2014年04月08日更新 西アフリカでエボラ出血熱が発生しています (更新2)

エボラ出血熱は、エボラウイルスによって起こる病気で、死に至ることが多い病気です。ウイルスに感染した人の血液や体液からうつるほか、ウイルスに汚染されたものやウイルスに感染した動物に触れることでうつります。発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、のどの痛みなどの症状が出た後、下痢や嘔吐、胃の痛みなどの症状が起こります。皮膚の発疹、目の充血、からだのさまざまな部位からの出血が起こることもあります。ワクチンや特別な治療方法はありません。

4月5日付けで世界保健機関(WHO)から公表された情報によると、西アフリカにおけるエボラ出血熱の発生状況は以下のとおりです。

●ギニア
4月4日の時点において、臨床的にエボラウイルス疾患(EVD)患者であるとされた患者の累計数は、PCR法で確認された54人を含め、143人であることがギニア保健省より発表されました。そのうち死亡者は86人で致死率は60%です。23人の患者が隔離されています。

●リベリア
リベリア保健社会福祉省は3月24日から累計で18人の疑い患者及び2人の確定患者、そのうち死亡者7人(致死率31%)を報告しました。7人が隔離されています。4月4日から4人の疑い患者が発生しましたがそのうち1人はヘルスケアワーカーでした。確定患者はロファ郡の2人で2人は死亡しました。

●シエラレオネ
シエラレオネでは状況に変化はありません。エボラウイルス疾患の可能性がある2名の死亡者(同一家族)は、ギニアで死亡しシエラレオネへ遺体が送還されました。現在サーベイランスと啓発活動が継続されています。

●マリ
マリの保健省は4人のウイルス性出血熱に罹患した疑いのある患者が、クリコロ州Sibiribougouのヘルスケアに収容されたとWHOへ報告しました。このうち2人はギニアへ渡航していました。疫学調査と検査が実施されている間、患者は隔離されています。接触者調査が行われています。検体はCDCへ送付され、疫学調査が強化されています。

WHOは、この事例に関する現在の情報からは、ギニア、リベリア、シエラレオネ、マリへの渡航や貿易を制限することを推奨していません。

ギニア、リベリア、シエラレオネ、マリへ渡航する方は、現地の情報に注意してください。手洗いなどの一般的な衛生対策を行ってください。また、感染した人の血液や体液、それらで汚染された可能性のあるもの、動物に触らないでください。

現地で、発熱などの症状が出た場合には、すぐに医療機関を受診してください。また、帰国時に症状がある場合には検疫官にご相談ください。エボラ出血熱は感染してから発症するまでに3週間かかることもあります。帰国してから症状が出た場合には、医療機関または検疫所にご相談ください。

◆感染症情報:エボラ出血熱

出典

WHOGlobal Alert and Response
Ebola virus disease, West Africa– update
http://www.who.int/csr/don/2014_04_05_ebola/en/

Ebola virus disease, West Africa-update2014-04-05
http://www.afro.who.int/en/clusters-a-programmes/dpc/epidemic-a-pandemic-alert-and-response/outbreak-news/4079-ebola-virus-disease-west-africa-5-april-2014.html