2012年07月09日更新 カンボジアで原因不明の病気が発生しています(更新1)

2012年7月6日に公表されたWHOの情報によりますと、カンボジア保健省は、最近、国内の小児で発生している原因不明の症候群の原因を明らかにするために積極的な調査を行っています。

暫定的な調査結果では、2012年4月から7月5日までに、合計74人の患者が入院しました。このうち57人(56人が死亡しています)が、発熱、呼吸器症状、神経症状といった共通の症状を示しており、現在、調査の焦点になっています。

これまでに特定された患者のほとんどは3歳未満の小児です。また、ほとんどの患者は南部と中部の住民で、小児科の基幹病院であるカンタ・ボパ小児病院(Kantha Bopha Childrens hospital)で治療を受けました。懸命な治療にもかかわらず、多くの小児は入院後24時間以内に死亡しました。

検査可能な検体はカンボジアのパスツール研究所で検査されています。原因を正式に特定する作業が残っていますが、すべての検体で、H5N1と他のインフルエンザウイルス、SARSコロナウイルス、二パウイルスは陰性でした。

保健省に対して最初に警戒情報を伝えたのは、患者の大部分が入院したプノンペンのカンタ・ボパ小児病院でした。

保健省は、国際保健規則に基づき、病気の原因、病名、伝播の仕方が正式に確認されない事例として報告する基準を満たしたため、WHOに報告しました。

WHOと関係機関は、この原因不明の病気について、入院患者、早期に警戒するためのサーベイランスデータ、検査データ、実地調査に焦点を当てて、保健省を支援しています。

この病気は積極的に調査が行われていますが、政府は、デング熱、手足口病、チクングニア熱など、国内で発生している他の病気も注視しています。

こどもの親は、こどもに変わった病気の症状が出たら病院を受診させるように助言を受けています。政府は、国民に対して、頻回に手を洗うことなど、衛生習慣の励行の周知も強化しています。

渡航する方は十分注意してください。

海外滞在中や帰国後に、気がかりな症状が出た場合には、すぐに医療機関を受診し、渡航した地域や滞在中の行動などについて医師に詳しく伝えてください。また、帰国の際に熱や心配な症状がある方は検疫所の担当者にご相談ください。

出典

WHOUndiagnosed illness in Cambodia– update
http://www.who.int/csr/don/2012_07_06a/en/index.html

参考

FORTH 新着情報

カンボジアで原因不明の病気が発生しています
https://www.forth.go.jp/topics/2012/07050941.html