域(約100~200 km、最も近い越境点による)です。感染地域は、主要都市の中心部であるムブジマイ(Mbuji Mayi)およびカナンガ(Kananga)から比較的遠い、アクセスしにくい農村部ですが、州内の異なる地区間、特にブラペとツィカパの間では人の移動が頻繁にみられます。
また、感染連鎖について疫学調査が進められていますが、発生源はまだ特定されておらず、ほかにも感染者が存在する可能性は否定できていません。最初の症例の発症日や、保健施設受診前の治療歴はまだ不明であることから、地域内で感染伝播が進行している可能性は高く、また他の保健地区に拡大するリスクも高いと考えられます。
WHOは、今回のEVDアウトブレイクがもたらす全体的な公衆衛生上のリスクを、国レベルでは高い、地域レベルでは中程度、世界レベルでは低いと評価しています。
今回のアウトブレイクは、複雑な疫学的・人道的状況下で発生しています。同国では、エムポックス、コレラ、麻しんなど、複数の感染症のアウトブレイクが同時に発生しています。また、同国は、長期の経済的および政治的危機にさらされています。そのため、今回のアウトブレイクに効果的に対応できるだけの資源や能力は限られています。
このアウトブレイクの流行の中心地は、カサイ州の中心都市のツィカパ(Tshikapa)付近で、アンゴラ共和国との国境地域(約100~200 km、最も近い越境点による)です。感染地域は、主要都市の中心部であるムブジマイ(Mbuji Mayi)およびカナンガ(Kananga)から比較的遠い、アクセスしにくい農村部ですが、州内の異なる地区間、特にブラペとツィカパの間では人の移動が頻繁にみられます。
また、感染連鎖について疫学調査が進められていますが、発生源はまだ特定されておらず、ほかにも感染者が存在する可能性は否定できていません。最初の症例の発症日や、保健施設受診前の治療歴はまだ不明であることから、地域内で感染伝播が進行している可能性は高く、また他の保健地区に拡大するリスクも高いと考えられます。
WHOは、今回のEVDアウトブレイクがもたらす全体的な公衆衛生上のリスクを、国レベルでは高い、地域レベルでは中程度、世界レベルでは低いと評価しています。
WHOからのアドバイス
効果的な感染拡大の制御には、以下のような一連の介入の実施が不可欠です。すなわち、臨床管理、IPC、水・衛生・衛生管理(WASH;Water, Sanitation, and Hygiene)、サーベイランスと接触者追跡、質の高い検査サービス、安全かつ尊厳のある埋葬、地域社会との連携、そして社会的動員です。
エボラウイルスは、EVDから回復した人の体液に残存する可能性があります。症例数は限られていますが、回復者の体液への曝露によって生じた二次伝播が報告されています。したがって、潜在的なリスクを軽減するためには、回復者のモニタリングを行いつつ生存者の団体との協力関係を維持することが優先事項になります。
早期に診断し、最適な臨床的支持療法を開始することで、EVDによる死亡率を低下させることができます。また、atoltivimab、maftivimab、odesivimabの3種の抗体を組み合わせたモノクローナル抗体[Inmazeb®]、または単一抗体のansuvimab[Ebanga®]が有効です。エボラ治療センターは、適切なバイオセキュリティと感染予防・制御対策を講じ、安全な医療提供が可能となるよう設計、管理される必要があります。これにより患者に最適なケアの提供を可能にし、可能な限りレッドゾーン内の患者を直接視認することができます。WHOとパートナーは、こうした革新的な解決策を開発することに尽力しています。
急激な感染拡大の可能性を封じるため、入国地点や国境などでのサーベイランスおよびその他の対応活動を強化する必要があります。症例定義に適合する徴候と症状を呈する感染地域内の症例、接触者、個人については、疑い例とみなし、適切なバイオセキュリティ対策を講じ、感染予防と管理を行っている指定の治療施設で取り扱い、治療を行う必要があります。また患者に適時適切に検査を行い、旅行は避けるよう助言する必要があります。近隣諸国との協力を強化し、報告体制の調和、共同調査の実施、リアルタイムな重要データの共有を促進する必要があります。また、周辺諸国は、症例の早期発見、隔離、治療を可能にするための準備活動を強化する必要があります。
WHOのEVDとマールブルグ病に対する感染予防及び管理ガイドラインに従い、すべての医療施設で重要な感染予防および管理対策を実施および/または強化する必要があります。EVDの確定例または疑い例をケアする医療従事者は、WHOの提唱している5つのタイミングに従い、PPEの適切な使用と手指衛生など、標準予防策に加えて、感染経路別の予防策を適用し、患者の血液やその他の体液、汚染された表面や物体との接触を避ける必要があります。医療施設で生じた廃棄物は、安全に分離、収集、輸送、保管、処理、そして最終処分されなければなりません。国のガイドラインは、安全な廃棄物処理の規則・規制またはWHOの安全な医療廃棄物管理のための指針に従う必要があります。
患者のケアについては、医療における必須環境衛生基準に概説されているように、医療関連感染の予防と管理を徹底した、診療を円滑に進められる清潔で衛生的な環境で行うべきです。医療施設は、安全な水、適切な衛生設備、衛生インフラとサービスを提供する必要があります。推奨事項および改善の詳細は、WASH FIT実施パッケージに従ってください。
