ブンディブギョウイルスによるエボラ出血熱-コンゴ民主共和国およびウガンダ(2026年5月16日)

海外へ渡航される皆様へ

今回コンゴ民主共和国(DRC) 及びウガンダで報告された疾患は、ブンディブギョウイルスによる感染症で、エボラ出血熱の一種です。ブンディブギョウイルスに感染した動物、患者、または感染が疑われるヒトや遺体の血液、体液、排泄物等との直接接触が主な感染経路です。潜伏期間は感染してから2~21日程度で、初期症状は発熱、頭痛、筋肉痛などで、下痢、嘔吐、発疹などが出現することもあります。進行すると出血傾向、意識障害などの重篤な症状を示し死亡することがあります。
DRCおよびウガンダでは現在ブンディブギョウイルスによるエボラ出血熱の発生が報告されています。渡航前に最新情報を確認し、不要不急の渡航や現地での行動について慎重に検討してください。

渡航前の情報収集
エボラ出血熱に関する情報や、DRCおよびウガンダ、ならびに渡航先地域で流行している感染症に関する情報、現地の医療情報を、FORTHや外務省などの公式な情報源で確認してください。トラベルクリニックなどで渡航前に感染対策などを相談することも可能です。

渡航中の健康管理
1.基本的な感染予防策
アルコール消毒や石鹸などを使用した手洗いなどの手指衛生は重要です。エボラ出血熱では、感染した動物、患者、遺体の血液・体液等との接触を避けることが特に重要です。また野生動物の肉(Bushmeat、ジビエ肉)の喫食を避けることは、エボラ出血熱に限らず、さまざまな感染症に対して有効です。

2.リスクを軽減するための対策
エボラ出血熱は、感染した動物や患者の血液、体液、排泄物等との直接接触が主な感染経路なので、これらとの接触や遺体に触れること、流行地域での葬儀への参列などは可能な限り避けてください。一般渡航者は、患者や遺体、血液・体液等への接触を避け、必要な場合は現地の保健当局や医療機関の指示に従ってください。職務上対応が必要な場合は、訓練を受けた上で適切な個人防護具(PPE)を使用する必要があります。

3.体調不良時の行動
流行地域で上記のようなリスク行動があり、渡航中に発熱、頭痛などエボラ出血熱を疑う症状が出た場合は、事前に現地の医療機関または保健当局へ連絡し、指示に従って受診してください。受診時には渡航歴、接触歴、現地での行動を必ず伝え、公共交通機関の利用や他者との接触は可能な限り避けてください。

帰国後の対応
流行地域へ立ち寄り、日本へ帰国した時に体調に異常があった場合は、空港や港の検疫所で渡航歴・現地での行動を伝えた上で相談してください。
帰国後21日間、ご自身の健康状態に注意し、発熱や体調不良がある場合は事前に医療機関または保健所へ連絡し、渡航歴・接触歴を伝えた上で指示に従ってください。

そのほか、海外渡航に関する一般的な注意事項は「ここに注意!海外渡航にあたって」をご参照ください。

以下は、WHOのDisease Outbreak Newsの翻訳であり、厚生労働省委託事業「国際感染症危機管理対応人材育成・派遣事業」にて翻訳・メッセージ原案を作成しています。

また、本事例は状況に応じて随時更新されます。
更新情報は随時WHOのサイトで確認してください。

状況の概要

2026年5月5日、世界保健機関(WHO ; World Health Organization)は、コンゴ民主共和国(DRC)イツリ州モンワル保健区域における死亡率の高い原因不明疾患のアウトブレイクに関するアラートを受け取りました。これには医療従事者の死亡が含まれていました。2026年5月14日、キンシャサの国立生物医学研究所(INRB;Institut National de Recherche Biomédicale)は、イツリ州ルワンパラ保健区域で採取された血液検体13検体を分析しました。5月15日、検査室での分析により、このうち8検体で、エボラウイルスの一種であるブンディブギョウイルスによるエボラ出血熱(BVD)が確認されました。過去2回のBVDのアウトブレイクにおける致命率は30%~50%でした。他のウイルス種によるエボラ出血熱と異なり、ブンディブギョウイルスに対する認可されたワクチンまたは特異的な治療薬はありませんが、早期の支持療法が救命につながります。
2026年5月15日、DRCの公衆衛生・衛生・社会福祉省は、DRCにおける17回目のエボラ出血熱のアウトブレイクを正式に宣言しました。同時に、ウガンダの保健省は、DRCからの輸入症例1例(首都カンパラで死亡したコンゴ人男性)の報告を受けて、BVDのアウトブレイクを探知しました。2026年5月16日、WHO事務局長は、本事象が現在発生していることが判明している締約国との協議を経て、DRCおよびウガンダにおけるBVDが、改正国際保健規則(IHR(2005))の規定に定義されている国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)に該当すると判断しました。対応策には、迅速対応チームの派遣、医療物資の提供、サーベイランス強化、検査室による確認、感染予防管理(IPC)の評価、安全な治療センターの設置、コミュニティエンゲージメントが含まれます。WHOは対応の調整、症例管理および国境を越えた備えを支援しています。WHOは各国向けのアドバイスも発出しています。

