ギリシャのマラリア(更新4)
2011年11月18日 ECDC(原文〔英語〕へのリンク)
ギリシャ疾病対策センター(KEELPNO)はギリシャで報告された三日熱マラリア流行に関しての情報を更新しました。
2011年5月21日から11月15日までにギリシャでは三日熱マラリア患者63人が報告されています。そのうち33人は流行国への渡航歴のないギリシャ国民でした。27人は南ギリシャ、ペロポネス半島、ラコニア県に位置する20km2のデルタ地帯のエヴロタスから報告されています。残る6人はアッティカ(2人)、エボイア(2人)、ヴィオティア(1人)、ラリッサ(1人)からの報告です。加えて三日熱マラリアの30人はエヴロタスでの出稼ぎ労働者からの報告で、10月28日更新以降新たに2人が報告されています。
エヴロタス、ラコニアの出稼ぎ労働者で確認された30人のマラリア患者のほとんど(23人)は、明らかな輸入状況が確認されてはいませんが、マラリア常在地出身者でした;21人がパキスタン出身で2人がアフガニスタン出身でした。残り7人の出稼ぎ労働者のうち5人がルーマニア出身(2人はルーマニアで診断されていました)、1人がモロッコ出身、1人がポーランド出身でした。(ルーマニアで診断された2人を含み)全ての出稼ぎ労働者の報告症例はギリシャの農場での労働者であったことは特筆すべきことです。
ギリシャ国民での直近の報告は10月18日でした。出稼ぎ労働者での直近の報告は10月31日から11月6日までの第44週、最近ギリシャに到着したパキスタン人男性です。
ECDCが2011年10月11日に発表したリスクアセスメントは現在も有効です。ギリシャでのマラリア感染の危険性は発生地域、特にエヴロタス、ラコニアに居住したり働いたりする人々に限った限定的なものです。これらの地域は人口も少なく、観光地でもなく地理的にごく限られた地域です。疫学的、昆虫学的情報、また冬季に入ることなどからエヴロタスやラコニアでのマラリア伝搬の可能性はきわめて低いものです。このため、この地域へ渡航する人々へのマラリア予防内服は推奨しません。標準的な防蚊対策を引き続き奨励します。
出典
ECDC:Epi update:Malaria in Greece, November,2011
http://www.ecdc.europa.eu/en/press/news/Lists/News/ECDC_DispForm.aspx?List=32e43ee8%2De230%2D4424%2Da783%2D85742124029a&ID=523&RootFolder=%2Fen%2Fpress%2Fnews%2FLists%2FNews
参考
- 1.最新ニュース:2011年08月19日ギリシャでのマラリア症例の発生についてCDC
- 2.最新ニュース:2011年09月27日ギリシャにおけるマラリアECDC
- 3.最新ニュース:2011年10月26日ギリシャ渡航におけるマラリア予防についての推奨(更新情報)CDC