アメリカ大陸におけるチクングニア熱の患者の発生状況 (更新7)

チクングニア熱は、蚊によって感染するウイルス性疾患です。感染した蚊に刺されてから2~12日(通常2~4日)後に症状が現れます。チクングニア熱の症状には、発熱、頭痛、強い関節痛(足首や手首)がみられ、死亡することは稀ですが、関節痛は数週間、稀に数か月から数年続くことがあります。

2016年8月5日付けで公表された汎米保健機構(PAHO)の情報によりますと、アメリカ大陸でのチクングニア熱の発生状況は以下のようになっています。

国・地域

報告週

国内感染例a

輸入例発生率b死亡者数
疑い例確定診断例
北米
バーミューダWeek
カナダWeek
メキシコWeek 2938400.310
アメリカ合衆国Week 300057
小計0384570.080
中米
ベリーズWeek
コスタリカWeek 281,5970031.930
エルサルバドルWeek 295,2240081.290
グアテマラWeek 272,12165013.450
ホンジュラスWeek 2912,05300143.100
ニカラグアWeek 264,675453081.971
パナマWeek 260640.150
小計27,936525460.951
ヒスパニック系カリブ海諸国
キューバWeek
ドミニカ共和国Week 30112001.050
フランス領ギアナWeek 2380518315.330
グアドループWeek 163227.230
ハイチWeek
マルティニークWeek
プエルトリコWeek 28010002.720
サン・バルテミー島Week 16000.000
サン・マルタン島(フランス領)Week 1617150.43
小計96612102.910
アンデス地域
ボリビアWeek 2718,9681,1902182.860
コロンビアWeek 2917,971134036.5511
エクアドルWeek 302801,605311.630
ペルーWeek 288810.050
ベネズエラWeek 262,7796609.090
小計40,0063,003630.8911
南米
アルゼンチンWeek 293,198317908.340
ブラジルWeek 23105,12932,67967.6717
チリWeek 120020.00
パラグアイWeek 2786238012.800
ウルグアイWeek
小計109,18933,0349251.8717
その他のカリブ地域
アンギラWeek
アンティグア・バーブーダWeek
アルバWeek
バハマWeek
バルバドスWeek
ケイマンWeek
キュラソーWeek
ドミニカ国Week
グレナダWeek
ガイアナWeek
ジャマイカWeek 300000.00
モントセラトWeek
セントクリストファー・ネイビスWeek
セントルシアWeek
セントビンセント・グレナディーンWeek
シント・マールテン島 (オランダ領)Week
スリナムWeek
トリニダード・トバゴWeek
タークス・カイコス諸島Week
ヴァージン諸島 (イギリス)Week
ヴァージン諸島 (米国)Week
小計0000.00
総計178,09737,06715921.7129

a 診断の定義はhttp://www.paho.org/hq/index.php?option=com_docman&task=doc_download&Itemid=&gid=23978&lang=enを参照してください。
b 発生率は人口10万人あたりの発生数

アメリカ大陸に渡航、滞在される方は、今後の情報に注意していただくとともに、蚊に刺されないよう対策をとってください。

蚊に刺されないための対策

  • 可能な限り、しっかりと網戸がとりつけられているか、エアコンが備わっている、または、蚊をしっかりと駆除しているホテルやリゾートに滞在してください。蚊取り線香も有効です。
  • 長袖のシャツ、ズボンを着て、できるだけ皮膚の露出部を少なくするようにしてください。
  • 流行地域では屋外にでかける場合や網戸が備わっていない建物にいる場合には、ディート(DEET)などの有効成分が含まれている虫よけ剤を、皮膚の露出部につけてください。使用する場合には、必ず添付文書に記載されている使用法を守ってください。日焼け止めを使う場合は、先に日焼け止めをつけてから、虫よけ剤を使用してください。
  • 子ども、とくに乳児への虫よけ剤の使用については、小児科医にご相談ください。虫よけ剤が使用できない場合、ベビーカーにぴったりと合う蚊帳でベビーカーをおおってください。

心配な場合には早めの受診を

  • 海外で発熱などの症状が出たら、できる限り早く医療機関を受診してください。
  • また、ご帰国の際に、発熱や心配な症状のある方は検疫所の担当者にご相談ください。帰国後に発症した場合や、症状が改善しない場合は、お近くの医療機関または検疫所にご相談ください。
  • 医療機関を受診する時には、医師に、渡航先や渡航期間、渡航先での活動などについて、詳しく伝えてください。

感染症情報:チクングニア熱

出典

WHO/PAHO.
Number of Reported Cases of Chikungunya Fever in the Americas, by Country or Territory2016(to week noted), Cumulative cases,Epidemiological Week/EW31(update as of5 August 2016)
http://www.paho.org/hq/index.php?Itemid=40931