2014年04月14日更新 西アフリカでエボラ出血熱が発生しています (更新4)

エボラ出血熱は、エボラウイルスによって起こる病気で、死に至ることが多い病気です。ウイルスに感染した人の血液や体液からうつるほか、ウイルスに汚染されたものやウイルスに感染した動物に触れることでうつります。発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、のどの痛みなどの症状が出た後、下痢や嘔吐、胃の痛みなどの症状が起こります。皮膚の発疹、目の充血、からだのさまざまな部位からの出血が起こることもあります。ワクチンや特別な治療方法はありません。

4月10日付けで世界保健機関(WHO)から公表された情報によると、西アフリカにおけるエボラ出血熱の発生状況は以下のとおりです。

●ギニア
4月9日の時点において、臨床的にエボラウイルス疾患(EVD)患者であると報告された患者の累計数は、死亡者101人を含め、158人であることが発表されました。コナクリ(Conakry)にあるパスツール研究所のダカール検査室とゲケドゥ(Guekedou)にあるEU(欧州連合)派遣検査チームで検査が継続されています。コナクリの検査室では65検体が検査され、PCR法によって38検体がエボラウイルス陽性反応を示しました。また、ゲケドゥの検査室では、38検体が検査され28検体が陽性反応を示しました。全体では66症例(42%)が確定診断されています。

●リベリア
4月10日の時点において、リベリア保健社会福祉省は累計で、5人の確定患者及び20人の疑い患者が発生したと報告しました。最近EVDが確定診断された患者が発症したのは4月6日で、現在6人の患者が入院しています。ロファ(Lofa)郡では、臨床例の32%が確認(4人の確定患者と6人の疑い患者)されました。続いてマージビ(Margibi)郡では臨床例の27%が確認(1人の確定患者と5人の疑い患者)されました。

●マリ
4月10日の時点において、マリ保健省の報告によると、アトランタの米国疾病予防管理センター(CDC)によって検査された疑い患者2人はエボラウイルス陰性と他のウイルス性出血熱について検査中です。ウイルス性出血熱に罹患した疑いのある患者は累計6人であると報告しました。臨床検体は全ての疑い患者から採取されました。疑い患者6人から採取された検体は、ダカールにあるパスツール研究所へ検査のために送付されました。検査の結果陰性となった患者は、医学的監視やカウンセリングの対象から解除され、家族のもとへ帰宅しています。

●シエラレオネ
シエラレオネでは状況に変化はないものの、シエラレオネ保健衛生省は集中的なEVD対策の指導を継続しています。

西アフリカのEVDは拡がりを見せており、発生患者数、死亡者数、医学的監視下にある接触者数や検査結果数などは、症例の整理、接触者や検査結果、サーベイライスと接触者の追跡調査の強化や継続中の検査により日々変化しています。

WHOは、この事例に関する現在の情報からは、ギニア、リベリア、マリ、シエラレオネへの渡航や貿易を制限することを推奨していません。

ギニア、リベリア、マリ、シエラレオネへ渡航する方は、現地の情報に注意してください。手洗いなどの一般的な衛生対策を行ってください。また、感染した人の血液や体液、それらで汚染された可能性のあるもの、動物に触らないでください。

現地で、発熱などの症状が出た場合には、すぐに医療機関を受診してください。また、帰国時に症状がある場合には検疫官にご相談ください。エボラ出血熱は感染してから発症するまでに3週間かかることもあります。帰国してから症状が出た場合には、医療機関または検疫所にご相談ください。

◆感染症情報:エボラ出血熱

出典

WHOGlobal Alert and Response
Ebola virus disease, West Africa– update
http://www.who.int/csr/don/2014_04_10_ebola/en/