2011年01月31日更新 サハラ砂漠以南のアフリカでのダニによる感染症にも注意しましょう。

ダニは世界に広く分布しており、多くの病気を人に移します。サハラ砂漠の南側のアフリカ地域では、草原地帯に多いダニによって、細菌の一種であるリケッチアが移り、アフリカダニ熱という病気になることがあります。この病気は、ダニに咬まれてから5~10日程度で、発熱・頭痛・筋肉痛といったインフルエンザと同様の症状、ダニに咬まれた部位の発疹・腫れ、リンパ節の腫れなどの症状を起こします。適切な抗生物質で治せますが、抗生物質の種類が合わないと効きません。

国立感染症研究所からの情報提供によると、スワジランド、南アフリカに滞在した旅行者に、1月で3件、ダニによって移るリケッチア症の発生が報告され、今までにこの中の1例がアフリカダニ熱であると確定しました。

サハラ砂漠の南側のアフリカにご旅行の方は、ダニによる病気にかからないように、以下のことに注意しましょう。また、インフルエンザ様の症状、皮膚の発疹など気がかりな症状があった場合、すぐに医療機関を受診し、旅行した地域と環境について医師に伝達してください。

ダニに咬まれないように注意しましょう

・ダニの多い草原地帯にはなるべくいかないようにしましょう。ダニは家畜やペットの体にも寄生します。動物の体にダニがいることを発見したら、ダニに咬まれないように、その動物との接触を避けるようにしてください。
・袖口が狭くて、色の薄い長袖の服を着てください。ダニが付着することや咬まれることを予防できるだけではなく、くっついているダニを見つけやすくなります。
・露出した皮膚と服にDEET(ディート)などの虫よけ剤を使ってください。ダニの付着しやすい場所は、頭皮、腰部、わきの下、腹部と足指などの部位です。
・ダニに咬まれていることを発見したら、ダニの体内や傷ついた皮膚からでる液体に病原体がいる可能性があるので、直接手でダニを取ったりつぶしたりしないようにしてください。皮膚科などでマダニの頭部が残らないように除去してもらいましょう。

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