2014年04月16日更新 西アフリカでエボラ出血熱が発生しています (更新5)

エボラ出血熱は、エボラウイルスによって起こる病気で、死に至ることが多い病気です。ウイルスに感染した人の血液や体液からうつるほか、ウイルスに汚染されたものやウイルスに感染した動物に触れることでうつります。発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、のどの痛みなどの症状が出た後、下痢や嘔吐、胃の痛みなどの症状が起こります。皮膚の発疹、目の充血、からだのさまざまな部位からの出血が起こることもあります。ワクチンや特別な治療方法はありません。

4月14日付けで世界保健機関(WHO)から公表された情報によると、西アフリカにおけるエボラ出血熱の発生状況は以下のとおりです。

●ギニア
4月14日の時点において、ギニア保健省は、臨床的にエボラウイルス疾患(EVD)患者であると報告された患者の累計数は、死亡者108人を含む、168人であると発表しました。

詳細な状況報告は4月11日時点のものになりますが、臨床的にEVDであると報告された患者が、106人の死亡者を含む159人であるという報告です。コナクリ(Conakry)にあるパスツール研究所のダカール検査室とゲケドゥにある(Guekedou)EU(欧州連合)派遣検査チームで検査が継続されています。コナクリの検査室では66検体が検査され、PCR法によって39検体がエボラウイルス陽性反応を示しました。また、ゲケドゥの検査室では、55検体が検査され36検体が陽性反応を示しました。合計71症例(45%)が確定診断され、残りは34の疑い患者と54の可能性患者とに分類されています。106人の死亡者(40%)のうち42人は確定診断されました。いくつかの症例は、再検査を実施する必要があります。

患者の詳細は、以下のとおりです。

・コナクリ:31人中22人が確定診断
・ゲケドゥ:95人中35人確定診断
・マセンタ(Macenta):21人中12人が確定診断
・キシドーグー(Kissidougou):6人中1人が確定診断
・ダボラ(Dabola):5人中1人確定診断
・ディンギラエ(Dinguiraye):疑い患者1人

コナクリとゲケドゥで最近EVDが確定診断された患者が発症したのは4月10日でした。ヘルスケアワーカーの症例は、合計16人となり、11人の確定患者と5人の疑い患者が報告されています。

●リベリア
4月11日の時点において、リベリア保健社会福祉省は、臨床的にEVD患者であるとされた患者の累計数は、死亡者13人を含め、26人(6人の確定患者及び20人の疑い患者)であると発表しました。EVDの疑い臨床症例最近確認されたのは4月11日で、最近確定診断がされた患者が入院したのは4月4日でした。現在3人の患者が入院しており、PCR法による検査で陰性反応であった5人の疑い患者は退院しました。

●マリ
4月14日の時点において、マリ保健省の報告によると、疑い患者の累計は6人です。内訳は、クリコロ(Koulikoro)州の首都バマコ(Bamako)3人、クレマレ(Kourémalé)2人、そしてバンクマナ(Bankoumana)1人であり、6人すべてが医学的監視下にあります。セネガルのダカールにあるパスツール研究所で検査が行われており、早期の結果判定が期待されています。

●シエラレオネ
シエラレオネではEVDの疫学的状況に変化はありません。

WHOは、この事例に関する現在の情報からは、ギニア、リベリア、マリ、シエラレオネへの渡航や貿易を制限することを推奨していません。

ギニア、リベリア、マリ、シエラレオネへ渡航する方は、現地の情報に注意してください。手洗いなどの一般的な衛生対策を行ってください。また、感染した人の血液や体液、それらで汚染された可能性のあるもの、動物に触らないでください。

現地で、発熱などの症状が出た場合には、すぐに医療機関を受診してください。また、帰国時に症状がある場合には検疫官にご相談ください。エボラ出血熱は感染してから発症するまでに3週間かかることもあります。帰国してから症状が出た場合には、医療機関または検疫所にご相談ください。

◆感染症情報:エボラ出血熱

出典

WHOGlobal Alert and Response
Ebola virus disease, West Africa– update
http://www.who.int/csr/don/2014_04_14_ebola/en/