予防接種に関する専門家の戦略諮問グループの勧告に従い、エボラウイルスによるEVD発生時には、リングワクチン接種、EVDの確定例/疑い例の接触者および接触の可能性のある人、ならびに最前線で働く労働者に対して、Erveboワクチンの接種が推奨されます。ワクチンの調達については、国際調整グループが世界的な備蓄を管理し、調整しています。
WHOは、今回のアウトブレイクについて入手可能な情報に基づき、DRCへの渡航や貿易を制限することを推奨していません。
エボラウイルスは、EVDから回復した人の体液に残存する可能性があります。症例数は限られていますが、回復者の体液への曝露によって生じた二次伝播が報告されています。したがって、潜在的なリスクを軽減するためには、回復者のモニタリングを行いつつ生存者の団体との協力関係を維持することが優先事項になります。
早期に診断し、最適な臨床的支持療法を開始することで、EVDによる死亡率を低下させることができます。また、atoltivimab、maftivimab、odesivimabの3種の抗体を組み合わせたモノクローナル抗体[Inmazeb®]、または単一抗体のansuvimab[Ebanga®]が有効です。エボラ治療センターは、適切なバイオセキュリティと感染予防・制御対策を講じ、安全な医療提供が可能となるよう設計、管理される必要があります。これにより患者に最適なケアの提供を可能にし、可能な限りレッドゾーン内の患者を直接視認することができます。WHOとパートナーは、こうした革新的な解決策を開発することに尽力しています。
急激な感染拡大の可能性を封じるため、入国地点や国境などでのサーベイランスおよびその他の対応活動を強化する必要があります。症例定義に適合する徴候と症状を呈する感染地域内の症例、接触者、個人については、疑い例とみなし、適切なバイオセキュリティ対策を講じ、感染予防と管理を行っている指定の治療施設で取り扱い、治療を行う必要があります。また患者に適時適切に検査を行い、旅行は避けるよう助言する必要があります。近隣諸国との協力を強化し、報告体制の調和、共同調査の実施、リアルタイムな重要データの共有を促進する必要があります。また、周辺諸国は、症例の早期発見、隔離、治療を可能にするための準備活動を強化する必要があります。
WHOのEVDとマールブルグ病に対する感染予防及び管理ガイドラインに従い、すべての医療施設で重要な感染予防および管理対策を実施および/または強化する必要があります。EVDの確定例または疑い例をケアする医療従事者は、WHOの提唱している5つのタイミングに従い、PPEの適切な使用と手指衛生など、標準予防策に加えて、感染経路別の予防策を適用し、患者の血液やその他の体液、汚染された表面や物体との接触を避ける必要があります。医療施設で生じた廃棄物は、安全に分離、収集、輸送、保管、処理、そして最終処分されなければなりません。国のガイドラインは、安全な廃棄物処理の規則・規制またはWHOの安全な医療廃棄物管理のための指針に従う必要があります。
患者のケアについては、医療における必須環境衛生基準に概説されているように、医療関連感染の予防と管理を徹底した、診療を円滑に進められる清潔で衛生的な環境で行うべきです。医療施設は、安全な水、適切な衛生設備、衛生インフラとサービスを提供する必要があります。推奨事項および改善の詳細は、WASH FIT実施パッケージに従ってください。
予防接種に関する専門家の戦略諮問グループの勧告に従い、エボラウイルスによるEVD発生時には、リングワクチン接種、EVDの確定例/疑い例の接触者および接触の可能性のある人、ならびに最前線で働く労働者に対して、Erveboワクチンの接種が推奨されます。ワクチンの調達については、国際調整グループが世界的な備蓄を管理し、調整しています。
WHOは、今回のアウトブレイクについて入手可能な情報に基づき、DRCへの渡航や貿易を制限することを推奨していません。
出典
Citable reference: World Health Organization [5 September 2025]. Disease Outbreak News; Ebola virus disease - Democratic Republic of the Congo. Available at:
https://www.who.int/emergencies/disease-outbreak-news/item/2025-DON580
https://www.who.int/emergencies/disease-outbreak-news/item/2025-DON580
備考
This translation was not created by the World Health Organization (WHO). WHO is not responsible for the content or accuracy of this translation. The original English edition “Ebola virus disease - Democratic Republic of the Congo. Geneva: World Health Organization; 2025. License: CC BY-NC-SA 3.0 IGO” shall be the binding and authentic edition.
