2013年01月15日更新 スーダンで黄熱の患者が発生しています

黄熱は蚊によって感染します。感染しても症状が出ないこともありますが、発熱、頭痛、筋肉痛、嘔吐などの症状が現れ、皮膚が黄色くなったり、出血しやすくなったりして、死亡することも多い病気です。黄熱は予防接種で予防することができる病気です。

1月10日付で世界保健機関(WHO)東地中海事務所(EMRO)から公表された情報によりますと、黄熱の患者が発生している地域は、中央ダルフール、南ダルフール、西ダルフール、北ダルフール、東ダルフールの35地域に広がっています。1月6日時点で、黄熱の疑い患者数は849人となり、このうち171人が死亡しています(致死率は20.1%です)。

黄熱に対する緊急集団予防接種キャンペーンの第2段階で、約110万人(南ダルフール、西ダルフール、中央ダルフールの接種対象者の93%)に黄熱の予防接種が行われました。

WHOは、緊急対応計画の一部として、約200万人を対象とした黄熱に対する緊急集団予防接種キャンペーンの第3段階を推奨しています。

国内の他の地域における疫学的なリスクを評価するため、昨年12月29日に国の黄熱リスク評価が行われました。スーダンの4地域の8か所で、合計1,754検体の血清検体が採取されました。ダカールにあるパスツール研究所のウイルス学者がハルツームに到着し、公衆衛生研究所で、採取された検体の解析を始めました。

スーダンへ渡航される方は、今後の流行情報に注意するとともに、以下のような対策をとることをお勧めします。

蚊に刺されないための対策

  • 可能な限り、しっかりと網戸がとりつけられているか、エアコンが備わっている、または、蚊をしっかりと駆除しているホテルやリゾートに滞在してください。蚊取り線香も有効です。
  • 長袖のシャツ、ズボンを着て、できるだけ皮膚の露出部を少なくするようにしてください。
  • 流行地域では屋外にでかける場合や網戸が備わっていない建物にいる場合には、ディート(DEET)などの有効成分が含まれている虫よけ剤を、皮膚の露出部につけてください。使用する場合には、必ず添付文書に記載されている使用法を守ってください。日焼け止めを使う場合は、先に日焼け止めをつけてから、虫よけ剤を使用してください。
  • 子ども、とくに乳児への虫よけ剤の使用については、小児科医にご相談ください。虫よけ剤が使用できない場合、ベビーカーにぴったりと合う蚊帳でベビーカーをおおってください。

心配な場合には早めの受診を

海外で熱などの症状が出たら、できる限り早く医療機関を受診してください。

また、ご帰国の際に、発熱や心配な症状のある方は検疫所の担当者にご相談ください。帰国後に発症した場合や、症状が良くならない場合は、お近くの医療機関または検疫所にご連絡ください。

医療機関を受診する時には、医師に、渡航先や渡航期間、渡航先での活動などについて、詳しく伝えてください。

感染症情報

出典

WHO EMROYellow Fever Outbreak in Darfur, Sudan
Situation Report No15, 10 January 2013
http://www.emro.who.int/images/stories/sudan/documents/YellowfeverSitReps/Situation_Report_No_15-_Yellow_Fever_Outbreak_in_Darfur_10_January_2013.pdf[PDF形式:1.1MB]

参考

FORTH 新着情報
スーダンで黄熱の患者が発生しています(更新9) (2012年12月12日)
https://www.forth.go.jp/topics/2012/12121030.html