2012年07月30日更新 ウガンダでエボラ出血熱が発生しています

2012年7月29日に公表されたWHOの情報によりますと、ウガンダ西部のキバレ(Kibaale)でエボラ出血熱が発生しています。

2012年7月上旬以降、20人の患者が報告され、そのうち14人が死亡しています。初発患者は、キバレのNyamarunda地域のNyanswiga村で発見され、この村では9人の死亡者が報告されています。死亡者には、患者とその4か月のこどもの治療や看護に関係した医療従事者も含まれています。14人の死亡者のうち9人は同じ家族です。

確定診断はエンテベ(Entebbe)にあるウガンダウイルス研究所で行われました。

現在、2人の患者が入院していますが病状は安定しています。1人は38歳の女性です。死亡した医療従事者の姉妹で、彼女に付き添っており、7月26日に入院しました。もう1人は30歳の女性です。初発患者の葬儀に参加しており、7月23日に入院しました。2人とも、発熱、嘔吐、下痢、腹痛の症状があって入院しましたが、現在までのところ、ウイルス性出血熱でしばしばみられる出血傾向はありません。

ウガンダ保健省は、この集団感染を抑えるために、関係者や関係機関と連携しています。国レベルの対応計画と地域レベルの対応計画が取りまとめられました。保健省が調整している国の対策本部が活動しており、連日、会議を開催しています。キバレでは、実地対応を調整するために地区の対策本部が設置されています。近隣の地区では、集団感染について高い警戒態勢が敷かれ、サーベイランスが強化されています。

対応を支援するために、保健省、WHO、米国CDCの専門家がキバレに派遣されています。2012年7月6日以降、確定患者や疑い患者に接触があった可能性のある人は追跡調査を行うために特定されています。患者管理を支援するために必要な物品の供給や後方支援が行われています。

キバレの病院では疑い患者や確定患者を隔離するための臨時隔離病棟が設置されました。オランダの国境なき医師団が、病院の隔離病棟を設置するために必要な物資を提供しています。保健省とムラゴ(Mulago)病院は隔離病棟を管理するためのスタッフを動員していますが、さらに多くの人員が必要です。

保健省は、国民に向けて、病気の感染拡大を防ぐための予防対策を取るよう、また、疑い患者を近くの保健センターに報告するよう勧めています。

WHOはウガンダへの渡航や貿易を制限することを推奨していません。

出典

WHO GAREbola in Uganda
http://www.who.int/csr/don/2012_07_29/en/index.html