発生の詳細

2026年5月5日、WHOは、イツリ州モンワル保健区域で報告された、4人の医療従事者が4日以内に死亡した死亡率の高い原因不明疾患に関するアラートを受け取りました。5月13日にモンワルおよびルワンパラ保健区域(HZ)で迅速対応チームによる詳細な調査が行われ、5月15日、ブンディブギョウイルス(BDBV)(Orthoebolavirus bundibugyoense種)によるエボラ出血熱(BVD)のアウトブレイクであることが確認されました。

2026年5月15日、公衆衛生・衛生・社会福祉省は、ルワンパラ、モンワル、ブニアの各HZで発生している、DRCにおける17回目のエボラ出血熱のアウトブレイクを正式に宣言しました。

現在判明している最初の疑い例は医療従事者であり、2026年4月24日に発熱、出血、嘔吐、強い倦怠感などの症状の発現を報告しました。この患者はブニアの医療センターで死亡しました。

5月15日時点で、ルワンパラ(6つのHZで発生)、モンワル(3つのHZで発生)、ブニアの3つのHZから、計246例の疑い例および80例の死亡例(確定例のうち4例が死亡)が報告されています。24例の疑い例は現在、3つのHZ内の隔離施設に収容されています。さらに、BVDに合致する症状を伴う、地域社会での通常と異なる死亡のクラスターについて、イツリ州および北キブ州の他のHZで調査が行われています。

5月16日に報告された別の症例(イツリからキンシャサへ戻った症例)については、DRCのINRBによる確認検査でブンディブギョウイルス陰性と判定されており、確定例とはみなされていません。

疑い例のほとんどは20歳から39歳で、女性が60%超を占めており、家庭内および介護者への伝播に関連するリスクが大きいことが示唆されています。

ルワンパラHZで採取され、ブニアの州公衆衛生検査室で標準的なEbola Xpertを用いて分析された20検体は、初期検査ではエボラウイルス陰性でした。検体はさらなる分析のためINRBへ送付され、そのうち8検体で、5月15日にポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によりオルソエボラウイルスが検出されました。ゲノム配列解析により、ウイルス種がBDBVであることが確認されました。

5月15日時点で、65人の接触者が特定され、そのうち15人が高リスクとされています。しかし、治安の不安定さや移動の制限により、追跡調査は依然として不十分です。特定された接触者のうち、数人は症状を呈し、隔離される前に死亡しました。

2026年5月15日、ウガンダの保健省は、DRCからの輸入症例の報告を受けて、BVDのアウトブレイクを探知しました。この症例は高齢男性で、重症症状により5月11日に民間病院へ入院し、5月14日に死亡しました。遺体は同日中にDRCへ搬送されました。5月11日の入院時に採取された臨床検体について、ワンデゲヤ(Wandegeya)の中央緊急サーベイランス・対応支援検査室(Central Emergency Surveillance and Response Support Laboratory)で検査を行い、2026年5月15日にブンディブギョウイルスであることが確認されました。5月16日には、カンパラで2例目の輸入症例が確認されました。これはDRCから帰国した人で、最初の症例との明らかな関連はありません。報告時点で、ウガンダでの地域内感染は確認されていません。

2026年5月16日、WHO事務局長は、当該事象が現在発生していることが判明している締約国との協議を経て、DRCおよびウガンダにおけるBVDが、IHR(2005)の規定に定義されるPHEICに該当すると判断しました。

今回の事例は現在、人の往来の多い鉱山地帯であるモンワルHZに起源があり、その後、感染者は医師の診察を受けるためルワンパラおよびブニアへ移動したと考えられています。イツリ州は、南スーダンおよびウガンダとの国境に接しています(また、ブニアHZはウガンダから500kmも離れていません)。包括的な疫学調査と接触者の追跡調査が進められています。

