アメリカ大陸におけるチクングニア熱の患者の発生状況 (更新9)

チクングニア熱は、蚊によって感染するウイルス性疾患です。感染した蚊に刺されてから2~12日(通常2~4日)後に症状が現れます。チクングニア熱の症状には、発熱、頭痛、強い関節痛(足首や手首)がみられ、死亡することは稀ですが、関節痛は数週間、稀に数か月から数年続くことがあります。

2016年10月7日付けで公表された汎米保健機構(PAHO)の情報によりますと、アメリカ大陸でのチクングニア熱の発生状況は以下のようになっています。

国・地域

報告週

国内感染例a

輸入例発生率b死亡者数
疑い例確定診断例
北米
バーミューダWeek 243004.20
カナダWeek
メキシコWeek 3849300.380
アメリカ合衆国Week 39400.0
小計3493400.100
中米
ベリーズWeek581016.10
コスタリカWeek 382,8090057.830
エルサルバドルWeek 385,7760093.980
グアテマラWeek 374,154177025.980
ホンジュラスWeek 3214,32500174.910
ニカラグアWeek 264,675453083.381
パナマWeek 351,7886444.960
小計33,585637473.801
ヒスパニック系カリブ海諸国
キューバWeek
ドミニカ共和国Week 30112001.050
フランス領ギアナWeek 23805180298.190
グアドループWeek 1632207.220
ハイチWeek 162100.030
マルティニークWeek
プエルトリコWeek 37014904.050
サン・バルテミー島Week 160000.000
サン・マルタン島(フランス領)Week 16171050.43
小計96817103.020
アンデス地域
ボリビアWeek 3719,3271,1902188.440
コロンビアWeek 3818,844165039.0714
エクアドルWeek 372801,745312.360
ペルーWeek 288810.050
ベネズエラWeek 323,10768010.070
小計41,5663,176632.2314
南米
アルゼンチンWeek 373,394322918.470
ブラジルWeek 32113,464102,6380103.1292
チリWeek 120020.000
パラグアイWeek 3186238013.380
ウルグアイWeek
小計117,720102,9989379.2291
その他のカリブ地
アンギラWeek 2491058.820
アンティグア・バーブーダWeek 24382042.550
アルバWeek 2869860617.540
バハマWeek 20751019.340
バルバドスWeek 20860029.550
ケイマンWeek 24480084.210
キュラソーWeek
ドミニカ国Week 2426920366.220
グレナダWeek 201030092.790
ガイアナWeek 161490019.330
ジャマイカWeek 240204100.07.310
モントセラトWeek24500100.000
セントクリストファー・ネイビスWeek280053.850
セントルシアWeek 241140069.510
セントビンセント・グレナディーンWeek 2415410151.960
シント・マールテン島 (オランダ領)Week 8120029.270
スリナムWeek3000.550
トリニダード・トバゴWeek57515043.220
タークス・カイコス諸島Week 24220043.140
ヴァージン諸島 (イギリス)Week 2429032.350
ヴァージン諸島 (米国)Week
小計2,59438035.90
総計196,436107,51314330.46106

a 診断の定義はhttp://www.paho.org/hq/index.php?option=com_docman&task=doc_download&Itemid=&gid=23978&lang=enを参照してください。
b 発生率は人口10万人あたりの発生数

アメリカ大陸に渡航、滞在される方は、今後の情報に注意していただくとともに、蚊に刺されないよう対策をとってください。

蚊に刺されないための対策

  • 可能な限り、しっかりと網戸がとりつけられているか、エアコンが備わっている、または、蚊をしっかりと駆除しているホテルやリゾートに滞在してください。蚊取り線香も有効です。
  • 長袖のシャツ、ズボンを着て、できるだけ皮膚の露出部を少なくするようにしてください。
  • 流行地域では屋外にでかける場合や網戸が備わっていない建物にいる場合には、ディート(DEET)などの有効成分が含まれている虫よけ剤を、皮膚の露出部につけてください。使用する場合には、必ず添付文書に記載されている使用法を守ってください。日焼け止めを使う場合は、先に日焼け止めをつけてから、虫よけ剤を使用してください。
  • 子ども、とくに乳児への虫よけ剤の使用については、小児科医にご相談ください。虫よけ剤が使用できない場合、ベビーカーにぴったりと合う蚊帳でベビーカーをおおってください。

心配な場合には早めの受診を

  • 海外で発熱などの症状が出たら、できる限り早く医療機関を受診してください。
  • また、ご帰国の際に、発熱や心配な症状のある方は検疫所の担当者にご相談ください。帰国後に発症した場合や、症状が改善しない場合は、お近くの医療機関または検疫所にご相談ください。
  • 医療機関を受診する時には、医師に、渡航先や渡航期間、渡航先での活動などについて、詳しく伝えてください。

感染症情報:チクングニア熱

出典

WHO/PAHO.
Number of Reported Cases of Chikungunya Fever in the Americas, by Country or Territory2016(to week noted), Cumulative cases,Epidemiological Week/EW40(update as of7 October 2016)
http://www.paho.org/hq/index.php?Itemid=40931