2014年06月02日更新 西アフリカでエボラ出血熱が発生しています (更新20)

5月30日付けの世界保健機関(WHO)アフリカ地域事務局(AFRO)の情報によると、西アフリカにおけるエボラ出血熱の発生状況は以下のとおりです。

ギニア

2014年5月28日18:00の時点において、臨床的にエボラウイルス疾患(EVD)であるとされた患者の累計数は、291人(そのうち死亡者193人)と報告されました。この内訳は以下のとおりです。EVD確定診断症例は患者172人、死亡者108人、可能性のある症例は患者71人、死亡者62人、疑い症例は患者48人、死亡者23人です。

流行地における症例と死亡者の内訳は以下のとおりです(※集計上の総数は288人となります)。コナクリ(Conakry)では患者53人、死亡者27人、ゲケドゥ(Gueckedou)では患者179人、死亡者133人、マセンタ(Macenta)では患者40人、死亡者23人、キシドゥグ(Kissidougou)では患者7人、死亡者5人、ダボラ(Dabola)では患者4人、死亡者4人、ディンギラエ(Dinguiraye)では患者1人、死亡者1人、ボッファ(Boffa)では患者4人、死亡者はありません。

隔離している患者総数は13人(ゲケドゥ9人、テリメレ(Telimele)3人、コナクリ1人)です。フォローアップ中の接触者数は493人(ゲケドゥ275人、マセンタ125人、テリメレ93人)です。

シエラレオネ

2014年5月29日18:00の時点において、5つの地区から新たに34人の患者(確定患者7人、可能性患者3人、疑い患者24人)と疑い死亡例1人が報告されました。これによって臨床的にエボラウイルス疾患(EVD)患者であるとされた患者の累計数は50人(確定患者14人、可能性患者3人、疑い患者36人)です。うち死亡者は6人(確定例2人、可能性例3人、疑い例1人)です。これらの症例と死亡者の地理的分布は以下のとおりです。Kailahunでは患者37人、死亡者6人、ケネマ(Kenema)では患者1人、死亡者なし、コイナドゥグ(Koinadugu)では患者1人、死亡者なし、ボ(Bo)では患者1人、死亡者なし、モヤンバ(Moyamba)では患者1人、死亡者なしです。

リベリア

2014年5月29日の時点において、新たな疑い症例1人(フォヤ地区での死亡例)が報告されました。この遺体はシエラレオネへ移送され、埋葬されました。この症例については、リベリア、シエラレオネの両国によって調査されています。

症例数は、再分類の変更、遡及的調査、症例や検査データの統合、サーベイランスの強化により訂正される可能性があります

感染地域における、コミュニティの抵抗、不適切な治療施設や人材不足は、EVD流行への対応で3カ国が現在直面している課題です。

WHOの対応

WHOと連携機関は、新たな感染地域における調整、疾病発生調査、リスクアセスメント、治療施設の設置、症例管理と感染予防管理といったEVD流行に対応する政府担当者を支援するために、シエラレオネとギニアへ専門家を派遣し、抵抗のあるコミュニティを対象に社会的動員を配置しました。

シエラレオネでは、WHOと連携機関がコインドゥに治療センターを設置し、シエラレオネのKailahun地区からの検体が、ギニアのゲケドゥで検査ができるよう、調整を図っています。

WHOは、この事例に関する現在の情報からは、ギニア、リベリア、シエラレオネへの渡航や貿易を制限することを推奨していません。

西アフリカへ渡航する方は、現地の情報に注意してください。手洗いなどの一般的な衛生対策を行ってください。また、感染した人の血液や体液、それらで汚染された可能性のあるもの、動物に触らないでください。

現地で、発熱などの症状が出た場合には、すぐに医療機関を受診してください。また、帰国時に症状がある場合には検疫官にご相談ください。エボラ出血熱は感染してから発症するまでに3週間かかることもあります。帰国してから症状が出た場合には、医療機関または検疫所にご相談ください。

感染症情報

エボラ出血熱

出典

WHO Global Alert and Response
Ebola virus disease, West Africa-update, 30 May 2014
http://www.who.int/csr/don/2014_05_30_ebola/en/