2014年04月25日更新 コンゴ民主共和国で黄熱の患者が発生しました

 黄熱は蚊によって感染します。感染しても症状が出ないこともありますが、発熱、頭痛、筋肉痛、嘔吐などの症状が現れ、皮膚が黄色くなったり、出血しやすくなったりして、死亡することも多い病気です。黄熱の感染拡大を防止するためには、予防接種が最も重要な方法です。特別な治療法はなく、脱水や発熱の支持療法が行われます。また、輸血が必要になることもあります。

 4月24日付けで世界保健機関(WHO)から公表された情報によりますと、3月12日にコンゴ民主共和国(DRC)北部と南部で2件の黄熱発生事例がありました。検査で6人から黄熱ウイルスが検出され確定診断されたと報告されました。そのうち3人は(北部の)東部州(Orientale Province)のボンド(Bondo)保健ゾーン、2人は東部州ブータ(Buta)保健ゾーンからの報告で、1人は(南部の)カタンガ州キコンジャ(Kikondja)保健ゾーンからの報告です。総計で139人の疑い患者、可能性の高い患者、確定患者が報告され、そのうち6人が死亡しています。

 ボンド地区の初発症例は40歳の男性で、2013年12月10日に発熱と黄疸で発症しました。患者の黄熱ワクチン接種歴は不明です。キンシャサにある国立生物学研究所(INRB)で検査により確定診断され、ELISAでIgM抗体が陽性でした。WHOの黄熱地域レファレンスセンターである、セネガルのダカールにあるパスツール研究所で、より特異的な血清中和試験(プラーク減少中和試験 PRNT)で再確認され、他のアルボウイルスは除外されました。

 2例目は同じ保健ゾーンから2014年1月30日に報告され、2014年3月11日に確定検査が行われました。この患者の黄熱ワクチンの接種歴は不明です。

 予備的なアウトブレイク調査で、ボンドとブータ地区で少なくとも116人の疑い患者が報告されています。

 キコンジャ地区での初発症例は、19歳の女性でンワディ(Ntwadi)保健センターから2014年2月17日に報告されました。初発症例の確認を受け、流行発生(アウトブレイク)調査がカトング(Katongue)、キンブブ(Kimbuvu)、ルキラ(Lukila)の3村で行われ、23人の疑い患者が確認されました。

 黄熱ワクチンの提供に関する国際調整グループ(YF-ICG)は、559,876人分の黄熱ワクチンの供給と集団接種キャンペーンに必要な費用の拠出を承認しました。

 即応性集団接種キャンペーンは2014年5月1日に計画されています。キャンペーンはDRC保健省の先導で、GAVIアライアンス(ワクチンと予防接種のための世界同盟)、国境なき医師団(MSF)や他のパートナーの支援で実施されます。WHOは、アウトブレイクの監視、現地での予防と制御活動、資源動員の管理を密接に支援していきます。

1;DRCの保健ゾーンは他国の地区とは異なるものです。

2;YF-ICGは、輪番制の資金提供に基づく、緊急対応のための黄熱ワクチン備蓄の管理をする協力機構です。国際児童基金(UNICEF)、MSF,国際赤十字赤新月社連盟(IFRC)とWHOで構成され、WHOが事務局として関与しています。備蓄はGAVIアライアンスによって支援されています。

蚊に刺されないための対策

可能な限り、しっかりと網戸がとりつけられているか、エアコンが備わっている、または、蚊をしっかりと駆除しているホテルやリゾートに滞在してください。蚊取り線香も有効です。

長袖のシャツ、ズボンを着て、できるだけ皮膚の露出部を少なくするようにしてください。

流行地域では屋外にでかける場合や網戸が備わっていない建物にいる場合には、ディート(DEET)などの有効成分が含まれている虫よけ剤を、皮膚の露出部につけてください。使用する場合には、必ず添付文書に記載されている使用法を守ってください。日焼け止めを使う場合は、先に日焼け止めをつけてから、虫よけ剤を使用してください。

子ども、とくに乳児への虫よけ剤の使用については、小児科医にご相談ください。虫よけ剤が使用できない場合、ベビーカーにぴったりと合う蚊帳でベビーカーをおおってください。

心配な場合には早めの受診を

海外で発熱などの症状が出たら、できる限り早く医療機関を受診してください。

また、ご帰国の際に、発熱や心配な症状のある方は検疫所の担当者にご相談ください。帰国後に発症した場合や、症状が改善しない場合は、お近くの医療機関または検疫所にご連絡ください。

医療機関を受診する時には、医師に、渡航先や渡航期間、渡航先での活動などについて、詳しく伝えてください。

FORTH  感染症情報

出典

WHO  GAR  Yellow fever in the Democratic Republic of Congo
http://www.who.int/csr/don/2014_04_24_yellowfever/en/