2014年08月25日更新 カリブ海諸国におけるチクングニア熱の患者の発生状況について (更新12)

チクングニア熱は、死亡することは稀で、蚊によって感染するウイルス性疾患です。チクングニア熱の症状には、発熱、頭痛、強い関節痛(足首や手首)がみられ、関節痛は数週間続くことがあります。感染した蚊に刺されてから4日から7日後に症状が現れます。

8月22日付けで公表された汎米保健機構(PAHO)の情報によりますと、カリブ海諸国でチクングニア熱の患者が増加しています。

カリブ海諸国におけるチクングニア熱の流行は、2013年12月6日にカリブ海のサン・マルタン(セント・マーチン)島のフランス領で報告されました。これは、アメリカ大陸において、初めて地域内感染が確認された事例です。

8月22日時点における患者の発生状況は以下のとおりです。(※は前回7月25日分の報告人数です)

・米国:確定患者は4(2※)人です(プエルトリコ、米領ヴァージン諸島からのデータを除外し、フロリダでの地域内感染例2例が含まれています)。輸入例は636(282※)人です。
・コスタリカ:確定患者は1(1※)人です。
・エルサルバドル:疑い患者は5,106(1,969※)人で、確定患者は8(8※)人です。
・パナマ:確定患者は1(1※)人で、輸入例が12(12※)人です。
・ドミニカ共和国:疑い患者は370,141(281,850※)人で、確定患者は71(71※)人です。死亡者は
6(3※)人です。
・仏領ギアナ:疑い患者は1,665(665※)人で、確定患者は89人です。
・グアドループ:疑い患者は73,120(63,000※)人で、確定患者は1,328(1,328※)人です。死亡者は
9(7※)人です。
・ハイチ:疑い患者は64,695(64,695※)人、確定患者は14(14※)人です。
・マルティニーク:疑い患者は55,920(48,940※)人で、確定患者は1,515(1,515※)人です。死亡者
は19(13※)人です。
・プエルトリコ:疑い患者は3,723(643※)人、確定患者は993(215※)人です。19(17※)人が輸入
例です。
・サン・バルテルミー(セント・バーソロミュー)島:疑い患者は860(730※)人で、確定患者は
142(135※)人です。
・サン・マルタン島(フランス領):疑い患者は3,860(3,660※)人で、確定患者は793(793※)人です。
死亡者は3(3※)人です。
・ベネズエラ:確定患者は82(9※)人です。輸入例が70(48※)人です。
・アンギラ:確定患者は38(33※)人です。輸入例が2人です。
・アンティグア・バーブーダ:確定患者は4(4※)人です。
・アルバ:確定患者が4(4※)人、輸入例が12(12※)人です。
・バハマ:確定患者が13人、輸入例が4(6※)人です。
・バルバドス:疑い患者は67人、確定患者は7(1※)人、輸入例は6(6※)人です。
・ケイマン諸島:確定患者は1(1※)人、輸入例は3(3※)人です。
・キュラソー:確定患者は14人、輸入例は7人です。
・ドミニカ国:疑い患者は3,559(3,559※)人で、確定患者は141(141※)人です。
・グレナダ:確定患者は5(5※)人です。
・ガイアナ:確定患者は16(16※)人です。
・ジャマイカ:確定患者は6人、輸入例は2(1※)人です。
・セントクリストファー・ネイビス:疑い患者は31(31※)人で、確定患者は28(28※)人です。
・セントルシア:疑い患者は214(214※)人、確定患者は30(30※)人です。
・セントビンセント・グレナディーン諸島:疑い患者は329(329※)人で、確定患者は67(67※)人で
す。
・サン・マルタン島(オランダ領):確定患者は123(123※)人です。
・スリナム:確定患者は24(13※)人で、輸入例は5(4※)人です。(地域内感染が確認されたケース
の中に、渡航歴不明の1人が含まれています)
・トリニーダード・トバゴ:確定患者は2人、輸入例は3(3※)人です。
・タークス・カイコス諸島:確定患者は10(10※)人、輸入例は7(7※)人です。
・英領ヴァージン諸島:確定患者は20(20※)人です。
・米領ヴァージン諸島:疑い患者は214人で、確定患者は25人(2※)人、輸入例は2(2※)人です。

また、チクングニア熱の輸入例が発生しており、カナダ8人、メキシコ1(1※)人、ニカラグア2(2※)人、キューバ13(11※)人、ボリビア3(3※)人、コロンビア1(1※)人、ペルー3(3※)人、アルゼンチン1人、ブラジル11(11※)人、チリ2(2※)人、パラグアイ1(1※)人がそれぞれ報告されています。

カリブ海諸国に渡航、滞在される方は、今後の情報に注意していただくとともに、蚊に刺されないよう対策をとってください。

蚊に刺されないための対策

●可能な限り、しっかりと網戸がとりつけられているか、エアコンが備わっている、または、蚊をしっかりと駆除しているホテルやリゾートに滞在してください。蚊取り線香も有効です。

●長袖のシャツ、ズボンを着て、できるだけ皮膚の露出部を少なくするようにしてください。

●流行地域では屋外にでかける場合や網戸が備わっていない建物にいる場合には、ディート(DEET)などの有効成分が含まれている虫よけ剤を、皮膚の露出部につけてください。使用する場合には、必ず添付文書に記載されている使用法を守ってください。日焼け止めを使う場合は、先に日焼け止めをつけてから、虫よけ剤を使用してください。

●子ども、とくに乳児への虫よけ剤の使用については、小児科医にご相談ください。虫よけ剤が使用できない場合、ベビーカーにぴったりと合う蚊帳でベビーカーをおおってください。

心配な場合には早めの受診を

●海外で発熱などの症状が出たら、できる限り早く医療機関を受診してください。

●また、ご帰国の際に、発熱や心配な症状のある方は検疫所の担当者にご相談ください。帰国後に発症した場合や、症状が改善しない場合は、お近くの医療機関または検疫所にご相談ください。

●医療機関を受診する時には、医師に、渡航先や渡航期間、渡航先での活動などについて、詳しく伝えてください。

◆感染症情報:チクングニア熱

出典

PAHO
Number of Reported Cases of Chikungunya Fever in the Americas,by Country or Territory2013-2014(to week noted), Epidemiological Week/EW34 (update 22 August 2014 )
http://www.paho.org/hq/index.php?option=com_topics&view=rdmore&tt=PAHO%2FWHO+Data%2C+Maps+and+Statistics&id=5927&tp=&Itemid=40931&lang=en