2012年07月23日更新 ギリシャでマラリアの患者が発生しました(更新1)

マラリアは感染してから6日以上の症状のない期間があった後、発熱、寒気、筋肉痛、だるさなどの症状が現れます。重症の場合にはけいれんや呼吸困難になったり、意識を失ったりします。これらの症状は自然に治まる場合もありますが、時間がたつとまた起こり、だんだん重症になっていきます。初期のうちに治療をしないととても危険な病気です。

7月20日付けのヨーロッパ疾病管理センター(ECDC)の情報によりますと、ギリシャで三日熱マラリアの患者が新たに報告されました。2人目となる患者はラコニア県のエウロータスに居住する48歳の女性です。6月29日に発症し、過去5年間マラリアの流行地域への渡航はありませんでした。

2011年はギリシャ国内の異なる5か所の地域から、マラリア流行地への渡航歴のない三日熱マラリアの患者が40人報告されました(ラコニア34人、アッティカ2人、エヴォイア2人、ヴィオティア1人、ラリッサ1人)。ラコニア県のエウロータスではギリシャ国民の患者が27人にのぼり、7人が非マラリア流行国からの移民でした。さらに、ラコニアでは、マラリア流行国からの出稼ぎ労働者23人が報告されました。2012年に報告された2人は共に2011年に報告された地域にそれぞれ居住しています。

ECDCのリスクアセスメント(2011年10月)によると、現在、ギリシャ国内でマラリアに感染するリスクのある人は、マラリア患者の報告のあった地域に居住、または働いている人です。今年報告のあった地域は観光地ではなく農業地域ですので、旅行者にとってリスクは低いと考えられます。

ギリシャ当局は関係機関と協力し、マラリア制御の対策をとっています。

現地へ渡航される方は今後の流行情報に注意するとともに、以下のような対策をとることをお勧めします。

蚊に刺されないための対策

虫刺され(蚊よけ)の対策

  • 外出時は虫除け剤を使用しましょう。
  • エアコンが完備(使用可能)されている、または網戸がついている場所に滞在しましょう。
  • 蚊に刺されやすい時間帯(夕方や明け方)には、殺虫剤をしみこませた蚊帳を使用して寝ましょう。

心配な場合には早めの受診を

海外で熱が出たら、できる限り早く医療機関を受診してください。

ご帰国の際に、熱や心配な症状のある方は検疫所の担当者にご相談ください。検疫所ではマラリアの検査を行うことができます。検査結果は後ほどご連絡します。帰宅後に発症した場合や、症状が良くならない場合は、お近くの医療機関または検疫所にご連絡ください。

マラリアは、患者から他の人に直接うつることはありませんが、日本国内でも発熱が続いている期間に蚊に刺されると、その蚊が他の人にうつす危険があります。症状がある間はくれぐれも蚊に刺されないようご注意ください。

出典

ヨーロッパ疾病管理センター(ECDC):
http://www.ecdc.europa.eu/en/press/news/Lists/News/ECDC_DispForm.aspx?List=32e43ee8%2De230%2D4424%2Da783%2D85742124029a&ID=687&RootFolder=%2Fen%2Fpress%2Fnews%2FLists%2FNews

参考

FORTH 新着情報:
2012年6月27日更新ギリシャでマラリアの患者が発生しました。
https://www.forth.go.jp/topics/2012/06271043.html