2013年06月17日更新 コンゴ民主共和国で黄熱の患者が発生しました

黄熱は蚊によって感染します。感染しても症状が出ないこともありますが、発熱、頭痛、筋肉痛、嘔吐などの症状が現れ、皮膚が黄色くなったり、出血しやすくなったりして、死亡することも多い病気です。黄熱は予防接種で予防することができる病気です。

2013年6月14日付で世界保健機関(WHO)から公表された情報によりますと、コンゴ民主共和国(DRC)保健省は2013年6月6日に同国で黄熱の確定患者6人が発生したことを受け、6月20日から緊急の集団予防接種キャンペーンを実施する予定です。

6人の確定患者は3ヶ所の保健地域、ルバオ(4人)、カマラ(1人)、ルディンビ-ルクマ(1人)から報告されました。症例は国の黄熱サーベイランス計画を通して発見されました。確定診断はWHOの地域レファレンスセンターであるセネガルのダカールにあるパスツール研究所で実施されました。

流行の予備調査の結果、最初の患者はルバオ保健地区のキセンガ(Kisengua)村に住む16歳の少年で2013年3月1日に発症しました。調査チームはまた3ヶ所の保健地区で19人の死亡症例を含む51人の疑い症例も確認しています。13人の患者から血清検体が採取され国立バイオメディカル研究所(INRB)で解析が行われています。

集団予防接種キャンペーンは、3ヶ所の発生保健地域で少なくとも503,426人を対象としています。

黄熱ワクチンの提供に関する国際調整グループ(YF-ICG11)はGAVIアライアンス、国境なき医師団やその他の関係機関の支援を受け559,000回分の黄熱ワクチンをDRCの保健省が行う集団予防接種キャンペーンに供給することになっています。WHOは現地での監視、予防、制圧活動や資源動員などでアウトブレイクの管理を綿密に支援しています。

YF-ICGは緊急対応の黄熱ワクチンの備蓄資金運用を管理するパートナーシップです。国連児童基金(UNICEF)、国境なき医師団(MSF)、国際赤十字・新月社連盟(IFRC)とWHOが代表、事務局となっています。備蓄はGAVIアライアンスにより支援を受けています。

蚊に刺されないための対策

  • 可能な限り、しっかりと網戸がとりつけられているか、エアコンが備わっている、または、蚊をしっかりと駆除しているホテルやリゾートに滞在してください。蚊取り線香も有効です。
  • 長袖のシャツ、ズボンを着て、できるだけ皮膚の露出部を少なくするようにしてください。
  • 流行地域では屋外にでかける場合や網戸が備わっていない建物にいる場合には、ディート(DEET)などの有効成分が含まれている虫よけ剤を、皮膚の露出部につけてください。使用する場合には、必ず添付文書に記載されている使用法を守ってください。日焼け止めを使う場合は、先に日焼け止めをつけてから、虫よけ剤を使用してください。
  • 子ども、とくに乳児への虫よけ剤の使用については、小児科医にご相談ください。虫よけ剤が使用できない場合、ベビーカーにぴったりと合う蚊帳でベビーカーをおおってください。

心配な場合には早めの受診を

海外で熱などの症状が出たら、できる限り早く医療機関を受診してください。

また、ご帰国の際に、発熱や心配な症状のある方は検疫所の担当者にご相談ください。帰国後に発症した場合や、症状が良くならない場合は、お近くの医療機関または検疫所にご連絡ください。

医療機関を受診する時には、医師に、渡航先や渡航期間、渡航先での活動などについて、詳しく伝えてください。

FORTH感染症情報

出典

WHO(GAR):Yellow fever in the Democratic Republic of Congo
http://www.who.int/csr/don/2013_06_14_yellowfever/en/index.html