2012年08月22日更新 コンゴ民主共和国でエボラ出血熱が発生しています(更新1)

コンゴ民主共和国の東部でエボラ出血熱が発生しています。

エボラ出血熱は、エボラウイルスによって起こる病気で、死に至ることが多い病気です。ウイルスに感染した人の血液や体液からうつるほか、ウイルスに汚染されたものやウイルスに感染した動物に触れることでうつります。発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、のどの痛みなどの症状が出た後、下痢や嘔吐、胃の痛みなどの症状が起こります。皮膚の発疹、目の充血、からだのさまざまな部位からの出血が起こることもあります。ワクチンや特別な治療方法はありません。

2012年8月21日に公表されたWHOの情報によりますと、コンゴ民主共和国東部のオリエンタル(Orientale)州でエボラ出血熱の患者15人(確定患者は2人、疑い患者は13人)と10人の死亡者が報告されています。報告された患者と死亡者は、3地域から報告されています。イシロ(Isiro)では、12人の患者と8人の死亡者が報告されており、死亡者のうち3人は医療従事者でした。また、パワ(Pawa)で2人の患者と1人の死亡者、ドゥング(Dungu)で1人の死亡者が報告されています。

コンゴ民主共和国保健省は国の対策本部を招集し、WHO、UNICEF、国境なき医師団(MSF)、米国疾病予防管理センター(CDC)を含む協力機関と対応にあたっています。対応を監督するために、同様の対策本部が、州と地域レベルにも設置されました。

保健省、WHO、MSFの緊急対策チームが詳細な疫学調査の実施や患者管理の支援を行うために現地に入っています。実施されている活動には、積極的な患者発見、患者の追跡調査、サーベイランスの強化、患者管理、情報公開、社会的動員、感染予防対策の強化が含まれています。

WHOは現地の調整、サーベイランス、疫学、検査、患者管理、物資調達、情報公開、社会的動員の各分野で保健省を支援しています。さらに、コンゴ共和国、コンゴ民主共和国、WHOアフリカ地域事務所の緊急対応チーム、ガボンを拠点とした国際支援チーム(IST)、WHO本部からの疫学者、物資調達担当者、人類学者、社会動員担当者などで構成される専門家チームが、現地で活動するために動員されています。

WHOはコンゴ民主共和国への渡航や貿易を制限することを推奨していません。

コンゴ民主共和国に渡航する方は、現地の情報に注意してください。手洗いなどの一般的な衛生対策を行ってください。また、感染した人の血液や体液、それらで汚染された可能性のあるもの、動物に触らないでください。

現地で、発熱などの症状が出た場合には、すぐに医療機関を受診してください。また、帰国時に症状がある場合には検疫官にご相談ください。エボラ出血熱は感染してから発症するまでに3週間かかることもあります。帰国してから症状が出た場合には、医療機関または検疫所にご相談ください。

出典

WHO:Ebola outbreak in Democratic Republic of Congo- update 21 August 2012
http://www.who.int/csr/don/2012_08_21/en/index.html

参考

FORTH 新着情報

コンゴ民主共和国でエボラ出血熱が発生しています
https://www.forth.go.jp/topics/2012/08201309.html