イツリが商業の中心地および移動の拠点であり、ウガンダおよび南スーダンに近接していることから、地域的な輸出および国境を越えた伝播のリスクが高まっています。

図1.ブンディブギョウイルスによるエボラ出血熱が発生しているコンゴ民主共和国の保健区域、
2026年5月16日時点

BVDの疫学

BVDは、オルソエボラウイルスの1種であるブンディブギョウイルスによって引き起こされる、重症でしばしば致死的なエボラ出血熱の一形態です。人獣共通感染症であり、フルーツコウモリが自然宿主と考えられています。ヒトへの感染は、コウモリや非ヒト霊長類などの感染した野生動物の血液または分泌物との濃厚接触により発生し、その後、感染者の血液、分泌物、臓器、その他の体液または汚染された表面との直接接触によってヒトからヒトへ広がります。特に、感染予防管理(IPC)対策が不十分な医療現場や遺体との直接接触を伴う安全でない埋葬の慣習の際に、感染が拡大します。

BVDの潜伏期間は2~21日であり、通常、ヒトは症状発現まで感染力を持ちません。初期症状は発熱、疲労、筋肉痛、頭痛、咽頭痛など非特異的で、そのため臨床診断が複雑になり、発見が遅れる可能性があります。これらは消化器症状、臓器機能障害、場合によっては出血症状へ進行します。ウガンダおよびDRCで2007年および2012年に報告された過去2回のBVDアウトブレイクにおける致命率は、約30~50%でした。

PCRまたは抗原/抗体ベースのアッセイを用いた検査による確認なしに、BVDをマラリアなどの地域で流行している他の発熱性疾患と鑑別することは困難です。現在、BVDに対して承認されたワクチンも特異的な治療も存在しないため、制御は、迅速な症例特定、隔離とケア、接触者追跡、安全な埋葬、強力なコミュニティエンゲージメントに依存します。

公衆衛生上の取り組み

DRCの保健当局は、以下のような公衆衛生対策を実施していますが、取り組みはこれらに限定されるものではありません。

調整
  • 迅速対応チームがルワンパラHZおよびモンワルHZへ派遣されています。
  • 公衆衛生緊急対応センター(COUSP)が、州レベルの調整を行い、緊急会議を開催しています。

サーベイランスおよび検査
  • 疑い例および可能性例に対するサーベイランスが継続されています(関連する入国地点および国境でのサーベイランスを含む)。
  • イツリでは運用上の症例の定義が作成されています。
  • 配列解析により、RT-PCR陽性検体でブンディブギョウイルスが確認されました。

リスクコミュニケーションとコミュニティエンゲージメント(RCCE)
  • モンワル農村自治体の市長(commune長)の指導下で、コミュニティの指導者との社会動員会議が開催されました。

感染予防と管理(IPC)
  • 福音派医療センター(CME)ブニア病院(Bunia Hospital Centre of the Evangelical Medical Centre (CME))、モンワル総合紹介病院(Mongbwalu General Referral Hospital)、アベルコゾ保健センター(Abelkozo Health Centre)といった主要医療施設にて、IPC評価が進められています。
  • CMEブニアは隔離プロトコルを維持しています。医療従事者には、この株の特異的な診断プロファイルについての要点を伝えています。

後方支援
  • モンワルおよびルワンパラ保健区域での調査に対して後方支援を提供しています。
  • キンシャサのINRBへの検体輸送に対して支援を提供しています。

ウガンダの保健当局は、以下のような公衆衛生対策を実施していますが、取り組みはこれらに限定されるものではありません。
  • 国および地区レベルの緊急措置を発動しています。これには、サーベイランス強化、国境でのスクリーニング、迅速対応チームの派遣、高リスク接触者の隔離、特定された接触者全員の隔離が含まれます。
  • 移動検査室の配備、感染予防、リスクコミュニケーションなどといった備えの活動を強化しています。
  • 西側国境沿いのすべての公式および非公式の入国地点、主要な移動経路、巡礼ルートに、迅速対応チームを派遣しています。
  • 医療従事者に対し、警戒を維持し、感染の予防対策を厳格に遵守するよう助言しています。

