2012年09月19日更新 シエラレオネでコレラが流行しています(更新5)
コレラは、コレラ菌によって、下痢や嘔吐が生じる病気です。軽くすむことも多いですが、重い下痢が起こることがあり、大量の水分が失われ、脱水によって死亡することもあります。
2012年9月18日に公表されたWHOの情報によりますと、シエラレオネでは、9月16日時点で、今年初めから、合計18,508人のコレラ患者が発生しており、そのうち271人が死亡したと報告されています(致死率は1.5%)。
患者が最も多く報告されているのは、首都フリータウンのある国の西部地域です。
保健衛生省では今年初めから発生しているコレラの流行への対応を強化するために、国内外レベルで関係機関と密接に対応にあたっています。現場レベルで実施されている活動には、患者管理、広報、社会的動員、水・保健衛生の啓発、サーベイランスとデータの管理が含まれています。
死亡者を減らすために、地区レベルで患者の早期発見と迅速な治療に重点がおかれています。コレラ患者はコレラ治療ユニットで管理され、コレラ治療ユニットが設置されていない場所では、隔離するために保健施設内の指定された場所で管理することに力を入れています。
国レベルでは、コレラ対策センター(Cholera Control and Command Centre)が技術的な助言、調整、そして発生の監視を継続しています。コレラ対策センターは、この流行をできる限り早期に抑えるため、「コレラへの準備及び対応に関する運用計画(Cholera Preparedness and Response Operation Plan(CPROP))」に基づいて行う活動を実施するために設置されました。コレラ対策センターは、対策本部が意志決定する際の情報提供も行っています。
WHOと関係機関は、この発生に対応するために、保健省を支援しています。患者管理と検査室診断に従事する医療従事者と検査技師の能力向上のため、Global Outbreak Alert and Response Network(GOARN)を通じて、バングラデシュの国際下痢性疾患研究センター(ICDDR,B)から、国際的なコレラ対策の経験を有する患者管理と検査の専門家を派遣しました。
WHOはシエラレオネへの渡航や貿易を制限することを推奨していません。
シエラレオネに渡航、滞在される方は、今後の情報に注意していただくとともに、以下の対策をとってください。
- 飲料水や歯みがき、うがいの水にはミネラルウォーターを使うか、十分に沸騰させた水を使うこと。氷は生水から作られている可能性があるので食べないこと。
- 食事は加熱されたものを、冷めないうちに食べること。
- 食事の前、トイレの後には石けんと水で十分に手洗いすること。
- 下痢になった場合、以下の作り方で作った水を十分にとり、できるだけ早く医療機関で診療を受けること。
●感染症情報:食べ物・水にご注意を!コレラ
出典
WHO Cholera in Sierra Leone– update
http://www.who.int/csr/don/2012_09_18b/en/index.html
参考
<FORTH 新着情報>
シエラレオネでコレラが流行しています(更新4)
https://www.forth.go.jp/topics/2012/09101307.html
シエラレオネでコレラが流行しています(更新3)
https://www.forth.go.jp/topics/2012/08311324.html
シエラレオネでコレラが流行しています(更新2)
https://www.forth.go.jp/topics/2012/08271036.html
シエラレオネでコレラが流行しています(更新1)
https://www.forth.go.jp/topics/2012/08231015.html
シエラレオネでコレラが流行しています
https://www.forth.go.jp/topics/2012/08151044.html
<FORTH 最新情報>
コレラについて(ファクトシート)
https://www.forth.go.jp/moreinfo/topics/2012/08151657.html