アメリカ大陸におけるチクングニア熱の患者の発生状況

チクングニア熱は、蚊によって感染するウイルス性疾患です。感染した蚊に刺されてから2~12日(通常2~4日)後に症状が現れます。チクングニア熱の症状には、発熱、頭痛、強い関節痛(足首や手首)がみられ、死亡することは稀ですが、関節痛は数週間、稀に数か月から数年続くことがあります。

2016年1月8日付けで公表された汎米保健機構(PAHO)の情報によりますと、アメリカ大陸でのチクングニア熱の発生状況は以下のようになっています。

国・地域

報告週

国内感染例a

輸入例発生率b死亡者数
疑い例確定診断例
北米
バーミューダWeek173
カナダWeek3685
メキシコWeek5111,468209.2
アメリカ合衆国Week50653
小計011,4687612.40
中米
ベリーズWeek0.0
コスタリカWeek201422.8
エルサルバドルWeek3539,70417618.10
グアテマラWeek4827,7591,998183.15
ホンジュラスWeek4582,0035973.61
ニカラグアWeek5168,9455,1171,183.91
パナマWeek511233619
小計218,5347,31519483.77
ヒスパニック系カリブ海諸国
キューバWeek0.0
ドミニカ共和国Week28670.6
フランス領ギアナWeek476,9601,7593,340.62
グアドループWeek4615733.4
ハイチWeek
マルティニークWeek4634184.2
プエルトリコWeek5180121427.61
サン・バルテミー島Week183173,561.8
サン・マルタン島(フランス領)Week466021,686.7
小計9,2451,973030.03
アンデス地域
ボリビアWeek1314391619.6
コロンビアWeek51355,1753,192723.570
エクアドルWeek5129,3504,17321206.62
ペルーWeek4885100770.6
ベネズエラWeek5115,839355051.80
小計400,5928,73699294.072
南米
アルゼンチンWeek5142
ブラジルWeek4815,27637477.7
チリWeek286
パラグアイWeek493,41887361.0
ウルグアイWeek
小計18,6941,247557.30
その他のカリブ地域
アンギラWeek11283193.8
アンティグア・バーブーダWeek816017.4
アルバWeek29281686863.4
バハマWeek171012.6
バルバドスWeek2582028.3
ケイマンWeek8671121.4
キュラソーWeek
ドミニカ国Week50.0
グレナダWeek
ガイアナWeek25,31029661.6
ジャマイカWeek629910.6
モントセラトWeek2970140.0
セントクリストファー・ネイビスWeek
セントルシアWeek
セントビンセント・グレナディーンWeek8000.0
シント・マールテン島 (オランダ領)Week
スリナムWeek
トリニダード・トバゴWeek30513.8
タークス・カイコス諸島Week
ヴァージン諸島 (イギリス)Week
ヴァージン諸島 (米国)Week499424114.6
小計6,184804195.10
総計653,24931,54393569.182

a 診断の定義はhttp://www.paho.org/hq/index.php?option=com_docman&task=doc_download&Itemid=&gid=23978&lang=enを参照してください。
b 発生率は人口10万人あたりの発生数
*数値は全て2015年の累積患者数です。

アメリカ大陸に渡航、滞在される方は、今後の情報に注意していただくとともに、蚊に刺されないよう対策をとってください。

蚊に刺されないための対策

●可能な限り、しっかりと網戸がとりつけられているか、エアコンが備わっている、または、蚊をしっかりと駆除しているホテルやリゾートに滞在してください。蚊取り線香も有効です。
●長袖のシャツ、ズボンを着て、できるだけ皮膚の露出部を少なくするようにしてください。
●流行地域では屋外にでかける場合や網戸が備わっていない建物にいる場合には、ディート(DEET)などの有効成分が含まれている虫よけ剤を、皮膚の露出部につけてください。使用する場合には、必ず添付文書に記載されている使用法を守ってください。日焼け止めを使う場合は、先に日焼け止めをつけてから、虫よけ剤を使用してください。
●子ども、とくに乳児への虫よけ剤の使用については、小児科医にご相談ください。虫よけ剤が使用できない場合、ベビーカーにぴったりと合う蚊帳でベビーカーをおおってください。

心配な場合には早めの受診を

●海外で発熱などの症状が出たら、できる限り早く医療機関を受診してください。
●また、ご帰国の際に、発熱や心配な症状のある方は検疫所の担当者にご相談ください。帰国後に発症した場合や、症状が改善しない場合は、お近くの医療機関または検疫所にご相談ください。
●医療機関を受診する時には、医師に、渡航先や渡航期間、渡航先での活動などについて、詳しく伝えてください。

◆感染症情報:チクングニア熱

出典

WHO/PAHO.
Number of Reported Cases of Chikungunya Fever in the Americas, by Country or Territory2016(to week noted), Cumulative cases,Epidemiological Week/EW 1 (update as of8 January 2016 )
http://www.paho.org/hq/index.php?Itemid=40931