WHOは以下を通して、国の当局を支援しています。
  • 対応の取り組みを支援するための技術者および迅速対応チームの派遣。
  • IPC、臨床管理、検体採取キットの提供。
  • ブニア、ルワンパラ、モンワルHZにおける症例管理のための隔離施設の特定。
  • WHOの症例管理プロトコルの配布。
  • 疑い例/可能性例の接触者に関する詳細な調査とリスト化。
  • すべての入国地点における疫学的サーベイランス、IPCおよびRCCEの強化。
  • 大規模集会を含む、入国地点(PoE)でのスクリーニングおよび国境を越えた連携の強化。
  • 保健省による対応計画およびWHO内部対応計画の実施を支援。
  • 公式なIHR通知について、DRCおよびウガンダのIHRの国家連絡窓口(IHR NFP)とフォローアップを行うと同時に、IHR NFPネットワーク全体でのコミュニケーションを管理し、タイムリーな調整を確実に行うこと。
  • 主要物資の配送の調整。
  • 研究開発の優先事項に関する専門家との連携。

WHOによるリスク評価

2026年5月16日、WHO事務局長は、当該事象が現在発生していることが判明している締約国との協議を経て、IHR(2005)の規定に従い、DRCおよびウガンダにおけるBVDが、PHEICに該当すると判断しました。締約国に対する暫定的勧告が発出される予定です。それまでの間、WHOは以下のとおり各国に対し勧告を発出しました。

これは、1976年以降、DRCにおける17回目のエボラ出血熱のアウトブレイクです。同国における直近のエボラ出血熱のアウトブレイクは、2025年9月4日に宣言され、カサイ州ブラペ保健区域の6つの保健地域から、計64例(確定例53例、可能性例11例)、うち死亡例45例(致命率70.3%)が報告されました。このアウトブレイクは、2025年12月1日に終息が宣言されました。
直近のBVDアウトブレイクは、2012年8月17日にDRCの保健省により東部州で報告されました。計59例(確定例38例、可能性例21例、うち34例が死亡)が報告されました。このアウトブレイクは、2012年11月26日に保健省が終息を宣言しました。

今回のアウトブレイクは、疫学的および人道的に複雑な状況下で発生しています。推定される初発症例の症状発現(2026年4月25日)からアウトブレイクの検査室による確認(2026年5月14日)まで、3週間の重大な探知の遅れがあり、これは医療提供者が臨床的にあまり警戒していなかったことを示唆しています。同時流行しているアルボウイルスやインフルエンザ様疾患の存在により事態はさらに悪化し、エボラウイルス出血熱に対する初期の疑いに気付かず、地域社会での伝播が拡大することになりました。さらに、モンワル総合紹介病院(Mongbwalu General Referral Hospital)において4日間で4人の医療従事者が感染し死亡したことは、IPCプロトコルに重大な欠陥があったことを浮き彫りにしています。地域社会での多数の死亡が報告されており、安全でない埋葬の慣習と関連している可能性があります。

イツリ州で続く紛争は、サーベイランスチームの移動を制限し、迅速対応チームの派遣を制約し、検査室への検体の安全な輸送を妨げています。アクセスが困難であり、集団の移動性が高いため、接触者追跡は困難であり、高リスク接触者が追跡不能になる、またはまったく特定されないリスクが高まっています。

イツリが商業の中心であり、移動の拠点であることから、地域的な輸出リスクが高まっています。ウガンダおよび南スーダンと近接していることから、PoEスクリーニングならびに国境を越えた連携および情報共有が直ちに強化されなければ、国境を越えた感染伝播のリスクが高まります。2026年5月15日、ウガンダの保健省はBVDの輸入症例を報告しました。

当該地域の人道支援の状況は極めて深刻です。DRCの2026年人道対応計画(Humanitarian Response Plan 2026)によれば、イツリには273,403人の避難民がおり、合計190万人が支援を必要としています。2026年1月から3月までに、新たに32,600人の避難民および30,200人の帰還民が記録されました。同州では5,800件の保護インシデントおよび人道支援関係者に対する11件のインシデントが報告されています。

他のエボラ出血熱とは異なり、BDBVに対する認可されたワクチンまたは特異的な治療薬はありません。感染症危機対応医薬品等の有望な候補の開発を進める取り組みを調整するため、研究開発活動が始動しています。対応およびアウトブレイク制御は、支持療法、早期発見、適切なIPC、厳格な接触者追跡、安全な埋葬、コミュニティエンゲージメントなど、一連の介入および公衆衛生対策の徹底的な実施に、全面的に依存しています。

