2011年03月09日更新 ニューカレドニアで初めて島内で感染したチクングニア熱の発生が報告されました。

チクングニア熱は、ウイルスに感染した蚊に刺されることによって起こる、突然の発熱、皮膚の発疹、関節炎、強い関節痛、全身のだるさなどが生じる病気です。アフリカ、アジアの熱帯、亜熱帯地域でみられます。高齢者では重症化することがありますが、一般には死亡することはまれです。しかし、関節痛や全身のだるさは長期間にわたって残ることがあり、生活の質を著しく落とす可能性があります。
チクングニア熱をうつす蚊はデング熱もうつし、アメリカや太平洋諸国でも存在することが知られていました。このため、これまでチクングニア熱がみられなかったアメリカや太平洋地域でも、チクングニア熱のウイルスが海外から持ち込まれると、この病気が地域に広がる可能性が心配されていました。

ニューカレドニアからの情報によると、インドネシアでチクングニア熱にかかったと考えられる患者から、地元の人がチクングニア熱に感染したことが確認されました。現在、現地では蚊の防除作業が行われています。
これまでニューカレドニアではチクングニア熱の流行はないとされてきましたが、この状況を考慮し、現地に渡航する方はチクングニア熱に感染する危険性も考慮し、蚊に対する虫除け対策を十分に行って下さい。

蚊に刺されないための対策

特別な薬やワクチンがないことから、蚊に刺されないように注意してください。
・可能な限り、しっかりと網戸がとりつけられているかエアコンが備わった、また、蚊をしっかりと駆除しているホテルやリゾートに滞在してください。ホテルの網戸設備が十分でないようならば蚊帳(かや)をご使用ください。蚊取り線香も有効です。
・長袖のシャツ、ズボンを着て、できるだけ皮膚の露出部を少なくするようにしてください。
・屋外にでかける場合や網戸が備わっていない建物では、ディート(DEET)などの有効成分が含まれている虫よけ剤を、皮膚の露出部につけてください。使用する場合には、必ず添付文書にかかれた使用法を守ってください。日焼け止めを使う場合は、虫よけ剤を使用する前に日焼け止めをつけてください。
・子どもとくに乳児への虫よけ剤の使用については、小児科医にご相談ください。虫よけ剤が使用できない場合、ベビーカーにぴったりと合う蚊帳でベビーカーをおおってください。

心配な場合には早めの受診を

海外で熱が出たら、できる限り早く医療機関を受診してください。デング熱やマラリアなど蚊でうつる他の危険な病気も流行している場所もあり、しっかりと区別して治療を受ける必要があります。
流行地域からのご帰国の際に、熱や心配な症状のある方は検疫所の担当者にお申し出ください。

感染症予防情報

チクングニア熱