2013年04月23日更新 ヨーロッパで麻しん患者が増加しています

4月8日付で公表された欧州疾病予防管理センター(ECDC)の情報によりますと、ヨーロッパで麻しん患者が増加しています。

英国のウェールズでは、4月17日時点で、765人の麻しん患者が報告されており、約80人が入院しました(患者数は前週に比べて145人増加しました)。最近の2週間で約3,700人の小児が予防接種を受けました。保健当局は、今週、さらに2,000人の児童・生徒に予防接種を実施する予定です。患者の多くは10歳から18歳で、1990年代後半にMMRワクチン(麻しん・流行性耳下腺炎・風しん混合ワクチン)の安全性を懸念し、予防接種を受けなかったかもしれない者と考えられています。患者のほとんどは、スウォンジ(Swansea)で発生していますが、ウェールズ全域から発生報告があります。

英国の北東部でも、麻しんの患者が増加しています。昨年9月以降、患者が増加し始め、214人の確定患者と220人の疑い患者が報告されています。患者の約3分の1は10歳から14歳で、患者の6分の1が入院治療を要しました。ドイツのベルリンでも、麻しん患者が増加しており、保健当局は、1970年以降に生まれたすべての成人に麻しんの予防接種歴を確認するように推奨しています。2月からこれまでに、43人の患者が報告されています(昨年同時期は5人でした)。患者の60%は16歳から45歳であり、患者の半数が入院治療を要しました。

このほか、スウェーデン、デンマークでも麻しん患者が増加していると報告されています。

麻しんは予防接種で予防することができる病気ですが、予防効果を確実にするためには、2回の接種が必要です。麻しんにかかったことがない方で、麻しんの予防接種を受けたことがない方や、1回しか接種していない方、または予防接種を受けたかどうかがわからない方は、渡航する前に、早めに医師の診察を受けて、予防接種について相談してください。

出典

ECDC
COMMUNICABLE DISEASE THREATS REPORT Week16, 14-20 April 2013
http://www.ecdc.europa.eu/en/publications/Publications/Communicable-disease-threats-report-20-apr-2013.pdf[PDF形式:708KB]

参考

FORTH新着情報
英国で麻しん患者が増加しています (2013年4月9日)https://www.forth.go.jp/topics/2013/04091119.html