WHOからの助言

当該事象が発生している国(DRCおよびウガンダ)向け

調整および高レベルの関与
  • 国の災害/緊急事態管理メカニズムを発動し、国家元首および関連政府当局の権限のもと、緊急時対応センターを設置し、包括的なBVD制御対策の効率的かつ効果的な実施とモニタリングを確実にするため、パートナーおよび部門間の対応活動を調整すること。これらの対策には、接触者の健康観察を含む強化サーベイランス、感染予防と管理(IPC)、リスクコミュニケーションとコミュニティエンゲージメント、検査診断、症例管理を含めなければなりません。調整および対応メカニズムは、国レベル、発生地域およびリスクのある地域の地方レベルで確立される必要があります。
  • 国の能力の限界を超える場合は、運営を強化し、すべての発生地域および近隣地域で制御対策を講じることのできる能力を確保するため、パートナーとの連携を強化する必要があります。

リスクコミュニケーションとコミュニティエンゲージメント
  • 地域社会が症例の特定、接触者の追跡、リスク教育で中心的役割を担えるよう、地域指導者、宗教指導者、伝統的なヒーラーを通じた大規模かつ持続的な地域参加を確保すること。住民には、早期治療の利点を十分に周知すべきです。
  • 地域社会参加の障壁となる文化的規範や信念を特定し対応するため、地域住民の認識、関与、参加を強化すること。特に東部DRCの長期的人道危機状況下では、その集団のニーズに対処するために必要なより広い対応に、こうした対応を統合すること。

サーベイランスおよび検査
  • 発生地域である州および近隣州全域では、以下を確立してサーベイランスおよび検査室能力を強化すること。すなわち、(1)発生している保健区域およびリスクの高い近隣保健区域における専用のサーベイランス・対応組織の設置、(2)地域社会での死亡に特に焦点を当てた地域サーベイランスの強化、(3)ブンディブギョウイルス検査のための検査室能力の分散を含みます。

保健施設およびケアの状況における感染予防と管理
  • 保健施設の体系的マッピング、トリアージ、対象を絞ったIPC介入、持続的なモニタリングおよび持続的な監督などにより、院内感染の予防対策を強化すること。
  • 医療従事者は個人防護具(PPE)の適切な使用を含めIPCに関する十分な訓練を受け、保健施設がスタッフの安全と防護のための装備、給与の適時支払い、および必要に応じて危険手当を支払うこと。

患者の受診・搬送体制と安全で適切な集中治療へのアクセス
  • 疑い例を、人間的かつ患者中心のアプローチで隔離および管理のための専門臨床ユニットへ安全に搬送できるようにすること。
  • アウトブレイクの中心地の近くに、最適化された集中的な支持療法を実施するよう訓練を受けたスタッフ、装備を備えた専門治療センターまたはユニットを設置すること。

感染症危機対応医薬品等の研究開発
  • 研究開発のパートナーから支援を受けて、候補の治療薬およびワクチンの開発及び使用を推進するための臨床試験を実施すること。

国境保健、国際渡航、および大規模集会イベントへの対応
  • 疑い例を見逃さないよう、国境を越えたスクリーニングおよび主要な国内道路でのスクリーニングを実施し、サーベイランスチームとの情報共有を改善し、スクリーニングの質を高めること。
  • 適切な医療搬送の一環でなければ、BVDの接触者または症例の国際渡航を禁止すること。BVDが国際的に拡大するリスクを最小限に抑えるため、以下を実施すること。  
  • 確定例は直ちに隔離し、BVD治療センターで治療すべきであり、48時間以上間隔をあけて実施したブンディブギョウイルスに特異的な診断検査で2回陰性となるまで、国内移動または海外渡航を禁止します。  
  • 接触者(適切な防護を実施し、防護なしの曝露がなかった医療従事者および検査室スタッフは含まない)は毎日観察し、曝露後21日間は、国内移動を制限し、海外渡航を禁止します。 
  • 可能性例および疑い例は直ちに隔離すべきであり、確定例または接触者のいずれかとしての分類に応じて渡航を制限すべきです。
  • 潜在的なBVDと一致する原因不明の発熱性疾患について、国際空港、港湾および主要な陸路国境で、全員を対象に出国スクリーニングを実施すること。出国スクリーニングには、少なくとも質問票、体温測定、発熱がある場合にはそれがBVDによるものであるリスクの評価が含まれる必要があります。BVDと一致する疾患を有する者は、渡航が適切な医療搬送の一環である場合を除き、渡航を禁止します。
  • BVD伝播が遮断されるまで大規模集会の延期を検討すること。

