西アフリカにおけるエボラ出血熱の発生状況について (更新14)

8月11日付けの世界保健機関(WHO)アフリカ地域事務局(AFRO)の情報による西アフリカにおけるエボラ出血熱の発生状況です。

流行状況とサーベイランス

2014年8月7日と8月9日の間に、エボラウイルス疾患(EVD)に関して、69例の新規症例(確定症例、可能性の高い症例、疑い症例)と52例の死亡例が、ギニア、リベリア、ナイジェリア、シエラレオネから報告されました。

保健部門の対応

EVDに感染し、治験薬で治療中の2人の医療従事者の最近の治療は、検査されていない薬や治療または人体で安全が確認されていない薬や治療をこの流行に用いるべきかについて、重要な疑問を投げかけています。現在、薬の量は限られており、誰に薬を使用するかについての問題も挙がっています。

8月11日に、WHOはエボラ流行対応の実験的治療の役割を評価するために、感染国の医療倫理学者、科学的専門家、一般の人々の委員会を招集しました。

2つの問題が考慮されました。

  1. 1)治療または予防の可能性のために、正式に登録されていない未知の有害作用がある治療処置を行うことは倫理的か。もし倫理的であるならば、使用する前にどのような基準や条件を満たす必要があるか。
  2. 2)現在の状況でこれらの正式に登録されていない治療処置を行うとき、どのような基準が治療処置の選択を導き、誰が優先的に治療や予防を受けるか。

この委員会の見解は2014年8月12日(火)にWHOのウェブサイトに掲載されます(リンクへ)。

統計の概要

EVDに起因する新規症例と死亡例はギニア、リベリア、ナイジェリア、シエラレオネの保健省により引き続き報告されています。2014年8月7日と8月9日の間で、エボラの69例の新規症例(確定症例、可能性の高い症例、疑い症例)と52例の死亡例が、4か国から以下のように報告されました。

ギニア:新規症例が11例、死亡例が6例
リベリア:新規症例45例、死亡例が29例
ナイジェリア:新規症例が0例、死亡例が0例
シエラレオネ:新規症例が13例、死亡例が17例

ギニア、リベリア、ナイジェリア、シエラレオネにおけるエボラウイルスの確定症例、可能性の高い症例、死亡例(2014年8月9日時点)

図.エボラ出血熱の発生状況

症例の総数には、再分類や後向き調査、症例と検査結果の統合の結果により変更が加えられることがあります。疾患流行ニュースで報告されたデータは、保健省よって報告された現在入手可能な最良の情報に基づきます。

出典

WHO/AFRO Epidemiology and surveillance
Ebola virus disease, West Africa-update, 11 August 2014
http://www.afro.who.int/en/clusters-a-programmes/dpc/epidemic-a-pandemic-alert-and-response/outbreak-news/4242-ebola-virus-disease-west-africa-11-august-2014.html