米国で発見された変異型のインフルエンザウイルスについて (更新9)
2013年3月1日 CDC
2011年8月以降、米国では変異型のインフルエンザA型ウイルスに感染した人が確認されており、主に、H3N2の変異型ウイルス(H3N2v)に感染していました。H3N2vは、インフルエンザA(H1N1)09pdm由来のM遺伝子を持っており、この遺伝子があることで、他の変異型のインフルエンザに比べて、人に感染しやすくなっているかもしれません。このウイルスは、多くの州の豚からも検出されています。
3月1日に公表されたCDCの情報によりますと、2月23日時点で、2012年に報告された感染者数は12州で合計309人になりました。昨年7月以降で、入院した感染者は16人、死亡者は1人と報告されています。
現時点では、人-人感染は限られており、持続的な人-人感染は確認されていません。
2011年8月以降に報告されたH3N2vの感染者数(州別)
州 | 2011年の感染者数 | 2012年の感染者数 |
---|---|---|
ハワイ | 1 | |
イリノイ | 4 | |
インディアナ | 2 | 138 |
アイオワ | 3 | 1 |
メイン | 2 | |
メリーランド | 12 | |
ミシガン | 6 | |
ミネソタ | 5 | |
オハイオ | 107 | |
ペンシルバニア | 3 | 11 |
ユタ | 1* | |
ウエストバージニア | 2 | 3 |
ウィスコンシン | 20 | |
合計 | 12 | 309 |
*ユタ州の感染者は2012年4月に発生しました。
季節性インフルエンザの予防と同様に、いつも、手洗いや咳エチケットなどの衛生習慣を実行することが重要です。小児、妊婦、65歳以上の高齢者、免疫抑制状態にある人は、動物が周囲にいる時には、特に注意が必要です。豚との濃厚接触がある人は、豚と人との間にインフルエンザが伝播するリスクを減らすために手指衛生や咳エチケットなどの感染予防対策が勧められます。可能であれば、病気のようにみえる動物や病気の動物との濃厚接触を避けるべきです。また、インフルエンザのような症状が出た人は、豚との接触を避けるべきです。
出典
CDC Case Count:Detected U.S.Human Infections with H3N2v by State since August2011
http://www.cdc.gov/flu/swineflu/h3n2v-case-count.htm
参考
FORTH 最新ニュース
- 米国で発見された変異型のインフルエンザウイルスについて(更新9:オハイオ州の入院患者について)
https://www.forth.go.jp/moreinfo/topics/2012/09281605.html - 米国で発見された変異型のインフルエンザA型(H3N2)ウイルスについて(更新8)
https://www.forth.go.jp/moreinfo/topics/2012/09101315.html