安全かつ尊厳のある埋葬
  • ブンディブギョウイルス感染のリスクを低減するため、葬儀および埋葬は、十分に訓練された担当者により、家族の立ち会いおよび文化的慣習に配慮した上で、国の保健規則に従って実施されることを確保すること。BVDの疑い例、可能性例または確定例の死亡者の遺体の国境を越えた移動は、広く認められている国際的バイオセーフティ規定に従って承認される場合を除き、禁止すべきです。

運営、物資および物流
  • 十分な医療・検査室関連物資およびその他の重要な物品、特に個人防護具(PPE)が、それらを必要とする適切な人が利用できるよう、強固な供給パイプラインを確立する必要があります。WHOは、現在入手可能な情報に基づき、コンゴ民主共和国またはウガンダへの渡航や貿易を制限することは推奨していません。

BVDが報告された国と陸路で国境に接する国向け
  • BVDの伝播が報告されている締約国と陸路で国境に接しているがBVDが発生していない締約国は、症例のゼロ報告も含めた積極的な定期報告を伴う保健施設での積極的サーベイランス、原因不明の死亡クラスターに対する地域サーベイランスの強化、公的に認定された診断検査室へのアクセスの確立、医療従事者が適切なIPC手順を認識し訓練を受けていることの確認、BVD症例およびその接触者を調査・管理する能力を有する迅速対応チームの設置など、備えおよび準備の能力を緊急に強化すべきです。
  • BVD症例が報告された締約国と陸路で国境に接しているがBVDが発生していないすべての締約国では、国および地方レベルで専用の調整メカニズムを整備すべきです。各国は、BVD症例を探知、調査、管理する準備を整えるべきであり、これにはBVDに対する公的に認定された診断検査室への確実なアクセス、隔離および症例管理の能力、迅速対応チームの発動が含まれるべきです。
  • 疑い例または確定例、接触者、あるいは原因不明の死亡クラスターを新たに探知した締約国はいずれも、これを健康上の緊急事態として扱い、最初の24時間以内に直ちに処置を講じ、症例の隔離、症例管理、確定診断の確立、必要に応じた接触者追跡およびモニタリングの実施により調査し、潜在的なアウトブレイクを阻止すべきです。
  • 締約国でBVDが発生していることが確認された場合、疫学およびリスクの状況に応じて、BVDの伝播がある締約国向けの詳細な勧告を、国レベルまたは地方レベルで発出すべきです。締約国は、BVDが確認されたことを直ちにWHOへ報告する必要があります。
  • 特に入国地点におけるリスクコミュニケーションとコミュニティエンゲージメントを強化すべきです。
  • リスクのある国は、備えのための喫緊の優先事項として、治験中の治療薬に対する承認体制を整備すべきです。

その他すべての国向け
  • いかなる国も国境を閉鎖したり、渡航および貿易に何らかの制限を課したりすべきではありません。こうした措置は通常、恐怖心から実施されるものであり、科学的根拠はありません。このような措置をとることで、監視されていない非公式の国境通過地点に人や物資が追いやられることになり、かえって感染拡大の可能性が高まります。最も重要な点として、これらの制限は地域経済を損ない、安全および物流の観点から対応活動に悪影響を及ぼす可能性もあります。
  • 各国の当局は、航空会社およびその他の運輸・観光業界と連携し、国際輸送に関するWHOのアドバイスの範囲内であるようにすべきです。
  • 締約国は、BVDの発生地域およびリスクのある地域への渡航者に対し、リスク、そのリスクを最小限に抑える対策、潜在的な曝露を管理するための助言に関する関連情報を提供すべきです。
  • 一般住民には、BVDのアウトブレイクおよび曝露リスクを低減するための措置について、正確な関連情報を提供すべきです。
  • 締約国は、BVDに曝露された自国民(例:医療従事者)の避難および帰国を円滑に進める準備を整えるべきです。
  • リスクのある地域から帰国する渡航者に対して、発生地域外の空港またはその他の入国地点における入国スクリーニングを行う必要はないと考えられます。

出典

World Health Organization(16 May 2026)Disease Outbreak News; Ebola disease caused by Bundibugyo virus, Democratic Republic of the Congo & Uganda
https://www.who.int/emergencies/disease-outbreak-news/item/2026-DON602

備考

This is an adaptation of an original work “Ebola disease caused by Bundibugyo virus, Democratic Republic of the Congo & Uganda. Geneva: World Health Organization (WHO); 2026. License: CC BY-NC-SA 3.0 IGO”. This adaptation was not created by WHO. WHO is not responsible for the content or accuracy of this adaptation. The original edition shall be the binding and authentic edition