2014年06月25日更新 西アフリカでエボラ出血熱が発生しています (更新26)

6月23日付けの世界保健機関(WHO)の情報によると、西アフリカにおけるエボラ出血熱の発生状況は以下のとおりです。

ギニア

2014年6月18日から20日に、新たな患者はありませんが死亡者3人がゲケドゥ(Gueckedou;新患者なし、死亡者2人)、テリメレ(Telimele;新患者なし、死亡者1人)、から報告されました。これによりギニアでエボラウイルス疾患(EVD)患者の累計数は、死亡者270人を含む390人(確定症例260人、可能性の高いもの87人、疑い患者43人)となりました。

症例と死亡者の地理的な分布は以下のとおりです:コナクリ(Conakry)では患者65人、死亡者33人、ゲケドゥ(Gueckedou)では患者226人、死亡者177人、マセンタ(Macenta)では患者41人、死亡者28人、ダボラ(Dabola)では患者4人、死亡者4人、キシドゥグ(Kissidougou)では患者6人、死亡者5人、ディンギラエ(Dinguiraye)では患者1人、死亡者1人、テリメレ(Telimele)では患者25人と死亡者9人、ボッファ(Boffa)では患者21人、死亡者12人、クルサ(Kouroussa)では患者1人、死亡者1人です。現在19人の患者がコナクリ(9人)、ゲケドゥ(9人)、テリメレ(1人)のEVD治療センターに入院中です。

フォローアップ中の接触者数は全国で1,147人です:コナクリ196人、ゲケドゥ520人、マセンタ29人、テリメレ70人、ドゥブレカ(Dubreka)118人、クルサ16人、ボッファ198人。これまでに73%(アウトブレイク当初から4,245人の接触者フォローアップのうち3,098人)が措置的監視期間である21日の期限を終了しました。

シエラレオネ

2014年6月18日から20日までの間に、新たな患者はありませんでしたが、死亡者4人が以下の地域から報告されました。カイラフン(Kailahun;患者なし、死亡者3人)、ケネマ(Kenema;患者なし、死亡者1人)。これによって臨床的にエボラウイルス疾患(EVD)患者であるとされた患者の累計数は158人(確定患者147人、可能性の高い患者8人、疑い患者3人)です。死亡者は34人です。

症例と死亡者の地理的な分布は以下のとおりです:カイラフン(患者135人、死亡者32人)、カンビア(Kambia;患者1人、死亡者なし)、ポートロコ(Port Loko;患者2人、死亡者なし)、ケネマ(患者19人、死亡者2人)、西部(患者1人、死亡者なし)。52人の患者が現在ケネマ(12人)とカイラフン(40人)のEVD治療センターにいます。

現在フォローアップされている接触者はカイラフンの37人です。コミュニティのヘルスケアワーカーがケネマ、カイラフン、カンビア、ポートロコでフォローアップと接触者聞き取りの訓練を受けています。

リベリア

2014年6月19日から22日の間に、新たに10人の患者と8人の死亡者がロファ(Lofa;患者8人、死亡者6人)、モントセラード(Montserrado;患者2人、死亡者2人)から報告されました。これによりリベリアでの患者の累計数は51人(確定患者34人、可能性の高い患者10人、疑い患者7人)、死亡者は34人です。

症例と死亡者の地理的な分布は以下のとおりです:ロファ(患者36人、死亡者21人)、モントセラード(患者11人、死亡者11人)、マルギビ(Margibi;患者2人、死亡者2人)、ニンバ(Nimba;患者2人、死亡者なし)。患者15人が現在、ロファのEVD治療センターにいます。

現在フォローアップ中の接触者は全国で232人となり、地域は以下のとおりです:ロファ112人、モントセラード120人。これまでに40.7%(アウトブレイク当初から391人の接触者フォローアップのうち159人)が措置的監視期間である21日の期限を終了しました。

WHOの対応

WHOとパートナーはコミュニティ内や病院内でのウイルスの拡散を阻止するために保健省へ必要な技術的専門知識を提供しています。この中には、発生3カ国政府へ対する協調、情報管理、コミュニケーションの強化のためのハイレベルの支援会議が含まれています。WHO地域事務局長は、本部事務局長と協議し、発生国を直接支援するため一時的にWHO地域内EVD流行対策コーディネーターを設置しました。コーディネーターはギニアのコナクリを拠点する予定です。さらにWHOは7月2日から3日、ガーナのアクラで保健大臣との会議を開催し、政治的関与を確実に増加させ各国地域の国境におけるEVD対策での協調を確実にする事を目指します。WHO、GOARN(地球規模感染症に対する警戒と対応ネットワーク)、その他のパートナーは同時に各保健省のEVD流行対策を支援するため様々な専門家(疫学者、社会的動員、症例管理、特に物流管理)を派遣しています。次回の3カ国の国境会議が2014年6月23日にシエラレオネのカイラフンで計画されています。

WHOは、この事例に関する現在の情報からは、ギニア、リベリア、シエラレオネへの渡航や貿易を制限することを推奨していません。

西アフリカへ渡航する方は、現地の情報に注意してください。手洗いなどの一般的な衛生対策を行ってください。また、感染した人の血液や体液、それらで汚染された可能性のあるもの、動物に触らないでください。

現地で、発熱などの症状が出た場合には、すぐに医療機関を受診してください。また、帰国時に症状がある場合には検疫官にご相談ください。エボラ出血熱は感染してから発症するまでに3週間かかることもあります。帰国してから症状が出た場合には、医療機関または検疫所にご相談ください。

感染症情報

エボラ出血熱

出典

WHOGlobal Alert Response(GAR)
Ebola virus disease, West Africa– update
http://www.who.int/csr/don/2014_06_24_ebola/en/